(104) THE NEW STANDARD◆◆RIP SLYME--TOKYO CLASSIC◆◆ |
投稿者:nabes
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あ〜ん、久しぶりに『ONE』を聴いちゃったよぉ。 以前も書いたけど、オザケンが『LIFE』で1枚分 をかけた愛しさと切なさと心強さをわずか1曲に 濃縮還元させた素晴らしい名曲、楽しくて儚い人 生のテーマ曲がこのアルバムに収録されていたの で、聴かざるを得なかったのだが、やっぱいつ聴 いても胸をギューッと締め付けられる。 前作『FIVE』から1年ちょい、前述の『ONE』、 『FUNKASTIC』、そしての夏の新定番『楽園ベイ ベー』を盛り込んだアルバム『TOKYO CLASSIC』 は、夏の開放感をも軽々と超えて、季節関係無し のハッピーな作品に仕上がっている。
ところで、自分にとって今年の夏を総括すると、 色々あったなぁとシミジミする。海にも3回行っ たから真っ黒に焼けたし、花火も見た。そしてフ ェスも行った。ここ何年間か、夏だったのに何も 出来なかったなぁ、という悔恨の思いに復讐する ように、今年の夏は色々動き回ったような気がす る。そう、今年の夏は紛れもなく充実したと言え る。
そんな自分の夏の景気づけとして、『TOKYO CLAS SIC』はとても重宝した。勢いと楽曲のクオリティ の高さが同じ上向きを向いて、遊び心もあり、最 高のパーティアルバムとして、そしてリップは、 最高のパーティグループとして、僕の「心のベス トテン」第1位に長い事、君臨し続けた。 全てが僕の好みである、ハッキリ言って。流れる ようなリリック。ファンキーなリズム。シリアス だけど重くない部分も、言い付けられてる感じが しなくてグー。とにかく「ええやん、ええやん」 みたいな楽しさが、キラキラしながら雪のように 舞い落ちる感じ。完璧主義でもなさそうなのに、 そのトータルバランスは完璧といってよい。踊り、 泣き、そして手を叩く。なんか様子がおかしくな りそうだ、マジで。
さて、こんなハッピーな感じで思い出すのは、ピ チカート・ファイブである。小西さんもハッピー の求道者として、僕にというか、色々な人にハッ ピーを与え続けた。そしてそれは、エンタテイメ ントとしても一流のものだった。がしかし、何か 足りないと今になって述懐すると、やはり女の子 のための感じだったのかもしれない。野宮真希の 洒落た感じが、明らかに非日常な雰囲気を携えて いて、リップと比べると0.5ゲーム差という感 じになる。男の子のためのハッピーは気持ち、下 品でもいい気がする。そこで電気グルーヴである。 石野卓球の女の子には理解できないかもしれない、 下品さがたまらなく好きだったりした。しかし、 彼らのビートは基本的にはテクノのというエレク トリックな音の波をミニマルな言葉が乗るという 意味では、これまた惜しい。そして、基本的には 大体の言葉に意味が大してない(笑)。勿論、全 部とは言わないけど。そしてそこが彼らの持ち味 だから、そんな不条理さも僕の中では全面的に肯 定だし、好きである。
リップはそんな、ピチカートの無条件なハッピー さ、そして電気の無条件な品の悪さ、不条理さを 心地よくミックスして、まろやかなクリーミィー な感じを出している。書いてて気が付いたが、岡 村靖幸という線もあるが何ぶん、リップに比べる と閉鎖的なような気もする(苦笑)。 進化したといわれるJ-POPの中にあって、先人達の エッセンス(まぁ、みんなまだ現役ですがね)を キッチリ把握して、壊す事無く混ぜ合わせる。そ したら、こんなに気持ちのいい音楽が生まれたの である。まるで飛行機の離陸のようなスコーン! とした抜けた清々しささえ覚えるといったもんで ある。さぁ、踊り、泣き、笑い、手を叩き、共に 生きよう、新たなスタンダードの誕生を祝いつつ。 そして、季節を超えて、楽しいイベントのお供に リップ・スライムは常備するべき、シャンパンの ような魔法の音楽なのだ。
それでは、栓を抜いてもらいましょう!
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2002年09月20日 (金) 14時42分 |
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