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投稿者:工藤順一
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高橋さま、 お尋ねの件です。
1、「言葉図鑑」の使い方について
まず、お断りしておかなければなりませんが、国語専科教室には教科書というものがありません。そこで生まれてきたのが言葉図鑑などの絵本なのです。言葉を大事にするイギリスにも教科書はないと聞きます。大村はまさんも戦後すぐの頃には教科書を使わなかったと聞いております。つまり、教室と教師の、生徒とその進度やそのときどきの工夫があり、教師の持ち味を生かした教材は、その教師が独自に工夫するのが理想だとおもうのです。これを教えなければならないというような意味での理想の教科書というものがあるので、逆に、これさえ教えていればいいという安易な姿勢が生まれてくるのではないかと思います。
以上のような意味で、現実のこの教室の低学年クラスでは、「言葉図鑑」はあまり使われてはいないようです。少なくとも主役ではないですね。もっとそのときどきの工夫とおもしろい絵本を使っているようです。「ようです」と書いたのは、現在、低学年クラスは適任者を得て工藤は引退させていただき、あまり口だしはしていないからです。
使い方に関してもしかりです。大村はまさんは教科書をまるで一冊の本のようにして使うことが多かったようですね。「このように使わなければならない」といった指導書のようなものがあるから、学校の国語は退廃してしまったのではないでしょうか。
実際のところ、子どもたちを見ていると子どもたちの方がずっとおもしろい使い方を提案してくれることすらあると思います。
教科書がない、というところからはじまっているこの教室ですから、言葉図鑑を教科書として押しつけるのはいかがなものかと私は思い、現場の裁量に任せている状態です。
もう10年も前ですが、言葉図鑑の全ての巻の全ての頁に私は「遊び方」のシートを考えてつけたこともあるのですが、それにこだわるということはやめています。あれはやり方を工夫すれば非常におもしろい文法とか言語学のテキストになりますね。そのようなことをねらったシートなのですが、現場では使いづらそうです。
実は、五味太郎さんの原宿のアトリエをお尋ねしたこともあります。やはり、彼はいわゆるお勉強のために自分の絵が使われるのをいやがりましたね。
ただ、私はまだこの夢は捨てておりません。 どなたか絵を描いてくださる方がいらっしゃれば、そのような面白いテキストをつくってみようと考えています。『新・言葉の図鑑』のような絵本ですね。
高橋さんも、どうか、お子さんと会話を楽しむつもりでいろいろとなされてはどうでしょうか。あまりかたく考えなくてもいいのですよ。 書き言葉・黙読の導入というような主旨のお考えはまったくその通りでよろしいと思いますので、お続けになればいいと思います。
2、読むことに関しても全くおっしゃる通りで、それ以上に私が付け加えるようなことはありません。
3、>上京して教室の授業を拝見したいと思っております。入室を前提とした体験授業ではありませんが、可能でしょうか?
どうぞ、いつでもお越し下さい。その際、あらかじめお電話と高橋さんの連絡先など(-----つまり、物騒な世の中ですので)を記した名刺などをご用意いただければ幸いに存じます。
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2004年02月10日 (火) 11時11分 |
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