ある中高一貫の私立中学に通う元教室生だった生徒さんから、中二になってからコボちゃん作文をやらされたというメールがありました。また、これは早稲田大学の学生さんですが、教員養成過程か何かの国語で、「作文が書ける」のプチ哲学の論証をやらされたという報告もありました。コボちゃん作文のあやしげな添削をかなり高いお値段でやっているフリースクールさえ私は知っています。すでに社会人になった方から真剣にコボちゃん作文を生徒と一緒に学習したいというアプローチもありました。

　このように私の開発した教材が、学年や年齢を問わず、いろいろなところで使われるのは本当にうれしい限りです。私はプライベートな個人でもありますが、社会の一員でもありますから。

　そして、このBBSの場でも、さまざまな立場の方から貴重なご意見をいただけることも感謝しています。お薦め本に投稿してくださる朝顔さんにもこの場を借りてお礼を申し上げたいと思います。およそ、これまでの教育の場では考えらないような多彩な顔ぶれです。みなさんで情報を提供しあいながら、教育行政や商業主義とは一線を画したいいものをつくっていきましょう。

　新しい国語教育を作り上げていきたい。そのような思いで私はいっぱいです。それは私のみではなく、スタッフの一同もそうです。今日、たまたま、池田晶子さんの書いた新刊『14歳からの哲学』をあるスタッフが持っていました。すると、そこにいたものが全員それを買い読んでいたということが起こりました。もちろん、現在、この教室で読んでいる『子どものための哲学対話』の続きの本、中学生向きとして考えていたわけです。でも、いかんせん、池田さんはヘーゲリアンなのです。私はどうもそれは-----なのです。

　一冊の本を選ぶのは本当に難しいと思います。『小さな町の風景』とか、『子どものための哲学対話』に匹敵するもの、精読に耐えるものはなかなかない。