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■Voice From おーはし■

ちわっ!みなさん。
このコラムコーナーは、俺が日頃思っていること
…例えば、舞台や映画を観ての感想や音楽を聴いて感じたこと、
小説を読んで思ったこと、道を歩いていて気づいたこと、
ごはんを食べての満腹感、まる半日寝た後の爽快感などなど、
そんな日々のあれこれを、どくだんとへんけんにミチミチて
語ってしまおうというものです。…もちろん、ケトイシのことも!

不定期更新。気が向いたトキが更新日。

━ 2002.11.19 OPEN ━

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voice133■骨


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[199]おなまえ:おーはし
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今回も過去文章。
書いたのは2001年12月。



朝テレビをつけると、
たいてい動物の画面にぶち当たる。
犬や猫が二本足で立ったり、
くるくるひっくり返ったりしている画面だ。
ご主人様が寝る時間になると、
布団を引っ張り出してくる犬までいたりする。
そういう動物を見て、決まって司会者や
コメンテイターは言うのだ。
「へ〜女の子ですか。かしこい子ですねぇ」

一体、いつから動物に“子”などという
上等な言葉を使うようになったのだろうか?
これじゃ、動物がまるで人間みたいじゃないか。
動物は人間だったのだろうか?
確かに人間は動物だ。
だからと言って
その逆が成り立つわけではないのだ。

「へ〜メスですか。かしこい犬ちくしょうですねぇ」
…なぜこう言えない?
どうした司会者!
どうした偉そなコメンテイター!

その昔、俺にとっての犬とは敵対すべき存在だった。
生きるか死ぬか、喰うか喰われるか、
そんなギリギリの状況に俺と犬とはあった。

俺の出身は福岡の片田舎だ。
そこに生息する犬たちは自由に野や山を行き来する。
野良犬は当り前。
飼い犬だって行き来する。
首輪をつけた犬、わら縄を首から下げて
一応飼い犬らしく体裁を整えた犬。
…飼い主はどこにも見当たらない。
「こげんかこつは、野良と同じじゃなかね!」と
叫んだって誰も助けてはくれない。

吠えられて追いかけ回されるのはいつものこと。
噛まれたら悪いのは自分だ。
「犬に負くるごたる人間になっちゃでけん!」
…犬は俺の父であり、
また犬は俺の好敵手であった。

今でも俺は、
犬を見るとついつい身構えてしまう。
あの時の恐怖と憎しみが蘇えり、
百倍にしてお返ししたくなる。

だが、最近の犬はむかしの犬とは違っていた。
吠えるどころかシッポを振っている。
目が優しい。
優しいどころか…死んでいる?

横には犬の糞を大切そうに抱えた飼い主がいる。
首輪につなげたビロ〜ンと
伸びるヒモを持った飼い主がいる。
一度、俺はその伸び縮みする不思議なヒモに
足を取られ転びそうになったことがあった。
飼い主は俺に見向きもせず、
「だめでしょ。うっふふふふ」と
犬をなでながら木洩れ日の中へと消えて行った。

オッケー!分かった。
悪いのは飼い主のお前だ。
不思議なヒモで操り、その目を殺したお前だ。
ペットという名で包み込み、
その野性を骨抜きにしたお前=人間だ。

動物を骨抜きにした人間も、
実は骨を抜かれた動物だ。

先日、ある舞台を観に行ってきた。
何も起こらない物語、淡々とした台詞回し、
照明は変化せず、音楽はほとんど流れない。
劇的、飛び散る汗…そんな言葉とは対極にある舞台だ。

このようなタイプの芝居には
極力近づかないようにしていたのだが、
後悔してももう遅い。幕は開いている。
静かに繰り返される日常の物語を観ているうちに、
「果たしてここは劇場だったのだろうか?」
という錯覚にとらわれてきた。

ここは劇場ではない。
ここは動物園だ。
檻に閉じ込められた人間を眺める動物園だ。
その檻の中で人間は、感情を抑制し、
大声も大きな身振りもない『人間』を演じていく。
これが本当の自然な人間の姿だというように。

もちろんそこに、
等身大の自分や周りの人々を映しみて、
何かを感じることは可能だろう。
また、現実に似せた舞台と
本物の現実の違いを読み取り、
そのズレに人間を垣間見ることもあるだろう。
そのような舞台が成立することも俺は理解できる。

だが、よくよく考えてみろよ。
人間の自然ってこういうものか?
いつも淡々として、飯を食い、
ちょっとしたいざこざも水に流して夜眠る…。
これが俺ら人間か?
俺ら人間の行動って、いや、内面って
そんなもんじゃないだろう?

例えそうだとしても、
いや、例えそうであったら、
俺ら人間は何をしている?
隠すことが人間?
【喜怒哀楽】の四文字はどこへ行ってしまったの?

俺らの心は…

意外と風が吹いてたりしないか?
ひょっとしたらそれは、嵐だったりしないか?

そして俺たち観客は、
そんなところ(動物園的演劇)を飛び抜けた所に、
人間の本質を感じ取るんじゃないのか?
…感じ取りたいんじゃないのか?

一体、俺たちはいつ骨を抜かれた!

動物園の動物もペットの犬や猫たちも動物じゃない。
あれは人がつくった骨抜きの模造品だ。

そして舞台を檻で囲った演劇も、
人間の骨を獲得できずにいる。

あの田舎の犬たちは、今頃どうしているのだろうか?
主人の手から自由をもらい、
日々あたりを徘徊する。
敵視する者には吠えまくり、
かなわないと思える者には従順となる…。

そんな人間との切り立った信頼関係を、
今でもりっぱに続けているのだろうか?
…愛すべき骨つきの犬たちよ。
…生きた目をした犬たちよ。



あ〜、思ってること分かるなぁ〜。
書いた本人だから(笑)

結末の演劇と犬を骨抜きでリンクさせるところが、
書き方として甘いと言えば甘いけど、
ま、いいんじゃないかな〜と思う。

…言いたいこと分かるし。
言った本人だから(笑)


2005年12月06日 (火) 00時25分






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