voice223■父親たちの星条旗
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[291]おなまえ:おーはし
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この映画にこんな感想もない気もするのだが… 静かだ。 とても静かだ。
戦場も。 爆撃も。 感情も。 怒りも悲しみも。
なんでこんなに静かなんだろう? 【静謐】…こんな言葉を使いたくなって来る。 戦争映画なのに。
静謐(せいひつ) =静かで穏やかな事。平和。
『父親たちの星条旗』 監督/クリント・イーストウッド 脚本/ポール・ハギス 主演/ライアン・フィリップ、 アダム・ビーチ、ジェシー・ブラッドフォード 2006年アメリカ
大音量の爆音と銃声の中、 手足は吹っ飛び生首は宙を舞う。 悲惨。 惨い。 残酷。
祭り上げられた英雄は、 嘆き悲しみ慙愧に苦しむ。 慙愧(ざんき) =心に恥じ入る事。
そんなことが映画の中では行われている。 そんなことが、 そんなことが、 そんなことが、、、
でもそれが こちらに届いて来ない。 観ている俺に伝わって来ない。
なんだかこれって、 ひとつの風景を見ている感覚。 自分の前を通り過ぎる 戦場とそれにまつわる感情を、 ただじっと眺めている感覚。
自分の心にどすん!と 届かない作品なんてロクなもんじゃない。
でも観てしまう。 いや “見て”しまう。眺めてしまう。
抑制? 映画が感情の抑制をしている? エモーショナルな部分を排除してる?
そりゃそうだろう。 “淡々”ってコトバが似合うだろう。
けど、 淡々じゃ無いんだよね、これ。
【粛々】…これかな? 粛々(しゅくしゅく) =静かな様子。おごそかな様子。
「はい、戦争です」 って言われて、 ごろん!と、 丸のまま投げ出された感じ。 イーストウッドに。
しかしそれが、 ドキュメントでもなんでもない、 作り事の物語だから、 ちょっと、、、唸る。うなる。ウナル。
思えばこの戦争映画(あえてこの表現を使う)、 戦争映画に付き物の Upliftな部分が抜け落ちてる。
肝心カナメのUpliftが無い。 描いていない。 それも イーストウッドの視点か…☆
観客席おやじ率高し。 もっと行っとけ?次代を担う人々。
2006年11月17日 (金) 22時55分
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