Pさん、私は経営はまるで素人です。いつも頭を悩ませていて、採算が合っているのかどうかすらよく分かっていない。なんとか食べていければいいと居直ってやっていますよ。毎月十万以上の予算で子どもの本は買いますが、いまだに事務員さんひとりも雇えない状態です。

みなさんは読解問題に悩んでいらっしゃるようですが、ほとんどの場合、悩むにあたいしない悪問の場合が多いのではないでしょうか。それもそのはず、本文の作者以外にその設問を作る進学塾ゃ学校の先生が影にいるわけで、その能力やセンスを逆に問いただした方が早いと、私などは思っているわけです。そんなものに悩むのは徒労というものです。そして、そんな問題に答えなければ入れない学校なら、こちらの方からお断りすべきなのですよ。これからは少子化の時代ですから、学校の方も考えると思いますよ。だれがみても明らかにおかしい問題が実は山ほどあるのですね。確か多摩大学でしたか、ネイティブであるクラークさんという方が学長になり従来の英語の試験を廃止しましたね。大学入試の英語の問題と同じようなことが中学入試の国語に起こっているのだと思います。
そんな教師しかいない私立学校にわざわざ高いお金を出していくなんて、わざわざ進学塾にだめにされに行くのと構造が似ていますね。
知らないということはほんとうに恐ろしいことだと思います。

私は小学生の塾内テスト問題を作る仕事もしています。授業で使っているテキストや他の問題集（いわば、種本ですね）を使って問題を作るわけですが、なるべく悪問をつくらないようにしているつもりです。
ただ、時には問題集の問題を、殆ど手を加えないままに使ってしまうこともあります。素材には入試問題でも易しめのものを使うことが多いのですが、その中には悪問というか、答えは見当がつくが探すのに時間がかかる、あるいは見当もつきにくく解答を探すのにも時間がかかるというものがままあります。
中学入試に悪問が多いというのは、以上で述べたような経験からもうなずけるものがあります。私としては、せめてそんな問題は作らないようにしようといつも思っています。しかし、自分がそう思い込んでいるだけで、実はとんでもない問題を作っているなんてこともあるのかもしれません。