hiiragi さん。こんばんは。

あざみ野教室へのご本のご寄付を有り難うございました。

彼はがんばっていますね。国語は問題ないと思いますよ。でも、疲れ気味なのがいつも気になります。5年生でこの状態ですから6年だとこの先どうなってしまうのでしょうか。受験勉強をいちがいに否定はしませんが、大人でも一年以上のそんな生活は続かないはずです。いつ、壊れるか、その方が私には心配です。人間は壊れることもあるのです。それがすぐにではなく、何年もたってからということもあるのです。

中学受験は私がお勧めしたことではありませんよね。あくまでもhiiragiさんのご家庭の方針ですることです。それに口出しするつもりはありませんし、突き放した言い方をするなら、私には一切関係ありません。残念ながら、私はその学校に入るためのどんな口利きもできなければ、来年どんな問題が出るかすらわからないからです。

そして全国にはどんなに学力があっても、地理的に、あるいは経済的に受験なんかできないお子さんたちの方が圧倒的に多いということも分かっていただきたいと思います。ですから、たとえ、その学校に入らなかったとしても何も残念に思うことはありませんよ。

たまたまその学校出身の親しい友人から聞くところによると、私の教室はどうやら、その学校とかなり似通った方針で国語を教えているようです。

良い教育の環境で子どもを学ばせたいというhiiragiさんの思いは私も親ですので痛いほどよくわかります。でも、どうやら、そのために最悪の教育環境をいま選んでいるのが現実なのではないでしょうか。なんという矛盾でしょうか。多くの親御さんたちが同じように悩んでいます。

私の教室は何の選抜もなく、その良い環境そのものをどんな子どもにも提供しようとするところのつもりです。受験生であってもなくても同じようにやっています。合格しても来る生徒さんも多いです。ですから、合格が目的ではないのですね。

次のようなことは、　hiiragiさんには、もうよくお分かりだと思うのですが、これは他の人も見る掲示板ですから何度でもいいましょう。

冷静になって受験を考えてみるべきなのです。ご存じのようにその学校は例年三倍ぐらいの倍率の選抜試験があります。三倍ということは、十人の受験生がいれば三人しか通らないわけです。その十人がhiiragiさんと同じような思いで過ごしているのですね。その時、その十人のご父兄とか生徒さんに、同じように指導しながら、たとえ商売といえ、同じようにがんばれとか応援するとかとは、私は口が裂けても言えないのです。

これが一定の点数さえ取れば人数に関係なく合格させるという外国の大学のような資格試験的なものであれば全く違います。私は受験生の全員にがんばるようにと声をかけることができると思います。

この単純な論理の区別を混同しているため、いたるところで勘違いが起こり、それに乗じてうなるほど儲かっているのが、私から見た中学受験という世界です。

首都圏で塾をやっていて、受験を売り物にしない、朝日小学生新聞に、(どれを見ても同じようにしか見えませんが、)広告を出さないということが、どんなにマイナスのことか私はよく分かりつつやっています。

でも、たとえどんなに受験生がいたとしても、彼らが合格しても、私にはどうしても中学受験を売り物にすることはできません。それでは、私はいままで何のために生きてきたのかすら分からなくなってしまうからです。この教室の存在している意義がなくなってしまうからです。

少しでも以上のようなことを考えてみれば、それが原理的に売り物なんかにはならないことが、どうしてみなさんには分からないのかと思ってしまうのです。
もちろんですが、この教室の方針でベストを尽くすことはいうまでもありません。