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■Voice From おーはし■

ちわっ!みなさん。
このコラムコーナーは、俺が日頃思っていること
…例えば、舞台や映画を観ての感想や音楽を聴いて感じたこと、
小説を読んで思ったこと、道を歩いていて気づいたこと、
ごはんを食べての満腹感、まる半日寝た後の爽快感などなど、
そんな日々のあれこれを、どくだんとへんけんにミチミチて
語ってしまおうというものです。…もちろん、ケトイシのことも!

不定期更新。気が向いたトキが更新日。

━ 2002.11.19 OPEN ━

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voice97■小説『イン・ザ・プール』


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[163]おなまえ:おーはし
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ある映画評を読んでいたら、月末公開の
『イン・ザ・プール』について書かれてあった。
なかなかおもしろそうな映画。

そう言えば、劇場で映画を観たのはいつ以来だろう?
…確か『ゼブラーマン』が最後だったから…
…うむぅ…
…むらむら…
何だか百年以上も映画を観ていない気がして来た。

よし、観よう!
これ、観よう!
そう決めると公開まで待ち切れない。
間があるので、ついでに原作小説も読もう。
そのまたついでに、シナリオも読んでやろう。

という訳で、奥田英朗『イン・ザ・プール』の始まり。
…でも始まる前には注意が必要。

こういうコメディータッチの小説で、
ある程度の設定が想像の付く作品の場合、
「これはおもしろいんだぞ〜」
という頭で読み始めるとほとんどが失敗する。
気持ちが先行して、読んでいて空滑りするのだ。
笑おうとし過ぎるのね。

気を付けるべし。

…で、読み出したら…

いらん心配じゃった。

おもしれぇ〜れぇ〜れぇ〜〜〜〜〜〜!

主人公は神経科の医学博士・伊良部一郎。
彼のもとへ、5人の心の病を持つ人々がやって来る。
つまり五つの物語でこの本は構成されている。

P12、医学博士伊良部先生の発言。
「たとえばの話だよーん。あっはっは」
まずここでぶっ飛んだ。

だよーんって言ってるよ〜!!!
だよーんって書いてあるよ〜!!!

前後の繋がりをここで書くのはこれから読む人に
失礼だし、奥田さんも困ると思うので遠慮するが、
とにかく「だよーん」と書いてある事実に
俺は引っくり返った。完璧吹き出した。

だよーんって書いてあるよ〜!!!
あんだよ、こいつぅ〜ぅ〜ぅ〜!!!

とにかく全編、伊良部先生のキャラがいい。
こんな馬鹿げている精神科医がいい。
そして不思議な事に、妙に治ってしまう患者もいい。
そう、これで患者は回復に向かうから本当に不思議だ。

…うそっぽい?
…うそっぽいね。
ちょっと気になったのはその辺かな?

伊良部先生は、
心の病は否定しても始まらない。
肯定して行く事から始まる。
そしてカウンセリングなんか何の意味も
持たないと考えているらしい。
…現実の現場ではどうなんだろ?

今のところ、精神的には健康なつもりの俺は、
「くよくよすんなよ」で心の問題は快方へ…
な〜んて思うのだが、
実状はそう簡単じゃないだろう。
当たり前だ。
くよくよで解決なんて平和過ぎ!

が…。

笑いながらこの伊良部という医者に
付き合っていると、何だか分からなくなって来る。
…ひょっとしてそれでいいの?

ま、人にとって、くよくよしない事が
難しい事だからなかなか大変なのだろうが…。

そういう意味では、
この伊良部という医者自体がくよくよとかの
領域とは全く正反対の所にいるからだろうかねぇ?
…ちょっとこれってきーぽいんと?

こんな事を考えるのも、この小説が単なる
コメディーでは無いからだろう。
携帯依存症の少年の話にはものすごくリアル感が
あるし、コンパニオンの自意識過剰ぶりには、
男の俺でも女性の深層心理みたいなものが伝わる。

なぜ伝わるか?

それはもう、この奥田英朗という作家の
軽く書いていながら、
執拗にその心理と行動を描写する力量に尽きる!

煙草の火を気にする強迫神経症の男の話なんか、
俺的に痛かったな〜。
…この人物ほどじゃないけど、
俺は鍵閉めに異様な執念を燃やすのだ。

外出時のドアの鍵は必ず二回は確かめる。
その後、歩き掛けた時に、もう一度戻って確かめる。
つまり三回は最低確認する。
それでも気になる時がある。…もう一度戻ろうか?

ま、それ以上の事はやらないけど、
この話には妙に説得力があって、けっこう怖かった。
また、説得力があるような書き振りなのだ。

そして、何よりも肝心な事。
この作品、お説教臭くない。

このような小説は下手に展開すれば、
作者のメッセージ性がちょっと鼻につく場合があるが、
それが無いのがうれしい。
言いたい事は匂う。でも、決して鼻にはつかない。
伊良部先生もまともな事を言う時があるが、
ちょろっと言うだけ。はい、おしまい。

そんな事より、
彼は患者と豊島園に行く事がお好みなのだ。
(笑)(笑)(笑)

読み終わった俺は、さっそくシナリオ本を読もうと
思ったがやめた。―その前に!

同じく伊良部先生が活躍する『空中ブランコ』に突入。
これ、奥田さんの直木賞作ね。
…わぉ〜ぉ〜ぉ〜ぉ〜!
ますます伊良部キャラに磨きがかかっているぞー!

これってあれ?
伊良部先生依存症???


2005年05月12日 (木) 22時34分






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