◎房総沖巨大地震モニタリング:
前回モニタリング:2016/9/6、9/20、10/11、10/15、10/20、10/30、11/20、12/04、12/18、12/23
2017/1/29、2/5、2/12実施
●震源域の予想:2017/1/29報告から:震源域の図示→こちら
http://www.tochiginokenkyusha.com/ikase8/izubonin201722.jpg予想震源域その1:鳥島東方沖の伊豆小笠原海溝一帯:予想規模M9
予想震源域その2:八丈島東方沖の伊豆小笠原海溝一帯:予想規模M8.5-M9
◎防災の最大のポイント:巨大津波:2017/2/12モニタリングに詳述
◎高層ビルの長周期地震動に警戒:2016/12/6&12/7に詳述
●東京湾の津波と火災の防災:
2016/10/30モニタリングに東京湾全域の津波波高分布などを加えて、再報告します。
○東京湾全域の津波の波高分布と到達時間::図2017021901
http://www.tochiginokenkyusha.com/ikase8/tokyoBay_tsunami.jpg図の左側に、東京湾を襲った過去の巨大地震による津波の波高分布を示しています。
東京湾入口に近い内房の館山から上総湊:かずさみなと:に至る地域では、5-10mの巨大津波
反対側の神奈川県の三浦半島間口港、浦賀に至る地域では、5-8mの巨大津波
東京湾奥に入るに従い、津波の波高は低くなり、横浜で、4m以外は、湾奥の東京千葉では、凡そ2mです。
津波の到達時間は、図の右側に示してあります。
東京湾入り口の布良から東京千葉までの伝播時間は約70 分、横浜で、約30分です。
この数字は覚えておいてください。
「ニュースで、東京湾入り口の布良:めら:に津波が到達したと、聞いて、横浜で凡そ30分、都心で凡そ一時間後に津波が到達します。」
○東日本大震災時の東京千葉の津波
東京晴海の最大波で1.3m、横須賀、横浜では1.6mであった。
また、千葉県では、木更津港で2.83m、千葉中央港で1.87m、船橋葛南港で2.40mであった。
津波災害の特徴でもある河川の遡上については、
江戸川(放水路)では河口から行徳橋まで3.3km、
荒川では河口から28Km地点までの遡上が確認されている。
また、千葉市の花見川においては、一部の護岸の崩落、市街地への浸水があった模様です。
○東京湾での津波の防災
上記記載の、内房の館山から上総湊周辺、三浦半島の間口港から浦賀に至る一帯、過去に比較的波高が高い横浜では、
津波ハザードマップによる避難訓練が必須だと思われます。
千葉県は、「津波浸水予測図(平成23年度)」の中で、津波高を想定している。
湾口に10mの津波が押し寄せた場合、木更津市で3.0m、千葉市中央区で2.9m、君津市で2.6m、浦安市で2.5m、
船橋市、習志野市で2.3mと想定し、浦安市と船橋市の市街地で浸水被害が発生する可能性を指摘している。
湾奥の東京周辺で、特に注意が必要な地域
(1)江東デルタ地区(2)品川駅周辺(3)大田区糀谷地区の3カ所
また、東日本大震災時と同様に、
津波の河川の遡上(荒川、江戸川など)と、周辺域の浸水も予想されます。
埼玉県は、東京湾に突入した津波が荒川を50km以上遡上し、県内の河川敷が2~3m程度浸水する可能性があるとの想定を採り入れるとのこと。
大規模地震が発生した後には、広い河川敷には多くの人々が避難しています。
そこへ津波が遡上して河川敷を襲ったら、数10cmの水深でも人間は簡単に流されると思われます。
東西線の門前仲町駅、半蔵門線の清澄白河駅、
JR京葉線が東京駅に向かって地下にもぐる周辺、有楽町線の新木場駅周辺
津波が地下鉄や地下街に進入する恐れがあります。
東京湾口に津波が到達したというニュースを知って、
湾奥の東京到達まで1時間ありますから、あわてずに、地下から表に出ましょう。
携帯用のラジオを持参ください。携帯電話は、地震発生後は、つながらなくなります。
○東京湾の火災
東日本大震災には、コスモ石油千葉精油所における火災・爆発事故がありました。
311の夕方、5回の爆発が発生。
近隣住宅地:民家等118軒のガラス等破損。飛散物落下。
近隣住民約千人(五井地区)に一時避難勧告
また、この火災・爆発事故に関連し、「使えなかった避難所」という報道が流れた。
午後5時過ぎ、2度目の爆発。避難所の一つで、精油所から南に約2㎞離れた若葉小では爆風で
校舎3階の窓ガラスが割れた。市は約3㎞離れた別の小学校へ2次避難を指示した。
東京湾臨海部には、石油精製、石油化学コンビナートが集中しており、石油を大量に貯蔵し、高圧ガスを大量に処理している。
千葉県と神奈川県に6箇所の石油コンビナート等特別防災区域が指定されています。
東日本大震災では、上記のように、京葉臨海中部の石油コンビナートで、石油火災があったように、
今回の巨大地震でも、火災の危険性があると、認識しておいてください。
ある意味、津波より怖いかもしれません。
神奈川新聞;2014/7/6によりますと、
(引用開始)
県内に最大級の津波をもたらすとされる慶長型巨大地震が起きた場合、
浸水深(浸水時の水位)が2メートル程度となる横浜、川崎市内の石油コンビナート2地区で
計12基の危険物タンクに被害の出る恐れがあることが、県の試算で分かった。
配管などが損傷し、備蓄している石油類約2800キロリットルが流出する可能性がある。
専門家は「火災につながる危険性を考慮し、
構造物の流出防止策と周辺住民の避難方法の検討を急ぐべきだ」と指摘している。
(引用終了)
神奈川県工業保安課では、国が示した計算式を使い、これらの被害可能性を見積もった結果、
京浜臨海で円筒形タンク5基、根岸臨海のタンク7基が浮き上がったり、横にずれたりすることが分かったそうです。
このように、
千葉、神奈川県の石油コンビナートでは、火災の危険性があると、認識しておいたほうがよいと思われます。
以上、本日のモニタリングは、東京湾の津波と火災の防災について、
東京湾全域の津波の波高分布と到達時間、東日本大震災時の東京千葉の津波、東京湾(都心含む)での津波の防災、
東京湾の火災について、報告しました。
○地震発生危険度の判定は、
赤▲:「巨大地震発生が迫っています」
最終段階の赤●:巨大地震がもういつ発生してもおかしくないの判定
まだまだ先のようです。2017年3月の可能性がある。
指標としている本サイト愛知県西部観測点と神奈川県西湘観測点の大気中ラドン濃度観測の異常値が未だ収束せず、
地震発生の準備はできていない状況は未だ変わりません。