<原題>「SESSION 9」
<公開時コピー>「廃墟となった巨大精神病院。
そこに踏み込んだ瞬間から、すでに診療(セッション)は始まっている。
目醒めたのは誰だ?
廃墟(そこは)実在する。戦慄のリアルスリラー。」
数年前、富士急ハイランドの戦慄迷宮が「セッション9」バージョンになっていたっけ。
19世紀後半に建てられ、いまや巨大な廃墟と化した実在のダンバース精神病院を舞台に描く戦慄のサスペンス・スリラー。
アスベスト除去作業のために廃墟にやって来た5人の男たちに迫り来る想像を絶する恐怖と驚愕の事実とは――。
監督は「ワンダーランド駅で」のブラッド・アンダーソン。
<あらすじ> 19世紀に建てられ、今や巨大な廃虚となったダンバース精神病院。
かつて2400人を収容した、見る者を威圧するゴシック様式の建物。
その中には今は禁止されている、ロボトミーやショック療法といった非人道的な治療を施された精神病院患者たちの暗い記憶が澱んでいた。
85年に閉鎖されたその廃虚へと、改修工事前のアスベスト除去のために5人の男たちがやって来る。
彼等に与えられた期間はわずか1週間。
仕事を進めるうちに、彼らの一人は行方不明、一人が病院内に取り残された多重人格患者の診療(セッション)テープを見つける。
聞き進むうちに、次第に明らかになる身の毛もよだつ真実。
22年前の、クリスマスイブに患者No.444に何が起こったのか?
男たちはアスベストの粉塵のごとく、目に見えぬ恐怖に侵されていく。。。
デヴィッド・カルーソー David Caruso・・・・・・・・・・・・フィル
スティーヴン・ジェヴェドン Stephen Gevedon・・・・・マイク
ポール・ギルフォイル Paul Guilfoyle・・・・・・・・・・・・ビル・グリッグス
ジョシュ・ルーカス Josh Lucas・・・・・・・・・・・・・・・・・ハンク
ピーター・ミュラン Peter Mullan・・・・・・・・・・・・・・・・ゴードン・フレミング
ブレンダン・セクストン三世 Brendan Sexton III・・・・・ジェフ
★★☆☆☆
DVDには、特典映像として別バージョンの結末があり得した気分に。
実際は特典映像の方がメインだった様で、完成度を高めるために余計なものを全てカットしたのだそう。
特典映像にしか出演していない人がいて、かなり登場シーンがあるし、ラストも変わるけれど。
私はこちらの方が狂気も伝わるし、けっこう気に入っています。
弁護士志望の男を演じるスティーヴン・ジェヴェドンが、脚本に関わっています。
出演者全員、あまり顔を認知出来ていない人ばかりだったので、最初のシーンに出てくるフィル(デヴィッド・カルーソー)と、
ゴードン(ピーター・ミュラン)の顔の区別が終盤までなかなか出来なくて苦労しました(苦笑)
でも二人の演技は素晴らしく貫禄勝ち。
「3週間くらいかけてやりたいアスベスト除去作業を1週間でやるっていう超ハードな作業日程の筈なのに、かなりダラダラ仕事をしている」のも気になって(苦笑)
多重人格の中に生れ落ちた最も凶悪な人格が、主体が死して後もそのまま場に残留する、という発想は一見おもしろそう。
タイトルの「セッション9」は『セッション=診療』で、作業中にたまたま作業員のマイクが見つけた精神科カウンセリングの記録テープの9番目という意味。
ホラーというよりも人間ドラマとして観た方がしっくりくるかなぁ。
19世紀、マサチューセッツ州に建てられたこの病院は最盛期には7000人もの患者を抱えていたけれど、18年前に閉鎖。
以後、上から見ると巨大なコウモリに見える異様のまま放置されている。
主役は廃墟そのもの。
ロボトミーやショック療法など拷問同然の治療が、近代医学の名の下に行われてきた事実。
拷問とも思えるような残忍な治療が施されて数多くの患者が犠牲になり死亡したそうです。病院内にはその余りに残酷な治療施設も、そしてその治療で命を落とした患者の墓地も残っています。
古い診療(セッション)テープと共に、この空間自体にも患者の恐怖がふわふわあるような。
アイスピック療法、前頭葉白質切除など劇中の療法も当時、実際に行われていたもの。
この映画の舞台になってるダンバースの巨大な精神病院の廃墟。 これ、実在。
アイスピックを眼球の付根から入れて云々すると、命を落とさないままストレスが解消されるとかいう話が出る訳ですよ。コワー
仲間内の談話中に。
で、少し話が進んで一人の作業員が夜遅く作業をしていたら、壁の中からアイスピックを連想させる細長い銀の棒が出て来る。
作業員はそれを価値のある何かだと思って手に入れる。
と、ランプ一つだけの暗闇のその部屋で、近くからガタン!という物音。
私はもうこの時点でアイスピックの話を思い出して。。。(´Д`|||)
自分一人しかいない筈だと、物音に驚いた男はその場から逃げるように早足で歩き出す。
物音は時折聞こえるものの、声を上げても何ら返答が無い。
怖くなった男はとにかく地下のこの部屋から出ようとする。
目の前に出口の文字が見える。
この角を曲がればなんとかなる、と角を曲がった瞬間男が何かにぶつかり、ブシュッ、と刺すような音がして場面が暗転。
。。。もう。。。色々想像して怖いでしょう?(笑)
また特典映像の、出演者によるコメントがまた怖い(謎)
全米のWEBサイトで数々の血なまぐさい逸話が紹介されているというのだから、まさにホンモノの恐怖かも。