前回は我が誕生日に開講しました。すでに1か月以上が経ちます。その間、徐々に暖かくなり、桜も咲き(いやすでに葉桜か)、野鳥用の温州みかんも終わりました。ヒヨドリとメジロが来なくなり、ヤマバトとスズメの大群だけです。ときどきハッサクでも枝に刺しておきましょうかね。
そして、新入生、新入社員の4月となりました。勤め先にもピカピカの一年生が入ります。本社研修が終わると、配属先にやってきます。今年は少数精鋭です。それでも若いエネルギーを吸い取って、我が活力にするつもりです。娘も部活への新入生勧誘に躍起です。昨年は「怖い先輩がいるから」との理由で入部者ゼロだったそうです。「今年は優しく優しく勧誘するんだ!」と言っています。上の学年に部員がいず、下の学年にも部員がいず、娘の学年だけで構成されています。今年入れておかないと廃部の危機となります。さあ大変です、なんとかしろよな〜。
3-6 鼻 3-6-2 鼻の皮膚炎
鼻をよく観察してみましょう。脱色、色素過剰、紅斑(赤い斑点)、脱毛などはありませんか、糜爛・潰瘍(皮膚がはがれてジクジク状態)、水疱(水溶物の溜まったブツブツ)、膿疱(膿が溜まったブツブツ)、痂皮(かさぶた)、結節(硬いブツブツ)などはありませんか。それぞれの皮膚病については第3-3-1回〜第3-3-7回で登場させました。ちょっとだけ復習をしていただけると助かります。ここではごく簡単な紹介にします。
鼻の皮膚炎は飼主さんがすぐに気づくことができます。その原因はいろいろです。ケガから細菌が侵入しての皮膚炎、ダニなどによる皮膚炎、膿皮症、カビによる糸状菌症、亜鉛不足による皮膚炎、自己免疫病のエリテマトーデスなどです。
代表的な鼻の皮膚炎として・・
@日光性皮膚炎 病変は鼻に限定しています。強い日射によって起こります。最初は鼻梁部分が白っぽくなります。
A亜鉛関連性皮膚病 元々、亜鉛を吸収する力が弱い犬種がいます。ハスキー、マラミュートもその傾向があります。亜鉛欠乏ではなく、たくさんの亜鉛を要求するからとも考えられています。繊維分の多い食物の摂取、カルシウム過多(サプリメントによる)などでもみられます。病変は、鼻以外に顔、粘膜皮膚の移行部、腋の下、足の裏などにも出てきます。
Bプラスチック(またはゴム)製容器による皮膚炎 プラスチック製、あるいはゴム製容器で食事を与えている場合に起こります。鼻と唇に皮膚炎が見られますが、潰瘍・痂皮などは見られません。
C円板状エリテマトーデス 初発部位は鼻です。日射で悪化します。
D全身性エリテマトーデス その名のとおり全身に皮膚病変が認められることがあります。特に多いのは鼻、顔、粘膜皮膚の移行部です。
E天疱瘡 最初は顔と耳に、そして足の裏に病変が見られます。
重篤な全身性エリテマトーデス、外科措置・放射線治療が必要な腫瘍疾患を除けば、外来での治療になります。飼主さんができることは、日射で悪化する皮膚病(上記の@、C、D、E)では日射を避ける、滲出物や痂皮などは温かいタオルで拭いてあげる(ゴシゴシとこすってはいけません)、プラスチック製やゴム製容器を交換する、アレルギーの原因となるような薬剤は避ける・・などです。
病院での治療法は原因により様々です。例えば、カビ性皮膚炎には抗カビ剤、日光性皮膚炎にはステロイド剤と抗生物質が使われます。エリテマトーデスには免疫抑制療法が行われます。腫瘍では外科的切除、化学療法、放射線療法などが行われます。いずれにしても難治性の皮膚炎は病院での治療が必要です。
2008年04月12日 (土) 10時27分
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