どんなに善良でも冷静さを失うと、自分でも予想出来ないほどの行動に出てしまう、肝に銘じよう。

＜原題＞「CHANGING LANES」（車線変更）
＜公開時コピー＞「たった一度の無謀な車線変更――その瞬間（とき）、見知らぬ２人の男の人生が交差した。。。」

たった一度の車線変更が、その後の運命を左右していく。。。
ささいな接触事故が原因で人生の危機に直面した２人の男が、互いに相手に対して尋常ならざる怒りを増幅させていくサスペンス・ドラマ。
監督は「ノッティングヒルの恋人」のロジャー・ミッシェル。

＜あらすじ＞　ニューヨーク・マンハッタン。
渋滞するハイウェイの中、若手敏腕弁護士のギャビン・パネックは重大な案件のため、裁判所へ急いでいた。
一方、隣の車線を走るドイル・ギプソンは、アルコール依存症で妻子と別居中。
カウンセリングによって依存症から立ち直り、彼もまた親権をめぐる裁判出廷のために裁判所へ向かっていた。
そんな時、先を急いでいたギャビンが突然車線変更したため、隣のドイルの車と軽い接触事故を起こしてしまう。
慌てていたギャビンは、非を認めつつもギブソンの示談の申し出を無視して白紙の小切手を一方的に渡してその場を去ってしまうのだが。。。

ベン・アフレック　Ben Affleck・・・・・・・・・・・・・・・・ギャビン
サミュエル・Ｌ・ジャクソン　Samuel L. Jackson・・・ギブソン
キム・スタウントン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ヴァレリー
トニー・コレット　Toni Collette・・・・・・・・・・・・・・・・ミシェル
シドニー・ポラック　Sydney Pollack・・・・・・・・・・・・・デラーノ
ティナ・スローン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・デラーノ夫人
リチャード・ジェンキンス　Richard Jenkins・・・・・・・アーネル
ウィリアム・ハート　William Hurt・・・・・・・・・・・・・・スポンサー

★★☆☆☆
■ＨＰ　http://www.uipjapan.com/changing/

一日の出来事です。　濃いねぇ(汁)
ちょっとしたボタンのかけ違いが、相手を破産させたり車のボルトを抜いたりなど、お互いの行動をエスカレートさせていく様は冷静さを失っていて恐ろしい。
二人とも根っからの悪人ではないだけに「ちょっとしたきっかけさえあれば人はこうなるんだよ」と言われているよう。
サミュエル・Ｌ・ジャクソンは、それまでのクールで渋い役から一転、薄汚れた服も着て地味にハマっていて上手かった。
アルコール依存症者たちが集まるカウンセリング仲間役のウィリアム・ハートも、ちょい役ながら中々印象的。

面白いのは、ニューヨークの街並みと人々（大半はエキストラということ）の表情。
アップタウンとダウンタウンの格差。
高級レストランと気楽な酒場の違い。
調停問題と民事訴訟の法廷の違い。
貧しいサラリーマンとエリート弁護士のオフィスや服装の違い。
２人ともに抱える家庭の悩み。
次第に増幅する相手への怒りが、相手を傷つけるたびに結局自分を追い詰めることにしかならなくて。
自分の弱さや良心に気づいた時、そのラストがあっけからんとしていて肩くらしをくうような、へ？って感じでした。