半円は 住居跡碑に 観覧車
列車待つ 多喜二も居たり 築港駅
観覧車の見えるJR小樽築港駅南口の脇に、小林多喜二の住居跡碑が立っている。小林一家は明治末期に秋田から移住して、碑の近くで小さなパン屋を営んでいた。当時、多喜二の家の裏手は築港の工事現場で、タコと呼ばれた土工夫が過酷な労働にあえぎ、非人間的なタコ部屋に押し込まれていた。その原風景が多喜二の小説に投影されている。多喜二は緑町にある小樽高商に自宅から歩いて通い、勤め先の北海道拓殖銀行小樽支店には築港駅から旧手宮線色内駅に汽車で通勤している。
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