「南海トラフ地震の発生確率70~80%」のいかがわしさ
あれを科学と言ってはいけない」地震学者が告発!
https://bunshun.jp/articles/-/65444https://bunshun.jp/articles/-/65445★★
下記のような日本地震学会論文賞を受賞した研究もあります。
いろいろな角度で、見てみることは大事なことです。
東京大学地震研究所:瀬野徹三教授が、
「平成24年度日本地震学会論文賞」を受賞した研究によると、次の南海トラフ巨大地震は、
「次の地震は200~300年後ではないか」と発表した。
詳細は下記のとおりです。
南海トラフ巨大地震 ―その破壊の様態とシリーズについての新たな考え―:
「平成24年度日本地震学会論文賞」受賞
著者:東京大学地震研究所:瀬野徹三教授
掲載誌:地震第2輯、第64巻、第2号、97-116、2012
過去に南海トラフ沿いで地震が起きた場所を調べた多数の研究を再検証した。
地震の揺れや津波、地殻変動の特徴を調べて矛盾が少ない形で整理し、
日向灘から遠州灘までの領域で地震が起きる「宝永型地震」、
四国から紀伊半島沖と駿河湾周辺で地震が起きる「安政型地震」
の二つにわけた。
過去には、この2タイプが交互に起き、宝永型は350年程度、安政型は400年程度の発生間隔と考えられた。
順番だと次は安政型地震だが、いずれのタイプでも「次の地震は200~300年後ではないか」と指摘した。
瀬野(2012)の学説について
評価する研究者もいれば批判的な立場の人もいます。
批判的立場の一人に、南海トラフ沿いの巨大地震の歴史記録の研究に関して第一人者と言える石橋克彦は著書『南海トラフ巨大地震 歴史・科学・社会』で瀬野の学説に対する批判を述べています
瀬野は南海トラフ沿いの巨大地震を、宝永タイプと安政タイプに分類し、大雑把に安政タイプは熊野灘沖を震源域に含まず、宝永タイプは駿河湾沖を含まないとするものだが、瀬野が宝永タイプとしている昭和東南海地震でも決して熊野灘沿岸は震度が高いわけではない。宝永地震も同様だと思います。これはむしろ地盤が大きく影響しています。また安政東海地震では熊野灘沿岸では地殻変動が見られないとしていますが、都司嘉宣は熊野灘沿岸にも地盤変動と思われる記事を見出しています。
もう一点、南海トラフ沿いの巨大地震は昭和地震以外は全て、古文書の記録から地震像を再現した歴史地震です。特に明応以前の地震の記録は断片的で不明な点の方がはるかに多いです。東海道沿いの記録と、西日本の記録が同一条件で残されているわけではない。そのような歴史的背景による記録の伝存の分布は震源域の推定に大きく影響します。
そのようなことを考慮せず震源域云々を論じてもそれは成り立たないとする批判です。
一方で、30年以内に70%程度とする根拠となっている時間予測モデルについても批判があり、その指摘されている矛盾点については地震調査研究推進本部の報告書にも明記されています。例えば時間予測モデルは室津の変動量と次期の地震との再来間隔が比例するとするものだが、観測されている平常時の室津の沈降量と矛盾するなど。だからと言ってそれ以外に、それを完全に否定し、発生時期が明確に予測できる画期的なモデルが存在しないのも事実です。マスコミはそこまでは報じません。