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小説投稿掲示版〜!!!!

小説の投稿掲示版です!! あなたの作った小説をどうぞ ご披露ください!!!!

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[838] 「機動戦士ガンダム UC.0082年の激闘」 短編
じゅう - 2006年12月20日 (水) 22時22分

えー、SGは質より量と言う、ガンダムSEEDでいうメビウスのようなものでした。(ぁ

今回は、『質』の向上を目指したいです。
もしダメダメ(まぁその可能性濃厚)だったら…

フヒヒwwwサーセンwww(壊

とりあえず、生暖かく見守って(ry
 

[839] プロローグ「0082(ダブル オー エイティ ツー) アース・クローズメモリー」
じゅう - 2006年12月20日 (水) 22時33分


UC.0082年


その記憶を『閉じられた』地球での戦闘。


ニュータイプ研究所 通称ニタ研。


そこで生み出されたニュータイプ―強化人間。

その中で、完成度がズバ抜けて高い者がいた。
ナンバー不明―しいて言うならば ナンバーCROWS。

『アークライト・フューリー』という名を与えられた『少年』。








その戦いは、記憶ごと、歴史上から抹消される事となった。

[842] 10話以内で終わらせたい。疑問は完結してからにしてください。(ぁ
じゅう - 2006年12月21日 (木) 22時38分

1年戦争に置いて、アムロ・レイという伝説的なニュータイプが多大な戦果を挙げ、まさにエースパイロット、と言う存在が生まれてから2年。

UC.0082年

空白の激闘が、幕を開ける。


第1話「流れ行く硫煙(ガンスモーク)」


UC.0082年 6月17日

北アメリカ、ジョージア州、サウスカロライナ州の境―都市オーガスタに位置する、オーガスタ研究所。


ここから、一人の強化人間が何の変哲もない部隊へと編入された。
実戦データの収集を兼ねた、実戦での能力を見ることが目的で、データ収集後はエース部隊へと編入される予定が組み立てられていた。

連邦軍第28小隊。それはここ、北アメリカのジオン残党を一掃する為の部隊。

とはいえ、配備されているMSはノーマルジムが2機、ジャンクから再興したザクUのみの後方支援部隊だった。

全機、ある程度強化された遠距離用武器を装備してはいるが、機体性能自体が低く、あまり戦果は上げられない状況が続いていた。

いうなれば廃部寸前の弱小野球部といったところであろうか。


部隊名簿に新たに書き加えられた「アークライト・フューリー」の文字。

この物語の主軸となるべく存在であり、そして、彼がその強化人間である。

「…ガンキャノン、か」

彼に配備されたのはガンキャノンの装甲を最低限削ぎ落とし、コスト低下と機動性の向上を狙った試作型ガンキャノンだった。

3機がロールアウトされ、その中ですでに1機が撃破され、ロストしていた。

アーク用に少し改良を加えたこのガンキャノンは、低出力ながらもビーム・サーベルを装備していたが、接近戦の脆さと言う弱点を『僅か』に克服したに過ぎなかった。

射撃武器も、キャノン砲は若干小型化。ライフルはコスト削減のためマシンガンになっていた。


「………」

一つの風が、木々を揺らす。どこかさびしげな戦場を、じっと見つめるアーク。

基地に向かって歩みだすと、また強めの風が戦場を駆け抜けた。

朝6時21分。小鳥のさえずりが聞こえてくる頃、アークの足が基地の床を踏んでいた。

「君がアークライト君…だね?」

「アークでいいです」

素っ気無い返事に、小隊指揮官は口を僅かに吊り上げたが、アークは俯き、気づく様子はなかった。

「では、アーク君、早速君には戦場へ出てもらうことになる」

研究者は、ジオンの残党が動き出したことをいち早くキャッチし、それを踏まえてアークを送り込んでいた。
この方が早く戦闘データを収集できると予測していたのだろう。

計5回、この小隊での戦闘をこなした後、エース部隊へと編入される。

「………了解」

数秒の沈黙のあと、了解の返事が返ってくる。

無機質な声の後、ドアを閉めるバタン、という音が狭い小部屋に響いた。

「…強化人間か…好かんな」

指揮官であるミシェル・グレイの本心がつい垣間見える。
元々、人間を強化して作り変えるという、しかもマインドコントロール、精神不安定、感情らしい感情がなくなるなど、その副作用は甚大なものだった。

「…いくらなんでも、な…」

先ほどのアークの態度を見て、さらに連邦への不信が高まる。
完成度が高いとは聞いていたが、あれは『強化人間』―戦争の道具としての完成度が高い、ということであるとしか考えられなかった。



「…あ、君が…ってあれ?」

小隊員の一人であるラルフ・リンクスの声を無視して自機のドッグへ向かったアークを、唖然として見つめていた。

それを共に見ていた隊長のレックス・バンガードの口笛の音色が廊下に広がった。

「うーん、さっすが強化人間、ってところだなー」

「…そうなんですか?」

ラルフの素っ頓狂な声を、レックスは軽く流して

「まぁ、戦力にはなるだろうな」

こう一言だけ言い放って、アークの後を追うように廊下に足音を鳴らした。
ラルフは一瞬呆気に取られたような表情でその場に立ち尽くしていたが、けたたましい警報音でその腑抜けた顔がピシッと引き締まる。

その後を、女性パイロットのリズ・ネレイトが思いっきり廊下を滑ってこけた。

その音が、ラルフの気を散らす。

「何やってんだよー…」

「いったー…」

その会話が途中で打ち切られた。明らかにMSのバーニアの音。

キラキラと光る粒子が、基地の中にも入り込んでいた。

レックス、ラルフはジム、リズはザクで出撃。
当然、アークは軽量型ガンキャノン試作型で出撃した。

MSが森に着地すると同時に、砂が巻き上がり、木々がミシミシと音を立てて倒れていく。

策敵の結果、敵軍はザクUが4機、ドム1機。

数では負けているが、ドムさえつぶせば相手はザクのみである。

「…戦闘開始」

アークは低出力試作型サーベルを引き抜いた。刃が細く、レイピアのような形である。

この細さ故に、指突の能力に特化したサーベルで、ザクに切っ先を向けた。

マシンガンをザクの足を狙って放った。その一撃が地を削り、爆風を巻き起こす。
その白煙を貫くザクマシンガンの弾。目の前に飛んだ木の葉が何の音も立てずにちぎれとんだ。

バックジャンプで距離をとるように見せかけて、一瞬の虚を突く。

着地した瞬間に、バーニアが燐粉を散らす。凄まじい土煙が足を覆い、木々を吹き飛ばす。
肩を前に出し、ザクの懐から上に向かってタックルすると、一瞬だけザクの体が浮いた。

そこを、サーベルで横薙ぎ、だがザクが寸でのところで取り出したヒートホークで防がれた。
そればかりか、右手に持ったザクマシンガンで至近距離からの射撃を受けてよろめいた。

「………ッ」

不意に肩が動く。マニピュレーターをザクの腹部に突き出す形で反撃する。

ザクの全身に伝わる振動、そして大地が揺れる。
土煙を被った木が、風により、花粉のように砂を撒き散らした。

アークは微妙に歯を食いしばった。操縦桿をあらんかぎり前に動かす。

足は、確かに大地をグリップし、加速した。

サーベルがコクピットを貫き、そのままゆっくりとザクは倒れた。

爆発はしない。コクピットだけを正確に貫いた為、恐らくパイロットは蒸発死だろう。

デュアルアイが眼光だけを残して右を確認する。

最初に爆炎が視界を埋め尽くす。その次にきたのは衝撃だった。

「うわぁぁぁッ!」

ラルフのジムがドムのバズーカの爆風を受け吹っ飛んだ。体はガンキャノンを押し倒し、無様に煙を上げた。

「うわわッ!すいません」

「邪魔だ」

腕でジムを地面に突き倒すと、サーベルを拾い上げ、刃を形成する。その時だけ粒子が一瞬舞い上がる。

ドムは、ホバーで素早く動き回って、レックスのジムの後ろを取ってヒートサーベルで斬り付ける。

バランスを崩しながら、危なっかしい操縦で避けているレックスだが、いつかはやられそうな雰囲気が漂っていた。

さらに、苦戦しているリズがそのまた遠くにいた。
同じタイプでもリズのザクはジャンクからの再生品なので、若干性能が低い。
それが、今リズが押されている要因のひとつだ。

「あー…もう…切れそう…」

リズのイライラが積もりに積もる。リズの弱点であり利点であるのは、キレやすいことだった。イコール、頭に血が上りやすいタイプだ。
コレまでに数回、先行し過ぎて撃破された事はあった。だが、一行に改善されようとしない。

「ハァ…ハァ…」

息が荒くなる。限界だ。

長い間拮抗していると、どうしても耐え切れなくなる。その精神不安定なところは、宛ら強化人間であった。
無論、本当は強化人間ではないが。

「…うおらぁぁッ!」

頭の中で何かが切れた気がした。冷静さが失われる分全く違う操縦技能でザクを攻め立てる。

モノアイがギラリと光った。

敵の一閃したヒートホークの太刀筋を見切り、こちらもヒートホークで受け止め―流した。

「隙ありィィィィッ!」

咆哮と共にヒートホークが敵のザクの下半身と上半身を分断した。


その頃、ラルフが起き上がり、レックス、アークの援護を行なっていたが、さど役に立っていない。

ラルフのパイロットとしての能力は、反応力以外は最低ランクであり、そのせいでここに配備されてきたのだ。

ライフルは全く当たらない。
それを見ていたアークが、マニピュレーターを操作し、ラルフのライフルをかっぱらった。

「貸せ、お前は基地にでも戻ってろ」

冷徹な一言がラルフに突き刺さるが、メンタルは意外と強く、めげなかった。

「僕はザクの相手してます!」

リズが続いて斬りかかったザクの下半身にサーベルを放ったが、宛ら馬に蹴り飛ばされるように地面に寝転んだ。

「こ、こんなことでッ!」

ラルフの頭が、相手の行動を感覚で読み取った。
サーベルを胸部に突き立てたと思った瞬間、モニターがそこで途切れた。

ジムのメインカメラが宙を舞い、地面にめりこむ。
ラルフは一瞬の間硬直したが、コクピットを半開きにして外を確認する。

その『外』では、立て続けにリズがヒートホークでザクを切り刻んだ。


かっぱらったライフルでドムに応戦するアーク。そしてレックス。
アークに疑問が浮かんだ、本当に隊長なのかと。

これなら、ザクのパイロットのほうがマシだ、という考えは当然ながらに生まれてくる。

ただ不安定だが。

「俺だって隊長だッ!リズに負けてられるかよ!」

サーベルを手に、静かにその場にたたずむ。

ドムがバズーカを撃ち込むが、バックステップから上昇し、避けた。

バズーカによる反動で出来た隙を付け込む為の最低限のジャンプで交わすと、スロットルレバーを引いた。

ドムのスカートアーマー部分を切り取った。そしてそこへアークのライフル、マシンガンが核融合炉を突かないところを正確に撃ち抜いた。

そして、何とかドムを地に沈めた。

残りの1機は、ラルフの闇雲なサーベル攻撃で足を失ったザクをリズのヒートホークの先端で貫き、撃破した。


「…戦闘終了、帰還する」

ラルフのジムと、鹵獲したザクを乱暴に引きずると、小さな基地へと戻っていく。
整備は外でするため、余計に夜が厄介である。

寝ている時にMSを撃破されたら終わりだ。

こんなとこに回した意味はなんなのか、アークはそれを考えない。

生き抜けばいいだけ、そう考えていたからだ。


0082年 6月17日 朝7時12分

第1戦闘終了 戦闘データを研究所に送付






おまけ

ウィル「何で俺たちがこんな所にー!」

シン「ぎゃーぎゃー」

(拳2発)

アーク「黙れ」

ウィル「ぐふっ」

シン「大げさだ、ウィル  やべぇ、たんこぶできた」

アーク「ガンキャノンの能力データだ」

機体名 ガンキャノン軽量型
型式番号 RX-77-1D

所属 地球連邦軍

開発 オーガスタ研の研究チームとアナハイム・エレクトロニクス社とスーズ社等が参加。

製造 オーガスタ研究所、および連邦基地。

生産形態 試作機
全高 17.0m
本体重量 48.2t
全備重量 59.9t
ジェネレーター出力 1,320kW
スラスター総推力 42,500kg
センサー有効半径 5,900m
装甲材質 ルナ・チタニウム合金
主な搭乗者
武装
グレネード
100mmマシンガン
低出力レイピアサーベル×2
60mmバルカン砲×2
200mm低反動キャノン砲×2


アーク「キャノンが少し小さいな」

ウィル「軽量化軽量化」

シン「ガンキャノンより武装多いのな…」

ウィル「俺らはゲストさー」

シン「オキナワ弁…ってやつか、ウィル?」


完! いや、続くよ!?(笑

[844] 眠いんだよォォォ!小説書くのMURYYY!!(何
じゅう - 2006年12月22日 (金) 22時50分

第2話 「山脈の死闘」

「・・・ザク1機を鹵獲、ご苦労だった」

基地…いや、テントにほぼ完璧な状態のザクが置かれている。
光を失ったモノアイが、違和感を醸し出していた。

コクピットは焼けて爛れているが、修理すれば使用でき、さらには分解すれば修理用のスペアパーツとしても運用できるだろう。


コクピットから降りてきたアークは、額に汗を伝わせながら急ぎ足で自分の部屋に戻る。
即興で作られた為、粗末な区切りがされているだけだ。

「あれ…どうしたの?」

リズは、すれ違った際に見えた額の汗に気づく。
その量は異常なものであったために、思わず声が出た。

「うるさいッ…」

後ろからの声に、何か焦っているようにも思える言動で口を開いた。

そのまま、自分の部屋へ戻ると、荷物から薬と水を取り出し、薬を胃に流し込む。

その薬は、過剰な薬の投与による禁断症状を抑える為の薬である。

薬物依存症となったアークには、この薬がないと生きていけない。
依存症になった原因の薬の過剰投与は、自分から飲んだのではなく、飲まされたのだが。

強化人間の宿命ともあろうこの点だけは、アークも改善されていなかった。


「…」


何とかからだの痛みが落ち着いた頃、再び外に出る。
太陽の光がまぶしく地を照らす。先ほどの戦闘で倒れた木々が痛々しかった。

ふいに鳥達が空へ飛び立った。それを背に自分のガンキャノンの整備を行なうアーク。

ザクマシンガンの直撃を受けたため、装甲の損傷があった。しかし、軽微なため、すぐ修理できそうだ。

いくら小さい隊とはいえ、補給は受けられるし、周りの隊とも連携は取れるため、それほど補給などには困らないが、明らかに優
遇されていないのも事実だった。

何より、整備士が2人しかいないので、パイロットたちも必然的に修理を手伝う事になる。

その整備士―クウザ・ケーニッヒと、メデス・シュバイカーは、腕はそこそこなのだが、如何せん整備士の数が少なすぎる。

しかも、ラルフのジムと言う問題がある。

それは出撃するたびに機体のどこかを必ず損傷させて帰ってくるというラルフのジンクス。否、腕の問題かもしれないが。

今回もメインカメラを切り落とされている。

メインカメラは改修したものの、接合に時間がかかり、毎度毎度損傷させて帰ってくるために整備班を困らせていたが、戦力の都合から出撃させるを得ないのだ。

そんなラルフの利点は、その反応。

天然発生型のNTと噂されるほどの反応だが、体がついていかずに被弾する。

狙撃も得意である。それもセンサー外からの狙撃を成功させる為、やはりNTという認識が隊にも広まっていた。

そして、今回の作戦は、他の小隊4組とのジオン残党基地―つまり、集団で集まっている場所を叩くというものだった。

一年戦争が終わった後も、降伏を認めない兵士達が地球に立て篭もっているのであるから、当然、目立たない所に基地が出来ていた。

ラルフの特技である『狙撃』が生かされる作戦の為、ラルフはガチガチに緊張しているのが目に見えた。


リズの目の前をアークが横切った。

さっきの言葉で若干いらだっていたリズは、強めの口調で問いただす。

「どうしたの!?さっき、汗の量が…!」

「…黙れ」

冷たく突き放す。アークはかまってもらうのが大嫌いである。
尤も、感情は殆ど消し去られている為、それが当たり前といっては当たり前である。

リズの怒りが爆発しそうになったが、寸前で強化人間と言うことを思い出し、何か事情があるのだと、そう自分の中で脳内補完した。


翌日、午後6時00分、ミシェルの命令を通じ、いざ戦場へ向かう第28小隊。

森や山を通って向かうため、常に周りの策敵を厳戒態勢にしておく必要がある。


「……来るか」

「…ッ!」

ラルフ、アークの二人がいち早く敵を察知する。

山の陰から全速力で出てきたのは、珍しいゲルググタイプが1機である。
ゲルググはかなり高性能なMSの為、できれば鹵獲を狙いたいが、余裕はない。

ゲルググはライフルを放った。重量感のある音が地を揺るがす。
爆音を突き破り、アークのレイピアサーベルがゲルググを狙う。

空を突くサーベルだが、ジャンプして避けたゲルググにキャノン砲を放った。

それをゲルググはシールドで防ぐが、反動のために後ろのめりに落下する。

ガンキャノンの足を踏ん張らせ、空へ跳躍すると、踵落としで地面にたたきつけ、コクピットにサーベルを近づけ、パイロットを投降させた。

「…鹵獲するぞ」

アークはゲルググを、いじめられっ子の襟首を掴むヤンキーよろしく、担ぎ上げた。

「…捕っちまいやがった…」

一人で呟くレックス。強化人間の真髄である戦闘力が遺憾なく発揮された瞬間だった。


山を越えると、他の小隊の面々がすでに集っていた。

凹んだ場所で一時的に補給を行なっているようで、28小隊も参加した。

「…おい…28小隊だぜ…」

「あの弱小小隊がなんで…」

周りからの罵倒にも全く動じないアーク。というか、もはや反応する事自体が馬鹿馬鹿しかった。

他の小隊員もなれているようだが、リズの顔が見る見るうちに赤くなっていく。

「…揉め事起こすなよ、リズ」

「だってこいつら…」



「いい加減慣れんかいッ!」

拳骨がリズの頭に振り下ろされた。幾度となく揉め事を起こすリズ。他の隊との集団行動は向いていないのだ。


「…わかったわよ」

「今度やったらこれじゃすまんぞ?」

レックスの脅しは効くのかどうか分からないが、釘を刺しておくのに越した事はない。

軽い整備を済ませた後、鹵獲したゲルググにレックスが乗り込み、ジムにリズが乗ることとなる。


作戦内容

1 

全小隊 山場から射撃を行なった後、突撃。※ラルフはもっと離れた場所からの狙撃を行なう。
特注スナイパーライフル装備。

2  

改良型クラッカーで基地の中にいるMSを炎で炙り出す。



ラルフは狙撃、全小隊は距離を保ちつつ攻撃


という、シンプルな内容である。改良型クラッカーは焼夷弾といった方がいい。

基地へ投げ込めば、たちまち炎に包まれる。そして出てきたMSたちを狙撃中心で倒していく、といった作戦だ。

ラルフはすでに移動を始めていた。敵地圏内のために、いつどこから襲われるか分からない恐怖に駆られながら。



「作戦開始だ」

小隊長が合図を上げる。相手基地はレーダーなどは装備していない為、適度に離れていれば感知される事はない。

クラッカーをバーニアで空中に上がった瞬間、マニピュレーターを操作し、一気に投げた。

目の前を彩る爆炎。その輝きの中、いくつの命が失われたのか、それは誰にも分からない。

アークがキャノン砲を放つ。すると蜂の巣を叩いたように『蜂』が大量に出撃する。

「これまた、凄い歓迎だなっ!」

レックスのゲルググは、ライフルを構えると、その場で狙いをつけて、発射する。

同時に、あらぬ方向から飛んでくる閃光。
その閃光がザク2機を貫き、輝きを上げた。

「相変わらず、狙撃だけはプロ以上だな!」

感嘆の声を上げながら、シールドでマシンガンやバズーカ、ライフルを防ぐ。

お返しとばかりに反撃の光を放つ。されど、敵の数はなかなか多く、熟練兵もいる。

そう思い返した瞬間、目の前をジムの残骸が吹っ飛び、横切る。
立て続けに3機のジムが爆光を放つ。

ライフルのトリガーと連動しているかのように、敵MSが爆発した。

ガンキャノンは、近づいてきたザクのタックルを、グレネードを軽く投げる事で返り討ちにしとめた。

**

頭突きの体制でザクに突っ込むと、途端に顔を上げ、爆炎が舞い上がった。

キャノン砲がザクの体を爆発でへし折る。ザクは宙に1秒ほど滞空した後、四散した。
その白煙を掻い潜って、ゲルググにサーベルを振り下ろした。


―その一太刀は、地面を突き刺した。

「…エースか」

明らかに他のものと動きが違う。アークは感覚を研ぎ澄まし、サーベルを2本引き抜いた。



それと同じ頃、ラルフは狙撃を続ける。

とにかく、自分に出来ることだからやるのだ。ただでさえ操縦の腕が悪い自分には、コレしか出来ない。

スナイパーライフルの弾が切れ、カチッ、と空音が鳴る。
予備エネルギーパックをライフルにセットした瞬間―

後ろからの熱源反応。そして光。

「ゲ、ゲルグ…」









アークの研ぎ澄ました感覚は、遠く向こうの山脈から轟く爆音を感じ取っていた。

そして、頭痛が唐突に来襲する。

「…ラルフ?」

そこまでいって、アークはふと気づく。独り言とはいえ、初めてラルフのことを名前で呼んでいた。

キィン、と、頭に何故か懐かしい感覚かよみがえる。



「あ…ぁ…」

それは、自分の昔の記憶が垣間見えた瞬間。

だが、すぐにそれは消えうせ、代わりに視界に映るのはビームナギナタの光。

「…ッ!」

レイピアで受けるが、出力で負けているためにサーベルの刃がどんどん切り込みが深くなっていく。

サーベルの刃を完全に切断した時、ガンキャノンの右腕は吹っ飛んだ。

「…もらった…」

右腕を犠牲にしつつ、左腕のサーベルを横薙ぎで切り込んだ。

その刃は、ゲルググのシールドに遮断され、防がれた。

「………」

コクピットに振り下ろされるナギナタをじっと見つめて思う。

ラルフは、NTではないのか。あの爆音と共に頭に届いた不思議な感覚。それが証明だった。

そして、垣間見えた懐かしい記憶―


「でぇぇぇぇいッ!!」

リズのジムが、とび蹴りを放った。そのままサーベルを抜き放って、斬りつける。

やっとのことでゲルググを戦闘不能にすると、通信をアークに入れた。
その顔が、おびえているように見えた。

「アーク…?」

「…う…ぐ…」

頭痛がさらに痛みを増す。その間、走馬灯のように駆け巡る記憶。

「うわああぁッ!」

リズのジムのメインカメラを掴み、横へ放り投げた。

状況確認が出来ないまま、リズのジムが土煙を上げる。

「…お…俺…は…」

そこで頭痛がピークに達し、気を失う。リズは、怒るというよりも、唖然としていた。







戦場に散らばるジャンクを拾い集める小隊員。

28小隊はラルフを失い、他の小隊も死傷者が出ているようだった。

リズは、泣き崩れたままその場で動かない。それをレックスがなだめている様が、まるで親子のようであった。


「ぐ…!」

アークの禁断症状が出始め、急いでコクピットにある薬を取りに走る。

激痛に耐え忍びながら、薬を一気に口に運ぶ。

「……?」

飲み干した薬を包んでいた紙に液体が落ちていた。
頬を伝うそれは、汗ではない。


「………」

目に溜まった水分をふき取ると、不思議そうにその水分を見つめた。


荒野を染める夕日がコクピットの間から差込み、『それ』を輝かせていた。









0082年 6月18日 午後6時52分  

ラルフ・リンクス二等兵 戦死 二階級特進 

戦闘データ2 研究所へ送付



おまけ

ウィル「うはははwwww」

シン「逝かれたな」

ウィル「誰がだ誰が」

シン「お前」

ウィル「ちょww早速一人死亡…(´A)」

シン「短編だからなぁ。アークの変化も見られてきたな」

アーク「……そうなのか?」

シン「あ、だめだこいつ。自覚ない」


完!いや、つづ(ry










[845] ・・・・・・・・・・・ぐふっ!!(死んだ
じゅう - 2006年12月23日 (土) 23時34分


鳥の羽ばたく音が空に響く。群がるカラスが空を覆い尽くす頃、28小隊の基地内の空気は最悪といってもよかった。

あれからリズは嗚咽を漏らすだけで部屋から出てこない。
レックスのほうはリズを励ますものの、自身も前とは比べ物にならないほど暗かった。空気が重い。

整備士2人組は、悲しむ暇もなく修理に明け暮れていた。ただ、時々MSを伝って涙が流れてきていた。

一方でアークは、あれから小刻みに続く頭痛に悩まされる。

「………」

布を払いのけ、一歩廊下に当たる場所へ出てみれば、泣き声ばかりが聞こえてくる。

「…」

自分の中で変化が起こっていることは自覚していた。失われた感情、それがあの日、急に目覚め始めた。

記憶が頭に一瞬ながらも浮かんだ、その所為かもしれない。

「…俺は」

静かに口から声が出た。ギリッ、と歯を鳴らす。
少しだけ戻りつつある記憶と苛立ちが思考を支配する。
自嘲気味になっているのを感じ、自分の部屋に戻ってベッドに潜り込んだ。

さまざまな思考が渦巻く中、自分でも気づかぬうちに眠りについた。




0082年 6月19日 午前7時19分


朝日が時を示す。テントに差し込む光がなんともまぶしかった。
リズの周りには相変わらず暗いオーラが漂っているが、レックスは割り切ったようで、明るさが戻っていた。
当然、簡単に割り切ったわけではなく、一晩ずっと考え詰めていたのだが、アークがそれを知る余地もなかった。

連戦とラルフの戦死により、疲れはピークに達していた。
特例として別段疲れていないのはアークだろうか。
しかし、頭痛は未だに治まらず、定期的にズキズキと頭が痛む。

「あはは…げるぐぐ…げるぐぐ…」

リズが意味不明な言葉を呟く。明らかに精神を粉々に打ち砕かれた状態である。
さっきからゲルググ、ゲルググとうるさいので、レックスが鉄拳制裁を下す。
何故ゲルググか、それはラルフに止めを刺したMSであるからである。…多分。 そうレックスはリズの頭に鉄拳を加えながら考えた。

それにしても、今回も出撃命令が出ているということに、ミシェルは疑問を示した。
その理由と言うのも、研究所がアークの戦闘データを早く手に入れたいがためであった。

強化人間の戦闘データは貴重であり、その中で完成度の高いアークのデータともなれば、後々の研究に多大な影響を与える事が安易に予想できた。


「……クズが」

アークの言葉は誰にも聞こえない。それほどに小さく呟いた。
戦闘データだけを求める亡者どもにいい加減腹が立っていた。

ガンキャノンの右腕のスペアが手に入らずに、今回はザクの右腕を使用する。
違和感はかなりのものだが、我慢するしかない。

今回の戦闘は、防衛戦となる。残党の攻撃から工場の試作型量産MSを守るという内容のものであり、連邦の今後を担う『かも』しれない任務である。


アークは操縦桿を握る。それと同時に起動音がコクピットの中に木霊する。バーニアを吹かせると、連邦の工場へと向きを変えた。

土煙は全てのMSが出撃してから舞い上がった。







0082年 6月19日 午前7時32分


途中、ザク2機を撃墜したアークたちの機体は、一旦工場にて補給を受けることとなった。

真新しいMSがずらっと並ぶ中、アークは興味なさそうに空をジーッと見つめるだけで、上の空であった。


その背を数人の人が通り過ぎた時、唐突な警報音がアークの足を自分のMSへと運ぶ。


コントロールパネルを弄ってワイヤーにつかまると、そのまま上昇してコクピットに乗り込んだ。

「…」

無言のまま、工場など気にせずブースターで突っ切る。
マシンガンの弾が視界に入るが、右ステップを踏み避ける。

手始めに、目の前のザクをキャノン砲で爆砕すると、バーニアを器用に調整し、空中で後ろに一回。
空中から来たゲルググの足元を取り、キャノン砲を放った。

足が爆砕し、バランスを崩したゲルググは、重力に惹かれて落下するが、そこに獲物を待ち受ける蟻地獄のように、サーベルを天に構えたガンキャノンがあった。

無常にも抵抗できずに、ピンク色の淡い刃はゲルググの左胸部を貫いた。

そのゲルググが爆発しそうになったとき、敵の集団に向かって投げる。

ゲルググは爆弾と化し、数機のMSを地獄へと引きずり込んだ。
スクラップと化したMSが、爆風によって吹き飛ばされていった。

ジム1機、鹵獲ゲルググ1機のリズ、レックスもビームライフルで密集している所を狙い撃つ。

輝く光へと姿を変えていく敵MSの中に突っ込んだアークは全方位を囲まれる。

「………ぐッ…!」

頭痛が響く。だが、それでめげていては話にならない、とばかりに1機のゲルググへと牽制のマシンガンを放つ。
それをシールドで防ぐゲルググだが、そのシールドの壁に新たな影が差す。

空中からガンキャノンのサーベルが襲い掛かる。
キャノン砲で機体を文字通り『粉砕』させると同時に、舞い上がったゲルググのライフルを奪い取る。

それを落下しつつザクを狙って放つ。ゲルググはシールドがあるため、慎重に、弾を無駄にしないように撃破しないといけない。

ライフルの弾を撃ちつくすと、地面を這わせるようにゲルググに向かってぶん投げた。
その投げたライフルにマシンガンを撃ち込むと、その上にグレネードを投げ込む。

ボンッ、と爆発音を合図にマシンガンを発射しながら接近し、シールの上にマニピュレーターを持っていき、そこからグレネードの2発目を投げ込んだ。

メインカメラが破壊されたゲルググからライフルをこれまた奪い取り、その場で使用。ゲルググは四散した。

振り向き様、ザクがヒートホークを振りかざしているのを至近距離で確認し、がら空きの胴体へサーベルで横に薙ぎ払った。

分断されたザクの体を、サッカーのボレーシュートの体勢で蹴り飛ばす。

その吹っ飛んだ上半身は、他のザクに命中し、爆散した。

横を通り過ぎるレックスのゲルググが、ナギナタを構えてザクを切り刻んだのが一瞬見えた。


―それと同時に垣間見えたのは、リズのジムへと迫るザクのヒートホーク。

それは、確実にコクピット直撃コースでもあった。

レックスも気づいたようで、方向転換。ライフルを構えて発射する。
だが、それを敵のゲルググがシールドを持った状態でバッタのような横っ飛び。
ビームはそれに防がれ、その先のリズの姿も視界から遮断される。

「うおおおぉぉッ!!」

ライフルは無駄、と判断したレックスは、ナギナタを手に敵のゲルググへ向かう。

振りかぶろうとした瞬間、敵ゲルググは身構えるが、それはフェイク。
ナギナタは振り下ろされずに、レックスのゲルググは敵のゲルググを踏み台にし、ザクへ突っ込む。
疾走する、バーニアはフルスロットル。

「やらせっかぁぁぁッ!」

ジムのコクピットの間とザクの間にナギナタが割り込む。
ザクのほうへとナギナタを横薙ぎすると、そのまま両断された。

「リズッ!上昇して後ろにライフル!その後左ステップ!」

「え、えぇぇ!?」

急な注文に戸惑うリズだが、何とか実行する。

後ろへとライフルを放った瞬間、輝きが目に入った。共に、飛び散るスクラップ。

着地の瞬間、左にステップを踏んだ。

「よぉし!射線確保!」

右から突撃してきていたゲルググを蹴り飛ばし、怯ませると、s確保した射線上にいたザクたちにライフルを連射した。

予想外な高速の攻撃に反応しきれない。

ザクはなす術もなく、無残にもその骸を晒す事になった。

「凄い…一瞬で?」

リズさえも驚愕していたが、目の前から来るゲルググに気を取り直して応戦する。

「…こ…のぉッ!」

サーベルでアッパーをかける。だがそれを素早い反応で避けると、ゲルググはナギナタを横薙ぎ。

ライフルを投げ捨て、もう一本のサーベルを引き抜き、対応する。

その所為で、後方から接近し始めていたザクに対応が遅れる。

「リズッ!!」

ザクはミサイルポッドを展開し、発射した。

「うわあああッ!!」

ガンキャノンがそのミサイルポッドにマシンガンを乱射する。
アークは自分がやっていることをまだ理解できていない。発作的にリズを守ったのだ。
叫びと共に放たれた弾が、ミサイルを全弾捉えた。

次々と爆砕されるミサイルを、リズは呆気に取られた顔で見つめていた。

「ア、アーク…」

「うるさい…うるさいんだよ…」

アークの息が荒くなる。べっとりと背中に汗をかいていた。自分の頭の中がかき乱されるような感覚に襲われる。

「うあああああぁッ!!」

発狂。アークの精神がギリギリまで削り取られる。
禁断症状も現れ始め、いよいよその異変は最大にまで達する。

敵陣に特攻する。手当たり次第にMSを撃破するが、回避行動を取ろうとしなかった。

ガンキャノンの武装、機体が次々と引き裂かれていく。

「アークッ!」

リズが止めに入る。とはいえ、あまりの激しさと、敵の数の多さに近寄れなかった。

ライフルで応戦するも、処理しきれずに被弾していった。

「アーク、応答して!アークッ!」

通信は通じない。

正確には、アークにはつながってはいるものの、一向に聞く気配がない。



だが、唯一つ、アークの耳に入った音があった。


爆音に混じって聞こえてくるノイズ。

「…………ッ」

リズは声が出ない。後方からのミサイルの直撃。
それもコクピットに位置する場所に直撃した。背後から押し出されるような感覚を覚える。
次々と裂けるコードが、コクピットに飛び出してきた。

そこで、意識が途切れた。


ザー、とノイズだけがむなしく響く。

アークの顔が目を見開いたままになり、荒い息がコクピットに反響した。


「……あ…ぅ…」

ガンキャノンがその場でへたり込む。マシンガンの雨がそれを覆い尽くし、最後に聞こえたのは爆音だった。


「アーク…リズゥゥッ!!」

レックスの慟哭が虚しく響いた。援軍が来たのはその3秒後だった。










戦闘不能になり、破壊されたジム、ガンキャノンを回収する。

「退いてくれ、破片が飛ぶぞ」

整備士はコクピットを力づくでは開かない事を悟ると、チェーンソーを取り出し、コクピットの外装を切り外す。

注意どおり、周りに破片が飛ぶ、やっとのことでコクピットの周りを切り取ると、整備士が4人がかりで持ち上げた。

「せーのッ!」

装甲を外すと、血まみれのリズの姿があった。

「これ…もう…」

「いや…まだ息はある、医療班を呼べ!手遅れになるぞ!」

担ぎ出され、担架に横たわるリズを、レックスは見ていられなかった。
出血多量で死んでいてもおかしくないほどの傷だ。頭からも血は出ていた。

担架の真っ白な布が、真っ赤に染まり、血が滴り落ちる。

右腕、アバラ、右足を骨折しており、かなりの重症とのことだった。

今も生死の境をさまよっている状況である。

アークの方は軽傷。強化人間の体の丈夫さが功を奏したようだった。

ただ、精神的に過労しており、休養と薬の服用が必要と、オーガスタ研究所から連絡があった。

それから2日、薬が送り届けられたが、乗機がなくなったために新しいMSを配備するとのことであった。

「そんなにデータがほしいか…クソッ!」

レックスの拳が、小隊のテントの地面を殴った。



0082年 6月19〜21日 時間不明。

リズ・ネレイト 重症 アークライト・フューリー 軽傷 精神過労

ガンキャノン ジム1機 損失

おまけ

ウィル「なんでこんなことにorz」

シン「二人負傷?マジで怪我&戦死しまくるなぁ」

アーク「小隊のメンバーは4人(今3人)しかいないから数はたいした事ないが…」

ウィル「その人数から考えると物凄いペースで負傷していってるな…」

シン「…てーか、ストーリー中で自覚してたな」

アーク「こっちとあっちは別だ貴様」

リズ「だよね」

レックス「だな」

ラルフ「ですね」

シン&ウィル「亡霊だーッ!!!  >ラルフ」









完!いy(ry

[847] む、無茶苦茶なッ!!!(今頃ストーリーの強引性を気づく自分
じゅう - 2006年12月24日 (日) 23時28分

布団がベッドから落ちる。飛び起きたアークの顔の目は見開き、息は荒かった。
精神的に追い詰められ、触れば崩れそうだった。

また一つ、涙と汗の入り混じった水がベッドにしみこんだ。


第4話「MEMORY 前編」


0082年 6月25日 午前8時12分

レックスは軍の病院を訪れた。もちろんリズの容態を見るためである。

アークが着いて来ているのに疑問を持ったが。というのも、前から他人を気遣うようなタイプではないことを自分の中で決定付けていたからである。
感情を消されたはずの強化人間が人を気遣えるのかと、レックスはある意味感心していた。

「どうしたんだ、感情戻った?」

茶化すような口調で言うが、アークは全く応えようとしない。

(…んー、思い込みかな…?)

レックスは、そうひそかに思っていた。そんなことを考えているうちに、リズの病室が視界に入った。

「えーと、ここ…だな」

ドアノブに手をかける。手首をひねると、ガチャリと音を立ててドアが開いた。


「あ、レックス」

「………」

ベッドから上半身だけ起こしているリズが居た。
レックスは多少硬直しており、口が開いたまま塞がっていない。

頭に包帯、腕や足にもギブスをしているものの、起き上がれる程度には回復していた。
無論、立てるわけではない。

「大丈夫大丈夫、死んだわけじゃないからー」

「うーん…まぁいいや…」

とりとめのない話をした後、レックスたちの足は28小隊のテントに向かっていた。

死んでないとはいえ、戦力がまた一人減った。現在MSで出撃できるパイロットは二人のみ。小隊といっていいのかと言うほどの少なさだ。

『今』の機体はゲルググのみであるが、今日、アークに新しいMSが配備されると聞いていたので、2機になるだろう。


遠めに見てもMSを積んでいる事がわかるMSトレーラー。
それが今、テントの前に置かれていた。

「…ジムタイプ?」

全然、と言うまでには行かないが、お世辞にもジムには似てないジムタイプのMSが送りつけられた。
ゴーグル型の目に当たる部分が、少し変わっていた為、一目見ただけではジム型とは気づかないだろう。
ただ、2秒ほど見れば確かにジムだ、と思える機体だった。

「RGM−79C…ジム改…か」

ジム改、それは後の0083年に量産予定の機体だったが、試作機の1機がここに送られてきた。

「しかしまぁ、試作機ばっかりアークに送りつけるな」

試作機・アーク、双方のデータを同時に取るためと言うことが見え見えだ。

「…お偉いがたの野郎、データデータと…人を道具みたいに…」

強化人間を作る自体、正気の沙汰ではない。

それすなわち、その人間の人生を奪うという事。そして記憶をも奪うという事。

さらには感情までも奪い去る、そこまでしなくてはいけないのか。

連邦上層部は強化人間を道具としか思っていなかった。


そして、出撃命令が下された。

「オーガスタ研究所の防衛…」

アークを作り出した研究所、オーガスタ研究所の防衛であった。




研究所の前方をアーク、後方をレックスが担当。
なお、他に二つの小隊が来ていた。やはり重要な場所らしい。

「……」

アークはかすかに頭痛を感じた。ほんの僅かにだ。
一回研究所を振り返る。

研究所は、何故か妙に忌々しく見えていた。


早速予定通り、敵機を1機確認する。
前方からやってきたのは、ゲルググだった。

アークのジム改はサーベル1本、ジムのビームスプレーラーフルを追加装備している。
つまり、ジム改をさらに改造したジムと言う事にもなる。

小隊などでは、少しでも高性能な武器を装備して、敵に応対する。
それは一瞬でも油断すれば死を意味する小隊ならでは。

小隊の基地の規模は、防御がしっかりしている連邦の基地や、要塞とは違う。

スプレーライフルを放った。少し時間を置いてビームが僅かに拡散する。

それを防いだのを確認すると、ライフルを腰にマウントし、サーベル2本を構えた。

粒子を突き抜いたサーベルはゲルググをさえぎる壁さえも貫き、そしてそのまた向こうの空さえも貫いた。

輝きへと還るゲルググに疑問を持った目で見つめるアーク。

頭の中を閃光が駆け巡る。

「…これはまた、単純な作戦を」

単純ながら、難しく考えすぎると全く分からない答えが、『空』にあった。

黒いシミが空にポツポツと浮かぶ。そのシミはどんどん大きくなって行き、しまいにはMSのフォルムがはっきりとしてくる。

「レックス、上だ」

「…あー…」

レックスが半ば呆れたような声を出す。その口元はヒクヒクと動いていた。

MSが、研究所めがけて降下してくる。その主力はおそらくザクなのだが、ゲルググの数も多く、敵もここを警戒している事が分かった。

「全小隊、上空に向かって射撃」

全回線を開き、そう呟いた。その時一斉にジムのゴーグルアイが上を向く。
アイカメラが太陽の光でキラリと光った。それと同時に射撃音が聞こえ、上空もキラキラと光っていた。

残骸が次々と落下してくる。なんとしても研究所に落下させるわけには行かない。
撃墜されても、その残骸が研究所を襲う。
いわゆる、MSの残骸は散弾銃の役目を果たす。二重の罠と言うことだ。


その作戦が『悪い意味で』功を奏す。たったいまひとつ、残骸が研究所に直撃した。
小さい破片だったのがまだ救いだ。

アークはプルバックマシンガンで残骸を打ち砕く。スプレーガンは右手に一丁持っている状態だ。

ジム改の装備は連射に優れているものと、拡散性があるものなので、残骸の破壊にはうってつけである。

だが、黙っているほうが馬鹿と言うものだ。敵もライフルやらマシンガンやらを乱射する。あくまで乱射だ。

研究所に当たろうと、MSに当たろうと、不都合な事は何一つない。

ライフルをバックステップでかわす。バーニアで横移動し、斜め上に上昇。そのまま射撃。

ゲルググの左わき腹にビームが直撃し、爆散していく。その残骸を片方のマシンガンで片付けた。

そのビームの粒子が雪のようにも見えた。

空に咲く光の花は数を増していき、消えていく。
その様子は幻想的で、そのなかで人の命がいくつも失われていることを忘れさせるようだった。

多数のMSが降りてくる、撃墜し切れなかった分のMSだ。

地上戦となれば、少しこちらのほうが有利。というのも、敵MSは降下点をずらされ、基地の外側へ追い込まれたからである。

いわば、自分たちが研究所への壁となれる位置に立っているわけだ。


その瞬間、目の前に降り立ったゲルググの強化タイプ。

「ゲルググか…だが、こいつは…」

強者のオーラ、と言うものが強化人間の擬似NT能力を通して頭に入ってくる。


「油断ならんな」

アークのジム改のバーニアが、気づかないうちに青い光を吹いた。


おまけ

ウィル「次 で 最 終 回 」

シン&レックス&リズ「な、なんだってー!」

(エルボー3発)



この物語のOPイメージ http://www.youtube.com/watch?v=D5UFuWMp6k4

EDなんてねぇよ(何













[848] 最終回て!最終回て!笑うしかないね。あっはっは(死
じゅう - 2006年12月25日 (月) 23時13分


0082年 6月25日 午前9時32分

最終話「MEMORY 後編」 開始


一つの光は地面を削り、また一つの光は『壁』にさえぎられた。

光の刃を手に持ったジム改は、その足で僅かに跳躍し、そのまま浮きあがる。

落差を利用して勢いをつけ、サーベルを一気に振り下ろす。
バチバチとシールドにこすれあい、そのピンクの粒子を撒き散らす。
周りのゲルググ、ザクが奏でる戦場のミリオンセラー曲ともいえる爆音。
それをBGMに、ジム改が右に急旋回する。

それに逆らうようにゲルググも右に旋回。その手にはナギナタが握られていた。

双方がぶつかり合うように旋回する。接触したサーベルとナギナタが光を上げる。

鍔迫り合いをしばらく繰り返し、一旦距離をとると、加速。

斜め上に上昇しつつのサーベル攻撃を、『敵』は読み取っていた。

「……ッ!」

アークが狼狽する。次の瞬間、ジム改は弾かれ、若干後ろのめりになっていた。

「二度も同じ手は…」

弾き返された事を確認する間もなく、ジム改の胸部を『敵』のライフルが掠める。
寸前のバックステップで身を引き、何とか大事は至らなかった。

「貴様に邪魔はさせん!あの方の邪魔などッ!」

「………」

無言のまま戦闘を続けるアーク。毛頭相手にする気はない。
相手のペースに飲まれれば、必然的に戦闘が不利になる。

オーガスタ研究所。ここは敵にとってのメインピースではない。
だが、その『目的』の為の障害と成りうる。

MSの開発まで兼任しているこの研究所。かつてガンダム『タイプ』を生み出した研究所だからこそ狙われたのかもしれない。

ならメインピースはどこかと聞いても、誰も知る由はなかった。

ゲルググの足払いがジム改に命中する。危うく横に転びそうに成ったが、そのまま空中で横に一回転。
着地すると、メインカメラめがけて光の刃を切りつけた。
しかし、腰を下げられ回避される。

下半身と上半身の間を狙い済ましたナギナタの一撃が一閃する。

「ぐッ!」

マニピュレーターをクイッと操作し、サーベルの切っ先を下に向ける。
とっさの判断で行なったその行動は、結果的に自分の命を救った。

刃と刃が干渉し、弾きあう。

「ぬあぁぁぁッ!」

ナギナタのもう一方の刃で返すように切りつける。その切っ先が背中を狙っていたのを反応しきれず、まともに直撃を受ける。

「………ぐッ…」

すぐさま受け流す姿勢をとるが、されるがまま地面にたたきつけられ、頭部をゲルググの足で押さえられる。
そのままメインカメラを根元からバッサリと斬られると、不意に声をかけられた。

「アークッ!」

レックスのライフルが敵ゲルググとジム改の距離を遠ざける。

それをアークはしばらくじっと見ていたが、すぐに告げた。

「離れろ…!」

それを合図にするかのように敵ゲルググはレックスのゲルググへ方向を変える。

ナギナタが振り下ろされる。右腕が地面に落ちた。

「こ…いつッ…!」

そのまま横薙ぎ。そしてそのままの位置から上に斬る。
足が斬られ、腕も斬られ、達磨となったレックスのゲルググが、地面に重量感ある音を響かせた。

「とどめだッ!」

敵ゲルググのナギナタが雲と重なる。




―そして、ジム改にも重なっていた。
アークの頭痛と共に放たれた斬撃。

その一太刀を、アークの本能が感知する。
どんどん機影は大きくなる。サーベルの光が眩い。
レックスは一瞬目配りすると、バーニアで敵ゲルググの僅かな隙をつく。

次の瞬間、初めに目に入ったのは敵のゲルググの足が横薙ぎによって両方とも切り落とされるところだった。


「う…ぐ…」

頭の中に入ってくる意思。頭を継続的にたらいが落ちてきたかのような痛みが続く。

そして、また蘇る走馬灯。目の前がぐらぐらと揺れる。

(…な…にが…)

―…る―

(ぐ……)


かすかに聞こえる声が、記憶を呼び覚ましていく。

記憶を戻すには、『切欠』と言うものが大方必要である。
何かを切欠に一つでも思い出せたのなら。

それを基にして、更なる記憶を呼び覚ます。


「ま…もる…?」

キィン、と響く声。今度はそれが温かいようにも思えた。

強化人間。 記憶を封じられた人間。ならその封印が解ければ記憶はもどる。

その『切欠』が、今、この状況。




「うわぁぁぁッ!」

サーベルが勝手に動いた気がした。その刃が敵のゲルググの胸部を捉えた。

貫かれたゲルググの体が脆く崩れ去っていく。崩壊の音と共に。

パイロットが脱出したのが見えた。一目みると、年老いた兵にも見えた。


「……レックス、後は任せろ」

「え?」

唐突に出された言葉を、レックスはなかなか飲み込めない。
敵はすでに全滅した。任せるも何も、倒すべき敵は―


―いや、いた。


「まさか…」

そう思った瞬間、すでにアークはジム改から下りていた。

そして、目の前でジムが四散する。ダメージが蓄積した故だ。


その髪が風になびく。レックスの目は据わっていた。


「…やるんなら、しっかりとな」









アークは、研究所へ向かって走り出した。









おまけ

ウィル「ちょwwww2話に分けやがったこのダメ作者www」

シン「完結予定はどうしたwwwあほかwww」

アーク「とりあえずあとで銃弾3発」


その後



ターン…ターン…ターン…(銃声











[856] うひひひひ、更新の間空きすぎやwww(壊
じゅう - 2007年01月01日 (月) 22時50分

※多少グロいです。多少。(ぁ
ただ、自身の描写力は低いので全くグロくない可能性も(ぁ

――――――――――――――――――――――

最終話 「断たれる命」

狭い廊下に響く銃声と飛び散る血肉。
無常にも警備兵にハンドガン、殺傷力の高いアサルトライフルを両手に持ったアークが、弾丸を乱射し、着々と研究所のある場所へ向かっていく。

マガジンがグリップからするりと落ち、また新たなマガジンを込める。

そして、分かれ道から飛び出してきた警備兵の腹に撃ち込んだ。


ガチャリ、とドアが開く。そこは強化人間のデータ管理、作成を受け持つ部屋であった。

研究員がアークのほうを向くや否や、銃弾が飛び交った。
狂気に満ちた目がキラリと光り、またトリガーを引く。

やがて、一人の研究員に銃口を向け、口を開く。

「…こんな所でのこのこと…」

威嚇のため、ハンドガンをその研究員の顔の横を掠めるようにトリガーを引く。
ガァン、という音と共に、向こう側の壁が小さく凹む。

「記憶でも戻ったか?」

「そうだが?」

今度はアサルトライフル。研究員の髪が一本千切れ飛ぶ。
精密な射撃、コレは皮肉にも強化人間に与えられた能力の一つでもあった。

「貴様は俺の両親を殺した集団の一人なんだろ?」

―鮮明に蘇る記憶。その中には投薬され、記憶を失った後の記憶、その前の記憶が入り混じっていた。

自分に投薬した人物。そして蘇った記憶の中で、自分の両親を殺した人物の顔は一致した。

アークは両親を目の前で殺されることにより、その精神に隙を作られ、その隙に漬け込んでマインドコントロールを行なわれた人間である。

記憶を切欠に爆発した復讐心の結果が『コレ』―研究所に築かれた死体の山と言うわけだ。

「もう戻れない事ぐらい分かってる…お前だけは道連れにしてやるさ…」

研究員はあくまで冷静に懐に手をかける。それに気づいたアークがその手をハンドガンで撃とうとした瞬間―

別の方向からの銃声。ハンドガンが撃ち落とされた。
カラカラカラと、無様に銃が床を滑る。警備兵が駆けつけたのだった。

「………こいつッ、だけは…」

アークはアサルトライフルのトリガーに手をかけた。

視界を埋め尽くす鮮血。それは研究員のものでも誰のものでもなく、アークのもの。
背後からの一斉射撃。フルオートで放たれた射撃が容赦なくアークの体を撃ち抜く。

「………ッ」

声を上げる間もなく、アークは床に突っ伏した。
研究員は物惜しそうにアークに冷たい視線を向けるのみだった。


「アークッ!」

いてもたってもいられずに、走ってきたレックスもその光景を目にした。
気づいた時には、すでにレックスの手に持った銃が薬莢を床に落としていた。
それを見た警備兵は、反射的に銃のトリガーを引く。

「……ぐッ」

レックスは床に膝を着く。そして―












「あー、あの二人お見舞いに来ないかなぁ」

リズの願いは、空へと消え行く。


その日は、晴天だった。


オーガスタ研究所で起こったこと、それはすべて黙秘された。
アークは記録から抹消された。
アークは、強化人間の危険性を誇示するものであったからだ。

レックスは、アークのことはなかったことにされたために、そのままあのことを報告する事は出来ない。

故に、反逆による射殺扱いとされたが、兵の誰にもそのことは報告されずに終わった。
28小隊は解散、ミシェルは南アメリカの基地へと飛ばされた。

当時、腐敗しつつあった連邦上層部は、その記録を消す事に全く反対しなかったのだ。
一部反対もあったが、少数も少数。あっという間に表舞台からアークの名は消えた。



そして、リズは―








おまけ

シン「おまwwwあけましておめでとうwww」
ウィル「うはwww準皆殺しエンドww」
アーク「あくまで準皆殺しだな。28小隊だけ」

死亡 レックス ラルフ アーク

生存 リズ ミシェル

ウィル「じゃあ、あけましておめでとう」

じゅう「新年も宜しくお願いします(笑」



エピローグへ続くッ!(えぇえぇぇ!?






[878] えーと、あれ?(ぁ
じゅう - 2007年01月29日 (月) 23時33分

リズ・ネレイト。『元』28小隊所属のその人は、今見知らぬジャングルを徘徊していた。

「ここどこ……?」


エピローグ「いつか」


あの事件の後、28小隊が解体され、リズは行方不明の二人を探すべく、軍を退職した。
退職金がそれなりに入った。なんというかリズからすれば、軍が『早く出て行ってくれ』と言っているような気がしてならない。
実際その通りだが。

そして、今はあてのない旅を続けている。濁った河を小船が渡っている、商業があくまでもある程度盛んなようだ。

「なんか買おうかなーッ」

そんなこと言いつつも、足は止まらない。森をどんどん進んでいく。

とくに変わったことのない森を進むと、何故か早く時間が過ぎる気がする。
気づけば、夕日が木を赤く照らしていた。

「さーて、弁と……」

獣の唸り声でびくりと体を振わせる。 目の前に立ちはだかるのは熊。
逃げられるわけがない。こう見えても熊の足はかなりの速さだ。
蛇に睨まれた蛙の如く、ぴくりとも動けないリズ。

下手に動いたら■ぬ。

「……」

「……」

静寂が辺りを包む。■んだフリがいいとか言われているけれども、実際そんなことすればシャレにならない音と共に魂は天国への片道切符を手に入れてしまう。

――どうしろってーのよー

心で呟くが、空にも大地にも吸い込まれる事なく、その声は心の中にしまわれたままだ。


「……うりゃ!」

「!」

(しばらくお待ちください)


「はぁ…はぁ…なかなかの強敵だったわ」

携帯銃で熊を呼んで字の如く狩ったリズ。今日は熊の丸焼きだ。
服が少々ボロボロだが、慣れっこだ。所々赤いのは気のせいと言う事にしてほしい。


「けぷ…お腹いっぱい」

もしここにレックスがいれば、『そら腹いっぱいにもなるだろ』と言うのか。

もしここにアークがいれば、やっぱり無言である意味での哀れみの目を向けてくるのだろうか。

もしここに――

「……ッ」

ぶんぶんと頭を横に振った、木に直撃。じーんという痛みが脳を刺激する。

「あー、もう!何でこんな事考えるかなぁ」


いつの間にか目に溢れた涙をぬぐって呟いた。

「どうすればいいの…?」

その問いに、木々はただ悠然と葉を揺らすだけだった。


数分ほど休憩し、さらに歩く。果てのない道を。
そして、いるはずのない人を求めて。

「あれ?」

湖畔にたたずむ小屋。静かだ。
空から聞こえたカラスの声が、より一層五月蝿く聞こえた。


ふと、足をその小屋へ向ける。

視界に飛び込んできたのは、左足の膝から下がない男性と、何か優しい印象を持つ女性。

静かに湖畔を見つめるその姿を、リズはしばらく見つめていた。

「君?」

「うぇッ!?」

不意に声をかけられ、素っ頓狂な声を上げるリズ。男性は松葉杖をつきながらリズの前に立つ。

とりあえず、あの二人のことについて聞いてみる。
情報は一つでも多いほうがいい。そのために、二人の写真を見せる。

「……うーん、知らないな」

苦笑しながら答えた男性に、リズは少々落胆した様子で背を向けようとした。

「諦めなければいつかは見つかるよ、きっと」

その言葉に、何故か安心させられた。いつか見つかる、と。

そして、また歩き出す。


「そうさ……あいつらも、俺たちを見つけたように」


リズは、その後も真実を知らずに旅を続けていく。


あの『真実』を知る者、それは誰もいない。

いつか、『真実』を見つけるときまで、歩き続ける。

そっと、空が微笑んだ気がした。










おまけ

えーと。

・・・・

もう自分■。(何




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