前にも書いたかもしれないが、夜中に仕事を
していると、テレビなんて見なくなる。つま
り、それがどういうことかというと、世俗か
らは離れた生活をある意味、余儀無くされる。
ニュースはネットか、帰りにチラッと見かけ
る新聞の一面だったりするから、情報は普通
の生活をしている人より枯渇している。
だからというわけでもないが、W杯には正直い
って興味もなかった。辛うじて、僕の好きな
ハイロウズが、今回紹介する『いかすぜOK』
を小野の出演するCMのテーマ曲として使われ
るということで、「ああ、今年はW杯の年なん
だね」ということを確認する程度であった。

こうして開幕したW杯、6/4の日本VSベルギー
戦で早くも夜仕事の悲しさに触れてしまった。
まるっきり興味のないのも何なので、テレビ
で少し日本VSベルギー戦を見ていた。そして、
その瞬間は程なくしてやってきた。「あっ、
もうこんな時間。仕事いかなくちゃ」前半30
分のことだった。ただ、どうしても気になっ
て小型ラジオ持参で通勤してしまった。仕事
場に着く頃には双方、2点ずつ入れていた。
そして出た結果は引き分け。初勝利というお
楽しみは持ち越しとなった。「こりゃ、ロシ
ア戦は大変な事になるぞ・・」そんな客観的
な感想とは裏腹に、僕自身もW杯の虜になって
いた。

ちなみに、僕の仕事場は横浜の関内、まぁス
タジアムから近いといえば近い距離になるの
かな？ロシア戦当日、仕事明けに町中を所用
でブラブラしていたのだが、まぁ至る所にジ
ャパン・ブルーの服を着た人、人、人！！皆、
尋常じゃないテンションで街を闊歩していた。
変な話、僕が日本代表でこんな尋常じゃない
姿を見たら、とんでもないプレッシャーに押
しつぶされてしまうだろう。
とにかく、そんな異常な雰囲気の関内を後に
して、僕はテレビで観戦する事にした。

PM8:00放送スタート、関係ないが中井美穂は
年とったなぁ。ジョン・カビラはきっと悪意
はないのだが、（むしろ良質なファンなのだ
ろうが）なんか無理に煽っているような感を
受けた。久しぶりにテレビを見ると色々、発
見も多い。
まぁ、テレビを見ていた人の７割近くの人が
この試合を観ていたそうなので、内容は割愛
させて頂くとしよう。とにかく、日本はロシ
アに勝ち、歴史的なW杯初勝利を飾った。そし
て、この日のMVP稲本は確かに画面狭しの大活
躍を見せていた。のち、１４日チュニジアを
倒し、決勝トーナメントへ進出。あれだけの
批判を受けていた白い呪術師・トルシエ監督
は一気に国民栄誉賞！？ものの英雄になった。

そして先日、トルコに惜敗して日本のW杯は終
わった。一気に日本の活躍を書き上げたのは、
知っての通り、この雑文がうちのCDについて
だと言う事を思い出したからだ（笑）という
ことで、『いかすぜOK』に戻ろう。
この歌を通して、ハイロウズが伝えたい事は
一つ、一心不乱の素晴らしさである。確かに
世の中、広い視野で物事を見つめる事は大事
な事だ。そうでもしないと、いい大人は暮ら
してなんていけない。自然に身についた生活
のサヴァイブの方法だ。でも、時にはその視
野を一つの事に凝縮して、突き進んでもいい
だろ？という問いかけである。そんな一心不
乱は人の動脈の動きを速め、

「ドキドキしてる、ドカドカしてる、ポカポカしている」

と日本代表の選手にそして各地、色々なとこ
ろで観戦している日本人に訴える。そんな気
持ちが一つになった瞬間を「いかすぜOK」と
いう、少しダサイけど、ごくごくシンプルな
カッコイイ言葉で表現するハイロウズがカッ
コイイ。そんな彼らだから、きっと結果なん
て二の次だったのだろう。だってサビは、

「最後の最後の最後の最後は、きっと笑っちゃう」

ってシメてるんだもん。最初から分かってい
たんだよ。こうなることが。日本中が一心不
乱に一つの出来事を見つめ、感動する事が。
きっとこの事は後生、語り継がれていくだろ
う。あの時、日本は本当に一つだった。戦争
じゃなくても、大災害じゃなくても、純粋に
人は一つになれる。そんな事をたったワンフ
レーズで表現するこのバンドは、やっぱり凄
い。そして、この後、５分以上に渡るダブな
ミックスに突入する。ひたすら流れる「汗び
っしょり」のフレーズ。そうそう、日本がロ
シアに勝ったときの気分はこんな感じだった
よね。フワフワしちゃって。なんか手に汗か
いて、それでいて浮き足立っちゃって。

きっと思い出すはずだよね。