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(332) 珈琲時光 (2003) 投稿者:か こ





井上陽水さん作曲の「一思案」が心地よい。
<公開時コピー>「小津安二郎生誕100年 偉大なる巨匠に捧げる。。。」
心落ちつく場所がある。心落ちつく人がいる。」

世界的名匠・小津安二郎の生誕100年を記念して製作されたヒューマン・ドラマ。
小津を信奉する映画監督のひとり「悲情城市」「戯夢人生」のホウ・シャオシェンが、そのオマージュとして描く。
台湾人の監督が東京を舞台に、日本人の俳優たちを使って多くの台湾人のスタッフで撮る、という面白さは映像にも表れていたように思います。
撮影のリー・ピンビンさんは、「花様年華(かようねんか)」最近では「春の雪」で美しい映像を魅せてくれました。
主演は映画初出演の歌手・一青窃。共演に「座頭市」の浅野忠信。

<あらすじ> 2003年、東京。
フリーライターの陽子は、産みの母が台湾人で日本と台湾を行き来しているが、ある日、台湾の男性の子供を妊娠していた。
そんなある日、彼女はお盆で久々に高崎の実家へ戻った際、突然両親に自分が妊娠していることを告げるのだった。。。

一青窈 ・・・・・・・陽子
浅野忠信 ・・・・・肇
萩原聖人 ・・・・・誠治
余貴美子 ・・・・・陽子の母
小林稔侍 ・・・・・陽子の父
(↓ 注:以下ネタばれあり)☆★★★★

陽子の友人、神保町の古書店の物静かな二代目主人・肇。
予告を見たので陽子に想いを寄せているんだな、という視点で見ることが出来ました。
肇のような男がつかず離れずそばにいたら心地よいんだろうなぁ。
陽子は幼い頃両親が離婚してしまったため北海道に住む目の不自由な親戚に育てられた、とか特典映像で知りました。
その夕張篇はカットされていたのですな。
余貴美子さんが継母というのには驚きました。
実の親子のような自然なやりとりが、その関係の築き方が良かったんだろうなぁ、と思います。
娘のことが気になるけれど肝心なことは妻まかせ、の寡黙な演技がさまになっている小林稔侍さんもピッタリ。
それまでの普遍的な日常が「妊娠」した出来事によって、登場人物のそれぞれの繋がり方が微妙に変化してゆく手前で終わってしまいました。
それでいいのか。そこがいいのか。
一青窈さんは初演技ということで上手くはありませんが、自然に振舞う、そのまんまという演技は良かったのではないでしょうか。イメージ映画みたいで。

電車が交差する風景や、下町や高崎ののどかな雰囲気を見ていると、音楽もそう入らないし時間がゆっくり流れているように思えてリラックス出来そうです。
テンポ良い楽しい映画に慣れているとイライラしてしまうかも。
友人の夫が持っていたDVDを借りましたが、動機は何だったのだろう、どんな感想を持ったのか聞いてみたいです。



2005年12月03日 (土) 19時31分




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