◎房総沖巨大地震モニタリング:前回モニタリング:9/6、9/20、10/11、10/15、10/20、10/30、11/20実施
●震源域の予想:2015/5/6報告から
候補1:須美寿島から鳥島東方沖の伊豆小笠原海溝一帯:予想規模M8.5
http://www.tochiginokenkyusha.com/ikase8/candidate1.jpg候補2:八丈島東方沖の伊豆小笠原海溝一帯:予想規模M8.5:
http://www.tochiginokenkyusha.com/ikase8/candidate2.jpg候補3:房総半島南東沖から須美寿島東方沖の伊豆小笠原海溝一帯:予想規模M9
http://www.tochiginokenkyusha.com/ikase8/candidate3.jpg※防災のポイント
伊豆鳥島近海震央で、地震の規模がM8.2-M8.4の巨大地震による津波のシミュレーション
http://www.tochiginokenkyusha.com/ikase8/izuogasawaratsunami3.jpg(東京大学総合防災情報研究センターの原田智也特任助教作成)
M8.2-M8.4の鳥島近海地震の場合には、房総半島外房から九州の宮崎まで、3-5mの津波が襲います。
特に、津波の波高が高いのは、四国の太平洋側と和歌山県で、10-13mにも及びます。
もし、発生する地震が、通常のプレート間地震ではなく、アウターライズ地震であった場合には、
九州方面で、津波の波高が、通常のプレート間地震にくらべ、凡そ倍になり、5-8mの津波が、九州太平洋側を襲う。
巨大地震発生時には、大津波警報が、
千葉県外房、伊豆諸島、相模湾、静岡県、愛知県外海、三重県南部、和歌山県、徳島県、高知県、大分県南部、
宮崎県沿岸部、種子島・屋久島地方、奄美諸島・トカラ列島に発令されると予想されます。
◎東京湾の津波と火災の防災:2016/10/30:モニタリングに詳述
1、本サイト愛知県西部と神奈川県西湘観測点の大気中ラドン濃度変動
◎本サイト愛知県西部観測点の大気中ラドン濃度変動
2016/12/03時点でのグラフ→こちら
http://bbs3.sekkaku.net/bbs/upfile/ikaseinoti--1480759004-800-435-652.jpg東日本大震災前のグラフ→こちら
http://bbs3.sekkaku.net/bbs/upfile/ikaseinoti--1476450638-800-424-116.jpg9/23:房総三重会合点M6.7地震発生後、顕著な上昇を示し、10/20:115ベクレル、11/11:117ベクレルの+8σ以上という、ウルトラ異常値を観測した。
その後、減衰は、一旦停止しています。
10/15に報告した通り、東日本大震災時には、
2010年10月中旬から、大きく上昇をはじめ、2010/11/15に91ベクレルの最高値を観測。
その後、2010年末には急落し、その後、僅かにリバウンドして、70日後に、大震災を迎えます。
東日本大震災時の最高濃度91ベクレルを、24-26ベクレル上回る、二つのピークを持つ今回の濃度上昇だった。
◎本サイト神奈川県西湘観測点の大気中ラドン濃度変動
グラフは図2016112605に示した。
http://www.tochiginokenkyusha.com/ikase8/kanagawaradon1203.jpg愛知県西部観測点と同様に、9/23:房総三重会合点M6.7地震発生後、南部フォッサマグナ地域に位置する本サイト神奈川県西湘観測点で、顕著なラドン濃度上昇が始まった。
11/19に、最高濃度100ベクレルを観測した。その後、濃度低下したが、現在、再上昇中。
2,巨大地震震央はどこか:南北1000km離れた地磁気観測点のデータ解析
◎地磁気と地震前兆:気象庁地磁気観測所基礎知識より抜粋
地球には磁場があります。この磁場を「地磁気」と呼んでいます。
地磁気は、
地球内部の核の対流運動、太陽活動との関わりの他、地殻の活動など様々な地球環境の変動に応じて、刻々と変化を続けています。
[地震に伴う地磁気の変化]:
岩石は加えられた応力に応じて磁気や電気を発生します。
これらの原理を用い、地震の前兆となる地殻歪の変化を地磁気の観測によって捉える可能性が指摘されています。
地磁気は、大きさと方向を持つベクトル量ですので、 ある場所の地磁気を表すために、独立な3つの要素で示されます。
F:全磁力:地磁気の大きさ
H:水平分力:水平面内での地磁気の大きさ
Z:鉛直分力:鉛直面内での地磁気の大きさ
D:F全磁力が水平面内で真北となす角度
地磁気の大きさの単位には,磁束密度の単位:ナノテスラ(nT)を使います。
◎ 「地磁気観測結果から見た、2011年東北巨大地震の兆候」
E.M. Takla et al(2013)
The signature of the 2011 Tohoku mega earthquake on the geomagnetic field measurements in Japan
NRIAG Journal of Astronomy and Geophysics (2013) 2, 185-195
エジプト国立天文学地球物理学研究所、
九州大学理学部地球惑星科学科、
東北大学 大学院理学研究科 地球物理学専攻 惑星プラズマ・大気研究センター
の研究者の方の研究論文です。
MAGDAS(magnetic data acqusition system) Projectの日本の観測点及び
国土地理院地磁気観測網の2001年1月から2011年9月までのデータを用いて解析した。
最後の結論によりますと、
○日本の観測点における磁力の各要素は、2005年から特異な変動を示していた。
2011年東北巨大地震震央付近の宮城県女川町の観測点では、
全磁力で、5nTの磁力の増加が認められた。
○東北巨大地震震央付近の観測点(宮城県女川町&福島県南相馬市原町)では、
明らかに他の日本の観測点と異なり、
地磁気鉛直分力(Z成分)の日変動の年間変動範囲が減少していた。
図2016112601参照、((H:水平分力とD:偏角では、他の観測点と変化ないものの、Z:鉛直分力が、明らかに低い))
http://www.tochiginokenkyusha.com/ikase8/magnetic201301.jpg◎予想する巨大地震は、首都圏近郊か否か
南北方向に、凡そ1000km離れた小笠原諸島の父島と茨城県石岡市柿岡地磁気観測所のデータを
上記東北巨大地震前の地磁気観測解析結果を参考にして、2016年7-11月の地磁気鉛直分力(Z成分)の変動を調べた。
父島Z:鉛直分力:図2016112602参照
http://www.tochiginokenkyusha.com/ikase8/chichijima2016711.jpg8月から上昇をはじめ、9/23:房総三重会合点M6.7地震発生後は、顕著に上昇した。
10月20日ごろに、ピークをつけ、一旦減衰。11月に再上昇。11月11日ごろに、2回目のピークをつける。
その後は、なだらかに減衰。
この変動形式は、本サイト愛知県西部観測点の大気中ラドン濃度の変動形式と酷似しています。
図2016112604に示したが、
http://www.tochiginokenkyusha.com/ikase8/shinpatsu_setumei.jpg小笠原諸島の南から本州中部地方,若狭湾を通る、地震帯が存在するために、
伊豆小笠原の地殻変動を、中部地方の愛知県西部で、ラドン濃度変動として、知ることができるのかもしれません。
全く想像もつかず、驚きの発見です。非常に興味深い発見です。
さらに、11月中旬以降、顕著に、父島地磁気鉛直分力(Z成分)の日変動は、小さくなった。
7月、8月の日変動と、11月中旬以降の日変動をグラフで比較していただくとよくわかります。
茨城県石岡市柿岡鉛直分力:図2016112603参照
http://www.tochiginokenkyusha.com/ikase8/kakioka2016711.jpg変動形式に、定まった傾向は見られなかった。
また、父島地磁気でみられた、11月中旬以降の鉛直分力(Z成分)の日変動の減衰も見られなかった。
2016年11月の30日間の毎日の地磁気鉛直分力(Z成分)の日変動について、平均値と変動係数を求めた。
平均値 変動係数
茨城県石岡市柿岡 24.9nT 64.7%
小笠原諸島父島 14.8nT 29.7%
父島の鉛直分力(Z成分)の日変動と変動係数は、茨城県石岡市柿岡より小さかった。
3、予想する巨大地震震央はどこか:首都圏のゆれは?さらなる解析
本サイト空の掲示板で、レモン愛知さんが、報告される大気重力波&さざ波雲。2016年11月の発生地域を地図上にまとめ、図2016112606に示しました。
http://www.tochiginokenkyusha.com/ikase8/graviticwave201611.jpg灰色:大気重力波、赤色:さざ波雲を示し、
発生が複数回の場合には、重ねて表示され、色が濃くなっています。
なお、さざなみ雲と大気重力波については、本サイト内の「地震予想の基礎その2」をご覧下さい。→こちら
http://www.tochiginokenkyusha.com/ikase7/ikase7kiso2.html青森東方沖から三陸沖、福島沖、中国四国地方、伊豆諸島で、複数回の発生がみられた。
伊豆諸島では、八丈島周辺で、複数回の複数回の発生がみられた。
上記の震源域候補2が八丈島東方沖の伊豆小笠原海溝一帯です。
1972年12月4日八丈島東方沖地震が発生。
M7、南関東の震度4で、上記津波シミュレーションの地域に、津波が到達。
もし、この位置で、M8.5程度の巨大地震が発生すると、南関東の震度は、震度5強程度(最悪6弱程度)になると思われます。
揺れによる大きな被害がでるかでないかのぎりぎりの震度です。
それ以上に、心配されるのが、タワーマンションの長周期地震動です。
この地震では東京都新宿区に建設されたばかりの超高層ビル、京王プラザホテル(47階建、170m)では
44階のレストランでは高層ビル特有の長周期の横揺れが発生して客などが一時騒然となったという。
M7でこの被害ですから、M8.5ならば、さらに、おおきくて、長い時間の長周期地震動が予想されます。
長周期地震動とその防災については、今週中に、詳細にまた、報告します。
以上、まとめます。
9/23:房総三重会合点M6.7地震発生後、
本サイト愛知県西部と神奈川県西湘観測点で、顕著なラドン濃度上昇が始まった。
愛知では、10/20と11/11に+8σ以上という、ウルトラ異常値を観測した。
東日本大震災発生前の最高濃度を、24-26ベクレル上回る今回の濃度上昇だった。
神奈川では、11/19に、ピークをつけて、減衰。現在、再上昇中。
両観測点ともに、まだ、収束せず。収束しないと、地震発生の準備はできません。
予想する巨大地震の震央が首都圏近郊か否かを探るために、
小笠原諸島の父島と茨城県石岡市柿岡地磁気観測所の、2016年7-11月の地磁気鉛直分力(Z成分)の変動を調べた。
父島のZ成分の変動形式は、本サイト愛知県西部観測点の大気中ラドン濃度の変動形式と類似していた。
父島地磁気鉛直分力(Z成分)の日変動は、11月中旬以降では、顕著に、茨城県石岡市柿岡観測点の日変動より小さく、バラツキも小さかった。
一方、茨城県石岡市柿岡の変動形式に、定まった傾向は見られなかった。
これらのことから、311巨大地震前の地磁気観測結果解析結果を参考にして、解析した結果、
予想巨大地震震央は、首都圏の近郊ではなく、父島地磁気観測所に近い地域すなわち、伊豆小笠原諸島であることが推察された。
2016年11月の大気重力波&さざ波雲の発生地域。伊豆諸島では、八丈島周辺で、複数回の複数回の発生がみられた。
この地域で、巨大地震が発生すると、1972年八丈島東方沖M7地震から推察して、
南関東で、震度5強程度(最悪6弱程度)、強烈な長周期地震動、
また、上記津波シミュレーションの地域に、津波が到達すると、推察されます。
さらに、地磁気観測の今後の観測結果、大気重力波の発生地域、首都圏の他の大気中ラドン濃度観測の異常値の有無などで、
どこが巨大地震震央となり、ゆれがどの程度か推察していきます。
地震発生危険度の判定は、
赤▲:「巨大地震発生が迫っています」
最終段階の赤●:巨大地震がもういつ発生してもおかしくないの判定
まだまだ先のようです。2017年1-3月の可能性がある。