もう10年以上前、二人目の子供が1歳にもならない頃、家事の分担のことで喧嘩になり、「しし座は普通の奥さんがやっていることが出来ないのか、出て行け！」と言われました。夜、赤ん坊を抱いて車で家を出ました。
結婚に反対していたのに、暖かく許してくれた両親のところへもいけず、近くの公園のそばに車を停めて泣いていたら、パトカーが来て質問されて、別の場所に移動してもまた来て、結局アパートに戻るしかなくなりました。互いに謝り、収まりました。
元夫が就職し、流産を経験し、二人目を産んでフルタイムの仕事を続ける気力がなくなって辞めた直後です。自分がいたらなかった、もう喧嘩はしないよう努力しようと思いました。何も手伝ってくれなくても、文句を言わないことにしました。何かもめたときは「後で私がやっておくから｣と先延ばしすることを覚えました。
離婚の話し合いのとき、「しし座は他の奥さんの出来ることが出来ない、甘ったれている」と同じことを言いました。「しし座ともっと喧嘩もしたかったけれど、心を開いてくれなかった｣とも言ったので、私があの夜の喧嘩の話をして「出て行けと言われたくなくて、喧嘩しないようにしていた｣と言ったら、モラは詰まっていました。
「普通の奥さんて誰？あなたは普通のだんなさんだったの？」と聞き返したかったけれど、もう決意は決まっていたので言いませんでした。そんなこと、どうとでも言えることだから。一つずつ誰かの奥さんと比べたら、完璧な人間でない限り、足りないところを見つけることはいくらでもできるから。
「あなたのお母さんのような立派な人にはなれません｣とだけ言いました。
あの夜の小さな喧嘩が私にとっては分かれ道だったと思います。私は劣等感を持ち続け、せめてこの人には自由にさせてあげようと考えました。好きなことが釣やパチンコや車でなく、学問だったから。そうしてモラを大きく育ててしまいました。
「家族が重荷だ｣と言ってみたり、｢仕事より家族といるのが好きだったんだ｣と言ってみたり、支離滅裂な「話合い」でした。選んだ愛人は子供はどうしても産みたいけど、一人では育てられない「普通の女｣（モラの言うには）でした。
どうせ私は普通じゃないので、３人の子供を抱えて何とか食べていくぐらいは稼いでます。
あー、すっきりした。バッサリ！