今週は特に天気が悪い。きっと行楽地なんかはゴール
デン・ウィークが終わって一段落という意味では、ち
ょっとした恵みの雨かもしれないが、儲かってナンボ
な訳だから、そうもいってられないんだろうな。
僕も客商売を生業にしている以上、この雨の影響でイ
マイチ客入りの方に影響を少なから感じる。こういう
時こそ、次の一手というか、戦略をじっくりと考えな
くてはならないのかもしれない。とはいっても、そう
いうアイデアなんてのは、じっくり考えるよりも、ち
ょっとした雑談やテレビや雑誌などの軽いタッチの記
事から波及していくものである。ということで、今日
も空いた時間にするのは、音楽を聴くこと、本を読む
こと、ゲームでもすること、飯を食うこと、そんな何
気ない生活を過ごすのが一番だ。

今週はゴールデン・ウィークも休まず営業していたた
め、水曜日まで休みだったが、そんな事を考慮して徹
底的に何もしなかった。正直、終わるころには一抹の
後悔も覚えたが、まぁ、それも仕方がない。自分が望
んだことなのだから、それはそれで休みを満喫したと
いってよいかもしれない。というわけで、割と自分の
中ではリフレッシュした感がある。この休み中は前回、
書いたマリリン・マンソンがヘビー・ローテーション
で流れてた。休み中、ダラダラしているのだったら、
せめて頭の中、というか想像力ハードにしておこうと
いう流れだったのかもしれない。そうなると、仕事が
再開した今は、逆にプライベートな時間は、しっとり
と時を過ごしたい。ひさしぶりにスガシカオの『FAMI
LY』なんかはどうだろう。結構、良さげな感じがする。

今でこそ、ヒット・メーカーとしての位置を確立した
スガシカオであるが、基本路線は殆ど変わっていない。
この2ndアルバムは、そんな彼の現在のキャリアの中
でも屈指の日本語ファンクの決定盤といえよう。彼の
凄いところは外国のファンク特有のイヤらしさといお
うか、Ｈな部分の踏襲している点につきようか。とに
かくイヤらしい。しかし、ただイヤらしいだけじゃな
いのもスガの音楽の特徴で、そこにニヒルな笑いや暖
炉のような暖かみに溢れていて、イヤらしさと対照の
スピリチュアルな世界観を時に前面に、そして時に行
間にそっと隠してあるのがよくわかる。

きっと、スガシカオって頭がいいんだろうなぁという
事を音を聴いてると、よく感じることがある。盟友、
山崎まさよしが自分の直感に正直に行動する感覚派な
らば、完全な理論派の類いであろう。どの作品を聴い
てもしっかり作り込まれているのがよくわかるから、
僕からしたら、外れのない良質な作品を常時産み出し
ていっている。前述の山崎まさよしのような感覚派と
いうのは人間社会において、実は少ない。当たり前の
話だが、その感覚が正しくなければ、その存在はただ
のいい加減な人に終わってしまうから、当たってこそ
の感覚派ということになる。スガシカオはその他大多
数の理論派の代表として、じっくり考え試行錯誤をく
り返し、何もそこまで、というほど推敲をしていき、
上質のポップスを量産してきた。このアルバムの中に
収録されている、『ストーリー』は彼の性格をある意
味客観的に捉え、そしてそれを大衆向けの日本語ファ
ンクとして成立させた、金字塔のような作品といって
よい。

「安全と冒険で君はどっちへ行く？
　退屈と充実で君はどっちをとる？
　そんなに簡単に　選べるくらいなら
　なんの迷いもなく　幸せになれるか…」
　　　　　　　　　　　　　　　　（ストーリー）

結局、この作品でしっとりとプライベートを楽しむつ
もりが、色々考えてしまった感がある。ということは、
この作品を今、聴いてしまったのは失敗だったのか？
いや、それは違う。僕のような人間はじっくり考え、
時に失敗したりして、色々仕掛けていかないといかな
いという意味では連休中のマリリン・マンソンとは別
の観点から、想像力を豊かにしていくことを実感した。
でも…

「あと少し頑張ってみるよ、、どうもなんないと思うけど
　きっと明日いいことあるよ。。本当にあったらいいけど、いいけど」
　　　　　　　　　　　　　　　　（ひとりごと）

色々考えていくのは、メチャ体力がいる。スガも僕と
一緒のようで、基本的には怠け者なのかもしれない。
色々考えていくには、体力がいる。とにかく、体力を
つけるために、僕のような怠け者はキッチリ休むに限
るという禅問答のようなオチでこの雑文を終わろうと
思う。