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■Voice From おーはし■

ちわっ!みなさん。
このコラムコーナーは、俺が日頃思っていること
…例えば、舞台や映画を観ての感想や音楽を聴いて感じたこと、
小説を読んで思ったこと、道を歩いていて気づいたこと、
ごはんを食べての満腹感、まる半日寝た後の爽快感などなど、
そんな日々のあれこれを、どくだんとへんけんにミチミチて
語ってしまおうというものです。…もちろん、ケトイシのことも!

不定期更新。気が向いたトキが更新日。

━ 2002.11.19 OPEN ━

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voice57■フロストな夏


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[121]おなまえ:おーはし
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ここ三週間ほど頭の中は、寝ても覚めても
フロスト!フロスト!フロスト!フロスト!だった。

私は忘れない。
…警部と過ごした2004年、この夏の熱い日々を。

きっかけの一冊は『夜のフロスト』。
作家はイギリスのR・D・ウィングフィールド。
本の帯には「週刊文春傑作ミステリー第一位」。
その他にも「IN・POCKET 評論家が選んだ第一位」、
「このミステリーがすごい!第二位」と書いてある。

別に俺はミステリ好きでも推理小説好きでもない。
貫井徳郎や横山秀夫、宮部みゆきとかは読むが、
小説ジャンルとして大好きかと言えば?だ。

海外の作家のものなどは特に読まない。ずっと前に
アガサ・クリスティーをちょこっと読んだぐらいかな。

そんな俺が、その物々しい帯の宣伝文句に
惹かれて、本屋のレジに並んでしまった。
…文庫本なのに1300円。
びっしり細かい文字が750ページも詰まっている。

おもしろくなかったら週刊文春と発行先の
東京創元社を訴えてやろう。でも訴えても相手に
されない事は明白なので泣き寝入りしよう。
…そう決めて読み始めた。

翻訳ものに慣れていない人間が陥るのは
登場人物名とその関連事項の繋がりで、
読み始めの頃は俺もちょっとてこずった。
…ジョンスンだのバートンだのジョーダンだの
リックマンだのヒックマンだの。
…あれ?こいつは誰で、どういう奴だったっけ?
…とかね。
みんな田中と鈴木と木村でいいじゃん!
…とかね。
おまけにこの作品は場展も速けりゃ人物も多い。

そして肝心なのは、事件の数の多さ!

こういうのをモジュラー形式というらしい。
同時進行的に複数の事件が描かれる。
かと言って、そのすべての事件がひとつの原因に
結びつくものではない。直接的・間接的には多少の
リンクはするものの、大方は別事件と考えてもいい。

この別事件(小さいのも含めば10個ぐらい!)が
ほぼ数日のうちに同時にやって来るのだ。
…あ〜面倒臭い。…でも仕方ないか。
だって一個ずつ事件が起きて、一個ずつ解決して
行ったらただの短編集だぜ!

50ページぐらいまで過ぎると、人物把握や
ウィングフィールドという作家の文体にも慣れる。
そうなれば、このような事件の込み入り具合が
何とも心地良くなって来るから不思議だ。
…Aの事件を追っていたら、途端にBの事件の
糸口が見つかり、その時解決済みと思われた
Cの事件が振り出しに戻るとかね。
…その目まぐるしさがいい。

そんな事件を解決する主人公が、
全然カッコ良くないフロスト警部。

…薄汚れたレインコートを羽織り、よれよれの
スーツにだらしなくネクタイをしている。
首には垢まみれのえび茶色のマフラー。
前頭部は禿げ上がり、新任の若い刑事からは、
浮浪者同然の役立たずの老いぼれと思われている。

…事件捜査中もエッチな戯言と下品なジョークを
繰り出し、その刑事手法は行き当たりばったり。
そのためか、作品中何度も失敗の連続。
決して鮮やかな捜査進行とはならないから、
当然警察署長からは怒られっぱなし。

そんな直感捜査のフロスト警部の魅力は、
何と言ってもその人間味だ。

ドジの連続の警部だが、回り道をしながらも
最後には、なるほどと思わせる鋭い推理で事件を
解決に向かわせる。…しかしせっかくの手柄を
上げても警部は、その犯人と周辺の事情を考え
自分には利益にならないような行動に出る。

そんなフロストの姿を見て、
今まで心の中で罵倒していた若手刑事も
フロストの凄さを知る事になる。

『夜のフロスト』で夢中になった俺は
シリーズ第一作の『クリスマスのフロスト』、
そして二作目の『フロスト日和』と読み進めた。

…『夜のフロスト』が一番笑える。
『フロスト日和』は事件推理の過程が光る。
『クリスマスのフロスト』は警部の過去が
詳しく描かれている分、ちょっとシリアス。

本国イギリスでは五作目まで刊行されている。
東京創元社さん、早く続編を出してよね。

…この小説は物語の面白さの醍醐味とともに
「人と言うものの豊かさ」についても
考えさせられる。…へたな純文学小説より
心に迫るのはなぜだろう?

そんな“フロストな夏”でした。



2004年09月02日 (木) 15時01分






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