[762] 第1話 破滅への序曲 |
- 呉爾羅山 - 2006年11月14日 (火) 20時57分
1954年から半世紀近く経った2001年
ゴジラは再び姿を現した
終戦から56年目のこの年
既に人間は戦争をすっかり忘れ去り、世界各国ではテロ行為が相次ぎ尊い犠牲が出ていた
その最中ゴジラが復活した
復活したゴジラはアメリカ原子力潜水艦を破壊し、静岡、神奈川を火の海にした
かろうじて東京上陸は避けられたものの
当時の防衛軍、ヤマト言葉に由来する”くに”を守る護国聖獣に多大な犠牲が出た
しかし当時の防衛軍の立花准将の捨て身の攻撃によりゴジラは倒された
何故ゴジラが現れたのか、それは明確には分からなかった
それに、何故東京を目指して進んだのか?など謎が謎を呼ぶ一方であった
だが、このゴジラ襲撃のおかげで、少しずつ戦争を忘れてはならないと思う者も出始めていた
しかし時が経てば人間は忘れてしまう種族である 4年、5年と年月が経つにつれて人間達はゴジラの恐怖を忘れ去っていった・・・
2025年
人間は三度過ちを犯した
起こしてはいけないものだった
誰も望んではいなかった戦い
第3次世界大戦
しかもその場に、ついにあの兵器が使われてしまった
その兵器を開発した当時の者達でさえ「何故このようなものを作ってしまったのか」と悔しがり嘆いた兵器
核
2027年に終結したものの全世界で死亡者約3億5千万人以上
放射能の影響を受けていると思われる人口は10億人以上とも言われる
3年に渡り続いた全面核戦争
世界の環境も核の影響により変わった
環境の変化により突然変異を起こした巨大生物が世界各国で目撃されるようになった
もう2度と戦争を起こしてはいけなかった
ましてやその戦争に核を用いては尚更いけなかった
何故ならその戦争が、その核兵器の一つが、人が恨みを持ちながら死ぬことが
”あれ”の覚醒の材料になっている事を知ってる人間など0に等しかった・・・
ゴジラ 破壊神降臨
第1話 破滅への序曲
〜2041年 防衛軍本部の屋上〜
ゴジラが最後に姿を見せてから40年。この頃になると人間は ゴジラの事、ゴジラを倒した立花准将の事などすっかり忘れ去っていた・・・ある人物を除いて・・・
??「・・・」
??「どうしたんですか?林田准将」
林田「ん?いや、考え事だ」
??「そうですか・・・しかしあの戦争で国内にあまり被害が出なくてよかったですね」
林田「国内の建物にはな・・・だが、あの大戦に借り出されてしまった隊員の95%が生きて帰って来れなかった・・・ 下手すれば国内も攻撃されてしまう恐れはあったんだ。放射能除去剤の開発が済んでいたから良かったものの もっと多くの人が放射能汚染に苦しむ結果となったかもしれん・・・」
??「はい・・・」
林田「今考えると、人間は本当に愚かしい生き物だな・・・ あの大戦でさえ、一体何が引き金になったのか結局有耶無耶になってしまった・・・ ひょっとしたら、この戦争は起こらなかったものかもしれないのに・・・」
??「ええ・・・私自身も、何故という言葉が頭から離れません・・・ 何故家族を、友を、こんな理不尽な事で失わなければならないのか・・・」
林田「・・・なあ、新井中佐」
新井「はい?」
林田「最近嫌な予感がするんだ」
新井「嫌な予感・・・ですか?」
林田「うむ・・・近いうちに、あの戦争よりもっと恐ろしいことが起こりそうな気がして・・・」
新井「まさか・・・」
林田「お前は若いから実体験をしたことがないだろうが・・・ゴジラって知ってるか?」
新井「はい。確か1954年と2001年にこの日本を襲った怪獣ですね」
林田「うむ・・・実はそのゴジラの出現原因なんだが、一番有力視されているのは 恐竜の生き残りが冷戦時代のビキニ環礁の核実験により放射能で突然変異を起こし巨大化した物 これが今の学会でも有力視されている」
新井「はあ・・・」
林田「だがこの説、俺はどうも腑に落ちんのだ。以前見つけた論文でさらに疑問が湧いてな これは、東京のとある教授が纏めた論文の一部なんだが 恐竜の巨大化とはいえ所詮生物。砲弾を受ければ死なないまでも、ダメージは食らうはずだ だがやつは死ぬことなく、むしろ無傷だと聞く 異常なまでの生命力を手に入れたとしても、生物である以上死ぬはずであろう そもそも、恐竜が突然変異を起こしたにしても巨大すぎる 一度やつを見たことがあるが、ゴジラの身長はどう見ても60メートルを越えている 肉食恐竜に姿は似ているが、その大きさは数倍だ。恐竜の突然変異説は無理がありすぎる と、こんな風に恐竜突然変異説を真っ向から否定した」 新井「じゃあその教授はゴジラをどのように見てるんですか?」
林田「ここからオカルト的話になるが・・・その教授は、ゴジラを 太平洋戦争で命を散らした英霊達の魂が宿っていると主張した」
新井「太平洋戦争で命を散らした・・・英霊達の魂?」
林田「だろ?ハテナマークが付くだろ?誰もが信じない要素だろ? 非現実的で。だがな・・・何となく俺はその説の信憑性がありそうに感じる もし残留思念の集合体であれば、生物ではないんだから砲弾に当たってもなんとも無い むしろ1954年に現れ、一度倒されたはずの奴が何故2001年に甦ったのか 生物だったらとっくに死んでる」
新井「准将・・・まさかそのゴジラが・・・今後現れる可能性がある・・・とお考えで?」
林田「ああ・・・何となくそんな気がする・・・」
新井「・・・ただ、ゴジラは我が防衛軍が倒したはずでは・・・」
林田「だから尚更なんだよ。もし倒したんなら、1954年に防衛軍が一度倒してる だが2001年に復活した。これは何を意味するのか 下手すると、何年周期で復活する奴なのかもしれん」
新井「ただ・・・自分はゴジラを目の当たりにした事がないので分かりませんが そんな恐ろしい怪獣だったんですか?」
林田「ああ・・・今でも夢に見る・・・俺は10歳の時、偶然箱根にいてな・・・ 家族で旅行中だったんだ・・・その時・・・やつが山の上から現れた」
そのゴジラと反対側の山から護国聖獣 婆羅護吽(バラゴン)が現れてゴジラと対峙した 当時のゴジラは身長60メートル。バラゴンは30メートル 体格差は倍。この時点で当時の林田少年は嫌な予感がしたという 林田家族は早くその場から離れようとした・・・ するとゴジラがバラゴンをあろう事か逃げ惑う観光客の方へ投げ飛ばした 林田少年は辛うじて助かったが・・・家族全員バラゴンの下敷きになってしまった 無我夢中でその場から離れた そしてゴジラのほうを振り返った瞬間
林田「次の瞬間バラゴンを熱線で止めを刺した 吠えてるやつの顔がいまだに脳裏に焼きついてるさ・・・恐ろしくて恐ろしくて・・・」
新井「・・・すいません。嫌な話思い出させてしまって・・・」
林田「いや、いいさ。気にするな。とりあえず、今平和であっても気を抜くなということだ」
と、その時
??「失礼します!!」
林田「ん?岡本中尉か。どうした?」
岡本「出動命令が出ました。こちらです」
1枚の書類を渡す
林田「ん・・・グアム島沖・・・アメリカ原子力潜水艦が事故?」
岡本「はい。原因不明の事故だそうで・・・」
新井「放射能漏れは確実だな・・・」
岡本「はい」
林田「ここで話しててもしょうがない。いくか」
2人「はい!!」
林田「で、一体原潜に何があった?仮にもアメリカの原潜だろ?」
岡本「はい。通信記録によると原潜は日本時間の08:55 マリアナ海溝付近にてソナーで巨大な移動物体を探知。 音紋照合の結果味方ではないと判明 明らかに攻撃態勢と判断した艦長は目標に二発の魚雷を発射を指示 二発とも命中が確認されていますが、その後わずか22秒で通信不能 様々な状況分析の結果、沈没したと断定されました」
林田「22秒で・・・一体何が沈めたというんだ?」
新井「まさか・・・ロシアか中国の最新兵器では?」
岡本「いえ、両国とも、国防省は否定しています」
林田「・・・何か嫌な予感がするな・・・」
〜1時間後 某テレビ局〜
プロデューサー「おい、アメリカの原潜が事故だ」
職員「え?」
プロデューサー「おいみんな!!番組変更!!臨時ニュースの準備だ!!」
〜スタジオ内〜
アナウンサー「現在の円相場はごらんの・・・たった今ニュースが入ってまいりました グアム島沖でアメリカの原子力潜水艦が消息を絶ち 政府は、日米平和条約に基づき防衛海軍を現場海域に派遣することを決定しました 原子炉からの核汚染が予想され、我が国の放射能遮蔽式潜水艇”きりしま”の活躍が期待されます きりしまを載せた防衛海軍巡洋艦は今日中に横須賀港を出航し アメリカとの共同救出作戦に参加する予定です」
〜とある駅のオーロラビジョン前〜
??「・・・お父さん忙しくなりそうね・・・」
〜グアム沖 深海〜
・・・・・・
〜さつま内部〜
新井「・・・あれか・・・」
カメラに映ったのは、無残に壊れた原潜の残骸
新井「1号機目標に接近中・・・こりゃ・・・爆発事故だな・・・メチャメチャだ・・・」
とその時
新井「!?」
グゴゴゴゴゴゴゴ・・・
新井「なんだ!?」
ズザザザザアアアアア!!!!!
隊員「大海流です!!」
グゴゴゴゴゴゴ・・・
隊員「2号機が!!」
ガン!!ドカーン!!
突如発生した海流に流されて2号機は岩に激突。爆発してしまった
新井「くそ・・・ん!?」
その時、新井中佐がカメラを見るとそこには・・・
・・・・・・・・・
グゴゴゴ・・・・
新井「!!!!!!」
グゴゴゴゴ・・・・
暗闇の深海を進む不気味な青白い光を放つ背びれ・・・
無線「損害を報告せよ!!それと移動中の物体を確認した!!物体は一体なんだ!?目視確認できるか!?」
新井「・・・・・自分の目が・・・・信じられません!!!!」
続
〜人物紹介〜
林田光三 年齢 50歳 身長・体重 180センチ・75キロ 階級 准将
この物語の主人公。かなりの強面で、初対面の人間は必ず怖がる だが心優しい気さくで、若手指導にも定評のある人望厚き准将 いざとなれば自分の命も惜しくないという 少年時代にゴジラ襲撃事件に巻き込まれ家族が犠牲に。それ以来ゴジラに恨みがある 結婚したが奥さんは2年前に病気で他界。娘と一緒に暮らしてるが軍の幹部という事でなかなか一緒になる時間がない
新井陽平 年齢 35歳 身長・体重 185センチ 73キロ 階級 中佐
林田が一番信頼している人物 見た目は実年齢より若く見える 非常に真面目で仕事を完璧にこなす アメリカとの共同救出作業中に”何か”を目撃した人物
岡本隆司 年齢 46歳 身長・体重 175センチ 80キロ 階級 中尉
かなり有能な軍人ではあるが一本気すぎるが故に出世の遅れている男 だが、若手の面倒見などかなり評価されており、若手からもいい兄貴分、または親父のように慕われている 相当な子煩悩で夫婦仲もいい 准将と同じく、いざとなれば自分の命も惜しくないとか
〜怪獣〜
2001ゴジラ(呉爾羅) 身長・体重 60メートル 3万トン 技 放射熱線
言わずと知れた日本が誇る怪獣王 生き残りの恐竜が核実験の放射能で巨大化したという説と 太平洋戦争で命を落とした英霊達のの残留思念の集合体と考えられている(真相は不明) 今回の彼は、一つ言えるのは、すべての生命体の敵であるという事
バラゴン(婆羅護吽) 身長・体重 30メートル 1万トン 技 噛み付き 突進 角で突く
40年前ゴジラと戦った”くに”を守る護国聖獣の1匹 地中からの奇襲攻撃を得意とする 非常に好戦的で、体格的に倍近く差のあったゴジラに真っ向勝負を挑んだ だが体力で圧倒され最後は熱線を受けて爆発炎上 しかしギドラ爆砕後、霊となってゴジラの東京上陸を防いだ
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