(201) じゃじゃ馬、グローイング・アップ!◆◆DANNII MINOGUE--NEON NIGHTS◆◆ |
投稿者:nabes
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皆さんは、ダニー・ミノーグという女性を御存知 でしょうか?御存知、カイリー・ミノーグの妹だ そうです。現在、再びガッツリとポップ・ダンス の象徴として惨然と輝くカイリーに妹がいたとは つい、この間まで知りませんでした。まぁ、それ もそのはずでしょう。この度、ダニーはアルバム 『NEON NIGHTS』をリリースしたのですが、何と 6年ぶりのリリースだったそうです。
正直なハナシ、顔はカイリーの方が好きかもしれ ませんね。純粋に可愛く、その可愛さというのは 年齢など問題にならないことを悟らせてくれます。 そこいくとダニーの方は何ていえばいいのかな。 確かにカイリーの面影は残しているんだけど、ど ことなくヤンチャな匂いを漂わせます。まぁ、可 愛がられた姉、奔放に育てられた妹。この構図と いうのは、全世界共通のものといえるのかもしれ ませんね。
その甲斐あって(?)ダニー・ミノーグの『NEON NIGHTS』は姉、カイリーに限り無く近いダンス・ ミュージックながらちょっと、悪い匂いもするの が特徴です。例えば姉の『FEVER』は無機質でそ れこそカイリー・ミノーグという偶像を徹底して 演じている姿、それが何とも潔い感じがするので すが、この作品に表れるのは比較的日常的な夜の ダンス・シーンというものがイメージとして涌い てくるような、そんな気にもなります。
きっと、彼女の6年間の空白、それが関係してい るかもしれませんね。6歳からショービズの世界 に入ったダニーは、かなり疲労していたとライナ ーにて述懐しています。自分を取り戻すための時 間をそこの空白の6年で満喫したようです。レー スを観たり、料理をしたり、ダンスのレッスンに 日々を費やしたり。なるほど、そんな6年に及ぶ 溜めが、この復帰作にて解放したとしたら、そこ に流れるダンス・ミュージックは自由であらゆる 呪縛から解き放たれたまっさらなアルバムなので しょう。
聴き触りとしては、マドンナの『RAY OF LIGHT』 の感覚を覚えます。ダニー的には最新鋭のダンス ・ミュージックをラインナップしたのでしょうが、 僕が感じたのは、ちょっとした懐かしい感じも受 けました。それはDEAD OR ALIVEの曲をカヴァー したり、マドンナの『INTO THE GROOVE』にイン スパイアされて作った『DON'T WANNA LOSE THIS GROOVE』なんて曲もあるし、何て言おうかダンス ・ミュージック黎明期の感覚に近い気がします。 後年、ダンス・シーンはより無機質になって、ク ールなニュアンスを漂わせている一方90年代初 頭の肉体的なビート、これもまたダンスの本質を 捉えていて、カイリーやマドンナとあくまで一線 を引いている感がするのは、決して彼女らへの宣 戦布告といってもいいかもしれませんね。
でも、ダニーにとっては、そんな邪推もどこ吹く 風、今後も自由にショービズの世界を飛び回って くれるでしょう。休んだ事により自分を取り戻す、 そんな術を覚えた彼女にとって、またある日突然 、羽を休める日が来るかもしれません。それによ り、新たな自分を開発し、こんなにクールなダン ス・ミュージックを作ってくれるのなら、待たせ たこともノープロブレム、屈託のない表情で「ご め〜ん、待った」なんてのたまってくれるんでし ょう。それもまた奔放な妹のじゃじゃ馬的特権と して、僕はついついニンマリしてしまうかもしれ ません。でも、次の作品も待たされたとして、僕 の頭の中には妖精カイリー・ミノーグの妹、ダニ ー・ミノーグの名前は既にインプットされたわけ ですから、無意識にショップで見かける日が必ず くるでしょう。その時、このじゃじゃ馬は、どん なビートを奏でてくれるのか、非常に楽しみにな ってしまうわけなのです。
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2003年09月01日 (月) 14時06分 |
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