＜原題＞「SPIDER-MAN 2」
＜公開時コピー＞「偽ることが、愛なのか。」

２００２年、世界中で空前の大ヒットを記録し、その後のアメコミヒーロー・ブームを決定づけたエンターテインメント超大作「スパイダーマン」の続編。
トビー・マグワイア、キルステン・ダンストら前作のキャストが引き続き出演するほか、新たな敵キャラ、ドック・オク役でアルフレッド・モリナが登場。
監督も前作と同じくサム・ライミ。

＜あらすじ＞　高校の時、遺伝子操作をしたクモに噛まれたことがきっかけで、超人的な能力を身につけたピーター・パーカー。
スパイダーマンとなりグリーン・ゴブリンとの死闘を繰り広げてから２年。
現在はアルバイトをしながら大学で量子物理学を学び日夜スパイダーマンとして悪と戦う彼は、バイトや大学にも遅刻してしまい毎日に疲れきってしまっていた。
念願の女優デビューを果たしたＭＪの舞台を観に行く約束さえ守れない。
一方、親友のハリーは、亡くなった父親の会社を継いで大きなプロジェクトを動かす身になっているけれど、父を殺したスパイダーマンへの復讐の念は深まるばかり。
スパイダーマンの写真を撮影しているピーターに、正体を教えろと迫ってくる。
そんな葛藤を抱えるピーターはついにスパイダーマンをやめて、自分自身の生活を取り戻そうと決意。
そんな時、ピーターの尊敬する科学者Ｄｒ.オクタビアスが、ハリーの出資している研究の実験中に失敗。
４本の巨大アームと身体が融合してしまったオクタヴィウスは、凶暴な“ドック・オク”となってしまう。
ついにスパイダーマンの正体が暴かれるのか？！

トビー・マグワイア　Tobey Maguire・・・・・・・・・ピーター・パーカー／スパイダーマン
キルステン・ダンスト　Kirsten Dunst・・・・・・・・メリー・ジェーン・ワトソン
アルフレッド・モリナ　Alfred Molina・・・・・・・・・オットー・オクタビアス博士／ドクター・オクトパス
ジェームズ・フランコ　James Franco・・・・・・・・ハリー・オズボーン
ローズマリー・ハリス　Rosemary Harris・・・・・メイ・パーカー
Ｊ・Ｋ・シモンズ　J.K. Simmons・・・・・・・・・・・・Ｊ・ジョナ・ジェイムソン
ディラン・ベイカー　Dylan Baker・・・・・・・・・・・・リザード／カート・コナーズ博士
テッド・ライミ　Ted Raimi・・・・・・・・・・・・・・・・・ホフマン
エリザベス・バンクス　Elizabeth Banks・・・・・・ベティ・ブラント
ブルース・キャンベル　Bruce Campbell・・・・・・スヌーティー・アッシャー

★★★☆☆
■ＨＰ　http://www.spider-man.jp/

オープニングの時に前作のストーリーを部分的にイラストで流すので、前作をやんわり思い出すことが出来た。
今回はアクションと共に人間の葛藤。
スパイダーマン及び主人公の苦悩には共感する人もいるかな、等身大のヒーローのピーターは、
高校時代からＭＪ（メリー・ジェーン）のことを愛してはいるもののスパイダーマンとして生きてゆくことを決めたので、前作でＭＪからの告白を拒絶。
今作では想いを断ち切れない二人の関係がメインの（２億ドルかけた）青春ドラマだったのだー。
ただでさえ普通（以下）だったピーターの人生に次々と問題が起こり、悩める日々。
恋に悩み、学業に悩み、アルバイトに悩み、自分のぶきっちょさにうんざりする。
劇中でもピーターが言う“大いなる力には、大いなる責任が伴う”ということを決して見失わない。
ピーターのように自分自身の欲望を犠牲にすることはとても難しい。

ドック・オクは最初から好感を持たれるようなチャーミングで面白い人物にみせているので、変身後の恐怖が引立つ。
ドック・オクは研究中の事故によりアームと身体が同化してしまった哀しき科学者で、
人類の向上のため一心に打ち込んだ時、その思い上がりが彼を破滅させるという皮肉な運命をたどる。
邪心じゃない所が悲劇をそそる。
スパイダーマンとも並々ならぬ敵意というより、ハリーとの取引で闘っただけという印象でした。
ドック・オクの触手がマトリックスのセンティネルみたいでした。
明らかにゴブリンより強そうだった。
ぁ、ちょろっとウィレム・デフォーが出てきて個人的に大はしゃぎ。＾＾
ドクターオクトパスは完全にモンスターとして描かれていて、登場シーンがモンスター映画のノリになってたのが面白かった。
隣の席のオバさんは口に手を当てたまま飛び上がってた(苦笑)
このオバさん、着席すぐお弁当食べだすわ、リアクション大きいわ、泣き出すわ、凄かった。

スパイダーマン、相変わらずＶＦＸで魅せてくれます。
エレベーターのシーン等、笑わすことも忘れない。
電車も「乗客、そんなに前に来ると落ちちゃうよー」と心配させられたっけ(笑)
誰か一人くらい密告してもおかしくない筈だとか。
メイおばさん役ローズマリー・ハリスはあのシーンでワイヤー挑戦したそうで。　アッパレです。
ピーターの告白も愛情で受け止める、素晴らしい人格のメイおばさん。
ピーターの思いやりある性格はこういう環境があったからなんだなぁ、きっと。
ぃゃ「こんなことより今はやるべきことがある」とハリーに言ったセリフはあんまりだったな。
ハリーの復習劇はたぶんシリーズ３へ持ち越されるのだろう。
２００７年公開らしいぞ、期待してます！！！

エアロのスパイダーマンのテーマ、聞きたかったよーん。

---おまけ---
持病の腰痛を「シービスケット」の乗馬で悪化させたため、あわやスパイダーマンを降板！？と囁かれていたトビー。
一時はルックスが似ているジェイク・ギレンホール（「遠い空のむこうに」「ドニー・ダーコ」）が代役を務めるとの噂があったものの、無事に主役の座を守り抜いた。
本人は「降板というのは全くの噂でパート２のアクションが前作より激しいものになりそうだから、最初にスクリーンテストをしようという話が大きくなっちゃっただけ。
でも今回は前作よりも慣れたぶん、アクションは楽にできたくらいだよ」と余裕のコメント。
ちなみに代役候補ジェイクは、キルステンの現在の恋人。
この件に関してキルステンは、「スパイダーマンはトビーの当たり役」と断ってから、
「でもジェイクが演じていたら、ＭＪとのシーンでは何か違うスパークがあったかもね（笑）」と意味深な発言。
このことからもジェイク＝スパイダーマン説は、実際に浮上していた話なのかも！？

ジェイク＆キルステンのオノロケ話をもうひとつ。
この映画のキャンペーンのため、トビーとジェームズ・フランコは５月に共に来日（フランコは途中胃痛のため、ほとんど取材を受けられなかったけど）。
キルステンは２人とは日程をずらして、その約２週間後に来日。
なぜかといえば、同じ時期にちょうど「デイ・アフター・トゥモロー」の宣伝のために来日したジェイクと一緒に来たかったから。
六本木のグランドハイアットの同じ部屋にご宿泊というから、気分はかなりのラブラブモード。
キルステンの記者会見では、脇の関係者席にジェイクが参加しているというのもかなり珍しいこと。
私もＴＶで拝見した。＾＾
「ご自身の恋愛観は？」と質問が飛ぶと傍にジェイクがいたため、「恥ずかし〜い」と真っ赤になっていた。
その日はジェイクと夜の街に遊びに出かける予定（カラオケ）だったそうで「楽しみ〜♪」とウキウキしていたキルステンでした。

「スパイダーマン」のもうひとりの立役者、監督のサム・ライミは、子供の頃からアメコミ「スパイダーマン」の大ファン。
カルト的人気を博しているデビュー作「死霊のはらわた」から、ハリウッド進出作「ダークマン」「キャプテン・スーパーマーケット」
ライミ・センスが炸裂した「クイック＆デッド」など一貫して特異なビジュアル・センスが話題になる彼は、
マンハッタンの超高層ビルをぬうようにして跳びまわるスパイダーマンを映像化するのに最適任の監督だった。
最近では「シンプル・プラン」「ラブ・オブ・ザ・ゲーム」「ギフト」など、コメディからサスペンス、ラブストーリーまで幅広いジャンルを手掛け、「スパイダーマン」の大成功（世界で８億ドル以上の興収）によって、Ａ級監督として認知されている観もあるけれど、
実はＢ級映画の巨匠（←いい意味です）として世界のオタクに愛されている監督なのだー。
まだ無名だった頃「ファーゴ」「ディボース・ショウ」のコーエン兄弟と共同生活していたこともあり「未来は今」では脚本を執筆している。



２００４年７月１４日（水）草加シネマサンシャイン