新しい時間がくるという感覚はとてもフレッシュなものだ。身の回りのものをかたづけながら、久しぶりにその感覚を味わう。
ほんとうは、毎日がそうであるはずなのに。――ならば、いっそ、そうすればよいのではないか。つまり、毎日を、大晦日からお正月のようにして生きればいいのではないか。たぶん、子どもの頃はそのような時間感覚だった。

それは、古い自分をリセットし、新しい自分をデザインできるという感覚でもある。明日は何が起こるか分からない、期待と変化と可能性に満ちた時間である。新しい自分、そう思うだけで、わくわくするではないか。明日は毎日、確実に来て、自分は毎日変わっていけるのである。自分の中にアイデンティティや堆積のようなものを求めず、認めないこと、毎日リセットするということ。

情景
真っ黒な宇宙から空一面に雪が降ってくる。本当は絶対に見えない時間の流れのようなものが、空一杯の無数の雪片の滝のような流れに、つまりは空間内での運動感覚に転換・翻訳されている。そして、ひとつずつの雪片は、私たちの生命のように瞬間に現れては消えていく。