(42) 「もったくさ」専◆◆aiko--夏服◆◆ |
投稿者:nabes
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う〜ん・・正直にいうと、凄く弱い顔 なのだ。北海道の方の方言では「もっ たくさい」顔らしい。まぁ北海道とい っても広いので全部が全部、そういう わけではないだろうが。とにかくスタ ーとしてのオーラを全く感じさせない 顔である(ファンの人には失礼な話だ が)。絶対電車の向い側に座っていそ うだし、コンビニで立ち読みしてそう だ。でも、このaikoというミュージシ ャンには優れたソング・ライティング そして、日常の男女の恋愛における狂 気を事も無げに、あっさり書ける能力 を持っている。
aikoの凄い所は、シンガーソングライ ターならではのピアノでありギターで ある主となる曲の旋律を何で作ってい るのか、」わかりにくいとこにある。 つまり、バンドサウンドとして完成さ れている点に尽きる。なのでクレジッ トを見て、作詞作曲がaikoである事に 驚きを感じる。もちろん、そういうの はアレンジャーであり、周りのスタッ フの手によるところが大きいのだろう けど、それにしても凄い。
それだけ、バンドサウンドとして一体 感を産み出しているというのに、aiko の歌はいつも独りだ。「何ぬかしてん じゃ、恋についてわたしと『あなた』 について歌っているじゃね〜か」そう いう気持ちもわかる。でも、よく聴い てほしい、確かに歌っているのは恋す る『あなた』との事だが、基本的には 独り言である。aiko自身(というか、 その歌の主人公)が頭の中で考えてい ることである。
確かに女の子に限らず男子も、そうい う事って考えてる、恋してる時はいつ も。時には態度にして、声に出して。 ならば、なぜaikoは声に出さないのだ ろうか?そんな事、声に態度に出さな くても確信としてわかるのか?いや、 大抵は確信としての独白というのが歌 になるし、そういう歌は強く人を勇気 づける。がしかし、aikoの歌の中の女 の子はみんな、そんな事に確信が持て ない、要するにどんなに幸せだろうが そんな『あなた』との間でもその娘は 独りなのである。
別に主人公を気取るわけでなく、ただ 客観的にその二人を見つめ、照らし出 される前の希望をただただ語っている。 それだけである。その中の葛藤が相手 に、自分に時に残酷であり、時に優し く奮い立たせる。光の見つかる前の薄 い闇を歌うので、聴く人によってはも しかしたら好きじゃないかもしれない が、そんな人は大抵、自分も同じ闇の 中を模索してる人だろう。「恋愛」と いう、華やかなようで深い闇の中を。
そんな歌をaikoが歌う。どこにでもい るような顔の彼女が歌う。僕がスタッ フなら少しでも光を照らし出したくな る。その希望を叶うんだよって手をと りあった、アレンジをしてあげたい。 彼女の曲がバンド・サウンドとして見 事な一体感を見せているのは、そうい う理由ではないか?と勝手に思ってい る。なんだ、スタッフの人も「もった くさ」専なんじゃん。
それでもaikoは恋愛の闇を簡単だけど 素直な日本語で歌う。だからaikoの歌 は夜に聴くと、凄い切ない。
例えばあなたの情けないくだらない所さえも愛してゆきたい 強い壊れそうにない今の気持ちあたしはサラリと歌いこなす 事も出来ます。 いい? (終わらない日々)
こんな事、心で思ってる事知ったら僕 はその娘をぎゅ〜っとしてしまうかも。 これが僕の思うとこのaikoの魅力なの かも。
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2002年03月05日 (火) 09時03分 |
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