スタジオの床に家や道などチョークで線を引いて。
必要最小限の家具などを置いただけの殺風景なセットを村という前代未聞の抽象的セットで撮った、ところに惹かれて観ました。
三時間という映時間長過ぎるわ、ほんと。
<原題> 「DOGVILLE」(ドッグ(犬)ヴィル(村))
<公開時コピー> 「美しき逃亡者があらわれ、一つの村が消えた。
審判の日がくる。」
「奇跡の海」で審査員グランプリ、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」でパルムドールと、二作連続カンヌ映画祭を制したデンマークの異才、ラース・フォン・トリアー監督。
彼がブレヒトの「三文オペラ」の挿入歌「海賊ジェニー」にインスパイアされ、ダシール・ハメットの「血の収穫」やカフカの「アメリカ」を参考に“想像上のアメリカ”を描いたと語る実験的作品。
(トリアー監督が飛行恐怖症のため現実のアメリカに行くことが出来ないとも言われています。)
「ドッグヴィル」は「ダンサー〜」で<黄金の心三部作>を終えたトリアーの<アメリカ三部作>第一部。
監督自身がDVカメラで撮影にも参加。
2003年ヨーロッパ映画賞:監督賞受賞ラース・フォン・トリアー
<あらすじ> アメリカ・ロッキー山脈の村に、一人の女グレースがギャングに追われて逃げ込んでくる。
初めは彼女をいぶかしむ村人たちだが、二週間で村人全員に気に入られることを条件に村に留まることを承認。
献身的な肉体労働をこなすグレースだが、警察に手配されていることが発覚し、事態は急転する。。。
ニコール・キッドマン Nicole Kidman・・・・・・・・・・・グレース
ポール・ベタニー Paul Bettany・・・・・・・・・・・・・・・トム・エディソン・ジュニア
クロエ・セヴィニー Chloe Sevigny・・・・・・・・・・・・・リズ・ヘンソン
ローレン・バコール Lauren Bacall・・・・・・・・・・・・・ジンジャー夫人
パトリシア・クラークソン Patricia Clarkson・・・・・・ヴェラ
ベン・ギャザラ Ben Gazzara・・・・・・・・・・・・・・・・・ジャック・マッケイ
ジェームズ・カーン James Caan・・・・・・・・・・・・・・大きな男
ステラン・スカルスガルド Stellan Skarsgard・・・・・チャック
ジャン=マルク・バール Jean-Marc Barr・・・・・・・大きい帽子を被った男
ハリエット・アンデルセン Harriet Andersson
ブレア・ブラウン Blair Brown
ジェレミー・デイヴィス Jeremy Davies
フィリップ・ベイカー・ホール Philip Baker Hall
シオバン・ファロン・ホーガン Siobhan Fallon Hogan
ジェリコ・イヴァネク Zeljko Ivanek
ウド・キア Udo Kier
クレオ・キング Cleo King
マイルズ・パリントン Miles Purinton
ビル・レイモンド Bill Raymond
シャウナ・シム Shauna Shim
ジョン・ハート John Hurt・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・声の出演
□HP http://www.gaga.ne.jp/dogville/index.shtml
(↓注:以下ネタバレあり)
外部からもたらされる「条件の変化」で村人の態度や行動がどう変わるかといった「実験」。
最後の決断が、いったい復讐(感情からの)なのか、それとも審判(理性からの)なのか。
反米映画という人もいる。
村人(草の根保守)と主人公(偽善リベラル)と父親(権力者)の醜悪な関係だと。
私は主人公が神で村が国、村人は人間つまり私たちを指しているように思えました。
ドッグヴィルだけが特別でもない、どこでも起こりそうな出来事だからこそ観ていて身につまされるように感じるのかもしれません。
舞台のように簡略化されたセットだけに、内面的なものだけをかえって考えさせられました。
二コール・キッドマンを見たいから、という軽い気持ちで見始めたらとんでもなく重いテーマにぶち当たってしまいますね。