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[761] ゴジラ 破壊神降臨 (終)
呉爾羅山 - 2006年11月14日 (火) 19時04分

このお話は野球はもちろん、パワプロとも一切関係ありません
ゴジラ+αの怪獣物で染まっております
そんなの嫌だという方は回れ右をしてお帰りください
なお、ゴジラ関係の資料の著作権は東宝様にあります
また、設定が一部異なる場合がございます
このお話はフィクションです。特定の個人、団体、番組、実際の地名で起きた出来事とは一切関係ありません

[762] 第1話 破滅への序曲
呉爾羅山 - 2006年11月14日 (火) 20時57分

1954年から半世紀近く経った2001年

ゴジラは再び姿を現した

終戦から56年目のこの年

既に人間は戦争をすっかり忘れ去り、世界各国ではテロ行為が相次ぎ尊い犠牲が出ていた

その最中ゴジラが復活した

復活したゴジラはアメリカ原子力潜水艦を破壊し、静岡、神奈川を火の海にした

かろうじて東京上陸は避けられたものの

当時の防衛軍、ヤマト言葉に由来する”くに”を守る護国聖獣に多大な犠牲が出た

しかし当時の防衛軍の立花准将の捨て身の攻撃によりゴジラは倒された

何故ゴジラが現れたのか、それは明確には分からなかった

それに、何故東京を目指して進んだのか?など謎が謎を呼ぶ一方であった

だが、このゴジラ襲撃のおかげで、少しずつ戦争を忘れてはならないと思う者も出始めていた













しかし時が経てば人間は忘れてしまう種族である
4年、5年と年月が経つにつれて人間達はゴジラの恐怖を忘れ去っていった・・・

























2025年

人間は三度過ちを犯した

起こしてはいけないものだった

誰も望んではいなかった戦い

























第3次世界大戦

























しかもその場に、ついにあの兵器が使われてしまった

その兵器を開発した当時の者達でさえ「何故このようなものを作ってしまったのか」と悔しがり嘆いた兵器









































2027年に終結したものの全世界で死亡者約3億5千万人以上

放射能の影響を受けていると思われる人口は10億人以上とも言われる

3年に渡り続いた全面核戦争

世界の環境も核の影響により変わった

環境の変化により突然変異を起こした巨大生物が世界各国で目撃されるようになった






















もう2度と戦争を起こしてはいけなかった

ましてやその戦争に核を用いては尚更いけなかった

何故ならその戦争が、その核兵器の一つが、人が恨みを持ちながら死ぬことが

























”あれ”の覚醒の材料になっている事を知ってる人間など0に等しかった・・・
























ゴジラ 破壊神降臨

第1話 破滅への序曲









〜2041年 防衛軍本部の屋上〜

ゴジラが最後に姿を見せてから40年。この頃になると人間は
ゴジラの事、ゴジラを倒した立花准将の事などすっかり忘れ去っていた・・・ある人物を除いて・・・

??「・・・」

??「どうしたんですか?林田准将」

林田「ん?いや、考え事だ」

??「そうですか・・・しかしあの戦争で国内にあまり被害が出なくてよかったですね」

林田「国内の建物にはな・・・だが、あの大戦に借り出されてしまった隊員の95%が生きて帰って来れなかった・・・
    下手すれば国内も攻撃されてしまう恐れはあったんだ。放射能除去剤の開発が済んでいたから良かったものの
    もっと多くの人が放射能汚染に苦しむ結果となったかもしれん・・・」

??「はい・・・」

林田「今考えると、人間は本当に愚かしい生き物だな・・・
     あの大戦でさえ、一体何が引き金になったのか結局有耶無耶になってしまった・・・
    ひょっとしたら、この戦争は起こらなかったものかもしれないのに・・・」

??「ええ・・・私自身も、何故という言葉が頭から離れません・・・
    何故家族を、友を、こんな理不尽な事で失わなければならないのか・・・」

林田「・・・なあ、新井中佐」

新井「はい?」

林田「最近嫌な予感がするんだ」

新井「嫌な予感・・・ですか?」

林田「うむ・・・近いうちに、あの戦争よりもっと恐ろしいことが起こりそうな気がして・・・」

新井「まさか・・・」

林田「お前は若いから実体験をしたことがないだろうが・・・ゴジラって知ってるか?」

新井「はい。確か1954年と2001年にこの日本を襲った怪獣ですね」

林田「うむ・・・実はそのゴジラの出現原因なんだが、一番有力視されているのは
    恐竜の生き残りが冷戦時代のビキニ環礁の核実験により放射能で突然変異を起こし巨大化した物
    これが今の学会でも有力視されている」

新井「はあ・・・」

林田「だがこの説、俺はどうも腑に落ちんのだ。以前見つけた論文でさらに疑問が湧いてな
    これは、東京のとある教授が纏めた論文の一部なんだが
    恐竜の巨大化とはいえ所詮生物。砲弾を受ければ死なないまでも、ダメージは食らうはずだ
    だがやつは死ぬことなく、むしろ無傷だと聞く
    異常なまでの生命力を手に入れたとしても、生物である以上死ぬはずであろう
    そもそも、恐竜が突然変異を起こしたにしても巨大すぎる
    一度やつを見たことがあるが、ゴジラの身長はどう見ても60メートルを越えている
    肉食恐竜に姿は似ているが、その大きさは数倍だ。恐竜の突然変異説は無理がありすぎる
    と、こんな風に恐竜突然変異説を真っ向から否定した」
   
新井「じゃあその教授はゴジラをどのように見てるんですか?」

林田「ここからオカルト的話になるが・・・その教授は、ゴジラを
    太平洋戦争で命を散らした英霊達の魂が宿っていると主張した」

新井「太平洋戦争で命を散らした・・・英霊達の魂?」

林田「だろ?ハテナマークが付くだろ?誰もが信じない要素だろ?
    非現実的で。だがな・・・何となく俺はその説の信憑性がありそうに感じる
    もし残留思念の集合体であれば、生物ではないんだから砲弾に当たってもなんとも無い
    むしろ1954年に現れ、一度倒されたはずの奴が何故2001年に甦ったのか
    生物だったらとっくに死んでる」

新井「准将・・・まさかそのゴジラが・・・今後現れる可能性がある・・・とお考えで?」

林田「ああ・・・何となくそんな気がする・・・」

新井「・・・ただ、ゴジラは我が防衛軍が倒したはずでは・・・」

林田「だから尚更なんだよ。もし倒したんなら、1954年に防衛軍が一度倒してる
    だが2001年に復活した。これは何を意味するのか
    下手すると、何年周期で復活する奴なのかもしれん」

新井「ただ・・・自分はゴジラを目の当たりにした事がないので分かりませんが
    そんな恐ろしい怪獣だったんですか?」

林田「ああ・・・今でも夢に見る・・・俺は10歳の時、偶然箱根にいてな・・・
   家族で旅行中だったんだ・・・その時・・・やつが山の上から現れた」
   






そのゴジラと反対側の山から護国聖獣 婆羅護吽(バラゴン)が現れてゴジラと対峙した
当時のゴジラは身長60メートル。バラゴンは30メートル
体格差は倍。この時点で当時の林田少年は嫌な予感がしたという
林田家族は早くその場から離れようとした・・・
するとゴジラがバラゴンをあろう事か逃げ惑う観光客の方へ投げ飛ばした
林田少年は辛うじて助かったが・・・家族全員バラゴンの下敷きになってしまった
無我夢中でその場から離れた
そしてゴジラのほうを振り返った瞬間








林田「次の瞬間バラゴンを熱線で止めを刺した
   吠えてるやつの顔がいまだに脳裏に焼きついてるさ・・・恐ろしくて恐ろしくて・・・」

新井「・・・すいません。嫌な話思い出させてしまって・・・」

林田「いや、いいさ。気にするな。とりあえず、今平和であっても気を抜くなということだ」

と、その時

??「失礼します!!」

林田「ん?岡本中尉か。どうした?」

岡本「出動命令が出ました。こちらです」

1枚の書類を渡す

林田「ん・・・グアム島沖・・・アメリカ原子力潜水艦が事故?」

岡本「はい。原因不明の事故だそうで・・・」

新井「放射能漏れは確実だな・・・」

岡本「はい」

林田「ここで話しててもしょうがない。いくか」

2人「はい!!」

林田「で、一体原潜に何があった?仮にもアメリカの原潜だろ?」

岡本「はい。通信記録によると原潜は日本時間の08:55
    マリアナ海溝付近にてソナーで巨大な移動物体を探知。
    音紋照合の結果味方ではないと判明
    明らかに攻撃態勢と判断した艦長は目標に二発の魚雷を発射を指示
    二発とも命中が確認されていますが、その後わずか22秒で通信不能
    様々な状況分析の結果、沈没したと断定されました」

林田「22秒で・・・一体何が沈めたというんだ?」

新井「まさか・・・ロシアか中国の最新兵器では?」

岡本「いえ、両国とも、国防省は否定しています」

林田「・・・何か嫌な予感がするな・・・」






〜1時間後 某テレビ局〜

プロデューサー「おい、アメリカの原潜が事故だ」

職員「え?」

プロデューサー「おいみんな!!番組変更!!臨時ニュースの準備だ!!」






〜スタジオ内〜

アナウンサー「現在の円相場はごらんの・・・たった今ニュースが入ってまいりました
         グアム島沖でアメリカの原子力潜水艦が消息を絶ち
         政府は、日米平和条約に基づき防衛海軍を現場海域に派遣することを決定しました
         原子炉からの核汚染が予想され、我が国の放射能遮蔽式潜水艇”きりしま”の活躍が期待されます
         きりしまを載せた防衛海軍巡洋艦は今日中に横須賀港を出航し
         アメリカとの共同救出作戦に参加する予定です」







〜とある駅のオーロラビジョン前〜

??「・・・お父さん忙しくなりそうね・・・」

















〜グアム沖 深海〜







・・・・・・









〜さつま内部〜

新井「・・・あれか・・・」

カメラに映ったのは、無残に壊れた原潜の残骸

新井「1号機目標に接近中・・・こりゃ・・・爆発事故だな・・・メチャメチャだ・・・」

とその時

新井「!?」

グゴゴゴゴゴゴゴ・・・

新井「なんだ!?」

ズザザザザアアアアア!!!!!

隊員「大海流です!!」

グゴゴゴゴゴゴ・・・

隊員「2号機が!!」

ガン!!ドカーン!!

突如発生した海流に流されて2号機は岩に激突。爆発してしまった

新井「くそ・・・ん!?」

その時、新井中佐がカメラを見るとそこには・・・




・・・・・・・・・





グゴゴゴ・・・・











新井「!!!!!!」









グゴゴゴゴ・・・・











暗闇の深海を進む不気味な青白い光を放つ背びれ・・・

無線「損害を報告せよ!!それと移動中の物体を確認した!!物体は一体なんだ!?目視確認できるか!?」

新井「・・・・・自分の目が・・・・信じられません!!!!」
































〜人物紹介〜

林田光三 
年齢 50歳 
身長・体重 180センチ・75キロ 
階級 准将

この物語の主人公。かなりの強面で、初対面の人間は必ず怖がる
だが心優しい気さくで、若手指導にも定評のある人望厚き准将
いざとなれば自分の命も惜しくないという
少年時代にゴジラ襲撃事件に巻き込まれ家族が犠牲に。それ以来ゴジラに恨みがある
結婚したが奥さんは2年前に病気で他界。娘と一緒に暮らしてるが軍の幹部という事でなかなか一緒になる時間がない




新井陽平
年齢 35歳
身長・体重 185センチ 73キロ
階級 中佐

林田が一番信頼している人物
見た目は実年齢より若く見える
非常に真面目で仕事を完璧にこなす
アメリカとの共同救出作業中に”何か”を目撃した人物



岡本隆司
年齢 46歳
身長・体重 175センチ 80キロ
階級 中尉

かなり有能な軍人ではあるが一本気すぎるが故に出世の遅れている男
だが、若手の面倒見などかなり評価されており、若手からもいい兄貴分、または親父のように慕われている
相当な子煩悩で夫婦仲もいい
准将と同じく、いざとなれば自分の命も惜しくないとか






〜怪獣〜

2001ゴジラ(呉爾羅)
身長・体重 60メートル 3万トン
技 放射熱線

言わずと知れた日本が誇る怪獣王
生き残りの恐竜が核実験の放射能で巨大化したという説と
太平洋戦争で命を落とした英霊達のの残留思念の集合体と考えられている(真相は不明)
今回の彼は、一つ言えるのは、すべての生命体の敵であるという事



バラゴン(婆羅護吽)
身長・体重 30メートル 1万トン
技 噛み付き 突進 角で突く

40年前ゴジラと戦った”くに”を守る護国聖獣の1匹
地中からの奇襲攻撃を得意とする
非常に好戦的で、体格的に倍近く差のあったゴジラに真っ向勝負を挑んだ
だが体力で圧倒され最後は熱線を受けて爆発炎上
しかしギドラ爆砕後、霊となってゴジラの東京上陸を防いだ

[766] 第2話 動き始める歯車
呉爾羅山 - 2006年11月16日 (木) 18時14分

新井中佐がゴジラを発見する2時間前

日本のあるテレビ局ではある番組を生中継するためスタッフが準備に追われていた

そのテレビ局の名は「BSデジタルQ」

このテレビ局は、1999年に新宿区に作られたテレビ局で、怪奇・オカルト・UFO・超常現象などを扱っている

2001年のゴジラ襲撃事件では、当時のスタッフの1人「立花由里(たちばな ゆり)」が

実況生中継をしたために大好評を博した。そのおかげでこの局の知名度は爆発的に上昇

バカらしいオカルト物は既にやっていないものの、ゴジラ、その他の怪獣の特番などで未だ人気が衰えない

彼女は退職したもが、その意思を継ぐレポーターが次々と誕生していた

その中の一人が「林田真由美(はやしだ まゆみ)」

そう、第1話で登場した林田准将の一人娘

彼女は幼い頃から父にゴジラの話を聞かされていた

その影響からか、彼女はゴジラの事についていろいろ知りたいと

一番近くで実況生中継をしたBSデジタルQに入社したのだ

この日、BSデジタルQの社員全員は午前中に行なわれる慰霊祭に参加した

親が幼いときゴジラに殺されかけた経験がある事を聞いていて、もし殺されてたらと思うと恐ろしくなると彼女は語る

それだけに遺族の気持ちは痛いほど分かる

入社して4年目、4度目の涙を流して帰ってきた

だが泣いてる暇はない

その夜すぐに2時間スペシャルのゴジラ、第3次世界大戦の特番があるのだ

あの日の出来事を忘れないために、核戦争の脅威を忘れないために最後に襲撃された横浜から生中継する

そして今日、その現地リポーターが真由美なのだ

真由美達は資材を乗せ、慰霊碑の建てられている横浜港へ向かった

ゴジラ襲撃から40年、そして第3次世界大戦から14年

大戦ではそんなに被害が出なかったがゴジラ襲撃の時は壊滅状態だった

しかし今は新たな高層ビルが建ち、新型のモノレールが走るなど、40年前の風景とは様変わりしていた

そしてついに特番は始まった

まず、はじめにスタジオで第3次世界大戦の特集からスタートし

1時間後、ゴジラ特集がスタート。第2次ゴジラ襲撃事件の映像と、その時の被害状況などを

放送し、ついに、林田達のいる横浜港に中継が繋がった

慰霊碑を前に当時防衛軍としてゴジラと戦い、運良く生きて帰る事の出来た老人らの話を中心に

今も残されているゴジラによって付けられた傷の残る建物などの紹介をし、無事特番は終了した











しかし特番終了後、視聴者から抗議、非難、質問の電話が殺到した

それの殆どが、「後ろに映っていた物は一体なんだったのか?」という内容であった

真っ先に疑われたのはもちろん中継班

プロデューサーが問い詰める

プロデューサー「おい・・・お前たちはまさか良かれと思って後ろに変な物置いたんじゃないだろうな?」

それに1番反論したのは真由美だった

林田(真)「山下さん!!そんな罰当たりな事するわけないでしょ!!ゴジラの恐怖、核の脅威を忘れないための番組ですよ!?
      そんな・・・そんな悪戯なんて出来るわけないじゃないですか!!」

それはごもっともだった

真由美は今日の慰霊祭で深く悲しみ、その悲しみを堪えながら中継をしたのだ

それに、プロデューサー(以下山下)も嫁さんをゴジラ襲撃時に亡くしている

偶然静岡県で買い物をしている最中襲われたのだ

山下「そ、それもそうだ・・・すまん。疑ったりして・・・しかし・・・」

真由美「しかし?」

山下「しかし一体あの後ろに映った物はなんだったんだ・・・よし、今からみんなで見てみよう」

山下プロデューサーの提案で今日の収録ディスクを見てみる事にした

そして、撮ったVTRを見た一同は唖然とした

何故なら、横浜の中継、そう、真由美達が中継していた最中

真由美の後ろにある慰霊碑のさらに後ろ、海の中に映るはずのない物が映っていた

それは・・・







ごつごつした黒い肌

無数に背中に存在する背びれ

恐竜を思わせる外見

白目のおぞましい形相









”ゴジラ”だった・・・しかも、カメラのほうをジーッと見つめている・・・いや、睨み付けている様に見えた・・・








山下「・・・おい・・・こりゃ一体・・・」

スタッフは訳も分からず首を傾げるばかり

真由美「・・・」















第2話 動き始める歯車










林田准将達、日米平和条約に基づき救助作戦に向かった者たちは

”あの放送”の翌日すぐに帰ってきた

朝早くから長官を交えた緊急会議を開くためだ






〜防衛省内〜

新井「あの、准将」

林田「どうした?」

新井「お聞きになりました?昨日の番組内で起きた出来事」

林田「番組?」

新井「あ、お聞きになりませんでしたか・・・実は、とある番組でゴジラ、戦争の特番をやっていたそうなんですが」

林田「それって・・・娘の番組か?」

新井「はい。准将のお嬢様がレポートをしてる最中、ある物が横浜港の中に映っていたそうなんです」

林田「なんだと?一体それは・・・」

新井「・・・”ゴジラ”です・・・」

林田「!!!!・・・なんだと・・・」





あの放送があった翌日、つまり今日の朝、BSデジタルQの番組でも釈明番組を放送し

テレビ局の編集ではないことを伝えた。しかし、世間はおさまらなかった

他のテレビ局も朝からこのニュースについて伝えた。

ある朝のニュースではコメンテーターが「ゴジラが復活するのでは?」

と発言しその発言を聞いた視聴者からの電話が殺到。一部で混乱が出ているらしい

もちろん、そんな確証はないが、あの映像は世間に衝撃を与えた。それは確かだ

しかも・・・






新井「私がやつを目撃した時間と、番組内でゴジラが映りこんだ時間がほぼ一致してるんです」

林田「・・・」



このとき林田は、防衛軍入隊後、偶然会って話をした立花准将との会話を思い出していた・・・



「『ゴジラは戦争でなくなった多くの人たちの残留思念が集まったもの・・・
 
 私たち日本人が戦争のことを忘れたから日本を襲う・・・』

 これは、私の娘があった人物から聞いた話らしいんだが・・・私はその話を信じる・・・」


林田「(・・・ゴジラが復活と同時刻にテレビに映りこむ・・・これは単なる偶然なのか?
    偶然でないとすれば、テレビに映りこんだのはゴジラの亡霊なのか・・・?
    現在の世界が戦争を忘れたからか?
    いや、それはない。14年前まで戦争があったんだ。忘れるはずがない・・・
    だとしたら何故やつは・・・)」

新井「准将。そろそろお時間です」

林田「うむ・・・」




2人は会議場に入っていった




ガチャ

林田「失礼します」

島崎防衛省長官(以下島崎)「おお、林田准将。さ、座ってくれ」

林田「はい」

中には防衛軍幹部が集まっていた。ちなみに林田准将、新井中佐は防衛海軍所属である

大川空軍中将(以下大川)「さて・・・皆様お集まりくださいましたね。これより緊急会議を始めたいと思います
             まず・・・こちらの映像からご覧ください」

モニターをつける

新井中佐が乗っていた”きりしま”1号機のカメラが捉えた映像が流れる

大川「新井中佐。これを目視したのか?」

新井「はい」

大川「これを何であると考えるか?」

新井「・・・巨大な生物の背びれであると考えられます」

ザワザワザワ

会議場がざわつく

新井「もしゴジラなら、原潜の核燃料を摂取しているものと考えられます」

陸軍中将「しかし・・・これだけでゴジラとは・・・」

大川「仮にゴジラだとして、あの襲撃から40年何故再び世界に現れたか・・・
    40年前、我が防衛軍名誉准将立花泰三(たちばな たいぞう)氏によって倒されたはず・・・
    それに40年前を含め、2度この国を襲っているがその原因も不明
    今回復活したといって、何故三度日本に被害を及ぼすと推察できるのか?」

林田「ゴジラが何故復活し、何故日本に来たのか原因が分からない以上
   襲って来ないと決め付けることも出来ないのではないでしょうか?」

陸軍中将「わが国に何か個人的恨みでもあったのかな?ガッハッハッハ!!」

あたりから自然に笑いがこぼれる

林田「(この老いぼれ共・・・緊張感が無さ過ぎだ・・・)」

新井「・・・・・」

島崎「いずれにせよ、この時期の大規模な警備行動は、予算拡大を狙ったデモンストレーションとも受け取られるが」

大川「まあ、仮にゴジラが襲ってきたとしても、我が軍は以前ゴジラが襲ってきた40年前とは比べ物にならないほどの
    火力を有している。今度襲ってきたとしても、確実に仕留められると考えております」

林田「(・・・ゴジラはそんな甘いもんじゃない・・・)」













〜その日の夜 青森県白神山地〜














・・・・・・


・・・・・


・・・・


グゴゴゴ・・・・・


グゴゴゴゴ・・・


ゴゴゴゴゴゴ!!




















〜翌朝 BSデジタルQ局内〜

林田(真)「白神山地が凍りついたって本当ですか?」

山下「そうらしいんだ。まあ、見てみろよ」

ニュースの映像を出す

林田(真)「・・・何これ・・・」

部長「訳分からないな・・・今10月だろ?それなのに・・・」

林田(真)「・・・・」

山下「しかも、その時山地で揺れを観測したらしいんだが、その震源が移動したらしいんだ。しかも10キロに渡って」

林田(真)「え!?震源が10キロも移動???」

局長「おいおい・・・地震は震源は移動しないはずだろ?」

スタッフ「あ、局長。そうなんですが・・・移動したらしいんです・・・」

局長「謎だな・・・今度取材行かせて見るか」

林田(真)「・・・」







〜防衛省内〜

林田「訳が分からんな・・・白神山地が凍りつくとは・・・しかも震源が移動するとは・・・」

新井「現在調査隊が出動しているそうですが、予想以上に気温が低下しているそうで」

林田「・・・そうか・・・」

新井「・・・」



結局大きな進展は無かった












〜BSデジタルQ局内〜

山下「はあ・・・昼飯を食う暇もなかったから腹減ったな〜・・・」

林田(真)「しょうがないですよ・・・白神山地の資料とか集めるのに必死だったんですし」

??「ただいま〜」

山下「お〜小林君おかえり」

林田(真)「健ちゃんおかえり(笑」

小林「健ちゃんはやめてくれよ。もうそんな年じゃないし(笑」

彼は小林健輔。デジタルQのカメラマンであり、真由美とは幼馴染である

今彼は別の取材から帰ってきたばかりである

小林「BSデジタルQの関係者だから取材先で逆に昨日のこと取材されたよ(苦笑」

山下「そりゃご苦労様(苦笑」

林田(真)「あ、健ちゃんご飯食べた?」

小林「いや?まだだけど」

林田(真)「何ならみんなで一緒に夜ごはん一緒に食べに行かない?みんな食べてないから」

山下「お?いいね〜。焼肉にでも行くか?」

小林「いいですね〜(笑」

というわけでスタッフ合わせて10人で行くことに








〜焼肉店〜

ジュ〜ジュ〜

林田(真)「遅いな〜・・・」

山下「どうかしたの?真由美ちゃん」

林田(真)「あ、実はもう1人呼んでるんです」

山下「?」

??「あ、いたいた」

林田(真)「あ、来た来た。久しぶり〜」

山下「お、矢野君か〜久しぶりだな」

??「お久しぶりです」

小林「あれ!?お前矢野か!?」

矢野「ん?・・・お!?健輔じゃねぇか!!久しぶりだな〜!!」

林田(真)「あれ?2人とも知り合いだったの?」

矢野「ああ、俺と健輔は中学、高校で同級生だったんだ・・・ところでお前と真由美は何処で?」

小林「俺は真由美の幼馴染なんだ。お前は真由美と何処で知り合った」

矢野「大学でね。面白いやつだな〜と思って(笑」

林田(真)「あ、隆ちゃんメール見てくれた?」

小林「メール?てか隆ちゃんかよ(笑」

矢野「お前も健ちゃんだろ?どうせ(笑」

小林「ご名答(笑」

矢野「ああ、メール見たけど、普通震源が移動するなんて誰も信じないさ。でもさ」

そう言って1冊の本を渡した

林田(真)「これって・・・」

矢野「以前世話になった人に貰った本なんだけど、スッゲー興味深くてさ」

林田(真)「”護国聖獣伝記”・・・」

矢野「40年前のゴジラ襲撃のとき、日本国内で不可思議な事件が起こったらしいんだ
   それを調べていくうちにこの本が見つかったんだとさ。これには以前のゴジラ襲撃の時戦った
   バラゴン(婆羅護吽)、モスラ(最珠羅)、ギドラ(魏怒羅)の事が書いてある
   でも、この護国聖獣伝記は貰った人の話によると、ページが途中で抜けてるらしい
   だから、ここに書かれてる事以外の物がどこかにあるかもしれないからそれも調べてるんだが」

小林「そういえば・・・お前今何の仕事してんだ?」

矢野「俺?このBSデジタルQの取材の手伝いやってんだ。所謂サイエンスライターだ」

小林「そうだったのか・・・でもお前を局内で見かけた事はないな」

矢野「その時偶然取材にでも行ってたんだろ?

小林「そうかもな・・・あ、焼肉食うか?」

矢野「おお、そうだった。ゴチになります(笑」

林田(真)「聖獣伝記か・・・」














〜深夜〜

キキーッ

矢野「さあ、真由美着いたぞ」

林田(真)「・・・ん〜もう飲めないぃ〜・・・」

小林「・・・しょうがないな・・・2人で抱えていこう」




ウィーン

小林「よいしょ・・・意外に重いな・・・」

林田(真)「・・・ん〜・・・」

矢野「女性に対してそりゃ言っちゃダメだろ・・・しかし・・・相変わらず酒弱いな・・・大学での飲み会でも潰れてたし・・・」

小林「そうなのか・・・部屋はっと・・・402・・・あ、ここだ」

ガチャ

林田(父)「?」

2人「!?(怖っ!!)」

矢野「あ、あの・・・真由美さんを・・・送ってまいりました・・・酔いつぶれちゃって・・・」

林田(父)「ああ、それはどうもお世話になりました」

2人「い、いえいえ(汗)」

林田(真)「・・・ん?・・・あ〜お父さ〜ん・・・珍しいぃ〜。長女真由美、只今帰還しましたぁ〜ハハハ♪」

林田(父)「ふざけてするもんじゃない!見苦しい・・・お二人とも、ご迷惑をおかけしました」

2人「い、いえいえ・・・では失礼します(汗)」

林田(父)「どうも」

タッタッタ・・・

林田(真)「気を付けてねぇ〜♪」

林田(父)「全く酔っ払いおって・・・」

林田(真)「酔ってませ・・・(ガクン!!)」

林田(父)「どわ!!」

林田(真)「Zzzz・・・」

林田(父)「え〜い・・・まず水飲め。それから風呂入れ!!起きろったら!!」






〜外〜

矢野「・・・あれ、親父さんかな?」

小林「そうじゃない?・・・かなりの強面だったな・・・」

矢野「でも意外と礼儀正しい人だったな」

小林「うん・・・親父さんて仕事何やってんだろうな?」

矢野「そういや聞いたことなかったな・・・今度聞いてみるか」















〜午前0時 熊本県 阿蘇山〜

・・・・

・・・

・・

ゴゴゴゴ・・・

バサァ・・・バサァ・・・





























〜登場人物〜

林田真由美 
年齢 26歳
身長・体重 165センチ 55キロ

林田光三の一人娘。この物語のもう1人の主人公
幼い時から父にゴジラの事を聞かされ、ゴジラについてもっと知りたくなり
2001年のゴジラ襲撃を実況生中継をしたBSデジタルQに入社
今年で4年目。現在レポーターをしてる
酒に弱い。実は霊感が非常に強いらしい



山下元治
年齢 60歳
身長・体重 170センチ 75キロ

BSデジタルQのプロデューサー
2001年のゴジラ襲撃の時に奥さんを亡くしている
現在は娘家族と同居している
面倒見がよく、気さくなおっさん



小林健輔
年齢 26歳
身長・体重 175センチ 70キロ

真由美の幼馴染。BSデジタルQでカメラマンをしている
矢野とは中学、高校と同級生




矢野隆之
年齢 26歳
身長・体重 180センチ 74キロ

真由美の大学時代の同級生。サイエンスライターとして活躍中
小林とは中学、高校と同級生
日本や世界の様々な伝説が好きで、よく図書館に足を運ぶとか
この矢野が見つけてくる本が重要な鍵を握る・・・かもしれない



島崎康弘
年齢 65歳
身長・体重 170センチ 65キロ

防衛省長官。ゴジラ対策会議を招集するものの、ゴジラの脅威を忘れてる(2001年当時、彼は海外にいた)ため
危機感がなく、ヤル気0。いわゆるキャリア官僚の一人




大川裕
年齢 40歳
身長・体重 174センチ 69キロ

空軍中将。無能なくせに中将までのし上がった人物
何故上手くいっているかといえば、参謀がかなり腕の立つ人物だからである
この男もいわゆるキャリア官僚。親父が大臣だった









〜聖獣〜

モスラ(最珠羅)
体長・体重 35メートル 体重1万5千トン 
技 毒針 引っ掻き

護国聖獣の1つ。鹿児島県の池田湖から出現
今までのモスラとは違い、悪い人間であれば容赦なく攻撃する
現に、40年前に池田湖で不良グループを襲い糸で雁字搦めにして溺死させている
ゴジラとの戦いでは空中から毒針を発射し、背後に回りこんで引っ掻き攻撃などをしていた
だが大して効かず、ゴジラに2度熱線を受け(うち1度はギドラを庇って)倒された
しかしそのエネルギーはギドラに宿り、ギドラを完全体へ進化させた




ギドラ(魏怒羅)
身長・体重 50メートル 2万5千トン
技 サンダースパーク(不完全状態時の技で、相手に噛み付き電撃を食らわす

護国聖獣の1つ。富士樹海より出現
1万年の眠りから目覚めると完全体となり、陸海空すべてを制覇する史上最強の怪獣となるが
40年前目覚めた時は1万年経っておらず、不完全体で目覚める
その時は翼も開かず、ゴジラの前に現れたのは地面の中からであった。
光線技も出来ないため至近距離での格闘戦を余儀なくされ、ゴジラに投げられ、熱線を浴びせられ気絶




キングギドラ(千年竜王)
身長・体重 上に同じ 翼長93メートル
技 電撃(完全体時の技、引力光線に似ているが引力光線ではない)
  エネルギー弾(ゴジラの熱線を体の周りに渦巻く黄金の粒子で吸収、増幅して打ち返す技)

モスラのエネルギーを貰い完全体として復活
ゴジラの熱線を粒子で吸収し増幅して打ち返すなど凄まじいパワーを発揮し、ゴジラに傷を負わせる
その後1度海中で倒されかけたが復活。浮上後、空中から電撃攻撃を仕掛ける(作者は引力光線とばかり思っていた)
しかしその電撃までも吸収し、増幅したゴジラの熱線によって爆砕
その後バラゴン、モスラと共に霊魂となりゴジラに憑依している怨念を浄化する事には成功している
しかし、ラストでゴジラは心臓のみになっても生存していたので事実上の敗北である
また、今までのギドラ族と違ってゴジラより小さいのが特徴

[770] 第3話 襲撃
呉爾羅山 - 2006年11月17日 (金) 20時58分

〜都内 林田の住んでるマンション〜

林田(父)「仕事の方はどうだ?」

林田(真)「順調よ」

林田(父)「ああいう世界は嫌なことが多いだろ?」

林田(真)「いや?そうでもないよ。いい人ばっかりだし」

林田(父)「俺は子供の頃からお前の局の番組見てたが、最近はまともになったみたいだな」

林田(真)「そうみたいね。さすがにあの事件があってからバカらしい物はやれなくなったみたい(笑)」

林田(父)「そういえば・・・昨日の2人」

林田(真)「あ、小林君と矢野君?」

林田(父)「最近の若者にしては礼儀正しかったな。あの2人は仕事は何を?」

林田(真)「小林君はうちの局でカメラマン、矢野君は取材に協力してもらってるの。所謂サイエンスライター」

林田(父)「そうか・・・ああいう青年を是非婿として迎え入れたいものだな(笑)」

林田(真)「ちょっとやめてよ。付き合ってないんだから(笑)」

と、その時

プルルルルル!!プルルルルル!!

林田(父)「はい、林田です。ああ、新井中佐か。どうした?」

電話(新井)「朝早く恐れ入ります。実は・・・これこれしかじか・・・」

林田(父)「なに!?・・・分かった、すぐ行く」

ガチャ

林田(真)「どうしたの?」

林田(父)「熊本の阿蘇山で・・・巨大生物が発見されたらしい」

林田(真)「巨大生物!?」

林田(父)「詳しくは分からんが・・・どうやら翼竜の様な形をしてるようだ」

林田(真)「翼竜・・・」

林田(父)「じゃあ行ってくる」

林田(真)「いってらっしゃい。気を付けてね」

ガチャ バタン!!

林田(真)「・・・翼竜か・・・」








〜防衛軍本部〜

その巨大生物の映像が巨大スクリーンに映っている

とはいっても翼が若干見えているだけだが

林田「・・・これか・・・」

新井「はい。40年前現れたモスラ、ギドラとは違うものと思われます」

林田「調査隊は?」

新井「既に出動しています」






〜BSデジタルQ局内〜

小林「しかし昨日は怖かったぜ。親父さんでしょ?あの人」

林田(真)「そうよ」

矢野「親父さんて何してるの?」

林田(真)「ああ、防衛海軍の准将なの」

2人「え!?軍人なの!?」

林田(真)「そう」

小林「なるほど・・・威圧感があるわけだ(笑)」

林田(真)「そんなに怖かった?(笑)」

矢野「いや、初めて会った人は怖がるでしょ。あの顔は(笑)」

山下「あ、3人丁度いい所に」

林田(真)「どうしたんですか?」

山下「君達に熊本に行ってもらいたいんだ。例の巨大生物について取材しに来てほしいんだ」

矢野「いいですよ」

小林「よっしゃ。任せてください」





だが、取材に行ったものの、阿蘇山は既に防衛軍により立ち入り禁止にされていたため入ることは出来なかった
仕方ないので旅館に泊まることに・・・




〜旅館内〜

林田(真)「あ〜せっかく取材に来たのに・・・」

矢野「しょうがないさ。火山ガスの濃度も上がってるみたいだし、行ったら行ったで危険だったろう」

旅館の女将「あの・・・」

小林「はい?何か?」

女将「ちょうど廊下を歩いておりましたらお客様の声がしまして・・・
    平たく言いますと盗み聞きをしてしまいまして・・・
    お客様は阿蘇山の巨大生物をお調べにこちらへ来られたとか・・・」

林田(真)「ええ、そうですけど・・・」

女将「実は、我が旅館に代々伝わる書物があるのですが・・・もしかしたらそれがお役に立てるかもしれません」

小林「何ですって?」

女将「只今お持ちいたしますので、少々お待ちください」

〜5分後〜

女将「これがその書物なんですが・・・」

小林「・・・こりゃ相当古い・・・」

女将「先代の話によりますと、この書物はいつの時代に書かれたかは良く知らないそうなのですが
     何やら所々に変な絵が描かれていまして・・・」

林田(真)「女将さん、この本借りてもいいですか?」

女将「ええ、お借りというよりは差し上げます。ここに置いておいても何の価値もなさそうですし(笑」

小林「ありがとうございます!!」

女将「では私はこれで・・・」

林田(真)「さて・・・この本・・・」

矢野「ああ、早速読んでみよう」



といって3人は読み始めた・・・













〜その日の夜 中国 北京〜    

*日本語訳にします

屋台の親父「お客さん仕事最近どうよ?」

サラリーマン1「いや〜なかなか上手くいかないね〜」

サラリーマン2「手間賃は安いし労働時間長いし最悪だよ・・・」

とその時




・・・グゴゴゴゴ・・・

サラリーマン1「ん?」

屋台の親父「どうしました?」

サラリーマン1「今揺れたような・・・」

サラリーマン2「え?もう酔っちゃったんですか?揺れてませんけど?」

グゴゴゴゴ・・・

サラリーマン2「あら?」

グゴゴゴゴ!!

屋台の親父「おいおい、地震か!?」

ズドガーーーーーン!!!!!

3人「なんだなんだ!!?」

???「グギャアアアアアアアオオオォォォォン!!!!!!!!!!」

屋台の親父「な、なんだありゃ!!!???」

サラリーマン1「ば、化け物!!!!」






〜中国 主席官邸〜

主席「な、何だ!?何の騒ぎだ!?」

補佐官「報告します!!北京市内に巨大生物が!!」

主席「なに!?」







〜市内〜

市民は突如現れた謎の生物を見るや否や慌ててその場を離れようとする
しかし一方向逃げるためなかなか前が進まない

???「グギャアアアアアオオオオオオオオン!!!!!!!!!」

やつは周囲を悠然と睥睨すると口をかっと開いて雄叫びを上げた
弾き損ないのコントラバスの音色をさらに捻って挽き潰したような、腹に響く耳障りな咆哮




???「・・・グルル・・・」

ジジジジ・・・

電熱器のような音と共にやつの背びれが発光、口の周りに青白い粒子が渦巻く





そして・・・























〜日本 防衛軍本部〜

隊員「失礼します!!」

林田「ん?どうした?」

隊員「准将・・・大変な事になりました・・・北京が・・・北京が壊滅しました!!」

林田「なに!?どういうことだ!?」

隊員「私は詳細について聞いておりませんが・・・至急司令室へ」

林田「分かった!」

タッタッタッタ!!

〜司令室〜

林田「一体何が!?」

新井「准将・・・私にも一体何があったのか・・・全く・・・」

林田「中国の映像を出せないか!?」

オペレーター「はい」

巨大スクリーンに映像が出る。普通であれば街中は街頭、ビルの明かりで照らされてるはずの北京だが

辺り一面真っ黒。黒いきのこ雲が上がっていた・・・

大川「一体何が起こったというのだ?」

林田「・・・」

島崎「おいおいこんな夜中に呼び出すとは・・・一体何があった?」

林田「長官、あれをご覧ください」

島崎「・・・これは・・・一体どこの映像だ?これはリアルタイムなのか?・・・」

林田「ええ・・・つい先ほど・・・中国の北京が壊滅しました」

島崎「な、なんだと!?・・・」

オペレーター「・・・!!?准将!!長官!!スクリーンを!!」

2人「!?」

スクリーンを見るとそこには・・・天高く咆哮する”やつ”がいた

以前よりも凶悪な、憎悪に狂っている顔

見る者に戦慄を走らせる白目

40年の沈黙を破り復活した、史上最悪最凶の怪獣







”ゴジラ”だった・・・







その場にいたものすべてが言葉を失った

年配の者は40年前の恐怖を思い出したらしくガタガタ震えている

林田「・・・ゴジラ・・・」

大川「・・・これが・・・ゴジラ・・・」

島崎「・・・ちょっと待て・・・やつはこんなに大きかったか!?」

島崎が指摘した。以前襲ってきたゴジラは身長60メートル。しかし今回のゴジラはそれより大きかった

オペレーター「計測してみます・・・」

スクリーンに大きさが表示される

オペレーター「観測データにより計算した結果。身長約120メートルです!!」

林田「120メートル!!?」

島崎「そんなばかな!!・・・以前のやつはその身長の半分だったはずだぞ・・・」














〜熊本県 阿蘇山〜

矢野「なるほど・・・この書物によれば、日本には古来、バラゴン、モスラ、ギドラなどの怪獣がいて
   狛犬やヤマタノオロチの伝説の元になったんだ・・・
   古代王朝は彼らを退治したあと、霊を慰めるため”護国聖獣”と名づけて神として祀り、1万年の眠りにつかせた・・・
   殺した敵を神として祀る日本独特の習慣は大和朝廷にも引き継がれてたんだ」

小林「40年前現れたギドラって最初は翼が開いてなかったみたいだけど・・・あれはどうして・・・」

矢野「当時まだ時が経ってなかったらしくて不完全体だったんだ。ギドラは成長が遅いらしい」

林田(真)「ここまでは40年前に立花さんたちが読んだ護国聖獣伝記と同じ内容ね。次見てみましょう」

と、その時

ピリリリリリ!!!!

林田(真)「?」

真由美の携帯が鳴った

林田(真)「はい。あ、山下さん!?どうしたんですか!?」

電話(山下)「真由美ちゃん、大変だ・・・中国の北京が壊滅したらしい」

林田(真)「え!?どういうことですか!?」

電話(山下)「・・・”ゴジラ”が破壊したんだそうだ」

林田(真)「!!!!!!・・・ゴジラが!?」

2人「!!!!」

山下「政府からの発表はまだだけどそれは間違いない・・・北京の映像が流れた」

林田(真)「そんな・・・」

電話(山下)「それですまないんだが、取材の人手が足りなくて、君と小林君に帰ってきてほしいんだ」

林田(真)「分かりました。すぐ帰ります」

ピッ

小林「ゴジラだって!?」

林田(真)「ええ。中国の北京に現れて、北京を壊滅させたそうよ」

矢野「おいおい・・・何で中国に・・・」

林田(真)「分からない。小林君。局で人が足りないから帰ってきてほしいって」

小林「そうか・・・分かった」

矢野「俺は明日までここに残って色々調べてみるぜ」

林田(真)「分かったわ」

小林「頼んだぜ」

矢野「ああ」












朝になって被害状況が明らかになったが、酷い有様だった

ゴジラが立っていたされる地点は直径50メートル、深さ15メートルほど窪んでおり、そこから半径1.5キロが跡形もなく消し飛んでいた

この状況を重く見た政府は、国連に緊急要請を行い、全世界合同の軍法会議を行なうことが決定した

林田「(あの襲撃から40年・・・その時間の空白が、ゴジラの恐怖を忘れさせてしまったようだ・・・どうすればいい・・・)」
















〜怪獣〜

ゴジラ(呉爾羅)
身長・体重 120メートル 7万トン
技 放射熱線

40年ぶりに復活したゴジラ。以前よりよりはるかに巨大化し、凶悪な顔つきになっている

[773] 第4話 謎
呉爾羅山 - 2006年11月18日 (土) 21時38分

東京に帰った真由美と小林は早速取材のため借り出された
ゴジラを目の当たりにした人にインタビューをするためである
だが、殆どの人がそれを拒絶。改めてゴジラがどれほど恐ろしかったのかが分かる
ようやくある老人に話を聞くことが出来たが、途中で気分が悪くなるなど
ゴジラに対してかなりのトラウマを抱えているようである





〜夕方 BSデジタルQ局内〜

小林「なんか・・・罪悪感いっぱいだな・・・今日の取材は」

林田(真)「うん・・・」

小林「今日のところはゴジラは現れなかったみたいだな・・・」

林田(真)「・・・ねえ・・・」

小林「ん?」

林田(真)「私たちは今、日本国内で起こってる謎の現象ばかり追ってたけど
      ゴジラの事に付いてはあまり調べてこなかったよね・・・
      私、ゴジラについてもっと知りたくてこの局に入ったのに・・・
      いつの間にか忘れちゃった・・・」

小林「・・・そういや確かにゴジラについてはまだ調べたことなかったな・・・」

林田(真)「ねぇ、今から図書館に行って調べてみましょうよ」

小林「おし。疲れてるけど緊急事態だからな」










第4話 謎








〜図書館〜

林田(真)「いい本あった?」

小林「ないな・・・ゴジラとは何かというより、体験記が多すぎて・・・」

林田(真)「そうなのよね・・・あら?メールが・・・」

それは父からのメールだった

林田(真)「なになに?」

林田「(真由美、頼みたいことがある。私は対策会議や基地を回らなければならない
      それで、お前にゴジラについて色々調べてもらいたい。お前の情報収集力を見込んでのことだ)」

小林「親父さんから?」

林田(真)「うん。ゴジラについて調べてくれって」

小林「なるほどね。丁度いい具合にGOサインが出たってわけか」

〜1時間後〜

林田(真)「あ〜もう!!全然無いじゃない!!」

小林「落ち着けって・・・あ・・・この本は・・・」

林田(真)「何?」

小林「見つけた・・・よさそうな本」

林田(真)「本当?」

小林「著者・・・伊佐山?・・・聞いたことないな・・・」

林田(真)「読んでみましょうよ」












〜さらに1時間後〜

小林「おいおいこりゃ・・・どういう事だ?」

林田(真)「ゴジラが・・・残留思念の集合体だなんて・・・あれ?」

小林「ん?どうした?」

林田(真)「以前、うちの局に勤めてた立花由里さんの話、覚えてる?」

小林「へ?」

林田(真)「ほら、以前慰霊祭に立花さんが来てくれた時に私と小林君は話したじゃない」






〜2年前〜

小林「結局ゴジラの正体って・・・なんだったんですか?」

立花「私にも良く分からないけど・・・
    ゴジラは・・・太平洋戦争で命を散らした数知れない人間たちの魂が宿ってるらしいの」

林田(真)「残留思念?」

立花「事件中にとある人から聞いた話だけど、確かにそうとしか思えないの・・・
    砲弾に当たっても、あれだけ護国聖獣の攻撃を受けてもビクともしない
    あれは普通の生物じゃないわ・・・」





〜図書館〜

小林「・・・そういや・・・そんな事聞いたな・・・」

林田(真)「・・・以前言ってた事と一緒ね・・・というかこの本だけよね?
      恐竜の突然変異体って言ってない本は」

小林「みたいだな」

林田(真)「”ゴジラは砲弾では死なない。恐竜が原水爆の放射能によって異常な生命力を得たとしても
       生物であれば砲弾で死ぬはず・・・そもそも、恐竜が突然変異を起こしたにしても巨大すぎる
       ゴジラの身長は60メートルを越えている。肉食恐竜に姿は似ているがその大きさは数倍”
       ・・・確かに放射能を受けて突然変異するといっても・・・
       生身の生物ならその放射能に耐えられない・・・ハズよね・・・」

小林「確かにこの著者の言ってる事も分からなくはない・・・恐竜の生き残りにしてもサイズは桁違い
   今いる最大の生物のシロナガスクジラの倍・・・でも今回のゴジラは噂で聞いたけどもっとでかいらしいぜ・・・」

林田(真)「本当に?」

小林「ああ・・・あ、そうだ。大体わかったとは言っても
   護国聖獣についてまだ分からないことがあるからそっちも調べてみようよ」

林田(真)「そうね。あの本は矢野君が持ってるとして・・・あ、そういえば」

小林「ん?」

林田(真)「この前、阿蘇山に取材に行く途中に変な石を拾ったの。ほら、これ」

小林「・・・いつの間にそんな物を・・・」

林田(真)「この石なんだけど・・・なんか妙な物を感じるの」

小林「妙な物?」

林田(真)「この石を拾う5日前に、変な夢を見たの」

小林「夢?」

林田(真)「お爺さんが一人いてね、”阿蘇山に行くとき渦を巻いている石を拾え”と言って消えていくの
      その時は阿蘇山に行く予定なんてなかったんだけど・・・今回のことで行く予定ができて・・・」

小林「・・・確かにその石・・・渦を巻いてるけど・・・」

林田(真)「この石・・・そのお爺さんが置いたんだと思うの」

小林「何でそんな事が分かるんだ?てか、夢の中の話だろ!?」

林田(真)「分かるの・・・お爺さんから妙なものが感じられて・・・この石にも感じるの」

小林「・・・お前、霊感強かったっけ?」

林田(真)「いえ・・・でも感じるの・・・」

小林「・・・なんだかややこしい事になってきたな・・・結局その石ってなんなんだ・・・
    その夢に出てきた爺さんも・・・まさか幽霊?」

ピリリリ!!

林田(真)「?・・・あ、矢野君からだ。もう着いたのね」

小林「早いな・・・この図書館にくるように言ってくれよ」

林田(真)「うん」






〜1時間後〜

矢野「お待たせ」

小林「意外と早かったな」

林田(真)「で、何か分かった?」

矢野「護国聖獣について新たな事が分かったぜ」

小林「え?」

矢野「護国聖獣はもう2匹いる」

2人「え!?」

矢野「これ見てみろ・・・今まで出てきたのは新潟からバラゴン、鹿児島からモスラ、富士樹海からギドラが現れた
   ところが女将さんから貰った本を解析してみたら・・・熊本の阿蘇山と青森県白神山地に1匹ずつ聖獣がいる」

林田(真)「それって!!」

矢野「偶然だろ?凍りついた山と、翼竜らしき生物の見つかった場所だ
    この場所に祀られてる聖獣の名は
    ラドン(羅怒吽)とアンギラス(庵魏羅珠)」

小林「ラドンと・・・アンギラス・・・」

林田(真)「もう2匹いた・・・じゃあ何で40年前復活しなかったのかしら・・・」

小林「寝過ごしたんじゃない?」

矢野「そんな事あるか・・・考えられるとすれば・・・40年前のゴジラは3匹で共闘すればまだ倒せるレベルだったんじゃないかな?
    それとな・・・もう1冊本を持ってきた。俺らが泊まった旅館の近くに資料館があったからそこに立ち寄って
    館長に話を聞いてみたんだが、興味深い書物があったから持ってきた」

小林「なに?」

林田(真)「まだあるの?」

矢野「ああ・・・それがこれだ」

と言って一冊の本を渡す

林田(真)「・・・”四神伝記”!?」

小林「四神って・・・あの北の玄武、東の青龍、西の白虎、南の朱雀ってあの四神か?」

矢野「ああ」

林田(真)「それが今回の事と、どう関係あるの?」

矢野「実はな、その四神伝記と、俺が持ってる・・・仮に聖獣伝記としよう。その2つがリンクしてるんだ」

小林「マジで!?」

矢野「聖獣と四神の関係が後半のページに書かれててな。そこには
    ”聖獣敗れし時、四神覚醒す。命掛けてくにを護るであろう”てな」

小林「聖獣破れしとき・・・」

矢野「それで、この四神伝記に書いてあるのは
    四神のうち、白虎、朱雀には実体がないらしく、強い”念”で”くに”を護る
    しかし、その念でも太刀打ちできないような悪が現れたとき、青龍、玄武が覚醒し、命を懸けて”くに”を護る
    で、何故この2つの本がリンクしてるかと言うと
    まず悪が攻めてきた時は白虎、朱雀が”念”で”くに”を護る。それでダメなら護国聖獣が先に迎え撃つということらしい」

小林「・・・ということは、護国聖獣と四神て守り神の連合ってことなのか?」

矢野「どうやらそうらしい・・・それでもし護国聖獣で”くに”を護れなかった時は
   青龍、玄武が現れるということらしい・・・」

小林「という事は・・・1954年と2001年は”念”を打ち破ったという事になるな・・・
   1954年は聖獣は出てきてないけど・・・」

林田(真)「でも、まだ四神は見つかってないよね?」

矢野「ああ」

小林「なあ・・・さっきから”くに”を護るって言ってるけど、それってどう意味だ?」

矢野「どういう意味って?」

小林「ほら・・・その怪獣たちは何を護ろうとしたのかだよ・・・人間や国家を護ってくれるのか?」

林田(真)「いや・・・大和言葉の”くに”は国家じゃないわ。山や川、古来より伝わる大自然の概念よ
       現に、40年前現れた聖獣のうち、バラゴンとモスラは人を殺してるわ」

小林「うぇ!?なんで!?」

矢野「バラゴンの場合、バラゴンが眠っていた妙高山にある神仏像を暴走族が壊したんだそうだ
    モスラは眠っていた池田湖で騒いで、その騒ぎに吠えた近くの犬を殺そうとした大学生のグループを殺したそうだ
    聖獣伝記にも”聖獣は国を護る。されど人を護らず”って書いてあるし・・・」

小林「・・・人間じゃなくて動物は助けてるのか・・・悪い事したわけじゃないから」

林田(真)「でも、いい人間だったらひょっとしたら力になってくれるかもね」

矢野「ああ・・・だがもしこの四神伝記の話が本当ならば、もう2匹参戦してくる・・・もし護国聖獣が倒されればの話だけど」

林田(真)「その四神って一体・・・」

矢野「その四神の名前はマンダ(青龍)そして、ガメラ(玄武)」

小林「マンダと・・・ガメラ・・・」

矢野「この2匹は護国聖獣が倒された時、覚醒するそうだ
    この本によるとマンダは千葉県の成田山。ガメラは千島列島の海のどこかに居るらしい」

小林「なるほど・・・なあ、その聖獣伝記には石の事って書いてあるか?」

矢野「石?・・・ああ、なんか書いてあったな・・・えーと・・・あ、ここだ
    ・・・てかなんで石を?」

小林「真由美が石を拾ってきたんだ。阿蘇山に行く途中に」

矢野「なに?」

林田(真)「これなんだけど」

矢野「・・・ふ〜ん・・・!?これって・・・ここに書いてある石と同じ形だぞ!?」

林田(真)「え!?嘘!?」

矢野「ほら、これ」

林田(真)「本当だ・・・」

矢野「・・・”地球は記憶する。石は記憶する。聞き方さえ分かれば彼らが多くのことを教えてくれるだろう”
   ・・・こりゃアメリカインディアンの部族の言葉だな・・・」

小林「それから察するに・・・石って古代のフロッピーとかCDなのかもな・・・確か、花崗岩に圧力をかけると電気を帯びる
   その性質を応用すれば、記憶ディスクに出来るんじゃないのかな?」

林田(真)「・・・電気・・・そういえば、霊魂の正体って電気だって言われてるでしょ?
      それを石の中に閉じ込めることが出来たら・・・じゃあまさかあのお爺さんは・・・」

矢野「お爺さん?」

小林「ああ、実は」

小林は、真由美が体験した出来事を話をした

矢野「・・・なるほど・・・その爺さん謎だな・・・ということは真由美が言った事が可能だとすれば
   封じ込められた霊魂を開放して、護国聖獣もしくは四神に憑依させようとしたって考えることが出来るな」

小林「憑依させるのが霊じゃなくて何かのエネルギーだとしたら?」

2人「え?」

小林「つまりだ、この石はピンチの際聖獣に憑依させることによって効力が出る
    いわば、パワーアップアイテムなんじゃないか?」

林田(真)「どうしてそんな事を・・・!?・・・ゴジラから大和を護るために・・・」

小林「力及ばずの際の覚醒アイテムかもしれないぜ」

矢野「そう考えられるな・・・ということはこの書物に書いてあることがすべて事実だとして
    古代王朝がその時から警戒していたということは
    ゴジラは遥か昔からこの日本を襲ってるって事になるな・・・」

小林「そうだよな・・・そういえば1954年にゴジラが現れたとき
   本当に防衛軍はゴジラを撃退したのか?」

林田(真)「お父さんはそう言ってる・・・多大な犠牲を出しながらもゴジラを駆逐したって
       でもどうも信用できないのよね」

矢野「同感。2001年の映像を見たけど・・・どうも防衛軍だけで倒せたとは・・・
    俺達一般世間には最終的に体の内部から奴を破壊することに成功したとか言ってたが・・・
    その時代からさらに50年前は戦争終結して間もないし、今の兵器と比べれば月とスッポン・・・
    なんか防衛軍も胡散臭いな・・・」

小林「う〜ん・・・」

林田(真)「・・・それにゴジラって・・・本当に戦争で散った人たちの残留思念だけで動いてるのかな・・・」

小林「え?」

林田(真)「・・・なんか納得できないの・・・
      ・・・それに今までは日本ばかり攻めて今度は外国を攻めてる・・・」

矢野「確かに・・・」

小林「だが日本人だけとは言ってないぜ」

矢野「うん・・・なあ、こういうのはどうだ?」

2人「?」

矢野「ゴジラは生まれながら破壊神で、その目的のものを滅ぼすまで生き続ける・・・てのは」

林田(真)「いくらなんでも・・・それじゃ悪魔みたいね・・・現実離れしてるわ」

矢野「今はもう日常とはかけ離れてる。あのゴジラの存在でさえ日常から完全に離脱してる
    もう常識の範囲内で収まる話じゃない」

小林「でも・・・いくら破壊神といっても・・・40年前死んだはずだろ?」

矢野「・・・そうだよな・・・何故生き返ったんだ・・・しかも映像でみたけど、前よりずっと巨大化してる・・・」

林田(真)「本当に巨大化してるの!?」

矢野「政府の記者会見を見てきたんだが、どうやらやつの身長は120メートルらしい」

2人「120メートル!?」

矢野「東京タワーの約3分の1って所だ・・・」

小林「あれじゃない?倒されたら倒されただけ強くなるってやつ。最初のうちは人間の兵器や”念”で倒せた
    でもだんだん手に負えなくなったとか
    よくRPGのラスボスなんかその類じゃん」

林田(真)「これはゲームじゃないのよ・・・でも、それはあるかもしれない・・・
       でも・・・さっき言ったその目的って何?・・・
       40年前は戦争なんてなかったのに目覚めてる・・・あ〜もう腹が立つ・・・」

矢野「とりあえずだ、今の所分かった事をお浚いしてみようぜ」






護国聖獣について

・日本古来より存在する怪獣のこと

・古代王朝はその怪獣を退治したあと神として祀った

・バラゴン・モスラ・ギドラは既に40年前に現れ存在が確認されている

・ギドラにいたっては成長が遅く、1万年経たないと完全体として覚醒しない

・この聖獣たちは厳密には人間の味方ではなく、大和言葉の”くに”つまり日本の国土を護る

・”くに”とは大自然の概念であり、国家ではない。また、悪い人間であれば容赦なく襲うと思われる

・実は聖獣はもう2匹いる。それの名前はラドン・アンギラス

・何故40年前覚醒しなかったのか不明だが、ひょっとしたらこの2匹は前の3匹より強いのかもしれない

四神について

・四神は北の玄武、東の青龍、西の白虎、南の朱雀である

・白虎、朱雀には実体がなく、玄武、青龍には実体がある

・玄武、青龍は護国聖獣が倒されると覚醒するとされている

・名をマンダ(青龍)、ガメラ(玄武)という(名前以外詳細は不明)






ゴジラについて

・戦争で命を散らした人間達の残留思念の集合体である(仮説)

・実は遥か昔から日本を襲っている可能性がある

・その時は人間の武器や四神の”念”によって撃退できたと思われる

・1954年、2001年と現れたが防衛軍が倒したとされている(2001年は聖獣と共闘)

・だが、今回のゴジラは以前の倍も大きくなっており、やられればやられるほど強くなる性質があるかもしれない

・今回のゴジラは日本以外を襲撃している

・40年前、死んだはずなのに復活した。奴の覚醒の原因は不明





真由美の拾った石について

・夢に出てきた老人に拾えと言われた

・その老人の正体は不明

・どうやらこの石は護国聖獣と関係があるようだ

・この石は霊魂を閉じ込める記憶ディスクの役割をしてる可能性がある

・その霊魂を解放し、聖獣、四神に憑依させてゴジラから大和を護ろうとしたようだ





矢野「・・・とりあえずこんな所か・・・」

林田(真)「・・・もうこんな時間なのね・・・」

小林「今日はもう遅いし・・・今日のところはこれらの本を借りて引き上げるか?」

林田(真)「そうね・・・いつまで居てもしょうがないし」

矢野「じゃあまた明日局で」

2人「じゃあね」








結局護国聖獣に関しては大体分かったようだが、ゴジラについては謎が増えた

一方世界各国の軍部は総力を挙げてゴジラを捜索するも発見に至らず2日が経った時












ゴジラ「グギャアアアアアアアアオオオオオオォォォォン!!!!!!!!!!」










〜防衛軍本部〜

林田「ロシアにゴジラが!?」

新井「現在ロシア軍が戦闘中だということですが・・・」

林田「・・・今ある人間の兵器で倒せるようなやつじゃない・・・現在位置は?」

新井「首都モスクワが目の前です」

林田「・・・」










〜1時間後 BSデジタルQ局内〜

林田(真)「ロシアにゴジラが?」

山下「ロシア軍は壊滅だってさ・・・30分も持たなかったらしい・・・」

矢野「・・・なんてやつだ・・・」

小林「おい、テレビ見ろよ」

4人はテレビを見る

山下「!!!!!」

矢野「ゴジラ・・・」

テレビには、モスクワを破壊しているゴジラの姿が

林田(真)「エッフェル塔の約3分の1・・・大きい・・・」

小林「でかいし・・・なんかスッゲー怖い顔してるな・・・実際に見ると120メートル以上ありそうな存在感だな・・・」

矢野「昨日言った倒されれば倒されるほど強くなるという仮説は案外合ってるかも知れんな・・・」









その後、モスクワを破壊したゴジラはヨーロッパの各地を破壊し始めた
そしてイギリスを破壊したのを最後に大西洋へと入っていった
























*ガメラ関係の著作権は大映様にあります







〜聖獣〜

ラドン(羅怒吽)
身長・翼長・体重 80メートル・200メートル・3万5千トン
技 熱線 ソニックブーム 嘴攻撃 

護国聖獣の1つ。阿蘇山で存在確認。翼竜のような形をしている
40年前は復活しなかった聖獣
非常に俊敏で最高速度マッハ5で空を飛ぶ。熱線の威力も強い
また、足の力が強く、相手を空中へ持ち上げて叩き落す荒業をすることも
 




アンギラス(庵魏羅珠)
身長・体長・体重 100メートル・180メートル・6万5千トン
技 アンギラスボール 突進 噛み付き 冷凍光線 アイス・クロウ(爪に氷を纏わせ相手を切り裂く)

護国聖獣の1つ。青森県白神山地で存在確認
この聖獣は背中の棘と顔を除けば恐竜”アンキロサウルス”そっくり
ラドンと同じく40年前は復活しなかった聖獣
体中に神経の塊があり、俊敏な動きが可能
また、甲羅の棘は伸縮自在で折れても再生可能。また、ミサイルのように飛ばすことも出来るらしい
尻尾の先に棍棒のような塊があり、相手の下半身や脇腹へ攻撃する武器となる
雪国に属するため周りの気温を下げることが可能。冷凍光線も破壊力抜群






〜四神〜

マンダ(青龍)
体長・体重 350メートル 4万トン
技 締め付け 電撃 ハイドロキャノン

四神の1つ。千葉県成田山にいるらしい
青い龍のような形状。どちらかといえば水中の方が動きが俊敏
とはいっても空も飛べるのであまり場所を選ばず戦える
相手に巻き付いて至近距離から電撃を食らわせたり
遠距離から水流の塊を発射する
ただ、胴体が細いため防御力に難がある




ガメラ(玄武)
身長・体重 100メートル 5万トン
技 プラズマ火球 噛み付き 引っ掻き 体当り エルボー・クロー(肘にある突き出た骨で相手を切り裂く)  

四神の最後の砦。北海道千島列島の海域のどこかにいるらしい
亀のような形状をしている
陸海空すべてで戦える
陸のときはそんなに速くないが、空中に飛び立てばマッハ3で飛行
甲羅はどんな攻撃でも弾くらしい。ただし、腹は防御に難あり
ただ、やはり亀なのでひっくり返されると隙ができる(普通の亀とは違い起き上がれるが)
このガメラも出生に秘密を持っているらしいが、それは今は言えない

[780] 第5話 ニューヨーク壊滅
呉爾羅山 - 2006年11月20日 (月) 19時08分

ゴジラがロシアの首都、モスクワを壊滅させた日の夜




林田(真)「・・・す〜・・・す〜・・・」

就寝中の真由美









そこへ・・・








???「・・・・・・・起きるのだ・・・・・・・」

林田(真)「・・・ん・・・!?」

???「・・・」

林田(真)「あなたは・・・」

???「・・・時は来た・・・残された時間は少ない・・・」

林田(真)「え?」

???「マンダの眠る場所へ行くのだ」

林田(真)「え・・・マンダの?・・・」

???「本来なら・・・聖獣だけで倒せるはずだった・・・だが状況が変わった・・・
     四神と共に戦わねばならん・・・彼らだけではとても太刀打ちできん・・・」

林田(真)「え・・・」

???「近々また訪ねる・・・話を聞いてほしい人がいるんでな・・・じゃあ・・・」

林田(真)「あ、ちょっと待ってお爺さん!!」

???「なんだね?」

林田(真)「あなたは一体・・・」

???「もう1度訪ねた時に名乗る・・・今は時間がないのだ・・・」

そう言って老人はスーっと消えていった








〜朝〜

林田(真)「・・・ん・・・あれ?・・・夢?・・・」














第5話 ニューヨーク壊滅












〜BSデジタルQ局内〜

矢野「おはよう」

林田(真)「おはよう・・・」

小林「どうした?元気ないぞ?」

林田(真)「ちょっとね・・・そういえばゴジラは?」

矢野「まだ見つかってないそうだ・・・軍もお手上げ状態だそうだ」

林田(真)「そう・・・」

テレビ「・・・臨時ニュースをお伝えします。今日午前7時50分頃
     千葉県成田山で大規模な土砂崩れがあった模様ですこの影響でJR成田線、京成線が運転を見合わせております
     また東関東自動車道も通行止めになっております」

林田(真)「成田山って・・・」

矢野「四神のマンダがいるといわれてる場所だ・・・」

林田(真)「・・・よし!!」

小林「!?」






真由美は企画部長にお願いして成田山に取材に行かせてもらう事になった





〜成田市〜

小林「さっきからヘリコプターが凄いな・・・」

矢野「凄い崩れ方をしたらしいからな・・・」

林田(真)「ねぇ・・・あそこから山には入れそうじゃない?」

小林「え?」

細い林道を発見

矢野「いいのかよ・・・ただでさえ土砂崩れで危険なのに・・・」

林田(真)「行かなきゃしょうがないでしょ!!」

2人「!!・・・しょうがないな〜・・・」

そして3人は入っていった






〜防衛省〜

林田「成田山で土砂崩れ?」

隊員「はい」

林田「・・・一体この国で何が・・・」





〜成田山〜

小林「結構来たな・・・ビデオカメラ持ってきたから撮っておくか
    ・・・それにしても木が多い・・・山だからしょうがないけど」

矢野「この辺りのどこかに・・・マンダがいるのか・・・あ、向こう側が崩れてる現場だな」

小林「この崩れ方は・・・何かでかい物が通ったんじゃないのか?」

林田(真)「そんな感じね・・・まさかマンダが?」

矢野「もう活動を開始してるのか?・・・そういや、何で今日はこんな所に来る気になったんだ?」

林田(真)「実は・・・」

真由美は今朝起こったことを話した

小林「またその爺さん?」

矢野「・・・ここに来て・・・どうしろってんだ?」

林田(真)「分からない・・・ん?」

小林「どした?」

林田(真)「この石・・・」

矢野「おいそれ・・・この前お前が持ってきたやつと似てないか!?」

林田(真)「うん・・・あ、もう2つある・・・」

小林「しかもご丁寧に横一列に並んでるな・・・」

林田(真)「これ・・・あのおじいさんが置いたんだわ」

矢野「何でそんな事が!?」

林田(真)「前と一緒だわ・・・前の石を拾ったときも同じものを感じた・・・お爺さん、この石の事を言ってたのかも・・・」

小林「てかちょと待て・・・前にも聞いたと思うけど・・・その爺さんは夢に出てきたんだろ!?」

林田(真)「夢・・・だと思う」

小林「思うって何でよ・・・」

林田(真)「起こされたような気がするのよ・・・なんだか混乱してきた・・・」

小林「・・・あら?」

矢野「どうした?」

小林「今俺たちが通ってきた場所って木がいっぱい生えてたよな?」

矢野「ああ・・・それがどうし・・・え!?」

林田(真)「え・・・嘘・・・」

3人がその方角を見ると、今まで生えてた木が無くなり、崩れた山肌が広がっていた・・・

小林「・・・一体何がどうなってやがるんだ!?」

矢野「どうやって帰る?」

林田(真)「そんな暢気なこと言ってる場合じゃないでしょ・・・何で通ってきた道が無いの!?」

矢野「俺に言われたってよ・・・」

小林「やばくないか?帰れなくな・・・あら?」

林田(真)「どうしたの?」

小林「あれ見ろよ・・・」

そこには何故か階段が

林田(真)「ここ・・・さっきまで木で覆われてたよね・・・」

矢野「・・・これは超常現象で済まされるのか?」

小林「いや、済まないな。やっぱ最近、日常生活から離脱してるな」

林田(真)「とりあえず、降りましょう」

そうして3人は無事に元の場所に辿り着けた

小林「さっきのは一体なんだったんだ・・・」

林田(真)「・・・ねぇ、明日防衛省に行ってみましょうよ」

矢野「なんで?」

林田(真)「今まで分かったことをお父さんに話すの」

小林「ああ・・・またあの怖い親父さんに会うのか(苦笑)」

矢野「忙しいんじゃないのか?」

林田(真)「でも重要な話といえば何とかなるわよ」











〜防衛省〜

3人は何とか話を聞いてもらえる事になり、部屋に案内された

ガチャ

林田(父)「おお、真由美。どうしたんだ?」

林田(真)「聖獣やゴジラについて分かったことが色々あるから伝えに来たの」

林田(父)「そうか・・・あ、2人とも先日はどうも娘がご迷惑をおかけしまして」

2人「いえいえ」

林田(父)「で、分かった事っていうのは?」

3人は今までに分かったことをすべて話した

矢野「聖獣伝記に書いてあるラドン・アンギラス、四神伝記に書いてあるマンダ・ガメラ
    この怪獣たちのいるとされてる場所と、現象のあった所がピタリと一致するんです
    ラドンは既に確認されてますし」

林田(父)「う〜ん・・・これほどまでに一致するとは・・・」

小林「でも今の所分かってることがすべて合ってるとは限りません。特にゴジラの事なんか・・・」

林田(父)「確かに・・・今までの戦争で散って逝った者達は・・・自分の国家を護るために散った
       それが何故、ゴジラになってこの世界を襲っている・・・
       しかも今回襲撃を受けた国は、核戦争の参加国であり、核兵器保有国だった・・・
       これが何を意味してるのか・・・」

林田(真)「この戦争で死んだすべての世界の人間が1つになったんじゃないかしら・・・
       そうじゃなきゃ他国を攻めるなんて・・・」

小林「全世界の人間の・・・いわば怨念がそうさせてるのか?」

林田(父)「う〜ん・・・」

コンコン

林田(父)「?」

ガチャ

新井「白神山地の周辺調査より戻りました」

林田(父)「ご苦労だった。あ、娘の真由美と、娘の仕事場の同僚だ」

新井「初めまして」

3人「あ、どうも・・・」

新井「周辺の気温はマイナス30度まで低下し、すべての物が凍り付いています
   ただ、以前のような震源の移動は感じられませんでした」

林田(父)「そうか・・・それと今朝の閣議で、ゴジラ警戒の解除が決定された」

3人「え!?」

新井「何故・・・」

林田(父)「”日本から離れたことにより危機は脱した”とあまりにもバカな理由だ・・・呆れを通り越したよ・・・
       40年の空白が、国内のゴジラの恐怖を忘れさせてしまったようだ・・・」

林田(真)「・・・この地球にいる以上、何処から出てくるのか分からないのに・・・」

林田(父)「俺は今でも覚えてるぞ・・・やつを・・・
      それに俺は1日たりとも忘れたことは無い・・・やつに殺された人々の叫びを・・・」










〜近くのラーメン屋〜

林田(真)「う〜ん・・・」

小林「話が進めば進むほどややこしくなってくるな・・・」

矢野「謎が多すぎて困るよ・・・時間がないのに・・・」

テレビ「ここで臨時ニュースをお伝えします。先ほどアメリカ海軍がアメリカ東海岸から約430キロ沖合いで
     謎の物体が移動していると発表しました」

小林「!?」

林田(真)「まさか・・・」

テレビ「現在謎の物体は約50ノットで一直線にニューヨークを目指しているものと見られます
     アメリカ政府は目指していると思われる周辺地域の住民に警戒を呼びかけています」

矢野「・・・ゴジラだな・・・」

小林「それ以外考えられないな・・・」

林田(真)「ついにアメリカにも・・・」










〜ワシントンD.C ホワイトハウス内〜

大統領「何が近づいてきているか分かっているな」

補佐官「はい」

大統領「奴の狙いはなんだ?」

補佐官「さすがにそこまでは・・・」

副大統領「ただ、今までのパターンを見ると・・・国を壊滅させようと企んでいるでしょうな
      大統領、やつをこのアメリカに上陸させてはいけませんぞ」

大統領「分かっている・・・やつの出現と同時に攻撃を開始する
     緊急配備だ。全軍を速やかに西海岸に集結させろ」

補佐官「分かりました」

大統領「・・・多方向から波状攻撃を仕掛け、10分で灰にしてやる・・・
      ゴジラめ・・・アメリカ軍の凄さを思い知らせてやるぞ・・・」












〜夜 ニューヨーク〜

大佐「状況は?」

軍曹「現在の所異常はありません」

大佐「そうか・・・本物のゴジラを生で見るハメになるなる訳だ」

軍曹「結局、以前現れたトカゲの生物はゴジラではなかったんですね」

大佐「そういう事だな・・・むしろトカゲより厄介な相手になりそうだ」

軍曹「・・・」

大佐「・・・怖いか?」

軍曹「・・・正直言って・・・怖いです・・・」

大佐「それなら逃げても何も言わん。誰だって逃げたがるさ。今の所、ロシア軍が攻撃してもダメージは0だという
    そんな化け物に勝てるかというより、ダメージすら与えられるか・・・
    だがこの経済の中枢部のマンハッタンをを破壊されるわけにはいかん
    命を懸けても守り抜くぞ・・・」

オペレーター「大佐!!巨大な物体が!!」

大佐「来たか・・・浮上と同時に攻撃を開始せよ。一斉射撃だ!!」









ドバーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!

海面が弾け、黒い塊が姿を現した

隊員「大佐!!ゴジラです!!」

ゴジラ「グギャアアアアアアアアオオオオォォォォン!!!!!!!!!!!!!!」

大佐「来たか核の遺物め!!!!!!総攻撃開始!!!!!」

ドドドドドドドドドド!!!!!!!!!!

アメリカ軍による攻撃が始まった

戦車体、戦闘機から一斉射撃を開始

しかしゴジラは身をよじったり嫌がったりすることも無く仁王立ちのまま攻撃を受ける

攻撃が当たると主に激しい爆発音と煙がゴジラを包む








大佐「撃ちかた止め!!!!!」

大量の煙がゴジラを包んでいる

軍曹「見えませんね・・・」

大佐「あいつ・・・真正面から攻撃を受けるとは・・・バカなのか、それとも・・・」







ジジジジジ・・・






大佐「なんだ!?何の音だ!?」

軍曹「あ・・・ああああ・・・・・た、大佐・・・」

やがて煙が晴れてきて見えてきたのは・・・仁王立ちするゴジラの姿だった。しかも、全く無傷

大佐他、その場にいたものはみんな言葉を失った

そしてもう1つ・・・ゴジラの背びれが発光し、口の周りに空気、青白い粒子が集まっていた

大佐がそれに気付いた時は既に遅かった

というよりその前に気付いても逃げられるものではなかったが

大佐「・・・後者の方か・・・くそったれ・・・」











ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!!!

大佐「!!!!!!!!!!!!」

ズドガーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!











アメリカ軍は敗北した

沿岸に並んでいた陸軍は一瞬のうちに焼き尽くされた

さらに猛攻は続く






ゴオオオオオオオオオォォォォォォォ!!!!!!!!!!!

夜空をマッハで飛行する戦闘機約200機を一瞬のうちに撃ち落した。恐るべき動体視力である

結局、ゴジラを10分で灰にすると言った大統領の狙いは脆くも打ち砕かれ

逆に5分で灰にされてしまった












〜ホワイトハウス内〜

大統領「・・・・・・・」

副大統領「・・・大統領?・・・」

大統領「・・・・こうなったら・・・・」

副大統領「・・・・・・」












その後、ゴジラはニューヨークのビル郡を破壊した
そしてアメリカを横断し始めた









〜翌日 防衛省〜

林田「・・・想像以上だな・・・」

新井「・・・」

島崎「・・・ちょっと席を外す」

ガチャ

島崎「(まずい・・・奴は予想以上に膨大な力を有してる・・・)」

すると島崎はどこかへ電話を掛け始めた

島崎「・・・私です・・・はい・・・奴は予想以上に・・・はい。十分承知しております
    なんとしてでも・・・はい・・・仰せのままに」











[790] 第6話 死海文書
呉爾羅山 - 2006年11月27日 (月) 15時01分

ゴジラがニューヨークを破壊してから数時間後






〜ホワイトハウス内〜

大統領「・・・至急日本の総理と電話を繋げ」











〜日本〜

総理「・・・ん?どうした?・・・何?チャールズ大統領から?分かった。至急戻る」

そういって総理は首相官邸にある特別室に入っていった





〜特別室内〜

総理「久しぶりだな・・・」

大統領(以下チャールズ)「ああ・・・ところでミスター山崎」

総理(以下山崎)「なんだ?」

チャールズ「ゴジラがそちら、日本を襲うのは時間の問題だ」

山崎「ああ・・・」

チャールズ「そちらの”あれ”が破壊されては我々の計画はぶち壊しだ
       全兵力を駆使し、やつを葬り去ってほしい」

山崎「分かっている・・・一応あんた等の軍より防衛軍の軍事力は遥かに上回っているからな・・・
   やつは5分で片付ける・・・」

チャールズ「よろしく頼む・・・」










第6話 死海文書








ニューヨークを破壊したゴジラはアメリカを横断している
まだ日本へ来るには時間がかかる
真由美たちはその知らせを聞き、無理を言って父と新井中佐を連れて北海道に来ていた
四神の一匹、ガメラについて調べるためである



〜北海道 根室〜

矢野「季節が季節だけに寒くなってきたな〜」

新井「・・・しかし・・・私が付いて来てよろしかったんでしょうか?」

林田(父)「構わないさ。官僚のお偉い方を連れてきた所でどうにもならん」

林田(真)「ごめんね・・・忙しいのにこんな事に付き合わせちゃって」

林田(父)「いいさ。今ゴジラはアメリカ中部を横断中。いきなり日本に現れる事は無いだろう
       俺も四神について直接知りたい事もある」

小林「んで・・・とりあえず根室まで着てみたけど・・・爺さんは確かガメラの眠る場所へも行けって言ったんだっけ?」

林田(真)「うん・・・でも、ガメラは千島列島のどこかにいるって・・・どこか分からないよ・・・」

林田(父)「それに軍人である私が行ってる事がバレたら何かと面倒だ・・・」

矢野「とりあえずこの辺りの資料館か図書館で色々調べてみよう」





〜根室市内の資料館〜
 
林田(父)「・・・ガメラについて・・・玄武についての書物・・・」

矢野「どこだ・・・」

新井「・・・」

小林「ねぇな〜・・・」

林田(真)「・・・」





結局日没まで調べたものの、全くガメラについて、玄武についての書物は無かった





〜根室市内の旅館〜

新井「ありませんでしたね・・・」

小林「ですね〜・・・せめて四神の事に付いての本くらい置いておけよ〜・・・」

林田(真)「しょうがないわよ・・・明日は別海町で調べてみましょう・・・ん?」

林田(父)「ん?どうした?」

林田(真)「・・・お・・・お爺さん・・・」

矢野「なに!?」

なんと窓の外には真由美が夢の中で何度も会った事のある老人がいた

林田(父)「・・・」

老人「林田准将、そう警戒なさるな。わしは敵ではない」

林田(父)「!?なぜ私のことを・・・」

老人「お嬢さん。よくここへ来てくれた。これからお前さん達に話したい事があるのと、会わせたい人が2人いる
    1人は人間ではないけどな。是非来てほしい。場所は根室岬の海岸だ」

そう言うと老人は霞のように消えていった

新井「!!・・・今のは・・・現実・・・ですよね?」

矢野「俺は見ましたよ」

小林「俺も・・・信じられねぇけど・・・もう常識外れな出来事がここ数日で100回は起きてるな」

矢野「どうします?行きます?」

林田(父)「行くしかなかろう・・・それにしてもこんな事になるとはな・・・」

林田(真)「一体何を話してくれるのかしら・・・」




5人は早速支度を済ませ、海岸まで来た  



新井「・・・その老人は何処に・・・」

矢野「暗くて分からないな・・・」

小林「録画用にビデオ持ってきたけど・・・何も見えないな・・・」

老人「よく来てくれた・・・」

目の前に老人が現れた

林田(真)「お爺さん。全部話してくれるんでしょ?」

老人「ああ・・・まず自己紹介だ。私の名前は伊佐山。東京である大学の教授をしていた者じゃ」

矢野「伊佐山・・・ま、まさかあなたは」

伊佐山「そう、わしがゴジラを残留思念の集合体と定義した者じゃ」

林田(父)「あなたが・・・」

林田(真)「伊佐山さん・・・一つ聞きたいことがあるんですけど・・・」

伊佐山「なんだね?」

林田(真)「何故あなたは私の夢に出てきたり、私に石を託したりしたんですか?」

伊佐山「君とは波長が合ってね。なかなか精神的な語り掛けに答えられる波長を持つ人間は限られていてな
    たまたま君がいたので利用させてもらったんじゃ」

林田(真)「そうですか・・・」

伊佐山「わしもこちらで色々調べた・・・そしたらやはりわしの定義も少し違っていたようじゃ」

林田(真)「え?」

伊佐山「そのことで会わせたい人がおる」

新井「その会わせたい人とは・・・?」

??????「・・・私だ」

矢野「ん・・・ん!!!!!????」

なんと5人の前に現れたのは・・・

5人「キングギドラ!!!!!?????」

黄金に輝く巨体。3本の長い首。少々透けているが間違いなくキングギドラだった
ちなみにサイズは人間並みに縮小されている

キングギドラ「人間よ、お前たちに伝えたい事がある」

林田(真)「ちょ、ちょっと待って!!」

キングギドラ「なんだ?」

林田(真)「ギドラって確か・・・40年前ゴジラにやられたはずじゃ・・・」

キングギドラ「聖獣というものはやられたとしても転生できる。まあ、今はまだ魂の状態だが
        100年もすれば再び富士樹海に戻るだろう」

小林「・・・だから透けてるのか・・・」
       
キングギドラ「さて、お前たちに伝えたいことは・・・ゴジラとガメラの事だ
        まずガメラから話そう。ガメラは元から四神として降臨していたわけではない」

林田(父)「どういうことだ?」

キングギドラ「今から遡る事12000年前、お前たちと同じような人間が、高度な文明を築いていた
        お前たちも聞いた事があるであろう・・・伝説の大陸、アトランティスを」

小林「アトランティス!?あの12000年前に沈んだ伝説の大陸!?」

キングギドラ「そうだ。その頃のアトランティスは異常気象により、突然変異を起こした生命体の襲撃を受けていた
        それに対抗するために、当時の科学者は高い技術力を駆使して、ある生命体を作り上げた」

新井「それが・・・」

キングギドラ「そう。ガメラだ」

林田(真)「!?・・・玄武って・・・人工生命体なの?」

キングギドラ「そうだ。あれは古代人によって作られた。その後、その生物群と壮絶な戦いの末、見事倒した
        そしてガメラは眠りについた。今の千島列島付近でな。古代人達は、ガメラを守護神として祭った
        それが永い時を経て、玄武として現在にまで、語り継がれる事になったのだ」

小林「・・・なんか凄い話だな・・・」

キングギドラ「さあ、今度はゴジラの話だ・・・”あれ”は核実験により恐竜が突然変異したものでも、残留思念の集合体でもない
        ”あれ”の正体は・・・古代の破壊神」

林田(父)「破壊神だと!?」

矢野「俺らの言ってた事が、あながち間違いじゃ無かったってことか・・・」

キングギドラ「そうだ。やつはあの姿で現世に現れた破壊神だ。いや、負のエネルギーに染まりに染まった悪魔といっても過言ではない
やつは目の前の目標を滅ぼすまで生き続ける。その目標は・・・人間だ」

林田(真)「何で人間が目標なの?」

キングギドラ「人間に対しての恨み、憎しみを残して死んでいった者達の怨念を吸収したせいだろう        
        それに人間の怨念だけを食うだけではない
        犬や猫といった世界中の動物だけでなく、この地球自体、地球に存在するすべての生命体もそうだ
        やつはその怨念を食うと共にその怨念が抱いてるものを作った根源を滅ぼすよう、本能的に動く」

林田(父)「・・・・」

キングギドラ「やつは縄文時代頃からこの日本に現れた。ただ、その当時は人間の兵器や四神の念で撃退できたんだが・・・
        時代が経つにつれ理不尽な死に方をするものが増えてきた・・・しかしそれはやつの覚醒するほどの数ではなかった
        ところが近年、爆発的に増えた・・・人間の兵器が急速に進化し始めた頃だ
        大量破壊兵器を多量に使用し、その兵器よりさらに強力なものを造るという悪循環を繰り返した結果
        この200年の間で怨念の数は莫大に増加した
        そして、1940年代、太平洋戦争で散った人々の嘆き、苦しみ、怒りや憎しみによってやつは徐々に覚醒に近づいた
        広島、長崎の原爆投下で亡くなった人々の怨念は、まさに格好のエサとなり、覚醒寸前となっていた
        しかし、直後に太平洋戦争は終わり、覚醒することはなかった
        なのに、人間は自ら恐怖を呼び覚ましてしまう」

林田(真)「アメリカのやったビキニ環礁での核実験ね?」

キングギドラ「そうだ・・・最初の”あれ”覚醒の原因となったのは、ビキニ環礁での核実験だ
        覚醒直前の状態でビキニ環礁の海底で眠っていた”あれ”は水爆の直撃によって文字通り叩き起こされた
        不完全な状態で目覚めてしまった”あれ”は怒り狂いながら、あちこちをさまよい
        やがて日本の大戸島に上陸した。それを目撃した人々は、大戸島の伝説にちなんでゴジラと名付けた
        ゴジラは大戸島を蹂躙し、甚大な被害と多大な恐怖を与えて島から去っていった
        東京に上陸したのはその数日後だ
        不完全な状態であったため、ゴジラとなった”あれ”はオキシジェン・デストロイヤーによって敗れた」

新井「オキシジェン・デストロイヤー?」

キングギドラ「詳しいことは言えんが、酸素破壊剤という特殊な兵器だ
        現代科学で悪用されることを恐れて製作者はゴジラと共に東京湾で白骨化した」

林田(真)「骨に・・・」

キングギドラ「そう・・・やつは死んだはずだった・・・
        世間一般論では、古代の恐竜が水爆実験の影響でゴジラになったと皆信じていたであろう」

林田(父)「確かに・・・」
        
キングギドラ「全ての生物が死滅した東京湾で、ゴジラが骨だけとなったのをその後調査隊が確認した
        しかし・・・奴は・・・ゴジラは生きていた
        怨念を糧としているゴジラは、オキシジェン・デストロイヤーに骨だけとされても
        少しずつ生物の怨念を吸収し、再生していたのだ
        世界規模の戦争が起きることがなかったため、覚醒にはほど遠かったが、それでも着実に再生していた
        そんなゴジラを一気に覚醒に近づけたのが」

林田(父)「・・・第3次世界大戦・・・」

キングギドラ「そうだ。しかもこの戦争は核兵器を使う事によって、1945年の広島、長崎の二の舞になってしまった
        2025年〜2027年後半が犠牲になった人が最も多い時期であろう
        現在も放射能汚染によって苦しみながら死んでいく人間の数は膨大だ。その恨みたるや尋常ではあるまい
        それでゴジラが覚醒しないはずがなかった
        再生し、新たな肉体を手に入れたゴジラは人知れず太平洋に向かった
        ただ、肉体が元に戻っても力がまだ完全ではなかった。そこで肉体を休ませる意味も込めて眠りについた
        すると戦争後は世界中が混乱し、テロや内戦によって多くの死者が出た
        また、損害を被った国や軍を維持するために、餓死者が出てしまうほど税金の徴収や財産の接収を行ったために
        一層強い恨みを持って死んでいく人間が激増した
        この2つはゴジラに決定的な影響を与えてしまった。それが引き金となって、遂にゴジラは覚醒した
        しかも、間違いなく完全な状態で。覚醒したゴジラは原潜を襲い、中国、ロシア、アメリカを襲い、壊滅させた
        今後やつは確実にこの日本に来る・・・今やつは体を休めている所だが、来るのは時間の問題だ・・・」

全員が言葉を失う

新井「確かにあの時代は世界が乱れるだけ乱れていた時代だ
    略奪、殺戮の世界だったからな・・・」

林田(父)「確かに他国、特にアジア中東などは以前にも増して自殺者が増えていたが・・・それも覚醒の原因だったのか・・・」

伊佐山「これだけで話は終わらん・・・まだ聞いてほしいことがある」

矢野「なんですか?」

伊佐山「・・・お前さん達は死海文書というのを知っておるか?」

林田(父)「死海文書!?あのヘブライ語やギリシャ語で書かれた古文書の・・・」

伊佐山「そうじゃ。その死海文書に関して会わせたい人がおっての・・・」

その時

??「お初にお目にかかる・・・」

5人「!!!!!!」

5人がビックリするのも無理は無い。何故なら5人の前に現れたのは・・・

5人「東条英機!!!???」

そう。目の前に現れたのは、紛れもなく東京裁判にてA級戦犯とされ
軍国主義の代表人物として処刑された第40代内閣総理大臣”東条英機”その人だった

東条「私の事を知ってくれていたか・・・まあ、この時代だと私の事はA級戦犯だという事だけしか知られてないだろうが(苦笑」

林田(父)「東条・・・あなたは私たちに何を伝えようと・・・」

東条「ああ・・・先ほど伊佐山殿から死海文書の話を聞いたと思うが、それから話そう
    まず・・・死海文書は3つ存在する」

矢野「どういうことですか!?」

東条「公表はされていないがな・・・まず死海文書、それから裏死海文書、そして真死海文書の3つだ」

小林「いきなり話がぶっ飛んで理解に苦しむ・・・」

林田(真)「・・・一体何が違うんですか?」

東条「死海文書と裏死海文書の違いは・・・記されている物が違う。どういうものかは後で言うが
    ・・・真死海文書は・・・”あれ”と表記された古代の神・・・つまりゴジラを呼び覚ます書物
    そして、それによって招かれる結果が書いてある」

林田(父)「なんと・・・」

東条「そして・・・その真死海文書を使い、やつを復活させようとしたものがいたのだ」

新井「それは一体・・・」

東条「・・・・・・”アドルフ・ヒトラー”だ」

5人「!!!!!」

東条「世界大戦前に私が聞き、体験した話をしよう・・・
    私がヒトラーに出会ったのは、1921年   
    駐在武官としてドイツにいた、最後の年だった・・・」

   








1921年に東条はヒトラーと会う機会があった

会う、と言っても会合などではなく、たまたま見かけただけだった
   
この時のヒトラーは存在感が大きく、ぎらついた眼を持っていたが、狂気に走るような人間には見えなかった
   
東条が日本に帰った年から翌年にかけて、ワシントン会議が開かれた
   
この中にある海軍軍縮条約に反発した日本はやがて暴走を始める
   
満州事変、日中戦争を経て太平洋戦争に突入していくのだ
   
その間に日本はドイツと同盟を結び、イタリアとも同盟を結んだ
   
それが日独伊三国同盟だ
   
陸軍大臣であった東条は最後まで反対した
   
同盟が結ばれる三年前、ドイツへ渡り再びヒトラーに会ったのが原因だった
   
その時に見たヒトラーは最初に見た時とは比べ物にならないほどぎらついた眼をしていた
   
そう・・・狂気に満ちた眼とはああいう眼を言うのだろう
   
後学のためと同行した者は、ヒトラーの眼を見ただけでしばらく食事も喉を通らないほど怯えた
   
さらにヒトラーはユダヤ人の虐殺を死海文書にのっとったもので、起こるべきものだと正当化していると耳にした
   
当時、死海文書はまだ発見されていない
   
発見され、世界で話題になったのは第二次世界大戦が終わった後である
   
後にわかったことは、1947年に発見されたものは死海文書

世間的には公表されてはいないがそれと同時期に発見されたのが裏死海文書   

その時ヒトラーが持っていたものは真死海文書と呼ばれるものだった
   
ヒトラーは真死海文書に”あれ”と表記された古代の神を呼び覚まそうとしていた

そのために大虐殺を行い、世界を大戦へと導き、狂気を蔓延させていった

東条は恐怖した

ヒトラーはヨーロッパや世界を支配しようとしているわけではない

滅ぼそうとしている

そのために世界を敵に回すような虐殺を行い、ドイツ国民を弁舌によって洗脳している

尋常な人間の所行ではない
 
誰にもヒトラーを止めることはできなかった

何としても、ドイツとの同盟は止めねばならなかった

しかし、神を呼び覚まそうとしている、人類を滅ぼそうとしている、などと主張できるはずもない

頭がおかしいと思われるだけだ

できうる限り現実的に理路整然と反対した

しかし、近衛首相を動かすことはできなかった

日独伊三国同盟は止まらなかった

もはや”あれ”にとりつかれたヒトラーの狂気はとどまることを知らず、世界中を蔓延した

おびただしい数の死体が世界を埋め尽くし、”あれ”の覚醒は時間の問題となった

目的をほぼ達成したヒトラーは敵に捕まる前に自殺した

あとは勝手に日本が暴走する

そう判断しての自殺だと、東条は確信していた

イタリアとドイツが落ちても、日本は引き返せない状況だった

誰にも止められない

このままでは”あれ”が覚醒してしまう・・・

だが原子爆弾の投下とソ連の中国侵攻をきっかけに日本は降伏した

これによって第二次世界大戦及び太平洋戦争は終結し、”あれ”の覚醒には至らなかった

ヒトラーの読みは外れた

東条はヒトラーの死後、真死海文書を入手していた

とある隊員が命を賭けて奪ってきたのだ

これにより”あれ”の本当の恐ろしさを知った

処刑される前年に発見された死海文書と、世間には公表されていない裏死海文書によって

50年ほどの未来に”あれ”の覚醒が近づくことも

東条たちは魂だけの存在になっても、現世にとどまらなければならなかった

”あれ”が覚醒したら世界が破滅してしまう・・・

真死海文書には死してなお現世にとどまる方法が記述されていた。

禁忌の法であったが、手段を選べる状況ではなかった

東条の死刑が間近に迫っていたからだ

絞首刑の後、東条は2名の隊員と共に魂となって現世にとどまった

そして2001年、やつは覚醒した

しかしその覚醒は誤った覚醒で、東条たちは安心していたのだが・・・









東条「2010年ごろだったか・・・当時のアメリカ大統領が死海文書と裏死海文書を入手した
   とある寺院で保管されていた物を特殊機関に奪わせたのだ
   その2冊を入手した大統領はロシア、中国、イギリス、そして日本の首相たちを密かに呼び集めた」

矢野「何のために・・・」

東条「・・・裏で密かに密約を交わしていたのだ。死海文書や裏死海文書を共有すると
   死海文書や裏死海文書には昔からの予言が事細かに記載されていて
   それがすべて当たっていたんだ。いつ戦争や大災害が起こるということもな・・・
   だが裏死海文書にそって行動していけば、人類に福音がもたらされるとも記されていた
   それと同時に神への道という内容の記載もあったのだ
   これを見たやつらはそれはもう喜んだ。自分達がそれに導かれれば神になれるのだから・・・
   だが所詮くだらぬ妄想だった・・・
   そのページにはある細工がしてあってな・・・そこに書かれていたものは真実ではなかった」

新井「じゃあ一体何が・・・」

東条「・・・裏死海文書に人類の導きなど記されておらぬ
   あの文書は古代人が人間の欲を引き出し、”あれ”つまりゴジラを覚醒に導くために記した破滅の書
   そんな事とは知らずやつらはそこに記されていることを次々と実行した」

林田(父)「ちょ、ちょっと待て・・・じゃあまさか第3次世界大戦は・・・」

東条「そう。やつらが神への道を進む際に絶対通らねばならない儀式である・・・そう裏死海文書に書かれていた
   まあ、さっきも言ったが所詮くだらぬ妄想。逆に”あれ”の覚醒に近づいているなど知るわけがない
   そして、核兵器を使ったことでさらにやつの覚醒に影響を与えているなど知るわけがない
   つまり、やつらは古代人の作った真死海文書に踊らされていたのだ
   自分たちのエゴが世界の破滅を呼び込んでいるとも知らずにな」

全員が言葉を失った

まさか第3次世界大戦が

各国首脳のくだらぬ妄想とエゴイズムによって引き起こされていたという事

古代人がなぜ、こんなものを残したのかわからないが、少なくとも自分たちを含めて現代の人間が手の平で弄ばれていたのだ

信じがたい事ではあるが・・・東条たちが現代まで存在していることと

伊佐山教授、キングギドラの言葉により、信じざるを得ない 

世界が滅びに向かっている・・・

林田(父)「・・・私たち防衛軍は今まで何をしてきたんだ・・・そういうものが書かれていたとはいえ
      間接的に破滅に向かう道の手助けをしてしまったことは事実・・・」

キングギドラ「いや、そう自分を責めることはない
        最たる原因は生き残ったが核兵器による放射能の影響で侵されている人間を放置したこと
        そして各国政府が餓死者を出すほど税金徴収や財産接収を行ったこと
        そんな理不尽な餓死を強いられた人々の怨念は、ものすごく強い
        銃弾や爆弾で殺されたのとはわけが違う。なぶり殺しと一緒だ
        だがあなたは私が見る限り、個人的に様々な場所を見て回り様々な救援活動をしているそうではないか
        私個人の意見だが、あなたには責任はない」

林田(父)「しかし・・・」

林田(真)「そうよお父さん・・・私はゴジラのことは知らなかったとはいえ
      国や軍隊の維持費などに莫大なお金がかかってることは知ってた
      見えないところで餓死者が出てることも知ってたのよ
      知っていながらも、何もしなかった私にも罪はある
      しかも私はテレビ業界にいるのに、そういうことに関して全く取材に行こうともしなかった
      お父さんだけのせいじゃない・・・」

小林「俺もだ・・・それだけの餓死者を出してる国に正直頭に来てた・・・だがそれから目をそむけていた自分がいた
   報道するものとして失格だな・・・」

新井「・・・」

彼らのエゴによって一体どれだけの弱い人間が犠牲になったか

そして、今現在も苦しみながら死んでいる人間はいる

エゴ、欲望を抑えていれば、こんな状況にはならなかった

あまりの事実に全員愕然とならずにいられなかった

伊佐山「さあ・・・今くよくよ悩んでも仕方なかろう・・・これからどうすればいいか考えるのだ・・・」

矢野「・・・そうですね・・・」

林田(真)「お父さん・・・」

林田(父)「?」

林田(真)「ゴジラを倒したら・・・これらのことを一般に公表しましょう・・・」

林田(父)「ああ・・・俺も同じことを考えていた・・・幸い国連に親しい友人がいる。そいつに連絡を取り
      密約を交わしていた国を抜いた国連の首脳部と極秘連絡をして、一気に世界中に公表する」

キングギドラ「そしてまずいことが2つある」

矢野「え?」

キングギドラ「一つは・・・今、日本が巨大な各施設を保有している」

林田(父)「なんだと!?」

キングギドラ「奴等の計画のために一番怪しまれない国に核兵器を置いておく必要があったらしい
        恐らくまた核戦争をやらかして裏死海文書に踊らされる結果となるであろうが」

新井「なんて事を・・・」

キングギドラ「そしてもう1つ、今も怨念を吸収しているゴジラの力が強すぎる・・・
        最後の砦である玄武が太刀打ちできるかどうか・・・
        少なくとも・・・軍関係者の目の前で言うのもあれだが、防衛軍は役に立たない
        ・・・1954年も2001年も全くといっていいほどダメージを与えられなかった
        出来るとすれば注意を引き付けるくらいにしか・・・」

林田(父)「なんだと・・・」

キングギドラ「だから聖獣と四神がもし傷を負わせたら、その傷口に集中攻撃をしてほしい。それならばダメージを与えられる」

林田(父)「分かった」

小林「内部からぶっ壊すってわけか」

キングギドラ「そうだ。そして・・・奴の破壊に成功したら、肉片、細胞に至るまで根絶してもらいたい」

新井「何故・・・」

キングギドラ「奴は骨になっても再生した。という事は、細胞のレベルで残っていても再生してしまう恐れがあるのだ」

小林「悪はどこまでもしぶといからな・・・」

キングギドラ「・・・ん?」

小林「ん?どうかした?」

キングギドラ「・・・やつが太平洋に・・・」

矢野「なに!?」

ピリリリ!!ピリリリ!!

林田(父)「ん・・・はいもしもし・・・何・・・そうか、分かった。すぐ戻る」

林田(真)「太平洋に入ったようね・・・」

林田(父)「ああ・・・予想以上に速い。新井中佐、今から東京に戻るぞ」

新井「はっ!!」

林田(父)「それと真由美・・・お前たちに報道許可を与える。これから戦いになるだろうが、それをすべて伝えてくれ」

林田(真)「分かったわ」

東条「真由美殿・・・」

林田(真)「はい?」

東条「そなたの持っている石・・・それは聖獣たちがピンチに陥った時に聖獣に向かって投げてほしい
    その石が聖獣たちの力になるはずだ」

林田(真)「はい。分かりました」

小林「やっぱパワーアップアイテムだったか・・・」

伊佐山「では・・・わし等はこれにて・・・」

そういうと伊佐山が霞のように消えていった

キングギドラ「私たちはまだ現世に残り、やつと戦う・・・今後のためにも・・・」

キングギドラも消えた

東条「・・・皆の衆・・・後は・・・頼みましたぞ・・・」

林田(父)「はい・・・命に代えても・・・」

そして東条も消えていった

新井「さあ、急いで東京に帰りましょう」

林田(父)「ああ・・・」

















〜登場人物〜

チャールズ・J・トンプソン
年齢 59歳 
身長・体重 185センチ 89キロ

アメリカ大統領。今回の騒動の中心人物
欲望に駆られ大勢の人類を犠牲にした人物
本人は神の道を歩んでいるつもりだったが破壊神を呼び覚ます結果となり、かなり混乱している





山崎新太郎
年齢 66歳
身長・体重 170センチ 80キロ

日本の総理大臣
アメリカ大統領と共に神の道を歩もうとした人物






伊佐山
年齢 75歳
身長・体重 165センチ 65キロ

東京のとある大学で教授をしていた人物
ゴジラ恐竜突然変異説を真っ向から否定した唯一の人物
実は1954年のゴジラ襲撃事件で行方不明になっている
つまり彼の正体は幽霊
だが真実を伝えようと現世にとどまっていた(真死海文書は使っていない。伝えたい信念が強かったため残れた)
そして、真由美たちにキングギドラ、東条英機の話を聞かせた





東条英機
年齢 64歳
身長・体重 不明

第40代内閣総理大臣。東京裁判にてA級戦犯とされ、軍国主義の代表人物として処刑された
死海文書の真実を伝えるため現世にとどまった
実はナチス・ドイツ初代総統”アドルフ・ヒトラー”が死海文書(真死海文書)を使い
ゴジラを呼び覚まそうとしていたことを告白する

[814] 第7話 迫り来る恐怖と目覚める神々
呉爾羅山 - 2006年12月04日 (月) 21時26分

北海道根室岬の海岸で伊佐山教授、キングギドラ、東条英機より驚愕の事実を聞かされた真由美たち
そして話が終わった時、ゴジラ活動再開の連絡が入った
彼らは急いで東京へ戻った










〜防衛省〜

林田「この数時間でどれだけゴジラが動いたか・・・」

新井「奴の速度にも寄りますね。今太平洋のどの辺りをうろついているのか」

林田「そうだな・・・これから忙しくなるぞ・・・」

新井「そういえば、国連にはもう北海道で起きたことは・・・」

林田「ああ、もう伝えてある。事務総長に直接繋いでくれた
   事務総長も物分りのいい人でよかった。それに、どうやら各国首脳の動きを不審に思ってたらしい
   そして、特殊機関に国のトップたちを監視するように言ってた。何か行動を起こしたらすぐに捕まえるそうだ」

新井「そうですか・・・」







〜BSデジタルQ局内〜

林田(真)「どうしようか・・・」

矢野「実質、ゴジラが現れるまで暇だな・・・」

小林「とりあえず準備だけは万全にしておこうぜ。ここの所動きっぱなしだし少し休憩取るとか」

















第7話 迫り来る恐怖と目覚める神々

















それから2日後








〜司令室〜

林田「また原潜が襲われた!?」

新井「はい。通信記録によると原潜は日本時間の08:55、マリアナ海溝付近にてソナーで巨大な移動物体を探知
   音紋照合の結果味方ではないと判明
   明らかに攻撃態勢と判断した艦長は目標に4発の魚雷を発射を指示
   二発とも命中が確認されていますが、その後わずか35秒で通信不能
   様々な状況分析の結果、沈没したと断定されました
   通信不能になる直前、鳴き声のような物が微かに聞こえたと報告を受けています」

林田「・・・ゴジラだな・・・」

新井「恐らく・・・」

オペレーター「ただ・・・」

林田「ただ?」

オペレーター「その後衛星や様々な観点から調査したんですが消息不明
         影すらも確認できてない状況です」

陸軍准将「なんと・・・やつは120メートルの巨体だ。衛星でもレーダーでも捉えれらないのか?」

オペレーター「はい」

大川「現在、太平洋艦隊も調査してるはずだが・・・」

林田「何か特殊な力を使ってレーダーを回避しているのか?」

新井「それは無いでしょう。現に、原潜のソナーには引っ掛かってますから・・・」

オペレーター「考えられるとすれば・・・ソナー、レーダー、衛星ではとても捉えきれない場所・・・
         マリアナ海溝の最深部にいれば分からないかもしれません・・・」

大川「・・・水深1万メートル以上でも適応できるというのか!?」

オペレーター「それ以外は・・・考えられません」

地上でも海中でも適応でき、その上それほどの深海でも適応できる

通常の生物にはあり得ない身体構造だ

林田「・・・よし、日本のすべての火山観測所に伝えろ
   異常があった場合ここにすぐに報告せよと」

オペレーター「は、はい!!」

新井「何故火山観測所に?」

林田「マリアナ海溝の最深部に潜ったということは、やつはひょっとすると海底火山からマントルの流れを通って
   どこかの火山から現れる可能性がある・・・と俺は思うんだ」

陸軍准将「なるほど・・・打てる手はすべて打っておくという事だな」

林田「はい」

新井「しかし・・・いくらやつといってもマントルの中までは・・・」

林田「いや、だからこそ注意しておくのだ。奴は我々の常識を超えてる。もしものためにだ」

新井「はい・・・あ、それと准将」

林田「なんだ?」

新井「つい先ほど、国連が各国の首相たちの企みを発表したんですよ」

林田「なに!?」

新井「その発表で、ゴジラが復活した原因などが詳しく世界に流れました
    生中継だったので首相たちにも止めようがなかみたいですし
    さすがに死海文書云々は発表するとかえって作り話のように思えるし、理解もされないでしょうから伏せられましたが
    その首脳達は自らの野望を達成するためにゴジラを復活させた、と国連の事務総長が直々に発表しました」
    その上で、国連と世界中の軍が協力してゴジラを倒して皆さんを守るって宣言しました
    私はまだ早いとは思ったんですが・・・好機なのは確かです。原潜の乗員には申し訳ないですが
    一応、日本全土の基地、ならびにここの全職員に簡単な説明はしてあります
    もちろん、北海道で起きた出来事も話しました。聖獣、四神に攻撃をするなと言ってあります
    ただ、大川准将だけはその場にいなかったので話せませんでしたが・・・」

林田「そうか・・・国連やってくれたか・・・」

いずれ世界中にゴジラの存在と各国首脳の企みを明かす事は、先日の電話で約束されていた

しかし、こうも早くその時が来るとは思わなかった

原潜の乗組員たちには気の毒だが、絶好の機会となったのだ

国連事務総長は林田との約束をしっかりと果たしてくれた

新井「なので、今はちょっとしたパニックになっていますが、軍や警察のおかげで大きな騒ぎにはなってないはずです
    直接圧力が掛かった所で、ロシア、アメリカ軍はわずかに残ってるに過ぎません
    それにイギリス、中国軍も、この発表を聞いたらイヤでも聞こうとしないはずですから」

林田「そうか・・・」

今回の事件が起こるまで日本人以外でゴジラの脅威を知っている者は少なかった

国内においては教科書に載っているくらいだから、知らないのは歴史の授業を習う学年に達していない子供だけであろう

ただ、その脅威を実感としてわかっているか、と問われればほとんどの者が否と答えるはずだ(年配者を除いて)

それでも、ゴジラを目覚めさせた者がいる。しかも、一部のエゴを持った権力者の所行であると報じられたのだ

騒ぎが起こらないはずがなかった

今までこういった報道をしてこなかったテレビ局では古い映像を引っ張り出して、ゴジラの東京襲撃時の様子や

焼け野原となった都心で女学生が平和を祈る唄を歌っている様子を報道し

ゴジラを直接見た人をゲストに呼んで特番として組むなど、ゴジラ一色の番組構成となっている

政府はあえてこの報道に規制をかけなかった

やつらの悪行を明るみに出し、逆に行動を制御する目的があるからだ

これほどまでにゴジラと共に存在をあからさまにされた状態で、下手な動きを取れば世間はこれらの報道を一気に信じる事になる

そのためには、多少のパニックは目を瞑るしかない

今は国連、軍、警察、役所の人間を総動員して人々を落ち着かせていた。

その光景は日本だけでなく、世界中で起こっていた

林田「で、首相たちの動きは?」

新井「まだ一般公表されていませんが、全員拘束されたと。ちなみに総理代行は官房長官が勤めています」

林田「そうか・・・留置所行きか・・・そういえば島崎長官の姿が見えないが・・・」

新井「・・・実は核施設建設に関与したとして先ほど連れて行かれました・・・」

林田「・・・あの野郎まで一枚噛んでいたのか・・・くそったれが・・・」

大川「あ、林田准将」

林田「なんですか?」

大川「書記官からゴジラ要撃司令官に任命された。これからは私が指揮を執るのでそのつもりで」

林田「はっ(大丈夫かよこのバカ・・・)」








〜BSデジタルQ局内〜

企画部長「生放送の準備急いで〜!!」

プロデューサー「それとネット配信も!!」

局長「それにしても君のお父さんが軍人でよかったよ。いの1番に放送できるからな」

林田(真)「いえいえ」

矢野「外に出る準備は万全だ。いつでもでて来い」

小林「まあ、気長に待とうぜ・・・しかし国連がこんなに早く公表するとはね〜」

矢野「ホントだよな・・・ビックリだぜ」

林田(真)「まあ、早いに越したことは無いと思うけど・・・」

小林「ひょっとしたら首脳たち拘束されてるんじゃないか?」

矢野「ありうるな」

林田(真)「ねぇ・・・ゴジラはマリアナ海溝に潜って・・・何をする気なのかしら・・・」

矢野「分からんな・・・というか自殺行為にも見えるが・・・もっと潜ったら海底火山だし・・・」

小林「本当に確認したんだよな?」

林田(真)「そう言ってるわ」

小林「・・・何かやな予感がするな・・・」











〜翌日 夜7時〜















〜熊本県 阿蘇山〜




・・・・





・・・





・・










バサバサァ!!!!

ラドン「ピギャアアアオオオオオオォォォォン!!!!!!!」












〜司令室〜

オペレーター「熊本県阿蘇山より、巨大生物飛翔!!」

大川「なに!?」

林田「聖獣が動き出した・・・やつが近くに来てるのか!?」

オペレーター「巨大生物は時速マッハ5で東に飛行中」

林田「東・・・」














〜青森県 白神山地〜



・・・・・・





・・・・




・・・





グゴゴゴゴ!!!!













〜司令室〜

オペレーター「哨戒機より報告。白神山地より移動震源と目される物体が移動を開始!!」

大川「なんだと!?」

林田「白神山地・・・とくればアンギラスだ・・・」

新井「立て続けに・・・奴が近いんでしょうか?」

林田「かもしれん・・・」










〜富士火山観測所〜

職員「主任!!見てください!!」

主任「どうした?」

職員「このデータを・・・阿蘇や白神山地の巨大生物の騒ぎじゃありません!!」

主任「何だこれは!!?・・・たった2時間でマグマの圧力がこんなに上がるとは・・・こりゃヤバい!!
   全員に告ぐ!!防衛軍に伝え次第緊急避難の準備をしろ!!噴火が近いぞ!!」











〜BSデジタルQ局内〜

林田(真)「・・・現れたみたいよ」

矢野「親父さんからか!?」

林田(真)「うん。ラドンとアンギラスが動き出したみたい」

山下「よし、生放送の準備は万全だ。いつでも行けるぞ」

小林「俺たちも準備しよう」

と、その時









グゴゴゴゴ・・・

小林「?」

グラグラグラグラ!!

林田(真)「な、なに!?」












〜司令室〜

グラグラグラグラ!!

大川「なんだ!!どうした!?」

オペレーター「富士火山観測所より入電!!富士山がまもなく噴火すると!!」

林田「なに!?こんな急に!?とりあえず富士山をモニターに映せ!!」

モニターに富士山が映った瞬間









〜富士山〜




ドガアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!!!!




富士山頂の火口が弾けた。

いや、富士山頂の一部が吹き飛んだ



〜司令室〜

大川「噴火しやがった!!」

陸軍准将「バカな!!溶岩が青白いはずないだろ!!」

確かに、山頂から上がったのは青白い光だった

その後噴煙が舞い上がり、溶岩が流れ出てくる

オペレーター「火口内に何かいます!!」

林田「・・・来るぞ・・・」

林田がつぶやいた直後






〜富士山〜

ズシーン!!ズシーン!!

噴火した火口から黒い塊がゆっくりと姿を現した







〜BSデジタルQ局内〜

山下「おい!!これを見ろ!!」

この模様は富士山近くのカメラから生中継されていた

スタッフ「あ、ああ・・・そんな・・・あ、あんなところから・・・」

矢野「・・・マリアナ海溝から・・・一度も姿を現してないのに・・・なんであんな所から・・・」

林田(真)「まさか・・・海底火山からマントルを通ってあそこに現れたのいうの・・・?」

矢野「なんて図体してやがるんだ・・・」

林田(真)「恐らくゴジラの狙いは東京・・・行きましょう!!」

2人「よし!!」







〜司令室〜

大川「・・・林田准将の予想が大当たりというわけだ・・・」

陸軍准将「・・・でかいな・・・」

林田「ついに40年ぶりの日本上陸か・・・」










〜富士山山頂〜

ゴジラ「・・・・・グルル・・・・・」

















[820] 第8話 対峙
呉爾羅山 - 2006年12月06日 (水) 22時47分

自らの力で富士山を噴火させたゴジラは、ゆっくりと下ってきている

真っ黒なゴツゴツとした体、長い尻尾、骨が隆起しているのかと思うような、とがった白い背びれ

体の割に手が小さいところは、太古の肉食恐竜を連想させる

ただ、その巨大さは恐竜と比べても、あまりにかけ離れた姿だった





そんな上空を飛ぶ1機のヘリコプターがいた

富士火山観測所が緊急用に所持していた避難用ヘリである

〜ヘリ内〜

主任「・・・ゴジラ・・・」

ゴジラ「グギャアアアアオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!」

職員「しかし、どうしてこんな所に・・・」

主任「恐らくマリアナ海溝の境目から地中奥深くのマントルに入り、マントルの流れを通って富士山のマグマに着たんだろう」

職員「そ、そんな・・・1500度もあるマントルの中を生身で進むなんて・・・どうやって・・・」

主任「・・・やつは我々の常識を超えた生物だ・・・」











〜司令室〜

大川「厚木航空隊に出撃命令!!そして各方面の住民に避難命令!!」

オペレーター「了解!!」

指令室内の動きが慌しくなる

大川「3分で灰にしてやるぞ・・・」

林田「・・・そういえばラドンは?」

オペレーター「ラドンは依然マッハ5で東に向かって飛行中。まもなくゴジラと接触するものと思われます」

林田「ゴジラに向かってるな」

オペレーター「はい」

林田「・・・アンギラスのほうは?」

オペレーター「地中を時速200キロで南下中。現在山形付近です」

林田「方向はゴジラに向かってるのか?」

オペレーター「方向は完全にそうです」

林田「そうか・・・」

新井「准将」

林田「ん?どうした?」

新井「こ、これを・・・」

林田「?・・・こ、これは・・・」

新井「ギドラの言っていた核施設の見取り図です」

林田「どこでこのようなものを・・・」

新井「先ほど第1級資料から拝借してきました。保管場所とすれば、そこしかなかったようで」

林田「・・・2001年には既にこの施設は7割方完成していたというわけか」

新井「既にその当時・・・いや、もっと前から核兵器をその場所に保管していたものと考えられます」

林田「なんて事を・・・どおりでゴジラが東京を襲うわけだ・・・
    核兵器に対する恨みを抱えたものの怨念が宿っているのであれば、核施設を襲いに来たという事も十分頷ける
    場所は・・・皇居の地下か・・・天皇陛下もさすがにこのことは知らんだろう・・・」







〜御殿場〜

御殿場市は火の海と化していた。

ゴジラの通った後はあらゆる建造物が倒壊し、あちこちでガス漏れによる爆発が起こり、街を焼いていた

ゴジラが現れた直後から警察、役所の職員、国連が派遣した部隊が協力して住民を避難させていたが

何しろ急に現れたので住民はパニックに陥っていた

そうこうしているうちにゴジラは熱線を一発、御殿場の中心部に吐き、御殿場は壊滅した

そしてゴジラが御殿場を離れ、神奈川県秦野市に差し掛かったとき






キィーーーーン!!!!!

ゴジラ「?」

何かが高速で近づいてくるのを察知したゴジラは夜空を見上げる





〜戦闘機内〜

隊員「誘導弾投下!!」

5機の戦闘機から誘導弾が投下された






ヒュ〜ン

ゴジラ「?」

ドカーン!!ズドーン!!!!

ゴジラ「グガァ!?」

合計20発の誘導弾が命中したが・・・

ゴジラ「グギャアアアアアオオオオオオオオン!!!!!!!!!!」







〜司令室〜

オペレーター「誘導弾、全弾命中するも効果がありません!!」

大川「なにぃ〜!?・・・よし、着弾角度を深く取り、第2波攻撃を続けろ!!」

その場にいた人たち「(はぁ!!??何考えてんだこいつは!!??)」






〜戦闘機内〜

隊員「角度の問題じゃないだろ!!!!!」

ゴジラ「グギャアアアアアアオオオオオオオン!!!!!!!」

隊員「・・・ヤバイ・・・逃げろぉぉぉぉ!!!!」

ジジジジ・・・

ゴオオオオオオオオ!!!!!!!!

ドカーン!!ズドーン!!

次々と撃墜される戦闘機

隊員「くそ!!」

ゴオオオオオオ!!!!!!

隊員「うわああああああ!!!!!!!」

ズドーン!!







〜司令室〜

大川「なっ・・・・・」

オペレーター「全機撃墜されました!!全滅です!!」

オペレーター2「・・・司令・・・指示をお願いします・・・」

大川「ん・・・(く、くそ・・・何をすればいいんだ・・・)」

そして対策マニュアルなるものを見始める

林田「(そんなマニュアル見たってダメなものはダメなんだよ!!)」

オペレーター「秦野市にラドン飛来!!」

大川「なに!?」

林田「来たか・・・大和の守り神”ラドン”・・・」






〜秦野市〜

バババババ!!

〜ヘリ内〜

林田(真)「結構早く着いたね」

矢野「てかメッチャ危ないんじゃないか?こんな所から生中継だなんて」

小林「絶対生きて帰れないと思うんだが・・・」

林田(真)「そうね・・もう少し離れましょうか・・・」

電話(企画部長)「真由美ちゃん!!準備いいかい!!?」

林田(真)「OKです!!」

小林「3・・・2・・・1・・・」

林田(真)「私は現在ゴジラのいる神奈川県秦野市上空に来ています!!そして、今大和の守り神であるラドンが
      ゴジラに立ち向かおうとしています!!」










ラドン「ピギャアアアオオオオオオン!!!!!!!!」

ゴジラ「グギャアアアアアオオオオオン!!!!!!」

そして戦闘はいきなり始まった

ラドンはゴジラの後方に回り込み体当りを仕掛けた

後頭部に体当りをされ、前のめりに倒れるゴジラ

そしてラドンは空中から追い討ちとばかりに熱線を放つ

しかしゴジラは熱線を受けながら仰向けになると急降下してきたラドンに向けて熱線を発射

だが辛うじて熱線を避けて再び空中に舞い上がる

ゴジラは起き上がると同時に再び熱線を発射

旋回しながら上手く避けるラドン。そして雲の中に姿を消した

ゴジラ「・・・グルルル・・・」

ゴジラは辺りを見回し警戒する

ゴオオオオ!!!!

ゴジラ「!?」

突如真上から熱線が降ってきた。ゴジラは熱線の勢いで倒れこむ

そこへラドンが急降下で嘴をゴジラの厚い胸板に突き刺す

ガキィン!!

しかし予想以上に厚いゴジラの皮膚。火花が散るほどで刺さらない

ラドンはマウントを取りゴジラの顔面に嘴を突き刺す。何度も、何度も突き刺す

しかし攻撃が外れた一瞬の隙を付いてゴジラはラドンの首を締め上げた

ラドン「ピギャウウウ!!!!!」

強烈な締め上げに苦しむラドン。次第に泡を吐き出した

しかしゴジラは不意に手を離した

ラドン「!?」

ゴオオオオオオ!!!!!!!

すると至近距離から熱線を発射。ラドンは吹っ飛ばされる

ゴオオオオオオオ!!!!!!

さらに吹っ飛んだラドンに追い討ちをかけるように熱線を浴びせる

ラドン「ピギャアアアオオオオン!!!!!!!!!!」

ラドンは悲鳴を上げながら山に激突、山は崩れ、ラドンは埋れてしまった。嘴が僅かに出てる程度である

ゴジラ「グギャアアアオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!」

ゴジラは空に向かって勝利の雄叫びを上げた。そして埋れたラドンには目もくれず東に向かって歩いていく






〜ヘリ内〜

林田(真)「・・・ねぇ・・・今の戦い・・・」

矢野「ああ・・・力が違いすぎる・・・」

小林「ものの5分だぞ・・・ほぼノーダメージじゃねぇか・・・」





〜司令室〜

大川「・・・」

林田「・・・なんてやつだ・・・」

新井「あれだけ猛スピードで急降下してきたラドンの嘴を跳ね返すなんて・・・」







〜ヘリ内〜

林田(真)「私は今、ラドンが埋れている場所の上空にいます。ラドンは全く動きません・・・死んでしまったのでしょうか・・・」

小林「・・・ん!!?」

矢野「なんだ!?」

小林「なあ、真由美のバックが光ってるんだけど・・・」

林田(真)「あれ?・・・!?・・・この石・・・光ってる・・・」

矢野「それが・・・ラドンに力を与える石なんじゃないか?東条の言ってた・・・」

林田(真)「そうかも・・・投げればいいんだったよね」

ガタン!!ビシュ!!

真由美はドアを開けて石をラドンに向かって投げた

すると・・・石は光を放ちながら落下し、ラドンの嘴に当たった

次の瞬間!







ドバーーーーーン!!!!!!!






林田(真)「きゃあ!!!!!」

矢野「どわ!!!!!」

小林「なんだ!!!???」






ゴォォォォ・・・

ラドン「・・・ピギャアアアアアオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!」

埋れていた土をぶっ飛ばし、炎のオーラを纏いラドンが復活

空に向かって吠えるとラドンは空高く飛び上がり、姿を消した





〜ヘリ内〜

林田(真)「行きましょう!!」

2人「おう!!」





〜司令室〜

大川「一体どうなってるんだ!?たった今やられたやつが何で復活したんだ・・・」

新井「実はですね・・・」

新井は事のすべてを話した

大川「なんと・・・そんな事が・・・」

林田「・・・」

と、その時

オペレーター「千葉県成田山より巨大生物確認!!」

大川「なに!?」

林田「四神が・・・こんなに早く・・・やはりやつの力は相当なものなのか・・・」

大川「私は・・・私は一体何をすれば!!」

林田「・・・司令官・・・」

大川「?」

林田「私に艦隊指揮を執らせてください」












〜ヘリ内〜

林田(真)「ゴジラは現在東に向かって移動中です。東京を目指しているものと思われます
      今までにも、そして先ほどまでも、多くの人々がゴジラに命を奪われました
      しかし今、このゴジラに戦いを挑んでいる人たちがいます。ゴジラに立ち向かった怪獣もいます
      みんなが必死になって、ゴジラを止めようとしています
      そして、今テレビをご覧になってる皆さん・・・信じてはもらえないでしょうが
      大和の守り神である怪獣たちがゴジラに向かっています
      そして、国連軍、そして防衛軍が合同作戦を開始しています
      みなさん。ゴジラに立ち向かってる人たちを・・・応援してください・・・お願いします」





ゴジラ「グギャアアアアアアオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!!」



















〜横浜 首都防衛最終ライン〜

放送「現在国内には、ゴジラを含め、多数の怪獣が存在している
   飛翔する翼竜形の怪獣はラドン、山形より進行中の怪獣をアンギラス
   成田山に潜む怪獣はマンダ、千島列島にいると思われる怪獣をガメラと称する
   なお、この怪獣達に対する攻撃は禁止する」







〜哨戒艦隊司令部〜

バババババッ!!

林田「よし」

スタスタスタ

ザッ!!←敬礼

林田「艦隊指揮を執る林田だ」

隊員「艦長がお待ちです!!准将の指揮官に入ることを光栄に思っております!!」

林田「DU−03削岩弾を攻撃に使用する。速やかに対艦ミサイルに装着せよ」

隊員「了解!!」







〜横浜市内〜

避難命令の指示が早かったため、大きな混乱はなく、市民は既に安全な場所に避難していた
現在防衛軍、ならびに国連派遣部隊がゴジラ迎撃に向け最終準備を進めていた








〜艦隊司令部〜

艦長「・・・この横浜の・・・40年前襲撃を受ける前と同じような宝石のように美しい夜景が・・・戦場と化すのか・・・」

林田「・・・気付かなかったとはいえ、愚か者達を野放しにしてきた我々の責任・・・
   再び歴史を繰り返してしまうだろうが・・・今度こそはやつを・・・」

艦長「・・・私も・・・この後3度目があったらと思うと・・・今夜白黒はっきりつけましょう・・・」

林田「防人の思いは・・・古より皆同じです・・・」









〜横浜市内〜


・・・・・


ズシーン!!



・・・・・

ドシーン!!





地上部隊隊員「ゴジラ捕捉!!ライト照射!!」




ゴジラ「グルルル・・・」





隊員「後方より飛行物体!!」

隊長「む」

ラドン「ピギャアアアオオオオン!!!!!!!」

隊長「攻撃は禁じられている・・・」









ゴジラ「グルルルル・・・」

”まだ生きていたのか・・・”そう言ってる様に唸る

ズシーン!!

ラドンがゴジラの前に下りてきた

ゴジラ「ギャアアオオオオオオオオン!!!!!!!!」

ジジジジジ・・・・

ゴオオオオオオオ!!!!!!!

吠えるとゴジラはいきなり熱線を吐いてきた

林田(真)「危ない!!!!」

ゴオオオオオオオ!!!!!

しかしラドンも熱線を吐き出した。石の力で復活したラドンが身につけた熱線はパワーアップしていた

ドカーーーーーン!!!!!!

両者の熱線がぶつかり合い、大爆発を起こした

煙が晴れるとラドンはそこにはいなかった

ゴジラは辺りを見回す

すると




グラグラグラグラ!!

ゴジラ「?」

ドカーーーーン!!!!!!

林田(真)「あ、あれは!!!!」

ゴジラの前方左側から地響きと共に現れたのは






アンギラス「ギャアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!」

矢野「アンギラス・・・」

小林「でかい・・・少しは期待できる・・・かな?」






東北地方を護る氷を司る大和聖獣”アンギラス”だった























〜登場兵器〜

DU−03削岩弾

40年前対ゴジラ用に使用された兵器の改良版
元は土砂崩れなどの災害時の掘削道具として作られたのだが、急遽ゴジラ用に回された
今回のやつはドリルの部分の強度は当時の10倍
ある程度まで潜ると10万ボルトの電撃を流し、最後は大爆発を起こす

[843] 第9話 共闘作戦
呉爾羅山 - 2006年12月21日 (木) 22時46分

〜BSデジタルQスタジオ内〜

司会「現地の映像を見る限り・・・新たな怪獣が現れた模様です。繰り返します、新たな怪獣が出現しました」

企画部長「・・・真由美ちゃんたち大丈夫か?・・・凄い嫌な予感がするが・・・」




〜横浜〜

アンギラス「ギャアアアアアアアアン!!!!!!!」

ゴジラ「グギャアアアオオオオン!!!!!!!」

アンギラスはゴジラを目視するとすかさず攻撃を仕掛けた

その巨体に似合わぬ素早い動きでゴジラとの間合いを一気に詰め、腹部に体当りを仕掛けた

その体当りでゴジラが怯んだ

すかさずアンギラスはジャンプしてゴジラの顔面に回し蹴りを見舞った

側頭部にクリーンヒットしゴジラは建物に倒れこむ

さらにアンギラスは冷凍光線を浴びせる。その凄まじい冷気で周りは凍りつく

動かなくなったゴジラに警戒しながら近づくアンギラス

カッ!!!!!

ドガーーーーン!!!!!

だがゴジラは体内放射で氷をぶっ飛ばしアンギラスを捕まえた

そして膝蹴りを食らわすと力任せに投げ飛ばした。その方向には真由美たちが!!





矢野「ちょと待て冗談だろーーーーー!!!!!」

小林「逃げろーーーーー!!!!!!」

林田(真)「イヤーーーーーー!!!!!!!」

ガシ!!!!

矢野「う・・・うん????」

林田(真)「・・・あ・・・」

なんとラドンがアンギラスを捕まえていた

小林「ラ・・・ラドン・・・」

そしてラドンは少し離れた所にアンギラスを降ろした

矢野「た、助かった・・・」

小林「・・・てかここだとゴジラとこいつ等の挟み撃ちだ。早くここから離れようぜ!!」





ジジジジ・・・

ゴオオオオオオオ!!!!!!!

するとゴジラは熱線を撃ってきた

慌てて回避する2匹

ゴジラはラドンに狙いを定めているらしくラドンの後を熱線が追って来る





矢野「ラドンこっちに来るなーーーー!!!!!!!」

小林「上に逃げろ上に!!!!!!」

林田(真)「低空じゃなくて高く飛んでよーーーーー!!!!!!」

ズドガーーーーーーン!!!!!!!

爆風が3人を襲う

3人「うわああああああああああああ!!!!!!!!!!」






〜BSデジタルQスタジオ内〜

プロディーサー「げげ!!!!!」

局長「ああ!!!!!」

企画部長「真由美ちゃん!!矢野君!!小林君!!!!」





〜横浜〜

矢野「ゲホゲホ!!・・・ちくしょう・・・」

小林「・・・生きてるか?」

林田(真)「な・・・なんとか・・・ゴホゴホ!!」

矢野「・・・ひでぇ事しやがって・・・」

小林「ラドン・・・恨むぞ・・・」




ラドン「ピギャアオオオオン!!!!!」

ラドンは横浜ランドマークタワーに向かって逃げる

ゴジラ「グギャアアアオオオオン!!!!!!」

ゴオオオオオオ!!!!!!!

またゴジラはラドンに向かって熱線を放った




〜ランドマークタワー最上階〜

隊員「・・・ん!?」

隊長「お・・・おい・・・」

隊員「ラ・・・ラドン接近!!接近します!!」

しかしラドンは寸前で急上昇。その後ろからは・・・

ゴオオオオオオオオオ!!!!!!!!

全員「うわああああああああああ!!!!!!!!!!!」





ズドガアアアアアアン!!!!!!!!

その凄まじい威力で40階より上が跡形もなく吹き飛んでしまった





矢野「げ!!!!」

林田(真)「ああ!!!!」

小林「なんてやつだ・・・」


〜地上部隊〜

隊長「な!!」

隊員「あそこには友軍が!!」

副隊長「攻撃は!?」

隊長「まだ命令が無い!!」





〜艦隊司令部〜

隊員「准将!!地上部隊が命令を待っています!!」

林田「・・・まだだ・・・耐えるんだ・・・」






〜横浜〜

ゴジラ「・・・グルルル・・・」

ゴジラは辺りの様子を伺う。熱線を放っている最中アンギラスが姿を消していたのだ

ゴジラ「・・・・」

ドカーーン!!!!

ゴジラ「!!!!!」

ガブ!!!!

地中から奇襲を仕掛けたアンギラスはゴジラの首元に噛み付いた

ゴジラ「グギャアアアオオオオン!!!!!!」

そしてそのままゴジラを押し倒した。相変わらず噛み付いたまま離さない

そして馬乗りになりながらアンギラスは突如

ドドドドドドド!!!!!!!

背中の棘を発射

それがゴジラの顔面に降り注ぐ

ゴジラ「ギャアアアアオオオオン!!!!!!!!」

悲鳴を上げるゴジラ。氷柱が猛スピードで降り注いでいるのだ。堪えない訳が無い

しかしゴジラは強引にアンギラスを引き剥がした。あれだけ噛まれていたのだがゴジラの首には傷が無い

そして仰向けになったアンギラスに容赦ないストンピング

だがアンギラスはゴジラの顔面に冷凍光線を発射。怯んだ隙に脱出した





矢野「おいおい・・・あんな噛み付いてたのに何処も傷ついてないのかよ・・・」

小林「なんて皮膚してやがるんだ・・・」

ゴゴゴゴ・・・

林田(真)「!?」





〜地上部隊〜

隊長「なんだ!?」

隊員「分かりません!!地震でしょうか!?」

副隊長「くそ・・ん!!?何だあれは!!?」





突如揺れが発生。すると近くの建物が壊れ地中から





マンダ「グルルルル・・・グアアアアアアアアアン!!!!!!」






〜地上部隊〜

隊長「マンダ・・・」

副隊長「あ、あれが・・・四神・・・」





全長300メートルを超える細長い蛇のような怪獣・・・マンダが出現した






ゴジラ「!!!???」





林田(真)「大和の守り神達が・・・」

矢野「そして四神達が・・・ゴジラに・・・」





マンダは地上へ出るとすぐに舞い上がり猛スピードでゴジラに突進

そしてその長い胴体でゴジラに巻き付き、首筋に噛み付いた

ピシピシ・・・ビリビリビリビリビリビリ!!!!!!!!

ゴジラ「グギャアアアアアアアオオオオン!!!!!!!!」

締め付けを開始すると共に凄まじい電撃をゴジラに流し込む

40年前キングギドラが浴びせた電撃の非ではない




〜地上部隊〜

隊長「・・・・」

副隊長「・・・凄い・・・」





ゴジラ「ギャアアアアアアオオオオオン!!!!!!!」

ビリビリビリビリビリ!!!!!!!





小林「すげぇ・・・」

矢野「なんて電撃だ・・・雷なんてもんじゃないぞ・・・」





〜艦隊司令部〜

隊員「マンダがゴジラに攻撃を仕掛けています!!」

林田「分かっている。よし、艦を湾内へ!!海上と地上から総攻撃を決行する!!」

隊員「了解!!艦を湾内へ移動!!」

新井「このタイミングを待っていたんですね」

林田「その通り・・・聖獣たちとの共闘作戦だ」






〜横浜〜

ゴジラ「ギャアアアアオオオオオン!!!!!!」

ビリビリビリビリビリ!!!!!!!!

まだ攻撃を続けるマンダ

そこへアンギラスが

ドドドドドド!!!!!!!

再生した棘を発射

ゴジラの顔面に撃ち込む

ラドンも長距離からゴジラの後頭部に熱線を放つ






〜艦隊司令部〜

林田「奴がダメージを負ってる間に、一斉攻撃だ!!」






〜横浜〜

攻撃をやめ、マンダはゴジラから離れた

麻痺したらしくビルに倒れこむゴジラ





〜艦隊司令部〜

林田「よし、地上部隊!!攻撃開始!!」






〜地上部隊〜

隊長「全部隊攻撃開始!!」

そして各所からDU−03削岩弾を発射





ドス!!ドス!!ドス!!

ゴジラ「!?」

チュイイイイイイイン!!!!!!!ビリビリビリ!!!!!!!

ゴジラ「ギャアアアアオオオオオオン!!!!!!」

ゴジラの皮膚を強力なドリルが削り、電撃を流し込む。そして

ドカーン!!ズドーン!!

爆発を起こした

〜地上部隊〜

隊長「撃て!!!!」

そこへすかさず地上部隊はミサイル攻撃を仕掛ける

ゴジラが大爆発に包まれる

隊長「撃ち方やめ!!」

煙が立ち込める。それを少し遠巻きに囲むラドン・アンギラス・マンダ

すると、煙が立ち込める中、ゴジラがゆっくりと立ち上がった








その目は・・・怒り狂っていた・・・








ゴジラ「・・・グルルルル・・・」










[846] 第10話 逆襲
呉爾羅山 - 2006年12月24日 (日) 21時45分

ゴジラは怒り狂っていた

その恐ろしい表情が、さらに歪んでいる事からそれを読みとれた。

破壊神である自分に向かってくる身の程知らずな存在たち

しかし、予想以上の抵抗

ゴジラの体からは殺意のオーラが溢れ出していた

遠巻きに囲む3匹を睨みつける

ゴジラ「グギャアアオオオオン!!!!!」

ゴオオオオオ!!!!!!

ゴジラが雄叫びを上げると同時に熱線をラドンに向かって吐き出す

ラドンは間一髪回避した

その隙にアンギラスが懐に飛び込んで攻撃しようとする

ガシ!!

だがそれを読まれたのかゴジラに捕まれ

ガブ!!!!

アンギラス「ギャアアアアアアン!!!!!」

首に噛みつかれた。しかしアンギラスも噛み付き返す

アンギラスの首から血が流れ始めた









〜艦隊司令部〜

林田「まずい!!ミサイル発射!!」





艦隊からミサイルが発射された

ミサイルは真っ直ぐゴジラに向かいゴジラの頭部に全弾命中

ゴジラが一瞬怯んだ

その隙にアンギラスはゴジラの足を尻尾で払い、転倒させた

そして転倒したゴジラにラドンが空中から熱線を発射

しかしゴジラも熱線を放ち熱線同士が激突。大爆発を起こす

ラドンはその爆発の中ゴジラに突っ込み衝撃波をぶつけようとしたが

ゴオオオオオオ!!!!!!

ラドン「!!?」

ゴジラは至近距離から再度熱線を発射。熱線をまともに受け、ビルに吹っ飛ばされたラドン

崩れたビルの下敷きになり気絶してしまった





林田(真)「ああ!!」

小林「やばいぞおい・・・」

林田(真)「・・・?」

矢野「どうした?」

真由美はおもむろに1つの石を取り出す

林田(真)「・・・玄武・・・」

真由美の頭の中にある映像が飛び込んできた・・・










〜千島列島沖の海底〜

???「・・・グオオオ・・・」











〜横浜市内〜

林田(真)「!!・・・来るの?ガメラ・・・」

矢野「ガメラだと!?・・・目覚めたのか?」

林田(真)「恐らく・・・一瞬見えたの。ガメラが海底で目を覚ますのを・・・」









〜千島列島海域〜

・・・・・・




・・・・




・・・ザザーーーーン・・・




ドバーーーーーーン!!!!!!





???「グワアアアオオオオオオオン!!!!!!!」









〜防衛軍司令室〜

オペレーター「千島列島の海域より巨大生物出現!!」

大川「なんだと!?」

補佐官「・・・東京へ向かってるのかしら・・・」

オペレーター「巨大生物は南へ飛行!!」

補佐官「・・・やっぱり・・・」








〜横浜市内〜

ゴジラは気絶したラドンにトドメを刺そうと瓦礫に近づく

しかしマンダが阻止しようと前に出る

マンダはその長い尻尾をゴジラの顔面にぶつけた

だがその攻撃をもろともせず胴体を捕まえマンダを引っ張り込む

ゴジラは逃げられないように胴体を踏みつけ首を締め上げる

マンダ「グワオオオオオオ!!!!!」

締め上げられ苦しむマンダ

マンダを助けようとアンギラスが後ろから冷凍光線を発射

背鰭に当たりゴジラの注意が一瞬後ろに向いた

その隙にマンダは空中へ逃げる

ゴジラはアンギラスに向かって熱線を発射

アンギラス「!?」

まともに喰らい吹き飛ぶアンギラス

さらに空中に逃げたマンダに向かって熱線を発射

マンダ「!?」

避けることが出来ず墜落するマンダ

ゴジラ「グギャアアアアオオオオオン!!!!!!!!!!!」

ゴジラが吠えた。敵をあざ笑うかのように吠えた

そしてゴジラはついに防衛軍に狙いを定めた











〜地上部隊〜

隊員「隊長!!ゴジラがこっちに向かってきます!!」

隊長「くそ・・・最後になるかもしれん・・・ミサイル発射!!」

ドドドドドド!!!!!

ゴジラにミサイルが次々と命中する

しかしゴジラは着実に歩を進めてくる

ジジジジ・・・

隊員「あ・ああ・・・・」

隊長「・・・くそ・・・無念・・・」

ゴオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!

ズドガアアアアアアアアン!!!!!!!!!

熱線は放たれた

目の前の部隊を吹き飛ばすと街を破壊しつつ他の部隊にも熱線を吐き掛ける

隊員たち「うわああああああああ!!!!!!!!!」





矢野「うわ!!」

小林「あの野郎!!!!」

林田(真)「何て事を!!!!」











〜艦隊司令部〜

隊員「損耗率は80・・・いえ、90%以上!!」

林田「くそ!!・・・やつめ・・・」











〜横浜市内〜

ゴジラ「グギャアアアアオオオオオオオン!!!!!!!!!!」

咆哮が横浜市内に響き渡る

マンダ「グ・・・グルルル・・・」

マンダが苦しげな呻き声を上げ何とか立ち上がろうとする

しかし防御力に難のあるマンダ。先ほどの一撃が相当効いてるらしく思うように体が動かない

ジジジジジ・・・

ゴジラはマンダにトドメを刺そうとする

アンギラス「ギャアアアアアアン!!!!!!!

ドガァ!!!!!

ゴジラ「!!??」

しかしアンギラスが体当りを仕掛けゴジラをぶっ飛ばす

ゴジラの熱線はマンダから外れ海上へ・・・そこには艦隊が・・・

ズドガーーーーン!!!!!!











〜艦隊司令部〜

グラグラグラ!!!!

揺れが艦隊を襲う

林田「うお!!」

隊員「僚艦”にしき”が爆破!!我が艦も被弾しました!!」

艦長「被害状況を確認しろ!!」

隊員「被害状況確認!!機関砲付近被弾!!」









〜横浜市内〜

アンギラスは体当りを仕掛けた後ボールのように丸まり転がる

その姿は棘のついた鉄球

起き上がったゴジラにその状態で体当りを仕掛ける

ズドン!!!!

ゴジラ「グギャアアア!!!!」

皮膚を削りゴジラを吹っ飛ばす

アンギラスは体勢を戻しゴジラを睨む

起き上がったゴジラもアンギラスを睨む

すると

ドカーーーーーン!!!!!!

ゴジラ「!?」

先ほどまで気絶していたラドンが瓦礫を吹っ飛ばしてゴジラに突進

突然の事にゴジラは避けきれずソニックブームを喰らった

よろけた所にアンギラスが冷凍光線を放つ

この波状攻撃にゴジラは悲鳴を上げ、倒れこむ

すかさずアンギラスが馬乗りになり腹を踏みつけ、顔面に拳を落とす

そして再び喉に噛み付く

だがゴジラはアンギラスの首筋に爪を立てる

次第にゴジラの爪が赤く染まる

アンギラスは苦しくなったか、噛みつきに力が無くなった

ゴジラはその一瞬を見逃さず、アンギラスを跳ね除けて起き上がる

ラドンが助けようと後ろから奇襲を仕掛けようとするが

バキィ!!!!

尻尾で弾き飛ばされてしまった

しかも翼を折られ、肋骨も折られてしまった

街中に墜落し、吐血し動かなくなるラドン

そしてそのままアンギラスを持ち上げ投げ飛ばした

ドガシャアアアアアン!!!!!!!!

そして、近くのビルに突っ込むアンギラス

そこへ追い討ちをかけるように熱線を放つ

ゴオオオオオオオ!!!!!!!!

アンギラス「ギャアアアアアアアアン!!!!!!!!!」

悲鳴を上げ動かなくアンギラス









〜横浜市内〜

林田(真)「あ!!」

矢野「こりゃまずいぞ・・・」

小林「・・・石貸してくれ」

林田(真)「え!?」

小林「早く!!」

林田(真)「え、ええ・・・」

そして石を小林に渡すと・・・なんとアンギラスの元へ走り出した

林田(真)「え!!?危ないわよ!!」

矢野「なにやってんだあのバカ!!ゴジラが来るぞ!!」

ズシーン!!ズシーン!!

ゴジラはアンギラスに止めを刺そうと近づく

小林「んなこと言ってる場合じゃねぇよ!!おらぁ!!!!」

ビシュ!!!!

小林は叫びながらアンギラスに向かって石を投げた

すると石はアンギラスの口に吸い込まれた

ゴジラ「?」

ゴジラはその光景を不思議そうに見つめていた

小林「やべっ・・・退散!!!」

カッ!!!!!!

ゴジラ「!!!!!???」

突如アンギラスから眩い光が発せられた

林田(真)「!!!!」

矢野「うわ!!!!」

そして光が収まると

アンギラス「・・・ギャアアアアアアアン!!!!!!!」

受けた傷がすべて回復したアンギラスがそこにはいた

ゴジラ「!?」

ゴジラは戸惑った。自分の攻撃をまともに受け、虫の息だった敵が何故復活したのかと







小林「よっしゃ!!蘇ったぜ!!」

矢野「なにやってんだよお前は!!勝手な行動はやめろよ!!」

小林「あれしかないだろ!!もし俺が行かなかったらあいつやられてたぞ!?」






アンギラス「ギャアアアアアアアン!!!!!!!」

アンギラスは吠えるとゴジラに突進

その時アンギラスの爪には冷気が渦巻いていた





ズバァ!!!!

ゴジラ「グギャアアア!!!!!」

アンギラスは爪に纏った冷気を一瞬だけエネルギー状にしてゴジラを切り裂いた

切られた所から血が吹き出した

小林「お!?皮膚切り裂いたぞ!!」

そこへ何とか動けるようになったマンダが口から電撃を纏った水流”ハイドロキャノン”を発射

傷口から体内へ電撃が走る

ゴジラ「グギャアアアアアアオオオオオオオン!!!!!!!!!!」

悲鳴を上げ倒れこむゴジラ






林田(真)「行けるわ!!」

小林「よっしゃー!!ボコボコにしたれー!!!!」





アンギラスは馬乗りになり再度切り裂こうとする

だが









グサ!!!!!

アンギラス「ギャアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!」

突如アンギラスがゴジラから離れた

小林「は!?なんだ!?どうした!?」

矢野「げ!!あれ見ろ!!」

なんとアンギラスの目にビルの破片が刺さっていた

林田(真)「キャア!!!!なんなの!!どうしたのよ!!」

ゴジラ「・・・グルル」

ゴジラがニヤリと笑ったように見えた

犯人はゴジラであった。すぐそばにあった鋭利な破片をアンギラスの目に付き刺したのだ

小林「あの野郎・・・」

そしてゴジラはアンギラスに近づき腹に蹴りを入れる

吹っ飛ばされ仰向けに倒れるアンギラス

さらにゴジラはアンギラスの腹を踏みつける

何度か踏みつけられ血を吐き出すアンギラス

そしてゴジラは至近距離で熱線を吐いた

ゴオオオオオオオオ!!!!!!!!

アンギラス「ギャアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!!!」

まともに熱線を喰らってしまったアンギラスは動かなくなった

そしてゴジラは少し離れ止めを刺そうとする

ジジジジ・・・







矢野「やばい!!トドメ刺されるぞ!!」






ゴオオオオオオオオオオオ!!!!!!

熱線は吐かれた





















ラドン「ピギャオオオオオオオオン!!!!!!!!!!」

林田(真)「え!?ラドン!?!?」






なんとラドンが最後の力を振り絞りアンギラスの前へ・・・そして・・・






ズドガアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!

最後の力を振り絞り仲間を庇ったラドンは爆発、炎上した

炎上したラドンは粒子となり上空に消えた








矢野「ああ!!!!」

林田(真)「・・・ラドンが・・・」

小林「なんてやつだ・・・」











〜艦隊司令部〜

新井「ラドンが・・・やられました・・・」

林田「・・・くそ・・・」










〜横浜市内〜

ゴジラ「グギャアアアアアアアアアオオオオオオオオン!!!!!!!!!」

ゴジラは雄叫びを上げた

敵を1匹仕留めて歓喜するかのように吠えた

残る2匹は万全で戦えない。倒すのは容易いと思っていた

しかもアンギラスに付けられた傷がもう治っていた

いくら再生能力が高いとは言ってもこれは異常だった






林田(真)「あの攻撃・・・無駄だった訳!?」

小林「そんなバカな・・・」

矢野「どんだけの再生能力だよ・・・あれじゃ一気に片付けないと勝機は無いぞ・・・」






ゴジラは次に倒れているアンギラスにトドメを刺そうと近づこうとした









・・・ゴォォォォォ・・・






ゴジラ「?」





何かの音が聞こえ、そちらに目を向けるゴジラ





・・・ゴオォォォォォ・・・





その音は次第に大きくなってきた









〜艦隊司令部〜

林田「どうした?」

隊員「謎の巨大生物接近中!!」

林田「巨大生物・・・まさか・・・」









〜横浜市内〜

林田(真)「あれ見て!!」

矢野「・・・あれは・・・」

小林「・・・あれが・・・ガメラ・・・」






ゴオオオオ!!!!!

ガメラ「グワアアアアオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!」

ゴジラ「!?」

ガメラは上空からゴジラに吠える

ズシーン!!!!ズザザザザザアアアアア!!!!!!!!

ガメラは飛行速度のまま地面に着地。地面を滑りながらブレーキをかけると共に







ドウン!!!!!

ゴジラ「!!!!!!」

地面を滑りながらゴジラに向かってプラズマ火球を発射

ゴジラ「グギャアアアン!!!!!」

その凄まじい威力にゴジラはぶっ飛んだ





ズザザザ・・・

ようやく停止したガメラ

ガメラ「・・・グルルルル・・・」

ゴジラを睨みつける

ゴジラ「・・・ギャアアアアオオオオオン!!!!!」

起き上がったゴジラも睨みつける

そして、アンギラスも目を覚ましヨロヨロと立ち上がる。マンダもガメラのそばに行く

ガメラは2匹を交互に見て再度ゴジラを睨む

仲間を痛めつけられガメラは腸が煮えくり返る思いでいた

小林「・・・こりゃやばい戦いになりそうだな・・・」










[855] 第11話 流れを変えた決死の・・・
呉爾羅山 - 2007年01月01日 (月) 13時32分

ガメラは来た
しかし状況は不利だ
ラドンはゴジラの熱線を受け爆砕
アンギラスはゴジラの猛攻を受けて重傷
マンダもゴジラの熱線を受けダウン寸前
そして軍の間でも、全く歯が立たないゴジラを前に、動揺が起きていた





〜艦隊司令部〜

林田「・・・我々は・・・何も手を出せんのか・・・」

新井「・・・」

林田「(・・・まずい・・・これ以上動揺が広がれば作戦行動に支障を来す・・・
    だが、その動揺を食い止める手段などない・・・
    まさかあれほど絶対的な力を持っているとは・・・
    ガメラが来たとはいえ、このままでは動揺が戦意喪失に変わるのは時間の問題だ・・・)」

隊員「准将・・・被害状況確認の結果・・・
   我が艦から遠距離攻撃を仕掛けるのは・・・不可能です・・・」

林田「・・・くそ!!!!」






〜横浜市内〜

林田(真)「・・・何でさっきから動かないのかしら・・・」

矢野「隙を窺ってるんだろう・・・両者とも・・・」

小林「・・・この隙にここから少し離れようぜ・・・もうとばっちりはゴメンだぜ・・・」

矢野「その方が良さそうだ・・・走れ!!」

3人はその場を急いで離れた







・・・・・・・

・・・・・

・・・

膠着状態が続く






ガメラ「・・・・・」

ゴジラ「・・・・・」








林田(真)「はぁ・・・はぁ・・・ここまで来れば・・・何とか大丈夫でしょ・・・」

矢野「多分な・・・」

小林「さっきからずっとカメラで撮ってるけど・・・ちゃんと届いてるのかね?」

矢野「さあ?」

林田(真)「・・・それにしても動かないね・・・」














ジジジジ・・・

ゴオオオオオオオオ!!!!!!!

痺れを切らしたのか、ゴジラが熱線を撃ってきた

ドウン!!!!!!

それと同時にガメラも火球を吐く

ドガーーーーーーン!!!!!!!!

両者の攻撃がぶつかり大爆発を起こす

ガメラは爆発の瞬間、飛行形態になりゴジラに突っ込んだ

ドカーーーン!!!!!!

煙の中から突然現れたガメラを回避することも出来ずゴジラは倒れこむ

そしてガメラは空中へ舞い上がる

そこへゴジラが倒れながらも熱線を撃つ

しかし素早い動きで攻撃をかわす

ゴジラは起き上がり傷を負っている2匹に攻撃を定めた

ジジジジ・・・

熱線を吐こうとしたが

ドウン!!!!ドウン!!!!ドウン!!!!

ガメラが空中からプラズマ火球を3連発

2発は僅かに逸れてゴジラの両脇で大爆発を起こしたが1発は後頭部に直撃した

ゴジラは前のめりに倒れる

そこへアンギラス、マンダが冷凍光線、ハイドロキャノンを叩き込む

そしてガメラも、もう1発火球を吐く

ドウン!!!!!!

バキィーーーン!!!!!!!

ゴジラ「グギャアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!!」

ゴジラの背鰭の一部が砕け散った

ズシーン!!

ガメラが通常形態になり降りる

小林「こりゃ堪えたんじゃないか?」

ゴジラ「・・・グルルルルル・・・」

ゴジラは完全にキレていた。誰でも分かるほど殺気が体から溢れていた

矢野「あ・・・何かやばそうな雰囲気・・・」

林田(真)「・・・もっと遠くへ逃げましょう!!」

小林「激しく同意!!!!」

矢野「同じく!!!!」

3人は先ほどより速いスピードでその場から逃げ出した

ジジジジ・・・

熱線を撃ってくる。ガメラは攻撃を回避しようとした







ゴオオオオオオオオ!!!!!!!!

マンダ「!!!!!!!」

だがゴジラは急に向きを変え、マンダ目掛けて熱線を撃った









矢野「やばい!!!!」









アンギラス「ギャアアアアアン!!!!!!!」

しかしアンギラスが立ち塞がり・・・

マンダ「!?!?!?!?」

ズドガーーーーーーーーン!!!!!!!!!!








林田(真)「ああ!!!!」

小林「またかよ!!!!!」

アンギラスがマンダを庇い爆砕した。アンギラスは光の粒子となり上空に消えた

矢野「嘘だろ・・・」












〜艦隊司令部〜

隊員「アンギラスがやられました!!!!!」

林田「うぅ・・・おのれ〜・・・」














〜厚木航空基地〜

下士官「中尉!!おやめください!!林田准将からも、大川司令官からも出撃命令は出されていません!!
     出撃すれば命令違反になります!!」

若い下士官が、最新の爆弾、その他の爆弾を大量に搭載した爆撃機に乗り込もうとしている中年の中尉を必死にとどめていた

中尉「・・・行かせてくれ・・・」

そう言うと銃を向けた

下士官「!!!!」

中尉「・・・もはや命令がどうのこうのではない・・・命をかけて怪獣たちが戦っているのだ
   危機に陥っているのをただ傍観していて、何が中尉、何が軍人だと言うのだ・・・」

しかし下士官はそれでも食い下がる

下士官「しかし!!やつは我々の最新兵器であるTX爆弾は通用しません!!無謀です!!!!」


*TX爆弾とは、日米軍合同で開発した新型の爆弾で、その威力は原爆と同等
 だが、原爆と違って放射能汚染はない


中尉「無謀は承知だ。だが、隙を作るくらいは出来るだろう」

下士官「中尉・・・まさか・・・」

中尉「・・・君はまだ若い。これからこの日本を背負っていく若者だ。死ぬのは老いぼれで十分・・・
   未来を・・・しっかり守れよ」

そう言い残すと、中尉は爆撃機に乗り込んだ

下士官「中尉!!!! おやめくださーーーい!!!!」

下士官が涙を流して最後の説得をしようとも、中尉は止まらない

爆撃機は飛び立っていった











〜艦隊司令部〜

林田「なに!?爆撃機が1機飛び立っただと?」

隊員「岡本中尉だそうです・・・」

新井「岡本さんが!?」

岡本隆司

第1話で林田に出動命令を知らせに来た中尉である

非常に有能ではあるが、一本気すぎるが故に出世の遅れている男である

林田とは若い頃同じ釜の飯を食った仲であり、家族ぐるみの付き合いでもあった

よくケンカもして、一緒に飲み、お互いを励まし合った戦友だ

新井は岡本中尉を非常に慕っていた

入隊当初、一番面倒を見てもらった先輩である

どちらかというと叱られる方が多かったが

訓練の時いつも声をかけてくれ、的確なアドバイスを受けていた

確かに岡本中尉なら、あの戦い、束になってかかっても敵わないという現状を見て黙っているはずがない

それは理解できる

しかし、あまりに無謀。

過去、防衛軍の攻撃をものともせず、意に介していないゴジラを相手に、ただ一機で何ができるというのだ

林田「(・・・何ができるか、は問題ではないか・・・)」

林田も岡本中尉の気持ちは痛いほど分かっていた

もし同じ立場であれば、同じ事をしていたかもしれない

しかし、今は自分が突撃するわけにはいかない

林田「・・・残っている全軍に伝えろ・・・岡本中尉を援護せよ・・・それと怪獣たちの援護も忘れずにと」

隊員「はっ!!」

林田「ただし・・・気の進まない者を無理に出撃させるな・・・
   戦いに行けと言うわけではない・・・死にに行けと命令するようなものだ・・・
   必ず・・・志願者のみを出撃させるようにな・・・これは厳命だ」

隊員「はっ!!」

林田「(・・・くっ・・・まさかこの時代に神風特攻隊のような真似を、部下にさせねばならんとは・・・)」

林田は机に両拳を叩きつけた

強要はさせない

太平洋戦争時代のように、強制的に断れないようにするわけではない

しかし、どう言い訳してもやっている事に大きな違いはない

部下たちには妻も、子も、親もいるだろう

それらの為に命をかけろと言うのは聞こえがよいが、逆に言えば家族をおいて死んでこいと言っているのだ

林田は自分の不甲斐なさを思い知らされ、無力さを噛みしめるしかなかった












〜横浜市内〜

アンギラスを撃破され、残り2体となった聖獣たち

ゴジラは背鰭を吹っ飛ばされた「お礼」と言わんばかりにガメラ、マンダと交互に熱線を撃つ

するとガメラが熱線を受けた

墜落したガメラに近寄り追い討ちをかけようとしたが

マンダ「グワオオオオオオオオン!!!!!!!」

マンダがその隙を見逃さずゴジラの体に巻きつき電撃を流す

ビリビリビリビリビリ!!!!!!!!

ゴジラ「ギャアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!」

悲鳴を上げるゴジラ

だが








ジジジジ・・・








林田(真)「熱線撃つ気よ!!」

矢野「やばいぞ!!あんな至近距離じゃ!!」

だがゴジラの背鰭だけではなく、体も徐々に光り始める

小林「ん?なんであいつの体が?・・・自分の体も焼くつもりか!?」

矢野「・・・まさか自爆しようってんじゃないだろうな!?この横浜もろとも!!?」

林田(真)「それだけはマジで勘弁よ!!」











〜艦隊司令部〜

林田「なんだ!?あれは!?」

新井「ゴジラが発光している・・・?」

林田「・・・まさか自爆する気か!?」

新井「そんな!?もし自爆したら・・・原爆以上の脅威は免れませんよ!?」











〜横浜市内〜

マンダは発光に気付き、逃げようとしたが

ガシッ!!

ゴジラが胴体を掴み離さない

ゴジラ「(ニヤッ)」

一瞬ゴジラが笑ったように見えた

ドウン!!!!!!

ガメラはマンダを助けようと火球を放った








カッ!!!!

ズドガアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!!!

小林「どわああああああああああ!!!!!!!」

矢野「うわあああああ!!!!」

林田(真)「きゃあああああああああああ!!!!!!!」













〜艦隊司令部〜

グラグラグラグラ!!!!!!

林田「ぬお!!!!」

新井「うわ!!!!」











閃光が辺りを包んだ















〜BSデジタルQ局内〜

局長「!!!!!!」

企画部長「なっ・・・」

司会「現場の真由美さん!?!?真由美さん!?!?!?!?・・・え〜映像が途切れてしまいました
   回復次第また現場からお伝えします」

司会は平静を装っているが内心は揺れに揺れていた















〜横浜市内〜

林田(真)「・・・いたたた・・・」

矢野「ゲホッゲホッ!!・・・くそ・・・大丈夫・・・!?!?!?!?」

林田(真)「どうし・・・!?!?!?」

そこには・・・

林田(真)「け・・・健ちゃん!!健ちゃん!!!!」

変わり果てた小林の姿が・・・

林田(真)「健ちゃんてば!!!!起きなさいよ!!!!」

矢野「・・・・・・」

林田(真)「起きなさいって!!!!!!・・・何で・・・何で・・・
      うわあああああああああああああ!!!!!!!!!」

矢野「・・・・・・」



























小林「そう簡単に死ぬかボケェ!!!!!!」

林田(真)「ぎゃああああああああ!!!!!怨霊うううううう!!!!!!!」

バキィ!!!!

強烈なアッパーカットが炸裂した

小林「ぐはぁ!!!!!」

矢野「Σ(゚Д゚; )」

林田(真)「お願いだから成仏して!!!!確かに以前特ダネで撮ったテープ間違って捨てたり
      悪戯であんたのコーラに睡眠薬入れて顔に落書きしたあと唐辛子を鼻いっぱいに突っ込んだり
      辛子を口いっぱいに放り込んだ状態でテキーラ飲ませたりしたけど
      呪い殺すのだけは勘弁してぇぇぇ!!!!!!」

小林「・・・一連のあの出来事の主犯は お の れ だったのかゴルァァァァァ!!!!!!!」

矢野「・・・どうでもいいが、こいつ生きてるからさ」

林田(真)「え・・・あ、本当だ」

小林「・・・さっき泣いてたくせしやがって」

林田(真)「べ、別にあんたが死んだと思ってないてたわけじゃ」

矢野「明らかに矛盾してるぞ。とりあえずさっさと逃げようぜ。茶番は後でやれ」

小林「お、おう・・・真由美・・・後で覚えてろよ・・・倍返ししてやる・・・」

林田(真)「ゴメン・・・(でも生きててよかった・・・)」

小林「作者め・・・何が(変わり果てた姿)だ・・・」










〜艦隊司令部〜

林田「くそ!!・・・やつめ・・・」

新井「ゴジラは・・・!?」












〜横浜市内〜

ゴジラ「・・・グギャアアアアオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!」

歓喜の雄叫びを上げるゴジラ

ゴジラは自爆などしていなかった

相手が至近距離にいる場合に使用する隠し必殺技

体内放射

威力は熱線とまでは行かないが、相当な破壊力を持っている

しかも周囲360度すべてに攻撃が行き届くため回避は相当離れていないと不能

ガメラ「・・・グルルルル・・・」

ガメラも至近距離にいたため吹っ飛ばされ、大ダメージを追ってしまった

そして・・・








マンダはゴジラの攻撃を一番近くでまともに受け、既に姿はなかった













〜艦隊司令部〜

隊員「マンダ消滅!!!!」

林田「・・・・・・」

艦長「被害状況確認しろ!!」















〜横浜市内〜

ゴジラ「・・・・・・」

ズシーン!!ズシーン!!

ゴジラが向きを変え、歩き出した















〜艦隊司令部〜

艦長「!?やばい・・・やつがこっちを向いてる・・・」

隊員全員「!!?」

その場は一瞬で凍りついた














〜横浜市内〜

ゴジラは最後に残っている艦隊に狙いを定めた

ゴジラ「グルル・・・」






キィーン・・・

ゴジラ「?」

1機の爆撃機が飛来した

林田(真)「・・・?・・・戦闘機?」

矢野「おいおい・・・1機で何しようってんだ・・・」

小林「一機じゃん・・・」












〜機内〜

岡本「・・・早苗、悠樹、良美・・・最低な父ちゃんだよな・・・
   だがな・・・俺は死んでもお前らを草葉の陰から見守ってるからな・・・
   こんな父ちゃんだけど・・・許せよ・・・」

無線「岡本・・・」

岡本「林田准将・・・申し訳ありません。こんな事をしてしまい・・・」

無線「謝るのは俺のほうだ・・・こんな無能な指揮官で・・・お前にこんな事をさせて・・・」

岡本「いえ・・・」

無線「・・・思い切ってやれ・・・」

岡本「・・・はっ・・・」

そうして無線は切れた












〜艦隊司令部〜

新井「中尉はどうするつもりですか!?」

林田「・・・あいつは・・・あいつは特攻する気だ・・・」

新井「!!!!!!!」












〜横浜市内〜

ガメラ「・・・グルル・・・」

ガメラも爆撃機の存在に気付いたらしく、空を見上げる













〜機内〜

岡本「・・・玄武・・・ガメラといったか・・・お前もこんな事は無駄な事と思っているだろう・・・
   だが・・・我々は無力だ。しかし、臆病者ではない
   我々のためではなくても、命をかけて戦っている仲間を・・・見殺しには出来ない」

聞こえてはいないだろう。だが岡本はガメラに語りかけるようにそう言った

岡本「私も・・・僅かであろうが時間稼ぎに協力しよう・・・
   爆発の余波がお前に及ばぬよう、その場から離れるなり甲羅に篭るなり注意してくれ・・・」

するとその言葉が伝わったかのようにガメラは甲羅に篭った

岡本「!!・・・分かったのか・・・ふふ・・・」

岡本中尉が乗っているのは戦闘機ではなく、投下型爆弾のみ搭載を可能としたタイプの爆撃機だ

誘導弾やミサイルを搭載しているわけではない

TX爆弾、その他大量の爆弾を搭載しているが、そんなものを投下したところで通用しないのはわかっているはず

それに飛行高度が低すぎる上に、高度を徐々に下げてきている

今、TX爆弾を投下すれば爆撃機は間違いなく爆発に巻き込まれる

そして岡本中尉は進行方向をある一点に向けた

高度を下げ、速度を急速に上げる

岡本「家族を守るために戦い死す事になんの悔いがあるか」

岡本中尉の頭の中には今まで過ごしてきた思い出が過ぎる

自然と涙もこぼれる

そして、目指すべきその一点が近くなってくる

それは・・・ゴジラの口!!

岡本「うおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!」

ゴジラ「グガ!?」












〜横浜市内〜

ズドガアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!!!

林田(真)「きゃああああ!!!!!!!」

矢野「うお!!!!!!」

小林「げげ!!!!!」

爆撃機は見事にゴジラの口の中に突っ込んだ












〜司令室〜

オペレーター「ああ!!!!!」

その模様は防衛軍の本部のあらゆるところでモニターされていた。

岡本中尉の壮絶な玉砕に、一同は声を失っていた













〜横浜市内〜

ゴジラ「グギャアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!!!!

いくら異常な程の防御力を誇っているゴジラでもこればかりは相当堪えた
体内で大爆発が起こったのだ。口から大量の血を吐き出し、苦しむ

ドウン!!!!!!

それを見たガメラはすかさず火球を吐き出す

ゴジラの胸に命中し、さらに血を吐き、動かなくなった










〜艦隊司令部〜

林田「・・・岡本・・・無駄ではなかったな・・・」

新井「・・・はい・・・」

林田「だがまだ安心できんぞ・・・注意しろ・・・」











〜横浜市内〜

林田(真)「・・・死んだのかな?」

矢野「分からんぞ・・・あの化け物・・・」

小林「・・・なあ・・・」

2人「?」

小林「・・・何か・・・微かに・・・」

・・・グラ・・・

小林「地面、揺れてないか?」

・・・グラグラグラグラ!!!!!






ガメラは揺れる地面に注意しつつ、ゴジラを警戒しているのかその場から動かない








カッ!!!!!!

ガメラ「!!!!!!!!!!」

突如ゴジラが赤く光った

光が収まると







ゴジラ「・・キ・・・サ・・・マ・・・ラ・・・・・・・・コ・・・ロ・・・ス・・・」














[860] 第12話 戦いの果てに
呉爾羅山 - 2007年01月05日 (金) 23時28分

ゴジラ「・・・・・・」

ゴジラの体の周りでは赤い稲妻が走り、オーラが渦を巻く
背鰭からは高温が発せられているのか、背後の建物が燃え始めている

林田(真)「な・・・・・・」

矢野「・・・今・・・ゴジラのやつ・・・」

小林「・・・喋ったよな!?」

矢野「ああ・・・聞こえた・・・」

林田(真)「・・・怨霊が言わせてるのかな・・・」

矢野「だろうな・・・それに、沸点を超えて相当お怒りのようだぜ・・・」

林田(真)「暢気なこと言ってる場合じゃないわよ・・・それに・・・あんな真っ赤に燃え上がって・・・何が起こってるの?」
   
矢野「ありゃ・・・まさか赤色熱線か!?」

小林「赤色熱線!?」

矢野「ああ、俺が見っけた四神伝記の最後のページに”やつ”の禁断の術と書かれたページがあって・・・
    赤色熱線はゴジラ最後の武器にして最大の必殺技
    ゴジラが窮地に追い込まれた時、自らの体内に隠されている能力を覚醒することにより使えるらしいんだが・・・」














〜艦隊司令部〜

隊員「・・・!?・・・何だこれは・・・」

林田「どうした!?」

隊員「准将・・・こ、これを見てください・・・このデータは、今ゴジラがいる場所で感知されている放射性物質を
    抽出したものなんですが・・・」

モニターに2種類の画像が映し出された

隊員「これが何を意味するか分かりますか?」

林田「いや・・・形状に若干の違いがあることは分かるが・・・」

隊員「それだけ分かれば十分ですよ。そう、二つの核物質は非常に似通っているに関わらず相違点が見られます
    相違のレベルは僅か中性子と陽子それぞれ数個分でしかないんです・・・」

それを聞いて林田は論点が分かった

林田「なるほど・・・放射性同位体のようなものだな・・・」

*放射性同位体とは、同じ元素に属しながらも中性子の数が異なる原子核持つ原子のことであり
  中性子と陽子の数が適当ではない場合、原子核は崩壊を起こし放射線を放出する
  つまり、目の前にある二つのサンプルは全く同じではないけれども、極めて性質が似通っていることを現していた

隊員「そうです。サンプルAにはウラン235が多く含まれています。これは一般に核燃料として使われている物質であり
    先にゴジラが襲ったアメリカ原潜の燃料もこのウラン235を使った濃縮ウランです
    そしてつい先ほど集中砲火を受け、倒れるまでゴジラはまだ体内でウラン235を代謝していました
    しかし激しい戦いでエネルギーを激しく消耗し、倒れた瞬間の数値はほぼ0
    体の中に残っていたのは燃焼を終えた高レベル核廃棄物だけだったと思われます
    しかし、ゴジラは復活した。復活の鍵を握るのはこれ…サンプルBです」

モニターの画面が入れ替わる

林田「・・・ちょっと待て・・・これは確かなのか!?本当にこんなものが今・・・やつから発せられているのか!?」

隊員「はい・・・」

新井「私にも見せてください・・・!!!!・・・プルトニウム239・・・そんなバカな・・・」

2人は目を見張った

隊員「はい・・・復活したゴジラが代謝していたのは間違いなくプルトニウム239です
    プルトニウムは自然界には存在しない物質でウラン235の同位体である
    ウラン238に中性子を吸収させることで人工的に精製されるのです
    つまり、ゴジラが原潜から吸収したウラン235以外にウラン238を体内に貯えていたとしたら・・・」

林田の脳裏に一つのイメージが出来上がりつつあった
ウラン235からウラン238、そしてプルトニウム239・・・
彼はこのキーワードから導き出されるとある装置のことを思い出した

林田「・・・まさかやつは体内に高速増殖炉を持っているとでも言うのか!?」

*高速増殖炉とは核分裂で発生した中性子を減速せずに次の分裂に入る方式を言う
 
 ウラン238をプルトニウム239に転換するのに適した原子炉で
 
ルトニウムの燃焼による発電をしながら燃料を使用前以上に増やすことが出来るという画期的な原子炉である

隊員「今まで我々はゴジラの体内が核分裂物質を代謝するだけの原子炉のようなものと考えていました
    しかし、生命の危機に瀕したゴジラは眠っていたはずの能力を目覚めさせた
    ヤツは今自分の体内で自らプルトニウム239を生み出しているのです
    核物質の中で最も半減期が長く、生物に対する毒性が強い、史上最悪の核分裂物質プルトニウム239を・・・」

プルトニウム239の半減期はおよそ2万4000年。汚染されれば最低でも100年間は生物の住めない死の世界と化す
そんなものを撒き散らしながらゴジラは立ち上がっている・・・

林田「(・・・一体この国はどうなる・・・)」

隊員「それと准将・・・さらに・・・まずい事が・・・」

林田「まだ何かあるのか・・・いい加減にしてほしいものだ。ゴジラのやつめ・・・」

隊員「この温度計を・・・」

新井「・・・これは・・・ゴジラの周りの温度が・・・」

隊員「それだけではありません。これを見てください」

林田「・・・!!・・・ゴジラの心臓部の温度が・・・700度を超えている!?」

新井「しかも・・・急上昇している・・・」

林田「・・・おい・・・まさかやつは・・・」









〜横浜市内〜

小林「・・・なあ・・・」

矢野「どうした?」

小林「・・・何か暑くないか?」

林田(真)「・・・そういえば・・・」

ゴジラ「グギャアアアアアオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!」

3人「!!!!」

ガメラ「!!!!!」

ゴオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!

ゴジラは赤色熱線を放った

ドガアアアアアアン!!!!!!!!

ガメラ「グワアアアアアアアオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!」

その凄まじい破壊力は、ガメラの肩、甲羅の一部を吹き飛ばした

悲鳴を上げながらガメラは倒れこむ

そしてガメラを吹き飛ばした熱線は横浜駅周辺に着弾

ズドガアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!!!!!

横浜駅周辺500メートルが跡形もなく消し飛んでしまった

林田(真)「うわ!!!!!」

矢野「なんてパワーだ・・・!!?」

小林「今の軽く撃った感じだよな・・・それであの威力は・・・本気出したらここら一帯ぶっ飛ぶぞ!!」

ゴジラ「グギャアアアアアアアアアオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!」

ゴオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!

しかしゴジラは自分に宿った有り余るパワーを制御しきれず、熱線を乱射する

ズドガアアアアアアアアアアン!!!!!!!!

ドゴオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!

ズガアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!










〜艦隊司令部〜

林田「うお!!危ねぇ!!」

新井「くっ!!!!」

艦長「なんて野郎だ・・・あんなに熱線を乱射しやがって・・・」














〜横浜市内〜

ゴジラの熱線はみなとみらい21区を完全に焼く尽くした

ガメラ「グワアアアアオオオオオン!!!!!!!!!!」

ドウン!!!!

起き上がったガメラが火球を放つ

ゴオオオオオオオ!!!!!!

ゴジラもそれに反応して熱線を放つ

そしてゴジラの熱線はガメラの火球をかき消しながら進んでくる

ガメラは回避しようとしたが

ドカーーーーーーーン!!!!!!!!!

ガメラ「グワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!!!!!」

林田(真)「キャア!!!!!!」

矢野「うわ・・・なんて事を・・・」

避けきれず左腕を吹き飛ばされてしまった

ガメラは倒れこみ、動かなくなった

ゴジラは動かなくなったガメラを確認すると・・・

ズシーン・・・ズシーン・・・

矢野「やばい・・・東京に向かってる・・・」

林田(真)「・・・もう・・・ダメなのかな・・・」

ゴジラ「グギャアアアアアアアオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!」

ゴオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!

ズドガアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!

目の前の物を破壊しつつ突き進むゴジラ

林田(真)「傷付いてるけど・・・勝てるわけないよ・・・」

矢野「・・・今回ばかりは・・・」

小林「・・・?」

矢野「どうした?」

小林「何だか・・・真由美のバックの中が・・・」

林田(真)「?」

バックを開けると

ピカァ!!!!

林田(真)「うわ!!・・・石が・・・」

矢野「残ってる2個・・・何だこの輝き・・・さっきのとは違う・・・」

林田(真)「・・・ガメラのところに行きましょう」

矢野「・・・力を与えるんだな?」

小林「貸せ。俺がやる」

矢野「俺も・・・そうと決まれば・・・」

そう言って2人は走り出した










〜ガメラの倒れている場所〜

ピカァ!!

2人「ん!?」

なんと石は自然に浮き上がり、ガメラの口に吸い込まれた

すると・・・








カッ!!!!!!!

2人「うわ!!!!!!」










ゴジラ「!?」

ゴジラは背後に何かを感じて振り返った

するとガメラの周りで黄金の粒子が渦を巻いている

ゴジラ「グギャアアアアオオオオオオン!?!?」

そしてガメラの上、雲の中から・・・














〜艦隊司令部〜

林田「なんだ・・・あれは・・・」

新井「准将、あれを!!」

林田「ん!?」

艦長「・・・ラド・・・ラドン・・・」















〜横浜市内〜

林田(真)「ラドン・・・」

なんと空からラドンの形をした黄金の粒子が降りてきた

矢野「・・・!?・・・アンギラス・・・マンダも!?」

続けてアンギラス、マンダも降りてきた

林田(真)「これって・・・」

矢野「・・・聖獣の魂・・・」

小林「・・・」

そして、ラドン、アンギラス、マンダの順にガメラの体の中に入っていく

すると、ガメラの体が黄金に光り始め、吹き飛ばされた肩、甲羅、左腕が再生した

バチバチッと電気がガメラの周りを走る

そして、ガメラの首が少し動いたと思った瞬間

ゴオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!

2人「!!!!!!!!」

生き返らせて堪るかとゴジラが熱線を吐いてきた

林田(真)「きゃああああああああああああ!!!!!!!!!!」

バチィ!!!!!

矢野「!?」

ガメラ「グワアアアアアオオオオオオオオン!!!!!!!!!」

ドウン!!!!!!!

ズドガアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!

目覚めたガメラはゴジラの熱線を火球でかき消した

ガメラ「グワアアアアオオオオオオオオオオオオン!!!!!!」

カッ!!!!!!!!!!

2人「うわ!!!!!!」

咆哮したガメラから眩い閃光が












〜艦隊司令部〜

林田「うわ!!!!!」

新井「何だこの光は!!!!!」











〜横浜市内〜

バチバチ・・・バチィ・・・

ガメラ「・・・グルルルル・・・」

光が収まると、体が黄金に輝き、黄金の粒子を纏ったガメラがいた

その姿は、40年前のギドラの姿にも似ていた

林田(真)「・・・ガメラ・・・」

矢野「・・・すげぇ・・・」

小林「これが・・・覚醒したこいつの力・・・」

・・・離れていろ・・・

林田(真)「え?え?」

矢野「誰だ?」

小林「!?」

・・・早く離れろ・・・巻き添いを喰らうぞ・・・

林田(真)「・・・まさかガメラ!?」

ガメラ「グルル」

矢野「そうなら・・・離れよう!!」

小林「恩に着るぜ・・・ありがとうよ!!」

3人は走り出した

ゴジラ「!?」

バキィ!!!!

ゴジラ「グガアアア!!!!!」

いきなりガメラはゴジラの懐に潜り込み、右フックを見舞った

さらにガメラは畳み掛ける

バキィ!!!!!ズガン!!!!!ドガァ!!!!!!

ドカアアアアアアン!!!!!!!

ゴジラ「グ・・・グルル・・・」

あれだけの強さを誇っていたゴジラがいとも簡単に弾き飛ばされ、ビル郡に墜落した

ガメラ「・・・グワアアアアアアアアアアアアアオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!!」

ガメラは今までにない長い咆哮を上げた











すると・・・










林田(真)「ハア、ハア・・・ここまで来れば・・・ん?」

矢野「どうした?」

林田(真)「ほら・・・空が・・・」

矢野「ん???」

小林「なんだありゃ・・・」

空を見上げると、何か波の様に黄色い光の筋がある方向に向かっていた

その方向にあるものは・・・

林田(真)「ガメラ!?」

矢野「・・・これは・・・一体・・・」







その光の筋は世界中で目撃されてた

何本も、何本も横一杯に広がるそれはガメラを目指していた

実際の所これはオーラではなく、エネルギーの塊であり

ガメラの奥義”ウルティメイトプラズマ”である

全地球の超自然的な力、通称”マナ”がガメラに集束

ガメラを包んでいた黄金の粒子もガメラの体の中に入りエネルギーとなる

ただ、この技は膨大なエネルギーを集めるため、チャージが長く、ガメラ本人に掛かる負担も大きい









〜艦隊司令部〜

林田「・・・この一撃で・・・決まる・・・」

隊員「じゅう、准将!!」

林田「どうした!?」

隊員「ゴ・・ゴジラが・・・」







〜横浜市内〜

ガメラ「!?」

ゴジラ「グ・・・ミ・・・チ・・・ズ・・・レ・・・グアアアアアアアアン・・・・」

小林「な、なんだ!?」

矢野「あいつ、どうしたんだ!?」

林田(真)「ゴジラの後ろ!!背鰭が!!」

ジュ〜・・・

ゴジラ「グガアアアアアアアア!!!!!!!!」

ドカアアアアアアン!!!!!!












〜艦隊司令部〜

林田「ゴ・・・ゴジラの背鰭が・・・溶けた!?それに地面が爆発した!?」

新井「ゴジラの背後に凄まじい熱が発生!!地下のガス管が爆発しているものと思われます!!」

艦長「背鰭から有り余るほどのエネルギーが放出されている・・・何が起こってるんだ・・・」

隊員「ゴジラの炉心温度が・・・1100度に達しました!!」

新井「こんな短時間に・・・一体・・・」

林田「やっぱり・・・あいつ・・・凄まじいダメージを受け続け、元からエネルギーの制御の利かない体のバランスを崩して
    ・・・暴走している・・・」

新井「こ・・・このままだと一体・・・」










〜横浜市内〜

ガメラ「・・・グワウゥ・・・」

ガメラはこの異常事態に気付き、すぐさま集中力を高め始めた

小林「何が起きてやがるんだ・・・」

林田(真)「物凄く暑い・・・もっと離れましょう・・・」

矢野「あ、ああ・・・ん?・・・まさかあいつ・・・」

林田(真)「どうしたの?」

矢野「いや・・・ひょっとしたらあいつ・・・ゴジラのやつ・・・自爆する気じゃないか?」

小林「・・・なに!?自爆!?」

矢野「いや・・・ひょっとしたらエネルギーが制御できなくて・・・暴走してるのか!?」

林田(真)「いずれにせよ・・・自爆しようとしてる可能性が高いのね?」

矢野「恐らく・・・しかもただの自爆じゃなさそうだぞ・・・」

小林「ガメラ・・・早くぶっ放しちゃえよ・・・なんかやばそうだぞ・・・」














〜艦隊司令部〜

林田「このまま行くとやつは・・・メルトダウンを起こしてしまうかもしれんぞ・・・」

新井「な!!!!・・・・」

艦長「メ、メルトダウン!?・・・そんな・・・」

*メルトダウンとは原子炉の暴走

 原子炉による事故の中で最大で最悪の現象である

 通常の原子炉は燃料の核分裂を安定して行い、エネルギーを得ている     

 しかし、核分裂を安定して行わせる為の冷却棒、つまり冷却装置が なんらかの原因で破損

 もしくは操作不能に陥ると核分裂は安定して行われなくなる核分裂が安定しない、つまり核反応の制御不能という事になる

 冷却装置の操作不能により核分裂が制御不能になれば、原子炉内部の温度は急上昇し

 本来核分裂を制御するはずの冷却装置が熱に耐え切れなくなり溶けてしまう

 冷却装置が溶けてしまったら最期、原子炉は核分裂を押さえ込めなくなり
  
 停止不可の暴走を始め、やがて、温度が1400度近くまで達したとき

 最終的に原子炉が原子炉自体の熱により溶ける、炉心溶融・・・これがメルトダウンである

 メルトダウンが発生すれば、外部へ放射性物質が漏れ出すだけでなく

 燃料棒内の燃料が発熱し、その熱量でセラミック状態の燃料が溶融し

 耐え切れなくなった燃料棒被覆管から冷却水内へ溶融したマグマ状の燃料が噴出し、水蒸気爆発が発生する
 
 また、冷却水から酸素を奪って酸化し、水素ガスを発生させるが、これが何らかの理由で引火すると水素爆発を引き起こす

 有名な事件として、1986年に起こった旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所事故がある
 
 ソ連の対応の遅れなどから被害は拡大し、史上最悪の原子力事故であるといわれている






林田「・・・ゴジラの原子炉であり心臓部が溶け出し、放射能を撒き散らしながら周りの物を溶かし」

新井「・・・下手すれば、水素爆発を・・・」

艦長「しかしあの大きさですよ・・・普通の原子力発電所が抱え込んでいる放射性物質の比じゃありません」

林田「・・・しかも今尚、核燃料を生成し続けている事を考え、さらに今いる場所から少し行けば海・・・
    はは・・・状況は最悪か・・・」

新井「・・・最悪の場合・・・その水爆の規模によっては・・・地球に穴が開く可能性が・・・」

隊員「ゴジラの体温、1250度!!」

新井「・・・ゴジラの背鰭が発光している!?」

隊員「体温急上昇!!1275度!!!!」










〜横浜市内〜

小林「ゴジラのやつ・・・完全に暴走してやがる・・・あの体でまだ熱線を撃とうとしてるぜ・・・」

矢野「エネルギーが暴走してそうだ・・・もし熱線を撃ったら・・・」

林田(真)「・・・暴走したエネルギーが体中に行き渡って・・・」

3人「・・・ドカーン・・・」

矢野「ガメラ・・・なにやってんだ・・・早く撃っちまえよ・・・」

この2匹がすぐに撃たないのにはそれぞれの思惑があった











ゴジラ「・・・グ・・・ググ・・・」

ジジジジ・・・・

ゴジラがエネルギーを体の中心部に集めている
早く自分の体温を融解領域まで引き上げようと無理矢理体内のエネルギーを暴走させようとしているのだ
熱線を撃つ準備も出来ている
ガメラがウルティメイトプラズマを撃った瞬間に自らも熱線を放てば
体の中に膨大な暴走した放射性物質とエネルギーが駆け巡り、大爆発を誘発する
ガメラのエネルギーに勝れば、そのエネルギーさえも利用して、この星を粉微塵にする事が可能なのだ
ゴジラは既に自らの肉体などどうでも良かった
ただの復讐心の塊と化し、目の前の敵を消し去る事しか考えていない
既に自らのエネルギーであれば、この地上から生物を消し去る事は容易い
わざとエネルギーを溜め、この光景を見ているすべての人間に絶望を与えようという寸法だ

ガメラ「・・・グルゥ・・・」

ガメラは、ゴジラがこの状態に持ち込む事は悟っていたようである
では何故中途半端な状態とはいえ、ゴジラに対して技を出さなかったのか
それは、もう既にゴジラの体内に、この地球を吹き飛ばしかねないエネルギーが溜まっている事を感じていた
今撃っては、どの道負けなのだ。すべてが吹き飛んでしまう
しかも向こうは、こちらが技を出すのを待っている
それならばとガメラは、向こうが最大限にエネルギーを溜める代わりに、こちらも最大限にエネルギーを溜め
どちらの「力」が相手を上回るか賭けたのだ









〜艦隊司令部〜

林田「・・・・・」

新井「・・・くっ・・・眩しい・・・」

隊員「ゴジラの体温・・・1350度!!!!」








〜横浜市内〜

林田(真)「どっちが・・・」

矢野「上回るかな・・・」

小林「・・・」












両者の凄まじいエネルギーのおかげで、ここら一帯が明るく照らされ、大気の状態が不安定になっていた

吹き荒れる突風は路上の様々なものを舞い上がらせた。ビル街のガラスは振動によってあらかた砕け

飛んできた自動車や電話ボックスが地面に激突し、あちらこちらで小さな爆発が起きる

ゴロゴロゴロ・・・

飽和したエネルギーに大気が耐え切れなくなったのか、無数の落雷を横浜の街を襲った

そして、ひときわ大きな雷光が昼間のように明るくなっている辺りを一際明るく照らした瞬間・・・







































[861] 最終話 審判の時
呉爾羅山 - 2007年01月06日 (土) 14時48分

ズドウウウウウウウウウウウウウン!!!!!!!!!!!!!!!!

ゴジラ「!?」

ガメラの腹部から体内に溜まりに溜まった力が解き放たれた

エネルギーの凄まじい勢いに押され、足が地面に沈み込み、足元に地割れが走る

ゴジラ「グガアアアアアアアアア!!!!!!!!!」

ゴオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!

ゴジラは体内の暴走エネルギーを確かに解き放った



























〜司令室〜

グラグラグラ!!!!!

全員「うわ!!!!!」

林田「柱に掴まれ!!!!」















〜横浜市内〜

矢野「逃げろ逃げろ逃げろ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」

林田(真)「最後の最後で死ぬのはイヤー!!!」

小林「やべぇ!!2人とも伏せろ!!!!!」


















そして、しばらく時が流れた・・・


































〜艦隊司令部〜

林田「・・・く・・・皆無事か!?」

新井「ええ・・・何とか・・・」

艦長「いてて・・・」

林田「・・・海が割れてる・・・」

何か凄まじい衝撃があったのか、湾内から太平洋へ向かって海が一直線に干上がり、海底の土が捲り上がっていた

林田「・・・やつは・・・?」

新井「じゅ・・・准将!!あれを!!」









〜横浜市内〜

小林「・・・うぐ・・・生きてるか?」

林田(真)「え、ええ・・・なんとか・・・」

矢野「あ〜・・・いてて・・・」

林田(真)「・・・どうなった・・・の?」

小林「分からねぇ・・・」











〜防衛軍司令室〜

大川「え、映像はどうした!?」

オペレーター「強力な電波障害が発生しているため繋がりません!!」

補佐官「横浜方面の回線をチェックして!!」

オペレーター「分かりまし・・・あ、映像が回復しました!!」














〜横浜市内〜

林田(真)「あ!!」

矢野「どうした!?」

林田(真)「あ、あれ見て!!」









ガメラ「グワアアアアアアオオオオオオオオオオン!!!!!!」







〜防衛軍司令室〜

オペレーター「ゴジラ、消滅!!!!レーダーから消えました!!!!」

大川「・・・は・・・はは・・・や・・・やったのか・・・」

全員「やったああああああああああ!!!!!!!!!!」














〜艦隊司令部〜

艦長「よし!!!!!!」

隊員たち「やったああああああああ!!!!!!!!!」

林田「・・・・・・」

新井「・・・准将・・・」

林田「・・・ああ・・・終わった・・・」














〜横浜市内〜

ガメラ「グワアアアアアアアアアアオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!」

林田(真)「・・・終わった・・・」

矢野「・・・勝った・・・な」

小林「みてぇだな・・・ヒヤヒヤしたぜ・・・」

ガメラ「・・・グルルルル・・・」

ズシーン・・・ズシーン・・・

林田(真)「え?え?・・・こっちに来る・・・」

矢野「?」

ガメラ「・・・グワウゥ・・・」

ガメラはお礼を言ったように小さく吠えた

林田(真)「ガメラ・・・」

矢野「はは・・・お礼が言いたいのはこっちだぜ・・・ありがとうな・・・」

小林「助かったぜ・・・」

ガメラ「グワアアアアオオオオオオン!!!!!!」

ガメラは顔を上げると、今度は・・・














〜艦隊司令部〜

林田「?」

新井「どうしました?」

林田「出れるやつで良い。艦隊の外に出ろ」

新井「は、はあ・・・」

タッタッタ・・・

新井「一体何を・・・」

林田「・・・見ろ・・・」

新井「あ・・・」

隊員「あれは・・・」

そこで見たものは、こちらをじっと見つめてるガメラの姿

艦長「ガメラ・・・」

林田「・・・我々の仲間たち・・・そして大和の守り神たちに・・・敬礼!!」

艦長「敬礼!!」

ザザッ!!

その敬礼に応えるようにガメラが頷いた

新井「ガメラ・・・分かったみたいですね・・・」

林田「ああ・・・」















〜横浜市内〜

ガメラ「グワアアアアアアアアアアオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!!」

ガメラは大きく吠えると飛行形態になり、彼方へ飛び去っていった

林田(真)「朝だ・・・」

矢野「これで・・・一件落着・・・か・・・」

ピリリリリ!!!!

林田(真)「ん?・・・お父さん!?」

矢野「こんな騒動の中でよく携帯が無事だったな・・・」

小林「同感・・・」

携帯「大丈夫か!?」

林田(真)「平気よ・・・何とか・・・」

携帯「そうか・・・残留放射能を確認していない。もし市内に居るんだったら、海岸まで来い」

林田(真)「分かった・・・」

矢野「親父さんからか?」

林田(真)「うん・・・海岸まで来いって」

矢野「そうか」

林田(真)「あ・・・心配してるだろうから・・・局に電話しなきゃ」

矢野「だな・・・伝えなきゃならないものもあるしな・・・」

林田(真)「うん・・・健ちゃんがs」

ボカン!!バキィ!!

林田(真)「いった!!!!」

矢野「痛ぇ!!!!」

小林「だ〜か〜ら〜!!俺はピンピンしとるわ!!縁起でもねぇ!!」

林田(真)「だからって女をグーで殴る事無いでしょ!!」

小林「うるせぇ!!今まで俺に対して行なった悪行がグーパンチ一発で済んだんだからありがたいと思え!!」

林田(真)「でも今のは強すぎ!!私に一発しっぺさせなさい!!」

小林「とか言って顔面張り手するつもりだろ!!こっちから願い下げだ!!」

林田(真)「こら待てぇぇ!!!」

矢野「お前ら・・・ガキか・・・一応みんな怪我してるんだから病院行くぞ・・・」















〜BSデジタルQ局内〜

山下「はい・・・はい・・・分かりました。ありがとうございます!!」

ガチャ

山下「・・・3人とも無事です!!!!!」

全員「やったああああああ!!!!!!」

局長「よーし!!特別番組作ろう!!民放より素材多いからマイナーの意地見せられるぞー!!!!」

全員「よっしゃあああああああ!!!!!!!!」












〜1時間後 防衛軍 医務室〜

小林「・・・結局脳天からもう一発殴られて4針縫うってどういうことかな?林田真由美さん???(怒」

林田(真)「そりゃ・・・確かに殴ったけどその弾みであんたが転んで石にぶつかったからでしょ!!」

林田(父)「これ、止さないか見苦しい!!・・・全くいつの間にか母さんに似てお転婆になりおって・・・」

矢野「・・・そ、そういえば・・・放射能汚染はどうだったんですか?」

林田(父)「ああ、そうだった。さっき調査した結果、放射能、及びプルトニウム239は検出されなかった」

林田(真)「え?何で?」

林田(父)「何故だか分からんが・・・艦隊の機械で調べたら
       ガメラが飛び去った後、メーターに目を向けたら何も反応が無かったんだ・・・」
   
矢野「・・・なんでだ?・・・」

小林「・・・ガメラが吸収しちまったんじゃないですか?」

林田(父)「そうかもな・・・今回は怪獣たちに助けられたよ・・・俺は何も出来なかった・・・
       自分の無力さをこんなに痛感したのは初めてだ・・・そして、多くの仲間を・・・」

矢野「・・・心中察します・・・」

林田(真)「お父さん・・・気持ちは分かるけど、それじゃ部下の人は報われないでしょ?・・・
       確かに忘れてはいけないことだけど、これを明日に繋げなきゃ・・・」

林田(父)「・・・分かっている・・・今後はこの世のために尽くす。今まで以上にな・・・」



 



















〜10日後 BSデジタルQスタジオ内〜

この日、今回の出来事を総括した特別番組を生放送していた
実際に現場にいた真由美、小林、矢野の3人が司会進行
特別ゲストとして林田准将、新井中佐、その他防衛軍の関係者が呼ばれていた
今回、BSデジタルQ史上初の、地上波放送との二重放送を行なうに至った
しかも長々3時間という長丁場である





山下「はいオッケー!!!!」

林田(真)「ふ〜」

山下「皆さんお疲れ様でした〜」

林田(父)「いえいえこちらこそ」

局長「最高の番組が出来たと思うよ。これがちゃんと世間で伝わってくれればいいんだがな」

山下「じゃあ俺達は先に出てるから」

林田(真)「はい」

そういって他のスタッフ全員がスタジオを出た

小林「まさか番組に出る事になるとはね・・・」

新井「ふぅ」

矢野「・・・そういえば・・・あの首謀者達は・・・」

林田(父)「今頃留置所で理想郷とか喚いてるんじゃないのか?
       今週中には国際裁判で判決が出されるそうだ
       まあ・・・死刑は免れんだろう・・・」

小林「そりゃそうだ・・・世界の何万・・・いや、何億の命をあいつ等が奪ったようなものだからな」

矢野「極少数の人間の企みによってこんな大事になるなんてな・・・」

小林「エゴは怖いな・・・あ〜くわばらくわばら・・・」

矢野「これからの復興作業が大変ですね」

林田(父)「ああ・・・だがこれは俺達に課せられた使命だ。最後まで成し遂げ、見届けなければならん」

新井「自分も、全力を尽くします」

林田(真)「さて・・・どこか食べに行く?」

林田(父)「なら俺の行きつけの料理屋にでも行こうか?」

矢野「お、いいですね〜」

林田(父)「今回君達のおかげで色々謎が解けたんだ。俺のおごりで何でも食ってくれ」

小林「ゴチになります(笑)」

・・・ぁ・・・・・・ぁ・・・

新井「ん?」

林田(父)「ん?どうした?」

新井「いえ・・・なんか声が・・・」

小林「声?スタッフの声じゃないすか?」

矢野「いや、もうスタッフいないぞ?」

林田(真)「そういえば、皆出て行くのが早かったから、今スタジオにいるのは私たちだけ・・・」

・・・ァァァ・・・・

新井「ん!?」

林田(父)「・・・何か聞こえた・・・」

・・・アァアア・・・・

5人「!?」






















グギャアアアアアアアアオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!!


































我々は決してこの出来事を忘れてはならないのだ

またいつ、身勝手な人間の欲望が第二のゴジラを生み出すかもしれない

いつ、ゴジラが甦ってもおかしくないのだ

彼らはまだ平和への1歩を踏み出しただけなのだ

だが、平和の意識は拡大していくに違いない

誰もがもう、同じ過ちを起こしてはいけない。いや、絶対起こさないと深く心に刻んでいるのだから・・・

少しでも、いがみ合い、憎しみの生まれない世の中を構築するために・・・

彼らの挑戦は、まだスタートラインに過ぎないのだ・・・














ゴジラ 破壊神降臨 終



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