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三匹の虎をリアルに描いた物語です。
終戦から1年後、ヘリックは国土へ戻った。中央大陸には現在、二つの国家が存在する。一つは、ヘリック共和国。首都奪還に成功した共和国はすぐに国家の再建を始めた。もうひとつ、ネオゼネバスだ。ネオゼネバスは中央大陸を共和国に譲り渡すはずだったが、少なくもネオゼネバス派の民衆がいたり、国家の基盤がしっかりしていたことから、大陸の3割をそのままネオゼネバスとして存続させていた。
西方大陸、暗黒大陸そして中央大陸は戦いの爪痕が残されており、ヘリック、ネオゼネバス、ガイロスは国家再建に勤しんでいた。だが、全く影響を受けていない大陸がいくつか存在した。その一つが東方大陸であった。東方大陸にある都市の一つ、ブルーシティ。ここには、軍事企業ZOITECの重要施設があった。戦争の影響を全く持って受けていなかったため、この大陸は非常に平和であった。ガイロス帝都ヴァルハラが消滅し、ネオゼネバスが建国された日も、普段と何ら変わりのない日常を過ごしていた。とある、ゾイドコアが発掘されるまでは・・・・。
ブルーシティから北へ40kmほど行った所に、古代遺跡があった。この遺跡の存在は昔から知られ、観光客で常ににぎわっていた。しかし、ここ最近、遺跡は壁のようなもので覆われ、関係者以外立入禁止となった。標識には、東方大陸の大企業、ZOITEC社のマークがあった。「隊長、奥から、コアらしき物が発掘されました。」「研究班に回し、ゾイドの特定急げ」それから1時間後、「その・・・。現代には存在しないゾイドコアです。」「何?」「それに、大きさでは中型ゾイドのコアなのですが、出力がデスザウラーに匹敵するほどの物でして。」「そんなものが・・・。まあいい。本社への運搬急げ」「はっ」このコアは一体なんなのだろうか?そして、このコアが大陸全体を巻き込む事件の引き金になるとは誰もが予想していなかった。
持ち帰られた謎のコアは早速研究所に運ばれた。ZOITEC技術部はこのコアを試作型のティラノ型ゾイドに搭載した。しかし、起動するやいなや、一瞬で活動が停止し、装甲は融解してしまった。「拒絶反応が起こってるようです」研究者の一人が、上司に告げる。それから3年の月日が流れた。ついに、ZOITEC社のコンピューターが、そのコアの正体をはじき出した。遙かな昔、伝説の3体の虎型ゾイドの言い伝えが、この東方大陸に存在した。このコアは、その 白 青 紅 のコアの一つ、白のコアであった。このコアを起動させるには虎型ゾイドを作る必要がある。そして、このコアを使用した虎型ゾイドの開発が始まった。月日がまた流れ、ついに、一体の白虎が完成した。
ワイツタイガー。ゾイテック社が発掘した「白のコア」を使用した伝説の虎型ゾイドである。「ついにやりましたね」「ああ」「最終チェック終了まであと420秒」「起動実験を今日の午後より行います」この時は、まだ何の問題もなかった。まだ誰も気づいては居なかった。決して開けてはならない、パンドラの箱の蓋を開けてしまったと言うことは。「テストパイトットエントリー」パイロットの名はルーク。ゾイテック社の中でも、屈指の高速ゾイドのパイロットだ。「ルーク。いいぞ。実験開始だ」「ルークは、上司の指示に従い、ワイツタイガーのエンジンに火を入れた。だが、その瞬間が、惨事の始まりだった。