さて、久しぶりです。もはや月刊、ないしは隔週
と化しているわけですが、音楽への情熱が冷めた
わけでも、書くことへの情熱が冷めたわけでもな
く、単に忙しくなってしまっただけで、このメル
マガを楽しみにしてくれている方々の事は忘れて
いるわけではありませんので、御安心を。でも、
そんな中で冷めつつあるものがひとつだけあると
するならば、ハロプロ系統でしょうか。モーニン
グ娘。の分離化、相次ぐ卒業とサイクルの早い展
開にそろそろついていけなくなっているのが現実
です。そして、そこに輪をかけるように去年辺り
から、あややこと松浦亜弥が停滞の一途を辿って
いるような気がしていました。

もちろん、舞台に出たり映画にも出たり新たなフ
ィールドを開拓している最中なのであろうことは、
わかるのだけれど、肝心の歌の部分でシングル出
しました→そこそこ売れました→３ヶ月後くらい
にまた出しましたの安定期に入ってしまって、イ
マイチ届いて来なくなってしまいました。これは、
僕が夜働いているから尚更なのでしょうけど、少
なくとも僕が求めている松浦亜弥像は、そんなハ
ロプロ内のトップというお山の大将ではなく、全
国のトップ・オブ・アイドルなわけで、その資質
は勿論あるわけですから歯がゆい思いを昨今は持
っていました。

まぁ、それでも今年の元旦には恒例のニューアル
バム『×３』（トリプルと読む）もリリースされ
たので、買うことにしました。もし、ダメだとし
ても自分の中でケジメをつけておきたいという、
当落線上ギリギリの購入でした。
結果、どうだったか？季節も暖かくなった４月に
入ってからようやく初めて聞き出しました。これ
って、少しヤバいかも…確かにその他にも多々CD
を買ったので、その時の気分で聴く順番も変わっ
てくるわけだけど、それでもそんな優先順位にも
入ってなかったわけで、やはり、自分の中の松浦
亜弥幻想は音を立てて崩れ落ちていたのだろうか。

以前の絶頂期のアルバムに比べて思うのは切ない
詞の楽曲が増えたなぁということ。やはり一心不
乱にのし上がることを目標に作られていた頃のお
人形さん然とした頃と違う松浦亜弥個人の感情が
見えかくれしているのかもしれない。それを察知
した曲づくりになっているとしたら、年に数十曲
も作っているにも関わらず、つんくはスゲーなぁ
と感心してしまう。
さて、今回のアルバムはそれ以外にもユーロ・ポ
ップ的なアプローチがされているわけだが、そん
な中で「おや？」と思うのが、９曲目に収録され
ている『YEAH!めっちゃホリディ』のリミックス。
こんな形で過去の（しかも彼女の中でも１、２を
争うビッグ・ヒッツ）楽曲を掘り起こすというこ
とはなかっただけに、この謎かけは何らかの意味
を持つと踏んでいるのだが、いかがなものだろう。

まぁ、しかしアルバムをトータルで聴くと、構成
は過去２枚と変わらないものなので、安心して聴
けるわけで。その中でアイドルにありがちなアル
バム収録の佳曲もキッチリ入っているわけで、さ
すがに抜け目ない。ちなみに、その曲に該当する
のは７曲目の『私と私と私』あたりだろうか。

「私と私と私です　正解なんてないのよ
　全部が私　でもだから　彼氏の前で
　かわいく微笑んでいる　あれも私」

「このままじゃいけないと感じたり
　このままがラッキーと思ってたり
　ひたむきに愛したいと感じたり
　ひたすらに朝寝坊していたい」
　　　　　　　　　　　　　　　　　（私と私と私）

人間・松浦亜弥とアイドル・松浦亜弥の間を駆け回
ることを選んでしまった彼女を不幸だとはいわない。
ため息が出るくらい忙しいとは思うのだが、それさ
えも『A HARD DAY'S NIGHT』なわけで。だとしたら、
体に無理しない程度に頑張ってほしいなと思うのも
また、彼女の見守り方といえよう。午後３時には紅
茶が飲めるくらいマイペースに頑張ってほしい。シ
ングルを追い回すことは今のところはないから、ま
た来年アルバムで会いましょう、というところなの
である。