(213) ドカドカうるさいR&Rライブ◆◆奥田民生--LIVE SONGS OF THE YEARS/CD◆◆ |
投稿者:nabes
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奥田民生のライブは、随分前に観にいった覚えが ある。場所は武道館だったかな。ゆったりと、始 まり緩急のついたステージングは、もはや匠の域 に達しているといっても過言ではなかった。だか らこそ、夏のフェスなんかにもお呼ばれするわけ だし、フェスで繰り広げるライブには一見さんに も安心して聴くことのできる信頼感がある。だか らこそ、たまに行う『ひとり股旅』のようなアコ ースティック・ライブも遊び心が満載だし、O.P. KINGのような別動ユニットの中に組み込まれても 違和感なく、さりげないながらも心憎い自己主張 が見えかくれしちゃっている。やっぱ、民生は生 まれながらのライブ・ミュージシャンなのだろう。
そんな彼にとって、待望といっていいだろうライ ブ盤が2枚組のボリュームでリリースされた。全 32曲、帯にもあるようにまさに満タン!である。 トータルタイムも2時間28分、もはや映画なみ である。同時に曲目の違うDVDも出されたので同時 に買おうと思ったが、予算の都合上、まずはCDか ら買ってみた。まぁ、とはいえ奥田民生がソロに なってからの作品は全て持っているので、実のと ころそこまでして欲しいものではなかったという のも本音としてある。ベスト盤とかは、特にそう だけど好きなアーティストというのは大概、全作 品揃えているわけで、ベストと謳われても食指を 注がれることってあまりない。そこに何らかの特 典(新曲/未発表曲/リミックス)がないとやっ ぱ、買う方としてはお得感に乏しくなってしまう のは、果たして贅沢であろうか?
まぁ、その辺このCDは基本的にはライブであると いう点と、もともとPUFFYに提供した楽曲のオリ ジナル・カヴァーが収録されているのが、とても 嬉しい。特にDISC2の『海へと』が収録されてい たのが、今回このCDを買うことの最大の特典であ るといっても差し支えない。何故かって?僕のカ ラオケの十八番だからなんだけど(苦笑)しかも、 民生流に歌うことが自分の歌い方なので、初収録 されたこの音源を聴くのは、とても嬉しかった。 まぁ、ゆうてもPUFFYのカヴァーもあんまり、変 わらないんだけど、どうしてあのグループ特有の 朗らかさが前提となっているので、イマイチ、パ ンチにかけるわけだが、この民生バージョンは、 もうパンチパンチまたパンチ怒濤のラッシュであ る。ロックンロールの基本的なリフと、血管が切 れてしまいそうな民生の歌唱法(まぁ、もともと 女の子に作っているのでキーが少し高いんだろう ね)は、人が海を求める気持ちを、海の持つ不思 議なエネルギーを素っ裸で駆け回る迫力があり、 ステージの温度を確実に3℃はあげてしまう。も ちろん、彼のキャリアの中で数多く歌われたヒッ ト・ナンバーも新たな命を吹き込まれたかのよう にドカドカ演奏されて、何度もいうようだが、や はり民生の真骨頂はライブにありと断言できる貫 禄の出来であるといってもいいだろう。
このCDは、おそらく民生の第1期総決算であるみ たいな書かれ方をしてたけど、果たしてどうだろ う。この人はこのままだろうと思う。それが彼と このライブを観てきた人とに築かれた信頼関係で あり、おそらく何も変わらないんじゃないだろう か。だって、このライブを聴けばわかるじゃない か。民生がこのスタイルに飽きているようには思 えないし、抑揚のある、それでいて延々と続くロ ード・ムービーのようなギターのリフ、これは民 生にしか出来ないスタイルだろう。これからも奥 田民生はドカドカうるさいロックンローラーとし て生きていく。それが新たな土地で新たな信頼を 得て、また新しい楽曲に新たな命を吹き込んでい く。これが、民生の生きる道である。これから、 きっといい感じ、彼の作った歌の一節でこの文章 を締めさせて頂くとしよう。
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2003年11月14日 (金) 16時33分 |
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