voice211■ブロークン・フラワーズ
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[279]おなまえ:おーはし
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過去は終わったものだ。 振り返り足をとられてはいけない。 未来はこれからのものだ。 どうとでもなる。 だから、大切なのは現在だ。
分かる… 言葉の意味は。 理解もする。
しかしそれは あくまでも“文字レベル”
吸い過ぎに注意しましょう …って言われても、 大病になって嘆かない限り、 一日2箱近くスパスパするように。 (俺だよ!はん!!)
皮膚感覚に届かない文字レベルのようなものを 観る者に感受させてくれるのが、 映画であり演劇の仕事であろぅ〜〜〜 ふむふむ。
観客の想像力を駆り立てる仕事… いいシゴトしたんじゃねぇ? これ。
『ブロークン・フラワーズ』 監督・脚本/ジム・ジャームッシュ 2005年カンヌグランプリ
グランプリだからって、 容赦はしないんだけどさ〜 中盤までどっちか分かんなかったけどさ〜 おもしろいの? つまんないの? シーソーゲームが続いていたよ、心の中で。 観終わったら振れちゃいました。 「おもしろい」
ただ… 観てズバッと感動◎ …とはいかない。 ある種の映画偏差値が必要かもしれない。
ストーリーは… IT事業で成功し、過去に多くの女性たちと 気ままな恋を楽しんできた中年男ドンは、 ある日 「あなたの息子がもうすぐ19歳になります」 と書かれた匿名の手紙を受け取る。 困惑したドンは 隣に住む親友のウィンストンに促され、 手紙の主を探すため4人の元彼女と会いに行く。 …ってな感じ。
この隣人のウィンストンって奴のキャラが おもしろくて、 序盤と終盤にしか出て来ないのがもったいない。
で、観終わって思ったのだが、 こいつを連れて元カノに会いに行くって手も あったんじゃないか? むしろその方が、 話は広がるし楽しい映画になりそうだ。
でもそうしない。 ドンのキャラは寡黙で中年男の人生あきらめ状態。 だから、 映画に言葉が無い。 主人公が語ってくれない。
分かんないよ、あんたの気持ち。 でも分かる。
(はい?)
…じっと見てると。 …おやじの顔を見てると。 …ジム役のビル・マーレィを見てると。 分かる! こいつの情けない中年ヅラがいい。
このジムの在り方と同様、 映画も寡黙に進む。
いや、 しゃべってる映画なんだけど。 ムゴンゲキなんかじゃない。 台詞いっぱいあります。
でも淡々と見せている。 この淡々さの中から、 哀れな男の人生が立ち上がるから不思議だ。
ラストの幕切れがまたいい。 思い込みが外されて悄然としている時、 次の瞬間、 新たな思い込みの材料が現れ混乱する様。。。
立ちすくむ。 混乱。 混沌。 でも… ちょっと恥ずかしい。 (こぅゆぅのあるあるある!)
カメラの目線も色気があります。 スカートから覗く足とか 女の裸なんかの 分かりやすいものはもちろん、 それ以外の部分がエッチです。
おやじのスケベさがほんのり… でも確実に分かります。
花屋の少女の捉え方とか、 飛行機の中で 自分の後ろに座っている女性の ちょっとした映し方とか…
こんなさり気ない “おやじ愛欲カメラワーク”がいい☆
(おやじに限らず男はみんなそぅだけどね)
あ、、、 ふざけていってるよーだけど、、、 微かなエッチさスケベさって、、、
出せるようで出せない。 からねっ!
いろんな感じ方が出来る映画だが、 【今を考えろ】 って言ってるような気がするなぁ〜 未来のためにある現在。
2006年09月25日 (月) 23時19分
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