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■Voice From おーはし■

ちわっ!みなさん。
このコラムコーナーは、俺が日頃思っていること
…例えば、舞台や映画を観ての感想や音楽を聴いて感じたこと、
小説を読んで思ったこと、道を歩いていて気づいたこと、
ごはんを食べての満腹感、まる半日寝た後の爽快感などなど、
そんな日々のあれこれを、どくだんとへんけんにミチミチて
語ってしまおうというものです。…もちろん、ケトイシのことも!

不定期更新。気が向いたトキが更新日。

━ 2002.11.19 OPEN ━

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voice57■フロストな夏


    RES 
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[121]おなまえ:おーはし
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ここ三週間ほど頭の中は、寝ても覚めても
フロスト!フロスト!フロスト!フロスト!だった。

私は忘れない。
…警部と過ごした2004年、この夏の熱い日々を。

きっかけの一冊は『夜のフロスト』。
作家はイギリスのR・D・ウィングフィールド。
本の帯には「週刊文春傑作ミステリー第一位」。
その他にも「IN・POCKET 評論家が選んだ第一位」、
「このミステリーがすごい!第二位」と書いてある。

別に俺はミステリ好きでも推理小説好きでもない。
貫井徳郎や横山秀夫、宮部みゆきとかは読むが、
小説ジャンルとして大好きかと言えば?だ。

海外の作家のものなどは特に読まない。ずっと前に
アガサ・クリスティーをちょこっと読んだぐらいかな。

そんな俺が、その物々しい帯の宣伝文句に
惹かれて、本屋のレジに並んでしまった。
…文庫本なのに1300円。
びっしり細かい文字が750ページも詰まっている。

おもしろくなかったら週刊文春と発行先の
東京創元社を訴えてやろう。でも訴えても相手に
されない事は明白なので泣き寝入りしよう。
…そう決めて読み始めた。

翻訳ものに慣れていない人間が陥るのは
登場人物名とその関連事項の繋がりで、
読み始めの頃は俺もちょっとてこずった。
…ジョンスンだのバートンだのジョーダンだの
リックマンだのヒックマンだの。
…あれ?こいつは誰で、どういう奴だったっけ?
…とかね。
みんな田中と鈴木と木村でいいじゃん!
…とかね。
おまけにこの作品は場展も速けりゃ人物も多い。

そして肝心なのは、事件の数の多さ!

こういうのをモジュラー形式というらしい。
同時進行的に複数の事件が描かれる。
かと言って、そのすべての事件がひとつの原因に
結びつくものではない。直接的・間接的には多少の
リンクはするものの、大方は別事件と考えてもいい。

この別事件(小さいのも含めば10個ぐらい!)が
ほぼ数日のうちに同時にやって来るのだ。
…あ〜面倒臭い。…でも仕方ないか。
だって一個ずつ事件が起きて、一個ずつ解決して
行ったらただの短編集だぜ!

50ページぐらいまで過ぎると、人物把握や
ウィングフィールドという作家の文体にも慣れる。
そうなれば、このような事件の込み入り具合が
何とも心地良くなって来るから不思議だ。
…Aの事件を追っていたら、途端にBの事件の
糸口が見つかり、その時解決済みと思われた
Cの事件が振り出しに戻るとかね。
…その目まぐるしさがいい。

そんな事件を解決する主人公が、
全然カッコ良くないフロスト警部。

…薄汚れたレインコートを羽織り、よれよれの
スーツにだらしなくネクタイをしている。
首には垢まみれのえび茶色のマフラー。
前頭部は禿げ上がり、新任の若い刑事からは、
浮浪者同然の役立たずの老いぼれと思われている。

…事件捜査中もエッチな戯言と下品なジョークを
繰り出し、その刑事手法は行き当たりばったり。
そのためか、作品中何度も失敗の連続。
決して鮮やかな捜査進行とはならないから、
当然警察署長からは怒られっぱなし。

そんな直感捜査のフロスト警部の魅力は、
何と言ってもその人間味だ。

ドジの連続の警部だが、回り道をしながらも
最後には、なるほどと思わせる鋭い推理で事件を
解決に向かわせる。…しかしせっかくの手柄を
上げても警部は、その犯人と周辺の事情を考え
自分には利益にならないような行動に出る。

そんなフロストの姿を見て、
今まで心の中で罵倒していた若手刑事も
フロストの凄さを知る事になる。

『夜のフロスト』で夢中になった俺は
シリーズ第一作の『クリスマスのフロスト』、
そして二作目の『フロスト日和』と読み進めた。

…『夜のフロスト』が一番笑える。
『フロスト日和』は事件推理の過程が光る。
『クリスマスのフロスト』は警部の過去が
詳しく描かれている分、ちょっとシリアス。

本国イギリスでは五作目まで刊行されている。
東京創元社さん、早く続編を出してよね。

…この小説は物語の面白さの醍醐味とともに
「人と言うものの豊かさ」についても
考えさせられる。…へたな純文学小説より
心に迫るのはなぜだろう?

そんな“フロストな夏”でした。



2004年09月02日 (木) 15時01分





voice56■アテネを見たね


    RES 
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[120]おなまえ:おーはし
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いわゆる『長嶋ジャパン』が銅メダルに終わった。

一試合もじっくりテレビで観ていないので、
ご意見するのもはばかれるのですが、…ざまねぇな!

予選も決勝トーナメントもオーストラリアがネック。
そんなに強いのかね、あの国。…ある筋のある人は、
「決勝も総当りのリーグ戦にすれば日本が金だ!」
と言っていましたけど。…はぁ〜、情けない。
一発勝負のトーナメントじゃダメなんだ、ジャパンは。

ねぇ、野球は相撲と並ぶ日本の国技的
スポーツじゃないの? そして、その国技化した野球が、
学んで追い越すべきは米国ベースボールじゃないの?

根本的に俺が思うのは、オールスター並みの
大リーガーが出ていないオリンピックに対して、
日本がプロ選手ばかり集めて、それこそ剥きになって
闘おうとする姿勢が、とっても変だという事。

…つうか、悲しい。
…おまけに負けてやんの。
…キューバが強敵だって。
…強敵はアメリカじゃん、アメリカ!

アメリカが出ていないオリンピックに
日本のプロが出ることに意味なし!
そんな事をするくらいなら、もっとアマの選手に
オリンピックという舞台を開いてあげなよ。

本物の金メダルが欲しきゃりゃ、サッカー並みの
ワールドカップ開催を日本プロ野球機構主導で
実現させなきゃ意味ないんじゃない?

フォーザフラッグ?―バカ言ってんじゃないよ!

“絶対とらなきゃいけない金を逃した野球”
“ひょっとすれば望まれない金を獲った女子マラソン”

野口みずきが一位でテープを切った瞬間、
実況アナウンサーの声の中で印象的だったのは
「日本二大会連続金メダル!」という連呼の言葉。

この言葉の中に【野口みずき黙殺傾向】をみたのは
俺だけか?…俺だけだろうな。でへっ。

なんか高橋尚子の陰がマスコミにも
見ている俺たちにもちらついていると思わない?

本音@
高橋が金だったらもっと盛り上がったろう。
本音A
それがダメでも出場しただけで盛り上がったのに。
本音B
高橋金、野口銀が望んだストーリーだったんだ。
本音C
そうならなくても高橋なら三位までに入っていたのに。
本音D
土佐さんなんか…。
本音E
坂本って何よ…。
本音F
可愛いだけじゃん、あの子!
本音G
…それにさ。
本音H
野口よかさ…。
本音I
高橋の方が愛らしいよね。それだけで絵になるんだよ。
マスコミ的に。見ている側的に。
本音J
そう思わない?…思うよね!


こうして野口みずきの金メダルは
輝きを無くして行くのでした。霞んで行くのです。

ふと想像するんだけど、金銀銅合わせて取り放題の
アメリカとか中国、ロシアの国民たちは
メダルに対してどう思っているんだろうか?
…メダル獲得に慣れっ子の米中露の人々。

…やっぱりその裏側にある選手の物語にも
スポットをいっぱい当てているんだろうか?
…日本的に。叙情的に。くそゴシップ的に。

そんな事はないと思うんだけど。
国家がオリンピックを扇動目的に使わない限り。
ただの勝負のみで見ているんじゃないかな。
…テレビの前の米中露の人々は。

勝負だけで『野口みずき』を見るべきだと思う。



2004年08月27日 (金) 00時47分





voice55■続・君こそスターだ☆


    RES 
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[119]おなまえ:おーはし
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その日、彼がたたずむ稲村ヶ崎は雨らしい。
あの夏の日、彼女と砂にまみれた過去が
忘れられないらしい。

そんな時、情熱の物語・ドラマを見たらしい。
彼はそのドラマの中の人物に惚れたらしい。

これはサザンオールスターズ『君こそスターだ』の
冒頭の歌詞の一節だ。

…雨の中の彼はこの曲のリスナー側だろうし、
当然、ドラマの人物は
オリンピックのアスリートたちだろう。

最初は雨の中の傷心の彼も
オリンピック選手の事かな?と思った。
…オリンピックを通して
心の傷を昇華して行く歌詞かなと。
…ま、そんなことはどっちでもいい。

その後には必殺の詞がやって来るのだ。

「頑張る君と生きた時代に万歳」
さらには
「さよなら 君がくれた未来に乾杯」
とこの曲は綴られる。

結果は抜きにして、アテネの選手が頑張る姿を
見られるという、同じ時代に生きた自分に
万歳だし、そんな姿を見て、自分自身の生き方や
未来に示唆を与えてくれた選手たちに乾杯なのだ。

この歌詞は、【祭りの後】を歌っている。

夜空の花火はもう消えているらしい。
祭りは燃え尽きたらしい。
だから生まれ変わらないと、歩いて行かないと
いけないらしい。…太陽が照らす道を。

よくよく考えたら、こんなオリンピック応援歌って
ないんじゃない?…だって、やる前から
やり終った時の事を歌ってるんだもん。
何たって、話が【祭りの後】だぜ!

でもこんな詞を歌えるのがサザンかもしれない。
そして桑田佳祐なのだろう。

30年近くも現役のポップロックバンドで居続けている。
多少のセールス的な落ち込みの時期もあった。でも、
今でもこうしてチャートの上位に君臨しているのだ。

誰がやれている?どのバンドがやっている?
…こんな桁外れの偉業を。この日本で。

「父さんも娘もサザンのライブに行ってまーす!」
…こんな状況は今までになかったし、
これからもないかもね。…うん、ないね。

こんなバンドと同時代を生きられた自分は
とっても幸運だと思う。

祭りは経験済みなのだ。祭りはもういいのだ。
そりゃ祭りはいいもんだ。でも肝心なのは
【祭りの後】なのだ。【明日への何か】なのだ。

お祭り体験にはもう慣れっ子の
国民的ロックバンドがそう言っている。
…そしてそんな事が言えるのは、サザンでしかない。

そう考えるとCMでも繰り返し使われている
「走りくる影は明日への追い風」という詞が
ジンと来る。…【明日への追い風】っていう表現!

だから生まれ変わらないといけないらしい。
歩いていかないといけないらしい。
…太陽が照らす道を。

祭りを糧に、そして追い風に変えて、
その後を生きるのだ。うねりくる波に乗れ!
―道は太陽が照らしているぜ!


ちょっとばかりの勇気と希望をもらいました。
めちゃめちゃポップな曲調のこのナンバーで。

…明るい曲だからこそ、俺はジンと来る。


そして相変わらず、
ケトイシ募集係は「君こそスターだ!」だ。



2004年08月21日 (土) 00時09分





voice54■君こそスターだ☆


    RES 
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[118]おなまえ:おーはし
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今夜(17日)はケトの次回来年一月公演に向けての
スケジュール会議。…気持ちも晴れ気味。

何かいろいろ考える事があって、
ダースネスマイシンゾーがちょっと楽になった。
…会議といっても三分の一はだべり!
いえ〜い!

Y氏、途中から登場。でもって、Y氏正式参加決定。
…Y氏、いい役者。頼りになるY氏。うれしっ!
Y氏のことはそのうち紹介するぜい。実名もな。
―ケトイシごーごー。

何だかね、いつも切羽詰っている俺だけど、
やっぱあいつらの顔を見るといいよね。楽になる。
…ハマと高橋の人のいい顔。…あはは!

次からは切羽詰るのをやめよう。
明日からは切羽詰るのをやめよう。
いや、今から俺は切羽詰らないぞ。

…ところで俺は、何に切羽詰っているのだろう?
…そして、何でせっぱって、切る羽なの?

次回一月公演は、約15人キャストで行くことが決定。
残り三ヶ月でほぼ10人を集めるのだ。お〜。

【役者さん大募集中!】
演劇未経験の方でもだいかんげー!
…メチャやる気とメチャ切羽詰ってない人が好き♪
情熱的なのんびり屋さん?
ケトイシ宛てメールでよろしゅう。


今現在テレビでは、オリンピックの野球で松坂が
強敵キューバを相手に戦っているのに、
それより、今夜の西武ライオンズの試合結果が
気になっている俺って変?

松坂と福原愛の顔が似ていると思う俺も変?
目以外は絶対似てるって。
…あの団子鼻。あの頬張った卵形の輪郭。

松坂、早く帰って来い!
…パリーグ、可哀想。…近鉄もオリックスも可哀想。
…一番はファンが可哀想。

ところで、長嶋がいないのに『長嶋ジャパン』って
何それ?…てか、ばっかじゃねぇの〜!

普通考えたら『中畑ジャパン』でしょ?
こういう“情緒的インチキ”が大嫌いだよ。


そうそう、サザンのオリンピックとトヨタの
応援歌はとってもいい。『君こそスターだ』

デビューからずっとオンタイムで聴いている俺が
言うのだから間違いない。いや、ほんま。

…この曲には、“サザンオールスターズ”という
日本国メガ大衆ロックバンドのエッセンスが
ぎゅうぎゅうぎゅうっと詰まっている。


ケトイシ募集係より「君こそスターだ!」



2004年08月18日 (水) 02時27分





voice53■コスモった?


    RES 
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[117]おなまえ:おーはし
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本来ならこの回は、もうすぐ読了の『夜のフロスト』か、
人に薦められた『サトラレ』を観た後、それらの感想を
書くつもりでいたのだが、昨日今日の体験があまりにも
激し過ぎたので、コスモります。

別に経緯、事情をもったいぶっている訳ではないのだが、
この二日間、なぜだかコスモルという劇団の稽古に
参加した。…なぜかも、もちろん理由はあるのだが、
今は言わない。(←やっぱ、もったいぶってんじゃん!)

瑣末なゴク個人的な感想はさて置き、
「世の中っていろんな人がいるのね〜〜〜!」が、
第一印象。…こんなにいろんな人がいるって知んかった。

そんな人々を見ていると楽しいし、まだ二日間しか
ご対面していない訳だけど、ミョーに愛しくなる。うん。

芝居をやっている以上、もちろん、ケトイシでも
いろんな人々(役者さん)と、ほぼオハツ状態で
知り合う事はよくあるのだが、この二日間の俺は
いつもの“演出おーはし”ではないのだ。
…ただのオヤジだもん。…立場が違う!

コスモルの作・演はケンという人で、座長はマキさん。
次のポジションで支える人がカジさんかな。

この人たちに引っ張られる感覚が、自分的には
とっても新鮮に感じられた。
…なぜならいつも俺は、引っ張る側でいたから。

基本的にも応用的にも、俺という人間は根っからの
九州人だから、他人にあーこー言われるのを
嫌う部分がある。「おいはおいばい!」…みたいな。

だからこそ自身の劇団を立ち上げたり、普段の仕事でも
なるべくフリーでいられる立場を選んで来た。

…そっか、こういう人に何かをしろって言われるのって、
中学とか高校の学生時代以来のような気がする。
…何だか今の俺、乙女なオジサン状態?

芝居的に、言われる側に身を置いてみて分かったよ。
…うちのハマや高橋や増田や安藤の気持ちが。
…役者は大変っす。そしてマゾっす。マゾ!

絶対Mだよ、俳優さんは!
そして本番の舞台でSに変わるのな。
…すげー、おれおれリスペクトの人々じゃん!

Sになれるまでの努力とか鍛錬がヒツヨ〜〜〜。
大変だぜ、俳優さんは!

【立場が違えば見方も変わる】
観られるサイドの俺として稽古に立ち、
演出という通常時とは別の部分で格闘してへこむ俺。
…そして、周りの芝居仲間への今までとは違う見方。

そりゃ、愛しくもなるわな。
…けど、MはいつかはSになるんだよな。

「我こそがサディスティックスターなり!見よ客よ、我の姿を!」
って。…すげーよ、役者はよ〜!


いつの頃からか役者の視線を忘れていた俺がいる、
と思ったこの2days。



2004年08月12日 (木) 04時05分





voice52■ぼくの魔法使い


    RES 
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[116]おなまえ:おーはし
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【宮藤官九郎は、肉の切断面図である】

例えば人が、自分か、さもなくば、他人の肉体の
スパッ!と切られた切断個所で目を付けるのは、
鮮血は別とするなら、赤い肉身の部分であろうし、
次には骨かな?…最後に脂身?

『ぼくの魔法使い』というドラマは、その三つを
すべて一瞬に見せてくれる、類稀なTVドラマだ。

別に作り手が、肉だけを見せてくれても、
脂身だけだろうと、面白ければ
見ている側は、そんな事はど〜でもいいし、
そのような部位部位のみを見せようとする作品なら、
ちゃんと見せてくれるものをもちろん望む!

…例えば、赤身の肉が恋愛に関する事であり、
脂身が不治の病に関する事なら、骨の部分は不可解な
謎を鮮やかに解決する刑事ものだったり。

肉を肉として扱った物語。骨が骨としてある物語。
脂が脂の領分を活かした物語。

…そんなドラマが無さ過ぎるんじゃないの?
肉をしっかり描くドラマ。骨をがっしり描くドラマ。

だったら、肉も骨も脂質もすべて、その瞬時に見せて
くれた方がいい。…それこそ、一瞬で。

恋愛白血病刑事ドラマみたいな。
…いやこれでは、かなりかなり!まとまりを欠く
「2時間だらだら何が言いたいの?ドラマ」だ。
大切なのは“その一瞬”ですべてを
見せ切ってしまうという事。

この『ぼくの魔法使い』はその多様なものを
同時に、そして瞬時に見せることに成功している。
肉や骨や脂身の背後に背負った物語すらも一瞬で。

そしてそれを見ている側に印象付けるフィルターは
「笑い」なのだ。―だからこそ凄い!

視聴者は笑いの中にいてホロリとしてしまう。
このドラマの8話目だったと思う。
…ある生徒に対する校長らの処罰とそれに抗議する彼氏と
主役の夫、そこに現れた男になってしまった妻、
その妻に発言よって生徒の立場が逆転するのだが、
その瞬間はまさに【笑いに包まれた感動】だった。
…それも目まぐるしいまでの時間と感覚を揺さぶる
速さとテンポとリズムで!

物を語るのに時間は要らないのかもしれない。
一瞬にして切り裂く刃物が要るように思う。
…現実に起こる物事とその裏にある事実と歴史を
斬り解くナイフのような力が。

ひょっとしたら、『木更津キャッツアイ』より、
『マンハッタン・ラブストーリー』より、
よほど肉体の切断図面を見せてくれるのは、
この『ぼくの魔法使い』のような気がする。

(変な話、このドラマの事を書こうとして自分の頭に
思いついたのは、ハムみたいな肉の断面だった)

本当に変な話。変な俺。

そして三つのドラマのうち、一番笑ったのもこれ。
…伊藤英明、さいこー! 阿部サダヲもいいなー!
篠原涼子はるみたん!ぶーたん!
…ムカツクけど可愛い〜〜〜〜〜☆


蛇足の補足。
切断するには速さが必要である。…ナイフを振りかざし、
振り下ろし、振り抜き振り切る“速さ”が。
そこにあるべきスピードが。

…そして、力!



2004年08月06日 (金) 05時05分





voice51■神のふたつの貌(かお)


    RES 
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[115]おなまえ:おーはし
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確かに理不尽に思う。
慎ましく真面目に生きている者へ起こる不幸を。

何も悪い事はしていないのに、幸福とは程遠い場所に
いる人々。または傷つけられ、または殺されてしまうと
いう不可思議な事象の数々。
…あどけない子供がただの不注意な車にひかれる。
…力の無い女性が欲望のために暴行を受ける。
…職を失った実直な男が死の選択をする。
…親を慕う子がその親から虐待を受ける。
…名も無き民がその国への爆撃を受け血まみれになる。
…正直さだけが取り柄の俺が生活苦にあえいでいる(笑)

その一方では、間違いなく悪い奴が、
間違いなく私欲を満たし、間違いなく長生きをしている。
…間違いなく人を傷つけながら。

誰でも思ったことはあるだろうし、俺も何度も思った。
「こんな事が許されていいのか?」

…一体、神は何をしている?
…神様、あんたは本当にいるのか?
…いるなら、この世の飛んでもなく理不尽な事柄の数々を
あんたは許すのか?…なあ、教えてくれよ!なあ、神様!

【それでも神は相変わらず“黙して”いる】


貫井徳郎の小説『神のふたつの貌』を読む。
この貫井という作家は、ミステリ作家で知られている。
今まで俺が読んだ二つの作品もそんな味わいの本だった。

とにかくキレのいい展開と鮮やかな切り口、とても
読み易い文体ながら、奥深い知性と人間洞察の鋭さを
感じさせる作家だ。今回もそんな読後感を期待していた。

ところが!!!
…三部構成のこの作品の、第一部終了間際までとにかく、
も〜も〜イライラした。いつものキレが無いのだ!

舞台はある田舎町のキリスト教の教会。
牧師を父に持つ輝という少年の視点から、両親の確執、
教会信者の姿、そして追手から教会に匿われた朝倉という
男の存在からの、両親とその町の心の波紋が描かる。
だが、どうにもその語り口がもどかしい。

俺はプロテスタントとカトリックの違いも定かでは
ないほどキリスト教に対しては無知だ。
もどかしい物語の中で主としてテーマに掲げられるのは、
このキリスト教(プロテスタント)の教えの元での
神に関する考察だ。…神の実在に対する懐疑。
…そして、それに発する自身の生き方への疑問。

読んでいてなるほどと思うことはある。
だが、対キリスト教を例に取らなくても、そのような
人間の生き方を考えさせてくれる作品は数多くある。

俺の大好きな村上春樹、白石一文、ドストエフスキー…。
そんな作家の作品に比べたら、この本は、…つまらない。

別にキリスト教に無知な俺でも、十分に理解できる。
だからこそ、この本はその語り口が問題なのだろう。

「今回はミステリじゃないのね、貫井さん。…それでも
いいんです。人間を問う本でも。…でもでも、貫井さん。
…サクサクズバズバ進めてよ!…お願いだからこの僕に、
ときめく言葉と物語を、どうか届けて下さいよ!」

そんなことを思いながら、第一部の終了近くまで
読み進めた。この後もずっとこの本に付き合うのは、
ちょっと辛いかなぁ〜と感じつつ。

そしてその瞬間がやって来る。第一部のラストシーン。
…正にスルリと。
スルスルスルリと、物語の中で人が殺されたのだ。

『死は永遠の別れではない』
『死は神との契約である』
『不幸は自ら望んで与えられる』
…そんな言葉とともに。そんな言葉の思索実践のために。

正にスルリと。正に鮮やかに。そして俺は真に驚いた。
「この展開でこう来るのかよ〜!」

以降の第二部、三部は夢中になって読んだ。
グイグイグイグイ惹きつけられる。
静かに進む物語の中に潜む、
とてつもない緊張感がたまらない。
そして後で分かるのだが、全体の構成の面白さ!凄さ!

読了して思うことだが、あの第一部の展開のもどかしさも
作為的なものだったのだろう。
…というか、今から考えればあれがあるから、
この作品の“静謐な不気味さ”が成立しているのだ。
あの展開は無くてはならないものだったのだ。

…貫井さん、途中で読むのをやめようとして
ごめんなさい。ほんと〜に!参りました!!!


この『神のふたつの貌』は確かにミステリである。
しかしこの『神のふたつの貌』は
【それでも神は相変わらず“黙して”いる】
という事に関する問い掛けの作品だ。

神の沈黙は何を意味しているのか?
…俺には分からない。
死ぬまでずっと分からないのかもしれない。

それでも思い出したように、ふと考えるのだろう。



2004年07月29日 (木) 18時10分





voice50■熱いからこうなるのかね?


    RES 
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[114]おなまえ:おーはし
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暑い!
暑い!
暑い!
暑い!暑い!暑い!

…これだけ言っとけば涼しくなるだろ。

しかし、気象庁も頭が固いな。
いいじゃん、東京最高気温記録更新40℃で。
39、5℃って、何か半端だよね。
…いい感じは40、5℃ね。この数値・文字面、いいな。
お〜、たっぷり暑そう!って思うもん。

あと【、5】っていうのがいいんだよね。
そういった意味じゃ、気象の人もいいのかな?
…でもけど、40に持ってけ!せこいぞ、気象の人!

自分の仕事休みは、なぜかこの夏、とっても暑い日に
ぶち当たっている。そのおかげか、やりたい事を
やれないでいる。やりたくなくなる。…ダラダラ生活。

ダラダラは見るものにも影響する。
『レインボーブリッジを封鎖せよ!』を見てしまった。

見たくはない作品だったが、見ろ見ろと人に
薦められて仕方なく見たが…。あ〜あ。

「早く封鎖しろよ!封鎖してもこんなもんかよ!」
と、言うのが実感。
んでもって、感情移入シーンがあまりにも、饒舌過ぎると
いうか、長いというか、退屈というか、―アホらし!
…ストーリー運びもチグハグしてるし。

それでも、憎まれ役の女性管理官が降ろされ、
現場の刑事たちが盛り上がるシーンは、
それなりにジーンと来ましたけど…。
前回の映画版もつまんなかったし、やっぱこの作品は
テレビドラマ時代が一番良かったな。

あともうひとつ自分の感覚にあるのは、どうしても
最近見た『マンハッタン・ラブストーリー』と
比較してしまう事。…遅いんだよ、展開が。

もちろん、遅くてもいい物をもらえる作品は
いっぱいあるし、早いけど、な〜んも残らん作品もある。

『木更津〜』を見た時も感じたけど、
この人の作る物って、どれも早くて感情を突いて来る。
『マンハッタン〜』は更にその「笑い」と「泣き」の
起伏が凄みを増している。

いっぱい変な事だらけのドラマに見せかけて、
ちょっとだけ、ホロリと泣きを入れて来る。
それも“変な”会話状況に見せかけて。
…つうか、かなりアザトイけど。はまるんだよ、これが!
最終回は泣いた俺って、変?

あのスピードが舞台でやれたらいいよな。
そんな舞台、ないかなぁ〜。…自分でやる?
…。(←恐れ多過ぎて無言)

ま、映画・テレビ・そして舞台をごっちゃにして
語っている自分にもかなり無理がありますけど…。

踊るを封鎖せよ!って感じでぶつぶつ思いながら、
ビデオを見終わって夕方になった。
物足りなさと暑さで、たまらず近くのドトールへ。
(うちは健康のため、わざと冷房を避けているのです)

貫井徳郎の『崩れる』という短編集を読む。
いい本だね。この人の小説は『慟哭』以来二作目。
絶対頭のキレる作家だよ、この人。…キビキビしてる!
そのくせ情感がとっても伝わるんだよね。

家に戻ってニュースを見ていたら、横浜の病院で
胎児処理の事件…。
貫井の本にも赤ちゃんの話があったから、尚更、
…。

暑いね。
ほんと、“熱”過ぎるよ。



2004年07月21日 (水) 00時16分





voice49■クドエモ


    RES 
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[113]おなまえ:おーはし
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選挙結果、ねぇ〜。…あんまし、ハッキリしないね。
何か新聞の見解通り。…自民51割れか?っていう記事。

自分としてはもっと劇的なものが欲しかった。
自公合わせても絶対多数を取れないとか、
自民が一人区全部勝ちとか…。ハッキリしろっつうの!

俺的には前者がうれしいけど。

新聞等の事前の予想通りになるのも、今の日本っぽい。
…日頃・日常・私的には劇的なように展開しているけど、
政治には劇的なエモーショナルに入り込めない日本人。

…俺も日本人じゃん!―お〜、の〜!

話は変わるけど、ここ4日間ばかり昼夜ぶっ通しで
働いていたのだ。(=勤労おじさん)
今日はお休みで、今はガンガン、ステレオ鳴らしている。
曲はケミカルのベスト。…いいね!いいっすよ!
エモーション!

ケミカルブラザースは、なぜか今までじっくり
聴いた事がない。このベスト盤も買った切り、半年近く
CDラックに眠っていた。ちょっと聴いただけで
嫌になっていた。…だって、プロジティーっぽいから。

このタイプの音楽だとプロジティーが大将!だった。
…でもいいっすよ、腰すえてガツンと聴くとケミカル。
…音にメマイがします。クラクラ。(なくせにメロディアス)

で、そのここ数日の昼夜の勤労のあと、家に帰った俺は、
毎晩3時頃までドラマを観ていたのでした。
…「マンハッタン・ラブストーリー」のレンタDVD。

最初の3話ぐらいまではつまんかったけど、中盤からは
スゴック面白く観れた。…キョンキョンいいです。
うまい!!!!!―いい役者やねん!
…松岡も難しい役をがんばっていたよなぁ〜。マスター!

脚本のクドカンは…、やっぱり、凄い。
…この人の凄さって、自分がやりたい事を
全部実現させるテクかな。めちゃくちゃテクニシャン!

普通やりたくても捨てるはずの所を、あえて持って来て
実地させてしまう力。…これが本のチカラか。
うん、クドカンの才能。

あとはそのやりたい事の観点ね。観点!観点!
…売れているのがよ〜く分かる。


大事なのは、
エモーショナルだよん!って誰かが言ってる。



2004年07月13日 (火) 23時19分





voice48■選挙と曽我さんと自己責任


    RES 
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[112]おなまえ:おーはし
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参議院選挙の前の9日金曜日に、
曽我さんがジャカルタで北朝鮮の家族と会うらしい。

これに関わる費用は、政府が負担するという。

一方、あの日【自己責任】という名のもと、あの彼らは、
それに要した費用を日本国政府から請求された。

つまり、【自己責任】という部類に属する人々には、
その人々に“否”があり、その費用は彼らが払い、
曽我さんの件については、日本国政府に“否”が
あるので、『政府がお金を払います』という事だ。

と、言う事は、今回の選挙前の、曽我さんについて
政府がやっている事は、当たり前中の当たり前!
…と言う訳になる。

…別に政府や小泉が誉められる事では、決してない。

俺は情感というものは尊いし、とても大切なものだと
思っている。…でも大切なものだからこそ、
そんな情感に負けたくはない。流されたくない。

曽我さんの一件によって、
投票態度を変えるのはとっても危険だ。

そして、もうひとつ危険な事。
…投票に行かないという行為。
それは、イコール、
今この現段階の小泉政権、日本国政治に
【賛同】していると言う事になる。

…棄権票は、自公に一票!なのだ…。

俺は、選挙投票日の11日は都合で行けないので、
期日前投票(不在者投票)をする。
選挙権がない人でも絶対注目すべき選挙だと思う。

…やっぱ我が国は、俺らが生まれて育った国だもんね。
…んでもって、俺は未だに悪戦苦闘しているし!(笑)



2004年07月06日 (火) 00時20分








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