|
小学校教師が目標の娘はピアノも必須だそうです。「試験がある」とのことで自宅練習をしていました。課題曲は「でんでんむし」です。楽器をやらせたことがなく、かつ音楽センスも今一歩ですので心配していました。しかし、にわかピアノ教師と化したカミさんの手ほどきで、またたくまに上手になりました。ただ、何回も練習するので「でんでんむし」が耳から離れなくなりました。ベッドに入っても耳の奥に「で〜んで〜んむ〜しむし、か〜たつむり〜」が響いていました。
ピアノの音に当初は吠えて抵抗を示したきいタンでしたが、こちらも慣れて吠えなくなりました。なお、サブはピアノの音に動じることはなく、逆に興味深そうに近づき、鼻で鍵盤をたたくという妙技を見せてくれました。
と言うことで、今日は「音と恐怖心」に関する話題です。個体によって特定の音に恐怖心を抱くことがあります。
ノルウェーの研究者らが17犬種5,257頭の犬の飼主に対して、@花火、A騒音(ドンという大きな音や銃声)、B雷雨、C激しい交通の4つの音について犬の反応を5段階に評価してもらうインターネット調査を行いました。ちなみに我が家のアンポンタン二匹は以下のような反応です。Aに銃声とありますが、近所で銃声をまだ聞いたことがありません(銃社会とは縁遠い日本ではどこもそうかもしれません)。
【我が家のアンポンタン二匹の評価(二匹とも同程度の反応)】 ■ 花火:1ポイント(怪訝そうな顔をするだけ。ただし遠くの花火ばかりで、近くの花火は運動会開催のお知らせのみ) ■ 騒音:3ポイント(散歩中、突然の大きな音にビックリすることがあります) ■ 雷雨:2ポイント(子犬時代は雷が鳴ると近くに寄って来て怖がっていました。最近は無視して寝ています) ■ 激しい交通:1ポイント(バス・トラックとは並走して喜んでいます、交通量はさほど多くない田舎ですが)
調査結果では、全体の23%の犬がいずれかの音に恐怖を抱いていました。恐怖を抱く順番は、花火、騒音、雷雨、激しい交通の順でした。なお、花火を怖がる犬は騒音や雷雨も怖がる傾向が強いようです。
17犬種の間には音への恐怖行動に有意差がみられました。もっとも怖がる傾向にある犬種の中に柴犬が入っていました。逆にもっとも怖がらない傾向にあった犬種はポインター、ボクサー、グレート・デーンなどでした。音への感受性には遺伝的な要因が関与していることを示しています。
メスはオスよりも30%増しで音に対して恐怖を抱く傾向にあり(独り言:昨今の人間世界では逆の現象も)、不妊去勢手術をしている犬のほうがしていない犬より72%増しで音を怖がる傾向にありました。また、高齢になるほど音に対する恐怖が増大していく傾向もありました。これらは生理学的影響です。
音に対して恐怖心の強い犬は弱い犬と比べると、分離不安行動(3倍)や新しい状況に恐怖(18倍)をあらわす傾向があり、強いストレスを感じた後に落ち着くまでの時間が長い(4倍)傾向もみられました。
マラミュートとコーギーの凸凹コンビと暮らすことが常の我が家では、極端な恐怖行動を経験したことはありません。大きめの地震にも奴らは「ん?」という顔をするだけです。調査結果では四匹に一匹の頻度で恐怖心を抱く犬もいるようです。恐怖からフリーにしてあげるのも優しい飼主の務めです。愛犬達の恐怖が和らぐようにしてあげたいものです。
2015年10月23日 (金) 09時33分
|
|