(217) 今年も頑張った皆様へ◆◆小沢健二--刹那◆◆ |
投稿者:nabes
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それは、今年最後のサプライズといっていいだろ う。遅れてきたクリスマス・プレゼント、年末ジ ャンボより嬉しい大当たり、本当に小沢はいっつ も唐突である。まぁ、とにもかくにも『刹那』は 12/27という年末の慌ただしい季節に、遂に日の 目を見たわけだ。
しかしまぁ、変なタイミングといってしまえば、 変なタイミングである。たとえば、まだ買っては いないが、キック・ザ・カン・クルーのニュー・ アルバム『GOOD MUSIC』とかに代表されるように 1/1とリリース日を打ち出していても、入荷・発 売は年末の12/27辺りが暗黙の了解として浸透し ている(本当はそれって違法なんだろうけどね) んで、思うわけさ。だったら小沢の発売も1/1と かにすれば、今後の展開は置いておくとして、派 手に「小沢健二・復活!」と唱えるわけで。世間 にもっとアピールできるような気もするんだけど なぁ。と考えると、おそらくかなりのバタバタし た舞台裏が見えてくるわけである。
このメルマガを読んでいる方や、好きな方は勿論、 御存知の事と思うが、この『刹那』は以前からリ リースの噂は絶えなかったわけだ。そして、その 中で夏の終わり頃に満を持して発売という予定だ ったが、「アーティスト側の都合により」発売は 延期/中止となった。この時の思いは以前、書い たのでそちらを参照していただくとして、その項 で「お通夜」と銘打って僕は小沢の迷いや、トビ っきりの高揚感を書き連ねていった。そして、最 後に「この発売延期も刹那となるよう気長に待ち たい」という文章で締めくくった。本当に一瞬の 出来事じゃねーか。ロマンもクソもねえ。
でも、そんなリアリズムやニヒルな感じもよく考 えてみたら小沢の真骨頂かも。『それはちょっと』 や『ウキウキ通り』などの身も蓋もない現実主義 と夢想主義の狭間で聴き手をヤキモキさせてこそ、 小沢健二だと考えると、舞台裏のドタバタも一瞬 の延期も、全ては「OKよ!」となってしまうわ けだろう。 ただ、収録曲があまりにも少ないのはなんだろう。 『戦場のボーイズライフ』や『恋しくて』や『BU DDY』とかが入っていない。これは『刹那』の続 編があるということなのか?全9曲、もちろん捨 て曲はないものの、満腹感には程遠い。小出しに していって、潜伏期間を長引かす方針なのだろう か?まぁ、こんな謎ときも彼に関しては楽しみの 一つなのかもしれない。なら、それはそれでその 罠に敢えてひっかかってみるのも一興かもしれな い。
しかし、なんだな。今年も色々な音楽を聴いてい った。その中で聴かなくなるのも増えて、自分の 幅もまた広がったり狭くなったりして、いい音楽 性活を送らせてもらった。ベテランの復活や新人 の台頭など、なかなか面白い1年だったのかも。 その中で忙しさにかまけて、このメルマガも遅筆 になっていく一方だったが、皆様を良い1年を過 ごしたでしょうか?今年、上がった人も下がった 人も小沢を知っている人も、そして知らない人も 『刹那』を聴いて少しでも自分を癒してあげてく ださい。彼の作品は一方的な高揚感だけじゃなく、 ほんのり甘い時間が過ごせるロイヤル・ミルクテ ィーみたいな温かさに溢れています。
来年もよろしくお願いします。良いお年を。
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2003年12月30日 (火) 16時45分 |
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