いや〜、しかし笑いも笑ったり。何がって？決ま
ってるじゃないですか。今回のテーマであるGAI
JIN A GO-GOの『HAPPY-55-LUCKY』ですよ。つい
にここまできたか、外国人の日本語による楽曲の
決定盤です。まぁ、これまで外国人が日本語で歌
う曲というのは、山ほどありました。がしかし、
まぁ言ってしまえば、カタコトの域を出ないし、
違和感というものは拭えない感がありました。き
っと、本人は大真面目なわけだし、とっても日本
が好きなのかなという気概は感じられるのですが、
うーん、、と聴いてるこちら側としては頭を抱え
そうなものが多いのが現実でした。（ちなみに、
そんな中で最近耳にした、セリーヌ・ディオンの
『BE THE MAN(JAPANESE VERSION)』は例外です。
何せ、日本語の発音がほぼ、完璧！）

そんな例外のセリーヌは置いといても、せいぜい
１曲限定のスペシャルな感じというのが通例の中、
このGAIJIN A GO-GOというバンドはバンド名から
そして曲名、歌詞に至るまで日本語のエッセンス
を効果的に取り入れて、見事なまでに怪しさとス
トレンジなポップスを成立させています。僕はこ
の雑文を書いているときに気を付けているのは、
「これを聴け！」と勧めてはいけないということ
を気を付けながら書いています。というのは、あ
くまでこの雑文は僕の生活の中でたゆたう音楽に
対する愛情を綴っているだけなので、見ている方
にはあくまで、僕はこんな音楽を聴きながら日々
を過ごしています、という自己完結を見て頂いて
いるだけと思っています。その中で興味を抱かれ
たものに関しては、レンタルなり購入なりという
形で皆さんが聴いて頂くのは、それはそれで嬉し
いものですが、それは皆さんの興味と懐に委ねて
います。そんな前提を無視して、あえて言うと、
聴いた方がいいですよ。

曲調はゴーゴーをベースにした、ラウンジ・ポッ
プで、前述したように曲名や歌詞の大体が日本語
で歌われているのが最大の特徴。チープなエレク
トーンやヘコヘコしたムーグの音が外国人が日本
語を歌うという奇異な感じを増幅して、和みな部
分とアッパーな曲調がほどよーく、ブレンドされ
ています。そして、出てくる歌詞は「スケベ、ベ
イベー」だ、「テンプラ、メンタル」だという意
味を問う事こそナンセンスなものから、「朝まで
ゴーゴー、二人でゴーゴー、浮気なゴーゴー、夢
見るゴーゴー」や「人は愛するために、人は愛に
生きる」という意味のあるもの（？）まで、まぁ
ジックリ聴くのもいいが、どうせなら腰でも振っ
て踊っていようやというお気楽ナンバーで占めら
れている。

ちなみに、このモンド感を一聴して最初に思った
のは「渋谷系再来の予兆か！？」ということ。僕
がCDを買い始めた渋谷の外資系CD屋さんを中心と
した、スペーシーでハッピーでキャッチーな空間
を感じて、ひとり小躍りしてしまったが、よくよ
く考えてみたら映画『オースティン・パワーズ』
シリーズや、アニメ『スーパーミルクちゃん』な
どに通じる進化系と懐古のクロスオーバーなんで
しょう。まだ８０年代ブームも盛り上がっている
わけだし時期尚早でしょうかね、でもあと少し時
が経ち９０年代再考の文化に達したとき、絶対カ
ルト系のバンドとして、脚光を浴びることになる
でしょう。そう考えると売れるのもありがたいけ
ど、細々と活動しててもらうのが、一番こういう
類のバンドにとっては幸せなのかも。そうなると、
聴いた方がいいと言っておきながら、細々と活動
しろとか、どっちやねん！とツッコミを受けそう
ですが、そんなファジー（死語）なところも、こ
のバンドの特徴なんでしょう。僕はこの先もきっ
と、音楽を聴いて生活していくでしょうから、こ
のバンドの名前と音は覚えておくつもりです。あ
とは皆さんの第六感にかかっています。t.A.T.uな
んかと同じように、２００３年に産まれた偉大な
る一発屋！？GAIJIN A GO-GOはとりあえず僕のア
ンテナに見事に引っ掛かってしまいましたとさ。