voice255■ゴールデンスランバー
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[324]おなまえ:おーはし
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伊坂幸太郎の最新長編小説 『ゴールデンスランバー』 以下は、 よく見かける本書紹介文。
■ 冴えわたる伏線、 印象深い会話、 時間を操る構成力… すべての要素が最強の、伊坂小説の集大成!
仙台での凱旋パレード中、 突如爆発が起こり、新首相が死亡した。 同じ頃、 元宅配ドライバーの青柳は、旧友に 「大きな謀略に巻き込まれているから逃げろ」 と促される。 折しも現れた警官は、 あっさりと拳銃を発砲した。 どうやら、 首相暗殺犯の濡れ衣を着せられているようだ。 この巨大な陰謀から、 果たして逃げ切ることはできるのか? ■
恋人同士だった当時、 青柳雅春は樋口晴子に、 自分たちがこのまま一緒にいても、 “よくできました”止まりで 終わる気がするからと、別れを言い渡される。
時間と物事を経て、 樋口晴子は青柳雅春に “たいへんよくできました”という メッセージを伝える。
…結局…
結局、そういうものなのだろう。 男は女に 「たいへんよくできました」 と、言われて 頭をカリカリ掻きたいのだ。
女は男に、 「たいへんよくできました」 と、言って 頭をナデナデしたいのだ。
男側からすれば、 それは、 女の手の平の上で 右往左往しているようでもある。
けど、それはいけない事じゃないだろう。 むしろ、 それが男の行動原理じゃないかな? …男は女に、 「たいへんよくできました」 と言われるためにガンバッテイル☆
泣くなぁ〜 泣くよ。 この「たいへんよくできました」のシーン。
涙ツツツなんかじゃなくて、 シミジミと…、 咽び泣く。
さっきから、 小説のモチーフになっている ビートルズの『アビイロード』の一曲、 「ゴールデンスランバー」を何度も聴いている。
いい曲だ…。 あぁ良い曲だ…。
直訳すれば、 “黄金のまどろみ”“心地よい眠り” と、なるらしい。 ポールの歌声とピアノが気持ちいい。
濡れ衣を着rせられた青柳雅春は、 ゴールンスランバーを手に入れられるか… ゴールデンスランバーという時代の手を借りて… 青春の時とオンタイムの事件が交差する快作。
泣く。 申し訳ないけど、 これしか言えない。 泣く。 それも地味に…。
いろんな物事と人々に泣くけど、 特に 青柳の父親には泣く。 …雅春に言う言葉、「ちゃっちゃと逃げろ」 あ〜 あ〜 ため息しか出ない。
もっと泣くのは、 やっぱり樋口晴子。 「だと思った」 …粛々と、粛々と、粛々と…、 咽び泣き。
2008年03月18日 (火) 22時17分
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