[905]hpkehoke
認知症をめぐる医療界の問題-その1 忌憚の無い認知症を囲む医療界の現時を知ってもらったほうが良いでしょう。これは認知症に限らないと思います。今回は大学病院などの大病院についてです。 まず皆様がお好きな大学病院ですが、ここは治療を行う現場ではないのです。研究と教育が最優先される場所なのです(研修医制度が変わってからは、変わっているとは思いますが)。こう言うとびっくりされるかもしれませんが、ある程度ありふれて治療法の確立が不十分な疾患ほど研究が優先します(ただし水準以上の医療が提供されることはが、基本としていることは確かです)。 ただ治療法の選択が患者の希望通りにならないと言う場合が起こります。認知症で言えば、アルツハイマーにアリセプト5mgと8mgと10mgでどれが一番治療効果が上がるか、どれが副作用が多いかと言う事を調べることが目的になっていることが少なくありません。ですから担当の医師はアリセプト少量投与のほうが良いと判っても、この決められた量でした投与を許されていないのです。 また併用薬の使用できる範囲や状態までマニュアルに記載されており、それに外れた併用薬の使用は許可されていません。それに反していることがわかるとその医師は首になります(最近は大学も人手不足で、少々のことではクビになりにくいようですが・・)。大学病院に残っている意思は博士号の取得や、教授の地位を目指して残っている方々が少なくありませんので、受診された皆様方が感じるような問題が常について回ります。 あと大学病院を含め大きな病院の医師は、多少自分の患者を増やしても自分の待遇に反映されることが少なくなく、規則破りは後に面倒な作業が残っていますので、あえてアリセプト少量療法を採用しようとはしません。手のかかる方を診察治療することを嫌がります。 個人的には尊敬でき患者のことを考えていただける医師が多いのですが、所属している医局の上司には逆らえません。 後大学病院では認知症外来を行っているのが、「精神科」か「神経内科」だと思います。 神経内科の場合基本的に、治らない病気(治せない病気)が扱っている疾患の大部分です。 新たな治療法が学会などで発表されるといち早く導入される場合が多いようですが、その効果を判断するため、一定のプロトコールで行われます。こういう点でも皆様方の希望がなかなか反映されないことが多いようです。また資料を集めるため、MRIほか、治療のためには不必要な検査がたくさん行われることが、あるようです。 「精神科」が主体の場合患者の悩みなどを聞くことも大きな仕事になっていますから、そういう点では良いのですが、身体的な疾患に対する知識が不足する傾向にあり、その点で不満が出るかもしれません。 コウノ先生がかかってはいけないと言う理由がこんなところにあります。
2008年10月11日 (土) 22時14分
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