ひばる＠管理人

クロニクルを読みました。
面白かった。
特に前半がかなり好みです。
これじゃ足りない。もっと読みたい。文庫化して欲しいな。
と思いましたが、逆にこれくらいの分量だからちょうどいいのかも。



思ったこと箇条書き

画家のこと

怖いわ！
と思いました。
クロニクルの画家は、舞台版のタニガワと違って
異様というか、異常というか、狂気を感じます。
オチもシャレにならない感じ。ブラックだーブラックだよー。
｢採集｣のジャックみたいな演技をすれば、かなり嫌な感じに良くなると思います。
日本語がおかしいのはわざとです。

怖いといえば、兵士のキャラもちょっと怖い。
怖いというより、硬い。
違うな。感情とか人間性とか、そういうのが少し欠けている感じ。
人っぽくない。兵士っぽい。
クロニクルの兵士より、久ヶ沢さんの兵士の方が断然好き。


ヨコミネ(ヤクザ)のこと

泣くぞ！
と思いました。
舞台版では友達(仲が良かった)同士だったヨコミネとミヅキが
クロニクルでは趣味で漫才をやっていた、という設定。
｢お笑いコンビは仲がいい｣という先入観がたっぷりある私に、その設定はキツすぎます。
相方を殺すという状況が駄目です。
大袈裟ですが、感じたのは絶望。
私の好きなお笑いコンビが順々に頭に浮かんで、もう嫌だーそんな悲しすぎる状況は嫌だーと。
仁さんを殺さざるを得ない状況に追い込まれた賢太郎さんなんて嫌でしょ？
ね？(たとえがマズイ)
余談ですが、舞台版のラストのヨコミネ(坂田さん)の演技がかなり好きです。
撃たれるところです。
｢やだなーって、思ったからよ｣という台詞がいい。
台詞と演技が相まって、とてもいい。


ペラペラのこと

｢ペラペラな男は、画家にそっくりだ｣
よもや初期設定では、画家役の人がペラペラ役をやる予定だったんでしょうか。
クロニクルでは、画家の出番が少ないのはそのせい？
ペラペラの衣装、というか扮装をした仁さんが関西弁で喋りたくる。
うーん、ちょっと見たい。
仁さんはどうして関西弁の発音が(わりと)正確なんでしょう。
関東の人なのに！
私は仁さんのおばあさんが関西圏の人なんじゃないかと睨んでます。
｢エレキコミックの本｣の対談で、仁さんがおばあちゃんに｢ええよー｣と言われたという話が載っていたので。


父親のこと

クロニクルだけを読むと、イズミ(祥子)のお腹にいる子の父親はミナヅキっぽい。
舞台版では誰か分からないようにしたのは、
答え(ミナヅキ)を隠すためのフェイクなのか、
それとも「誰か分からない状況」にしたのか。
ちなみに私は、お腹の子が誰の子なのかは考える気がないです。
芥川龍之介の｢藪の中｣の犯人みたいなものなのかなーと。
(｢藪の中｣は推理モノの形式で書かれているのに、どう考えても犯人が分からない短編)

むしろタニガワの力の正体が知りたい。
でもお腹の子の父親に関して、勘ではない理由を思いついた
という方がいたら、その話を聞きたいです。興味はある。


結論としては、面白かったの一言に尽きます。
舞台裏とか製作過程を見るのが好きなので、こういう企画(？)は嬉しい。

[41] 2007年06月02日 (土) 23時37分