つくづく思うのはテストのための国語を止めなければならないという
ことです。確か多摩大学の学長にクラークという外国人がなったとき
彼は入試の科目に英語をはずしてしまいました。入試科目の英語で点を
とることと、ほんものの言葉の力としての英語力は違いがありすぎるの
です。私も生きた英語はあまり自信がありませんが、入試の英語・テストとし
ての英語なら自信があるのです。不思議なことですよね。

　入試科目としての国語を止めるべきなのです。それがあるために
どんなに弊害があることでしょうか。

　その弊害のひとつは読書です。読書にはさまざまのタイプの読書
があると思いますが、答えを見つけるためとか、問題解決のための
読書がある一方で、問題をもらうための読書もあるのです。たとえば
宗教書はこの後者の例でしょう。いくら読んでも答えなんか書いて
いません。
　人はどんなふうに本を読んでもいいのです。答えを見つけそれに
アンダーラインを引くための読書だけでは貧しすぎるというものです。