強い母親の管理下にいる気のやさしい男の子とりわけ長男、そして母親はお世話しましょう型で受験路線---この組み合わせの親子がともかくすごく多いと思います。そして、たいていの場合なんともならない。なぜなら、その組み合わせでは男の子が成長する要素が何にも残されていないからです。このタイプの男の子は無口になってしまう。それゆえ特に国語がだめになる。彼は言葉を何も言わなくても日常的に過ごせてしまうからです。すべてお世話を焼きますから。作文を書かせても、相手に伝えたいという欲求がない。説得するという気持ちが感じられない。すると、自分さえ分かればいいという非論理的な文章ができあがってしまうのです。「分からない」と言われて母親に突っ返されたことがないのだと思います。この壁はかなり分厚い。そして、日本人男性のかなりがマザコンになつてしまう理由でもある。母親たちよ、男の子からお世話する手を引きなさい。過保護です。