[1277] 突然が永遠に・・・ |
- 界無 - 2009年09月27日 (日) 13時49分
第一話
ピピピッ ピピピッ 「ん、、ふぅあ〜〜・・・」 まだ買って間もない時計が朝を告げる。時間は朝の5時半。流霞(ルカ)は起き上がって、ナイキのジャージに着替え、下に下りていった。そのとき父に声をかけられた。起きているのはまだ父だけのようだった。 流霞「じゃぁ行ってくる。」 父「あぁ、気をつけろよ。」 流霞「うん。」 流霞は玄関のドアを開け、外に出た。朝のさわやかな空気を吸って、軽くストレッチをしてから走り出した。 (体が重い。昨日の試合の疲れが残ってるのか?まいったな。そーだ。今日は軽めに違う道を走ってみよう。) いつもと違う道を走っていると、バスケットゴールが見えてきた。けっこう使い込まれたボールがコートの真ん中に落ちている。それを見た流霞は走るのをやめ、ボールを拾いにいく。 (誰のかな。でも誰もいないし・・・少しぐらい、いいよな。) 流霞は1回ボールをついた瞬間に、ゴールに向かって目にも留まらぬ速さで走り出した。そのままきれいなレイアップシュートを決め、流霞の顔から笑みがこぼれた。 (きっもちぃ〜〜〜!!!) 衝動にとらわれた流霞は次々に華麗な技を使い、シュートを決めていく。 (最高だ。こんな道にこんなものがあったとは・・・。これからはこっちの道を走ろう。) 次の瞬間 (あっ・・) 流霞がジャンプシュートを打つとき、手首の使い方を誤り、ボールがリングにあたり強くはねかえってしまった。飛んでいったボールをとりに行こうとすると、ボールの先には一人の女性が立っていた。同じ中学生くらいで、身長はスラッとして少し高め。さらさらのショートヘアに少し汗をかいていた。 流霞「あっ・・えっと;そのボール君の?」 女性「は、はぃ・・・・」 流霞「ごめん。勝手につかっちゃって;」 女性「いや、いいんですけど・・・あの・・」 流霞「えっ?」 女性「今やってた技・・・どーやれば、そんなにきれいにできるようになるんです・・か?・・・」 流霞「え?あ、いや、えっと・・・・」 流霞は初めて会った人なのに質問をされて少し戸惑っている。女性のほうも緊張しているようだ。 流霞「えっと・・。その、れ、練習すればいいんじゃないかな?」 女性「えっと、、あの、コツとか、教えてもらえれば・・うれしいなぁ・・・なんて。」 流霞はポカンと口を開けている。 女性「スッ、スイマセン!!」 流霞「いや、いいけど・・・えっと、いったい何を、教えれば・・いいんでしょう?;」 女性「えっと。。じゃ、じゃぁ、フックシュートを教えてください;・・・いいですか?」 流霞「フックかぁ;えっとフックは、想像って言うか、感じでは「ダンク」する感覚でやれば、うまくいくと思います。ボールをリングの上から入れる・・・っていうのかな?;スイマセン;わかりにくい説明で;」 女性「はぁ。。。こんな感じですか?」 女性はリングの近くまで行き、フックシュートをやってみた。が、ボールはリングにあたり、はねかえってしまった。 流霞「えっと、もっとやわらかくダンクする感じで・・・シュートみたいに手首のスナップを使って・・・」 女性「はい・・・」 女性はもう一度構え、ゆっくりやってみる。 女性(やわらかくダンク、やわらかくダンク・・・) ボールが女性の手から離れたとき、ボールはきれいな回転をかけ、そのままネットに吸い込まれるように入っていった。 流霞「おっ。。」 女性「わぁ!」 女性はとても喜んでいた。女性は流霞のほうを向いてありがとうございましたと、頭を下げた。 流霞「いや、俺はたいしたこといってないよ;」 女性は何かにふと気づいた。 女性「お名前はなんていうんですか?」 流霞「え、オレ?・・オレは・・・藤間 流霞」 女性「かっこいい名前ですね。」 流霞「君は?」 女性「私ですか?私は綾瀬 瑠奈(あやせ るな)です。」 流霞「へぇ。いい名前だね。」 流霞はふいにゴールの横に立っている時計を見た。時計は6時半を指している。 流霞「まずい。俺帰らないと。」 瑠奈「あ、スイマセン。なんか、私なんかのために時間潰させてしまって、スイマセン!」 流霞「大丈夫。家近いから。じゃぁ、そろそろ行かないと。」 瑠奈「はい。ありがとうございました。」 流霞「うん。」 流霞は話し終わった後、ものすごいスピードで家へ帰っていった。玄関のドアを開け、中に入ると母親も、妹も起きていた。 母「遅かったわね。どうしたの?」 流霞「あぁ、ちょっと寄り道しちゃってさ。」 母「ご飯できてるから、早く食べて支度しなさい。」 流霞「あぁ。」 流霞は朝食を済ませ、着替えをして学校へ出る準備にとりかかった。
第一話 終了
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