あ〜、カメラ付き携帯が欲しい。今僕が使って
いるのはDOCOMOのSO210i。もう１年以上使って
いて、使い勝手もわかった気心しれてる携帯な
ので、何が悪い訳でもないのだが、画像が粗い
というのが、カメラ付きの方から画像をもらっ
た際に困る点である。何も加工してないのに影
が目立つというか（苦笑）、周りの人のハッキ
リクッキリした画像を見るにつけ羨望の眼差し
を送ってしまう。

かといって、それでも今まで集めた画像とかが
消去されてしまうのも、ちょっとカメラ付きに
踏み切れない理由の一つである。年甲斐もなく
というと、アレだが待ち受け画面には何か妙な
こだわりを見せてしまう。音楽と一緒でその日
その日の気分で待ち受けを変えるタチなので、
それらが消されてしまうのは何か心残りがする。
僕が持っているのは大概は画質に関係のないブ
ランド・ロゴだったり、アーティスト・ロゴだ
ったりするのだが、たまたま知人から送られて
きたサイトに洋楽アーティストの画像があって、
その中にJIMI HENDRIX（以下ジミヘン）が沢山
あったので、それらを見ると僕のヘッポコ携帯
でもまぁ、見れる感じだったので沢山ダウンロ
ードしてきた。

ジミヘンは顔が好きである。いかにもウッドス
トックなどヒッピー・ムーブメントの産物のよ
うな退廃感とそのギタープレイに表されるブル
ース独特の暖かみと優しさがうまく中和されて
いて、若くして亡くなったわけだが、そこには
重厚感というかある種の高級感がある。ある意
味、彼の顔自体がロック界のブランドであると
いってもいいかもしれない。そんな彼のCDはテ
ープに落してあるものなら一杯あるのだが、意
外にもCD本体となると『モンタレー・ポップ・
フェスティバル・ライヴ』の１枚しかない。が
しかし、ある意味この１枚で十分な気もする。
ライナーを読むと、この時ジミヘンは若干２１
歳だったという。出演にはジャニス・ジョプリ
ン、サイモン＆ガーファンクル、オーティス・
レディング、フー、グレイトフル・デッドなど
など、そして出演はしてないが実行委員として
ポール・マッカートニーやミック・ジャガー、
ブライアン・ウィルソンなどが支援。もう昨今
のフェスとは比べ物にならないくらいの豪華な
布陣で１９６７年６月に開催された。そして、
ライナーを読んで初めて知ったのだけど、ポー
ルの熱い推薦でジミヘンの出演が決定したとい
うのを聴いて、やはり一流は一流を知るという
か、ポールの先見の明というものに舌を巻いた。

演奏はロック・ファンなら誰でも知っているス
テージ上でギターを燃やすという伝説的なステ
ージで知られているが、それに至までの瑞々し
いばかりに弾けるギタープレイは怪我するくら
いに尖っている。ジミヘンがジミヘンたる所以
は、そのギタープレイ一つで「あ、ジミヘンの
音」っていうのがすぐわかる点。その他の音源
を聴くと色々なカヴァーもしているのだが、ど
れもジミヘンなのだ。あたかも彼の曲のように、
エキセントリックにブルージーに。そして、タ
メにタメたそのヴォーカル・スタイルは現代の
ブレイクビーツにも繋がっているような気がす
る、私見だがケミカル・ブラザーズが好きな人
って、きっとジミヘンも好きだと思うのだが、
もし未聴の方は試しにどうぞ。あと、その多面
性はプライマル・スクリームにも受け継がれて
いると思う（特にヴォーカルのボビーはそのカ
リスマ性も持ち合わせている）

話は反れたが、たったの３０分強。ブライアン
・ジョーンズのシンプルな紹介から始まり燃え
るギターのノイズで終わるこのアルバムは、ラ
イブ盤と呼ばれるものでも臨場感やその場の異
様な程の雰囲気、それらを完全網羅した名盤で
ある。ホントこの人、今でも生きてたら現在の
デジタルな世の中にどういうアクションを起こ
していたんだろう。でも、そんな事は考えるの
も野暮だろう。どんなにデジタルな世の中でも
彼の生きたエレキ・ギターの音はいつまでも生
き続ける。そして、彼の顔を待ち受けで見る度
にジミヘンを聴きたくなってしまう僕がいる。
なにげに僕の中では十本の指に入るロック・ヒ
ーローなんである。