工藤先生、「論理に強い…」を読ませていただきました。
　あまりの衝撃に言葉も出ないほどです。それは私自身が、この三年間の間に、目指そうとしていたものが、一つの具体例として見事に提示されているからでした。その衝撃の大きさは、読了後、Ａ４サイズの用紙に60ページ分の原稿を一気に書き上げさせる力を与えたほどです。10時間ぐらいでしょうか、自分であとで気付いて驚いたくらい、この本から大きな啓示を与えられた想いです。それは新学期のために、悩んでいたテキスト原稿でした。大学受験生のための、読解手順「視点と方法」です。
　論理をどのように捉えて、伝えるか。それは小学生・中学生以上に、大学受験生こそ切実な問題のはずです。読了後感じた最初の思いは、「本質は具体的な行為で示されなければ、伝えられない」ということでした。実に、これほどまで分かりやすく、論理の学習方法を述べた本があるでしょうか。概念を述べたものならいくつもあり、第六章などは私にとっても既知な内容でしたが、第二章の方法は非常に画期的なものであると思います。正直、読みながら感動で身が震えました。ものすごい大きなヒントを与えていただいた、と思いました。
　この「論理に強い…」で示されている内容は、あたりまえのことです。非常に本質的なことです。しかし、誰も思いつき実践していなかったことでもあります。言われれば「なるほど」と気付きますが、恐ろしいまでに具体的な方法で、論理の本質が示されています。国語教育に携わっている人間ががこの本を読めば、きっと私同様に大きな示唆を受けるでしょう。これは非常に大きな可能性を秘めた本でもあると思います。
　いずれまたご挨拶に伺います。本当にありがとうございました。

私が抽象的な教育論が嫌いな理由がこれでお分かりになったと思います。大学の先生ではなく、あくまでも小学生の先生だからですよ。そして、そちらの方が何倍も難しいのです。教えるということはそういうことです。
過分なほめ言葉に消え入りそうになりますが、さて、hawkさんはご面識のある方でしたっけ。いずれにしろ、いつか語り合いたいですね。東京にご在住でしょうか。いつでもご連絡ください。いまは一段落しております。