voice143■三月の5日間
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[210]おなまえ:おーはし
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やはりイビツなのだ。 やはりミニクイのだ。 これを観たらそぅ思わなきゃいけなかったのだ。
20日月曜日、六本木で芝居を観る。 チェルフィッチュ公演 『三月の5日間』 去年の岸田國士戯曲賞受賞作品だ。
イラク戦争開戦のニュースが流れる中、 男女の若者はライブハウスで知り合い、 即ラブホでその夜から四泊五日を過ごす。 場所は渋谷。 街では反戦のデモ隊が練り歩く。 それは警官に見守られた日本のデモ。
ラブホで過ごす二人は、戦争が起こった事で その日が記念の日になると思う。 また、ラブホでやりまくる日々は 日常から離れて外国にいる気分だと感じる。 一方、なんとなくデモ隊に参加した若者は 警官の制服の話から アンナミラーズの制服へと話題がそれて行く。
掛け合いの台詞はほとんどなく、 対面していても片方がしゃべり尽くす。 日常で使用しているような言葉と、 日常で発しているような音声と音量。 動作は終始、意味の無い身振り手振り。 …現代の若者を象徴的に描いている。
あぁ〜そぅなんだょねぇ〜 今時のワカモノって(笑) 戦争起こってもそんな感じ…分かる分かる! そんな今の日本の状況を表しているんだなぁ〜 まぁまぁ面白かった♪ とっても変わった芝居だったしねっ☆☆
…と、思ったが… ふと観た翌日、 考えてしまった。
視線が定まらない。 無意味な動作を繰り返す。 挙動不審。 言葉のボキャブラリーが少ない。 そのため言葉の反復を繰り返す。 話が前へ進まない。 そして話が飛ぶ。
…そんな無気力脱力人間に納得する自分。 …「あ〜そうだよねぇ」と受け入れる自分。 …「よく描いているな」と微笑んでいる自分。
これってかなりやばくねぇ?? 俺やばくねぇ?
考えてみぃ?俺。 …醜くねぇ? …いびつじゃねぇ? こんな若者。日本の若者。 いや、日本人。
あの月曜日の観客席の中に、 何人のそんな思いを抱く人がいただろう? イビツでミニクイワカモノ。 ミニクイイビツなニッポンジン。
観た瞬間にそんなことを感じない観客は、 俺は、俺は、 かなり………やばい!
2006年03月22日 (水) 22時38分
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