亡くなって38年も経つのに、いまだに世界中の若者から「反抗のヒーロー」として熱狂的に支持されるキューバ革命の立役者、そして永久革命家革命家チェ・ゲバラさん(私はほとんど知りませんでした ^^;)
「チェ」というのは「おい」とか「ねえ」という人に呼びかける時に使う言葉で、ゲバラさんがよく「チェ」を使ったのでチェ・ゲバラという愛称がついたそうです。
そのゲバラさんが学生時代に行なった南米大陸縦断の旅を、彼が残した日記を基に映画化。
<原題>「THE MOTORCYCLE DIARIES」
<公開時コピー>「遠い空の下、僕は世界がめざめる音を聞いた」
製作総指揮の一人はロバート・レッドフォード。
監督は「セントラル・ステーション」のウォルター・サレス。
主演は「天国の口、終りの楽園。」のガエル・ガルシア・ベルナル。
本作でゲバラと旅を共にする友人アルベルト役を演じるロドリゴ・デ・ラ・セルナは、チェ・ゲバラとは“はとこ”の関係。
エンドクレジットで当時の写真が出てくるのですが、面影ありました。
アンデス山脈、チリの海岸線、アタカマ砂漠、ペルーのアマゾン上流など南米の美しい映像も満載。
マチュピチュも見られたのが嬉しかったです。
ああいう音楽も好き。
・2004年アカデミー賞:歌曲賞受賞
・2004年英国アカデミー賞:外国語映画賞受賞、作曲賞受賞グスターボ・サンタオラヤ
・2004年インディペンデント・スピリット賞:撮影賞受賞エリック・ゴーティエ、新人俳優賞受賞ロドリゴ・デ・ラ・セルナ
<あらすじ>1952年、アルゼンチンのブエノスアイレス。
喘息持ちながら理想に燃え好奇心溢れる23歳の医学生エルネストは、7歳年上の陽気な友人アルベルトと南米大陸探検の旅に出た。
アルゼンチンからパタゴニアへ、そしてアンデス山脈を越えてチリの海岸線に沿って進み、最終的に南米大陸の北端ベネズエラのカラカスを目指す。
アルベルト所有のおんぼろバイク“ポデローサ号(スペイン語で「強力な」「馬力のあるヤツ」)”を移動手段に、わずかな所持金と貧弱な装備だけの彼らにとって、それはあまりにも無鉄砲な計画。
当然のように彼らの行く手には様々な困難が待ち受けていたが。。。
ガエル・ガルシア・ベルナル Gael Garcia Bernal ・・・エルネスト・ゲバラ・デ・ラ・セルナ
ロドリゴ・デ・ラ・セルナ Rodrigo De la Serna ・・・・・・アルベルト・グラナード
ミア・マエストロ Mia Maestro ・・・・・・・・・・・・・・・・・・チチーナ
メルセデス・モラーン Mercedes Moran ・・・・・・・・・・セリア・デ・ラ・セルナ(エルネストの母)
ジャン・ピエール・ノエル Jean Pierre Noher ・・・・・・エルネスト・ゲバラ・リンチ(エルネストの父)
□HP http://www.herald.co.jp/official/m_cycle_diaries/index.shtml
(↓ 注:以下ネタばれあり)☆☆☆★★
革命家チェ・ゲバラさんの、というよりは演じるエルネスト・ゲバラ・デ・ラ・セルナさんの瞳に惹かれて観ました。
ナイーブ感が素晴らしいと思いました。
撮影は二人の走った道を正確に追って順撮りしたというだけあって、後半は顔つきまで違うように見えます。
旅行の目的が観光ではなく旅をすることというオープンさもいい。
社会の弱者と呼ばれる人たちとの出会いが青年を成長させていく、というような後に革命運動に身を投じていく下地が感じられます。
旅の始まりがエルネストの恋人の家で大豪邸というのも、後の世界を知っていく対比にもなります。
真っ直ぐで正直で自分より相手のことに親身になる姿が素晴らしい。
自分も喘息なのに薬をあげてしまうところや、共産党員という理由で故郷の土地を追われ仕事を求めて銅山へ向かう夫妻、ペルーの療養所での出来事(特に誕生日に河を泳ぐシーン)が印象的でした。
旅の相棒が同じタイプではなく、女好きでユーモアがあって豪快でというのがまた良かったのでしょう。
アルベルト・グラナード役のロドリゴ・デ・ラ・セルナもとってもいい味でした。
パーティーでエルネストが演説しているのを見守る、アルベルトの眼差しが特に印象的です。
脚本を担当したホセ・リベラさんは、ゲバラの旅行日記とグラナードの旅行記をソースに用いたそうなので、そのバランスも良かったです。
彼がいたからこそ旅が出来た、旅の終わりと二人それぞれの旅立ちもグッときました。