[11] AA戦記 第三話「小さな戦士達」 |
- ギルザラード - 2004年09月24日 (金) 17時29分
コチ…コチ…コチ…コチ… 静かな部屋に、時計の針の音だけが響く。 目を開けると、今時珍しい和風建築の家の部屋の布団の中に寝かされていた。 「ウウ…。」 「おう、気が付いたかジエン。」 縁側でアイスを食べていたギコが振り向き、気が付いたジエンに声をかけた。 「ギ…コ…ウウ…コ…ココハ…?」 「モナの家モナ。ジエンもアイス食べるモナか?」 モナーが台所のほうから、「もなや」と書かれた包み紙に包まれたアイスを二本、両手に持ってやってきた。 「アイス!イイ!」 ジエンが突然元気になり、モナーの右手のアイスにむしゃぶりついた。モナーはよろけたが、すんでの所でこけずにすんだ。 ガサガサとアイスの包み紙を破るジエンに向かってギコは言った。 「おいジエン。一体なんであんな事を…。」 そう言いかけた矢先、突然ピーッと言う音が、ギコの言葉をさえぎった。アイスの包み紙を破ろうとしていたモナーが、 「モナのパソモナ。」 と言いながら腰を上げ、パソコンを取って戻ってきた。 「テレビ電話モナね。発信者は…ひろゆきモナ。」 アイスを食べていたギコの顔が強張った。 「…つないでくれ、モナー。」 「わかったモナ。」 モナーがコクリとうなずいて、ウインドウの上の「通信」ボタンをクリックした。すると、疲労困憊した様子のひろゆきの顔が画面に映し出された。 「ああ、モナー君、ギコ君、いたんですね。」 「ひろゆき、こりゃあ一体どういう事なんだ、何が起こってるんだ!」 ギコが割り込み、ひろゆきに向かって言った。 「そのことについてはこれから説明します。この街の殆どは、何者かによって占拠されました。AA板付近、モナー板の一部を残して…。占拠された主要施設は、AAサロン、モララーコーポレーション、AAアカデミー、そして逝葉原等です。それらはいずれもぬるぽやコリンズ軍団の大群の襲撃を受けた様子です…壷ビルもそう長くは持ちこたえられないでしょう。」 画面の奥に目をやると、確かに激闘の痕跡が見られた。ひろゆきにも、多くの切り傷や打撲の後が見られる。 「…そして、首謀者達以外にも、多くのAAが洗脳され、そのコピペが敵の軍団に組み込まれている様子です。おそらくジエン君の襲撃もそれによるものでしょうね。残りの十大AAについても、しぃちゃんは隠れており、おにぎり君はシティ内を逃亡中、1さんは拉致され、ニラ茶猫君は敵と交戦中、流石兄弟は行方不明ですが、洗脳されていないことは確かでしょう…ゾヌ君とモララー君にいたっては連絡が取れず、敵に寝返ったり、洗脳された可能性は大きいです。事態の打開には夜勤さんの協力が必要なのですが、彼は糞スレヒルズ内に隠れているようです。そして糞スレヒルズ内には、ギコタク君、ぃょぅ君、ショボーン君、ッパ君、イマノウチ君などが取り残されており、自体は極めて深刻かつ絶望的なのです。」 「…で、俺達にどうしろってんだ、ひろゆき。」 部屋に重苦しい空気が漂う中、ギコが口を開いた。 「率直に言いましょう。君達にはこの事態の打開を依頼したいのです。四大AAである君達の力なら、この事態を何とかできるはずなのです。しかしそれには、夜勤さんの協力が必要なのです。しぃちゃんが脱出したマンホールは既に封鎖されていますが、そこから南へ行ったところのAAヒルズのマンホールは、まだ封鎖されていないはずです。しぃちゃんの協力を得て、AAヒルズの下水道から糞スレヒルズまで突破し、夜勤さんやそのほかのAAを救出してください!…おいらは、君達に2ちゃんねるの命運を託しました。 おいらは君達の力を信じています。…!敵の後発のようですね。 もう時間がありません。ここももうすぐ敵の手に落ちるでしょう…最後に一言言わせてください…自分の力を信じるのです!それでは…。」 そういって、ひろゆきの通信は途絶えた。 一時中断
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