[46] 地図には載らない暖かい町 |
- 眠りの大山ジンイチ - 2004年11月05日 (金) 16時50分
ここは山奥の小さな小さな村。 旅人さえ来ない。 いや、来れるはずがないのだ。 なぜならここは山脈の中の盆地。更に地図には載っていない。 だがここの人はみな温かい人だ。 ここで生まれここで死んでいく人しか住んでいない。 ここは表に出てはいけない町なのだ。 なぜかというと、ここ出身の男が都会で連続殺人を行ったからだ。 TBS系日曜劇場砂の器と同じような状態だ。 もともとここに住む人間は表には出たがらない人間ばかりで全員畑を持っている。 ここには老人も中年も若者も子供も居る。 みんな優しい人間ばかりだ。 欲は無く、今さえあればいいといった感じだ。 しかし、この村が引き裂かれる。
翌年、相次いで地震が起きた。 なぜかというとこの地震発生の3ヵ月後に山脈の中の2つの山が噴火したからだ。 非常に強い噴火で村には地割れが生じ火山灰が流れ込み、溶岩も流れ込んだ。 村の人はどうしたかというと、自力で下山した。 しかし、東西南北みんなバラバラの方向に行き同じ方向に行った人同士も途中ではぐれたりして、みなバラバラになったのだ。 今まで他の町に出たことも無い住民が都会に出てどうなったのだろうか。 1人はエンドールに行き1人はオラクルベリーに行き1人はグランエスタードに行き1人はラダトームに行き、中には避難途中に死んだものもいた。
それから150年後、その村の人間の先祖は再び集結しまた村を作ることにした。 しかし、降り積もった火山灰と流れ冷えて固まった溶岩が邪魔してうまくはいかなかったが、3年後村を掘り起こした。 家は倒壊し、池は火山灰の塊になっていて、木は倒れていてここでやっていけるのかと不安を覚えていた。 しかし、2年後、この村に再び活気が戻った。 これからはまた暖かい人だらけの笑顔いっぱいの村になるだろう。 地図には載らない暖かい町はとても素敵な町だ。
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