新妻地質学研究所
月刊地震予報91)2017年5月の月刊地震予報
2017年5月4日 発行 →こちら
http://www.niitsuma-geolab.net/archives/4983★★
上記報告には、
○現状の地震活動の静穏化現象:嵐の前の静穏化現象:4ヶ月間継続は、
1995年・1997年・2003年・2004年に夫々1度の計4回のみの記録的水準。
○ルソン海溝の逆向沈込地震が、4/30に発生。
○千島海溝地震が活発化の兆し。
○房総三重会合点:2016/9/23M6.7地震に関連する地震に警戒。
この4点が指摘されています。
4/30のルソン海溝の逆向沈込地震発生。
上記速報52より引用::逆向沈込とは、
「「フィリッピン海プレートの下に南シナプレートがルソン海溝に沿って沈み込んでいる.
そのルソン海溝で地震が起こったことは,琉球海溝に沿う南シナプレートへのフィリッピン海プレート沈み込み停止が,
限界に達した結果とも考えられるので,沈み込みの急な再開に警戒が必要である.」」
つまり、ルソン海溝の逆向沈込地震発生以降、
日本周辺で、大きな地震が発生する恐れが高まるということです。
日曜日の巨大地震モニタリングで指標にしている愛知県西部観測点ラドンが4/30に101ベクレルのピークを付け、
その後、急速に減衰しています。
逆に、本サイト沖縄本島那覇観測点のラドンが4/30以降急上昇をはじめ、5/8には、+3σ以上の異常値となった。
この一致が偶然なのか。調べてみました。
上記現状と同程度の地震活動の静穏化が発生した1995年・1997年・2003年・2004年に、
ルソン海溝の逆向沈込地震M5以上、深さ80km以上の地震をUSGSで検索すると、
1997/11/12:M5.0、深さ85kmと
2003/8/17:M5.5、深さ80kmの2個がヒットする。
○1997/11/12ルソン海溝の逆向沈込地震以降の日本のM6以上の地震
1998/1/1&2/7:硫黄島近海地震:M6.3&6.4
1998/4/20-5月:伊豆半島東方沖群発地震;最大は5/3にM5.9
1998/5/4:石垣島南方沖地震:M7.7
1年おいて、2000年には、三宅島噴火、鳥取県西部地震震災が発生します。
○2003/8/17ルソン海溝の逆向沈込地震以降の日本の大地震
2003/9/26:十勝沖巨大地震M8.0
2003/11/11:硫黄島近海:M6.0
2003/11/12:紀伊半島南東沖M6.4
2003/12/10:台湾:M6.8
その後、震災クラスの地震が2004年に2回、2005年に1回など、非常に活発化していきます。
どちらも、大地震が、半年以内に発生し、その後数年、震災クラスの地震が続いています。
両方共に活発化した地域は、伊豆小笠原諸島方面と南西諸島方面です。
以上まとめますと、
愛知県西部ラドンがルソン海溝逆向沈込地震発生日の4/30にピークを付け、その後急降下。
逆に沖縄那覇ラドンは4/30以降、急上昇。
ルソン海溝の逆向沈込地震M5以上が発生した、1997年と2003年(どちらも現状と同じ記録的静穏化発生年)。
その地震発生後、半年以内に、伊豆小笠原諸島方面と南西諸島方面で、M6以上の地震が発生し,
その後、数年激しい地震噴火活動が続いた。
2017/4/30のルソン海溝の逆向沈込地震が
今後の大きな地震活動活発化へのターニングポイントになる可能性がある。