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小説投稿掲示版〜!!!!

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[850] 鈴の音 ※短編
麦チョコ - 2006年12月27日 (水) 10時35分

ども、前回は「フワ麦」として出しましたが、今回はこの名前でw;
え〜、またもやとある歌の歌詞解釈からできた短編小説になります。

内容も前回と同じように、結構暗いです、ハイ。(ぁ

それでは、どぞ〜♪

[851]
麦チョコ - 2006年12月27日 (水) 10時38分

夕暮れ遠くに伸びる長い二人の影を目で追いながら
手をつないで二人で帰った
彼女は小さく泣きながら
一様に並んでいる鳩時計が鳴る時、一緒に僕達の出発の鐘も鳴るよ。
りんりりぃん
響く小さな小さな音


ある朝彼の死を告げる知らせが来た。殉職で2階級特進、彼はお偉いさんになったのだと。
「君は僕がいなくても平気ですか?」
頭の中で響く彼の声。震える彼女の手。「これは何かの間違い?」堂々巡りの迷妄。
「嘘だ、彼が死ぬわけなんてない―」狂い汚れた笑みを浮かべる。
りんりりぃん
響く彼女の笑い声


死神が僕の背中で笑う
そうさ ぺろりと・・・舌出しながら
「敬礼せよ!我が国家崇めよ!栄光を我が手に!」
と言いながらも「いつまでこんな事を続けるのだ」とどの兵達も論う。兵達は右へならえ。


これは当然の事だと思い描いていた理想と幸せは当然ではなくなり
壊れ消えていく。
耳元で死神が僕に囁く
「鬼さん こちら手の鳴る方へ」まだそちらに行くわけには―逝くわけにはいかない。
白雲 消えていく


(彼は死んだ、死んだんだよ)  黙れ!!
「嘘をつくキサマらの舌なんてチョン切って捨ててやる!
ずっと待つんだ!彼を待つんだ!」
(彼は死んだのさ、この知らせが全て物語っている)
見えぬ聞こえぬ
「もういっそ何もない方がいい」と笑う
金魚鉢に写る彼女は不安と絶望の渦に流され狂っていく。


「お元気ですか?」
毎日のように戦地に届く彼女からの手紙    だが
ある日を境に途絶えた


彼らが戦地に赴いてから何度目かの夏が来た。緑雨に染まる鳥が風を、平穏を連れてきた。
でもあの子はいない。黙って閉じこもってしまった。時折聞こえる何かの音。(不気味な音色が聞こえてくる)
あの夕焼け空にもう二人で影を伸ばす事はないでしょう。
音色は鳴り響く


「僕は生きて帰ってきたよ!」
兵達の喚声、喜びに満ちる声  夕暮れ空に消えていく
彼は走った!(やっと彼女に会える!)そして涙をこらえてそっと扉開けた!
そこには・・・彼女の生と死をのせた 彼女の骸と羽音だけが・・・


揺れる彼女の骸  鳴るおぞましい羽音   嗚呼、まるで鈴のようだ・・・・・・・

[852]
麦チョコ - 2006年12月27日 (水) 10時40分

簡単にストーリーを言うと、

戦争時代、彼は戦地に赴き彼女と離ればなれになる。
一人彼の帰りを待っていた彼女の元に届いたのは、酷くも彼の死を報せるものであった。
彼女はそれを信じようとはしなかった。だが、不安はどんどん膨らんでいく。
周りの人間は彼の死を信じない彼女に彼の死を受け入れさせようとする。
それでも彼女は彼を待とうとした。だが、その内に彼女は狂ってしまった。
彼宛の彼女からの手紙はある日を境に途絶える。
何年か経ち、戦争が終わり平穏が来た。
だが彼女は家から全く姿を見せない。家からは何か物音が聞こえてくるだけ。
もう彼、彼女の二人で夕焼け空を見ることもないだろうと誰もが思った。
だがしかし、
戦地から帰って来て喚声をあげる兵達の中には死んだはずの彼が居た。
そう、彼女の元に届いた知らせは誤報だったのだ。
彼はただ彼女に早く会いたくて家へと走った。そして家の扉を開けた。
そこには彼女の首吊り死体とそれに群がる無数の蟲の羽音だけが待っていた・・・・。

・・・・という感じでしょうか?

ラストはかなりエグイですが、気を悪くなさらずに〜;;
では、また機会があれば♪



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