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(638) 『小さな町の風景』再考その二 = 投稿者:工藤順一 MAIL URL
早ければ小4年の後半ぐらいから始まる、この本の精読過程には次の三つの柱があります。
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1、本を一冊精読すること---まとめながら読む、読むことと書くことの一体化。
2、ひとつひとつの物語の構造をつかむ。
3、複数の作品の共通した主題を帰納的推論でつかみ、それを重ねてさらに一冊の本全体の主題を摘出する。
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何となくなら、誰にも簡単に読める本です。あるいは、この作品は好きとか嫌いとか面白いとかと情緒的に反応することぐらいも誰にもできると思います。

でも、きちんとこの本の主題を読み込むこと、この本の45あるそれぞれの作品が互いに提示しあっている奏楽的で有機的な宇宙をつかみとることはなかなかできるものではありません。でも、それをしない限りこの本を読んだことにはならないですよね。

現在、毎週二回かけて新人スタッフの研修を毎回三時間に渡ってやっていますが、この複合的課題は、大人や、国語教育を専門にしている大学院の学生さんにとってすら、かなり難しい課題だということを再認識しました。

たとえば、『塔のある風景』ぐらいまでは比較的容易に進めると思いますが、次の『木のある風景』からはがぜん難解になっていきます。作品が難解なのではありません。共通の要素の摘出が難解なのです。

はじめの作品である「おぼろ月夜」は一体何を言いたいのでしょうか。はじめに読んだときには私にもよく分かりませんでした。何か抗議のようなものは感じました。でも、それは一体何に対する抗議なのか。それと最後の作品の「春一番」とはどんな共通点があるのか。あるいは、その他の作品とは。

結論をいうと、この「木のある風景」はこのおそらくは戦争体験世代であるこの作家の「国やぶれて山河あり」なのです。そして、その場合の山河=自然は、とても優しいアニミズムに満ちた自然なのです。

その前の『塔のある風景』には戦争が色濃く影を落としています。
そしてし、戦争=人為です。その人為は、トキの保護のためにカラスを毒殺するという人為であり、「春一番」ではユリノキに手袋や帽子やネッカチーフをかぶせる人為でもあります。
そして、春一番が吹きそれを吹き飛ばしてしまう。その後には若芽のうす緑が朝日に光っているという終わり方はなんと象徴的に読める終わり方でしょうか。

だからこそ、次の『電柱のある風景』では思い出話が支配するのです。
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今日は、その後も仕事があり、とても疲れましたが、久しぶりに雑用ではない私らしい仕事ができて満足できました。
スタッフのみなさんよろしくお願いいたします。






2004年03月14日 (日) 23時02分



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